災害関連

2024年1月 6日 (土)

あの日あの時、そしてこれから

1月5日、中央地区コミュニティ振興協議会の役員会があり、令和6年能登半島地震が発生した当日(1月1日)の状況をお聞きしました。

避難せずに自宅待機していた方もいれば、「柏崎市防災ガイドブック(自然災害編)」で示された避難場所・避難所に一時的に避難された方もいらっしゃいました。

(柏崎小学校、第二中学校、県営住宅5階、妙行寺、石井神社など)

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ガイドブックには掲載されていないものの、近所の広場や高台にいったん町内会や班の方々と集まった、というケースもありました。

(家庭裁判所の駐車場、ドナルドキーンセンター付近の坂道、栄町公会堂など)

それぞれの地域で日頃の防災訓練や申し合わせ等、「顔が見える関係性」が生きたのだと思います。

避難していない高齢の方々等のご自宅をまわり、安否確認をされたという町内会長さんや民生委員さんもいらっしゃいました。本当に頭が下がります。

また、「車で遠方に移動し、車中避難していた」という方も少なくなく、中には長岡市に避難しようとして渋滞に巻き込まれた・・といった方もいらっしゃいました。

実際の危険性よりも「ここにいては危ない」という心理によって、遠方に避難されたのかもしれません。ですが、車での移動は道路損壊や土砂崩れなどのリスクもあります。二次被害がなくて何よりでした。

これまで、災害時には「正常性バイアス(自分だけは大丈夫だと思い込む心理)」が働き、避難行動を取らないケースが問題視されてきましたが、今回の地震では、防災行政無線やテレビで緊迫感を持って避難を呼びかけ、多くの方々がそのように行動されたと思います。

ただ、避難する必要がない人達が車で移動することにより渋滞を引き起こし、本来すぐに避難しなければならない人達が危険なエリアから逃げ出せなくなる、ということもあり得ます。

常に危険性は認識しつつも、自分の行動が適切か、また他の人にどのような影響を及ぼすか、と考えることも大切だと思います。

ちなみに、優先開設避難所として指定され、津波の時も含めて避難場所になっている中央地区コミュニティセンターには、誰も避難しませんでした。

これは津波警報が発令され、防災行政無線やテレビで「海岸沿いの方は今すぐ避難してください!」とアナウンスされたことで、「海の近くにあるコミセンは危険」という心理が働いたのではないかと推察します。

実際には今回、柏崎市に出されたのは津波警報(予想される津波の最大波の高さが高いところで1mを超え、3m以下の場合)であり、中央地区コミュニティセンターの標高は6.40m・・避難場所・避難所としての機能は十分果たせたと思います。

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災害時に冷静になるのは難しいのが現実です。

だからこそ、早めに「あの日あの時」のことを振り返り、「これから」につなげていくことが大切であり、それができる環境にあることに感謝しています。

今も捜索活動が続く被災地の方々を思うと、本当に心が痛みますが、少しでも早く安全が確保され、今後の生活再建が果たせるよう願っております。

 

2024年1月 3日 (水)

令和6年能登半島地震による柏崎市の状況および対応(1月2日15時時点)

この度の「令和6年能登半島地震」及び日航機と海保機の衝突炎上事故により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

いまだ余震が続く中で、被災された皆様の心身へのダメージや今後の生活への不安は察するに余り有ります。心よりお見舞い申し上げます。

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1月2日(火)15時から柏崎市議会正副議長および3常任委員会正副委員長に対し、市長、副市長、危機管理監から被害状況等のご報告をいただきました。(報告対象は市長の指名によるものだそうです)

以下はその内容です。

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1 地震の概況

発生時日:令和6年1月1日(月)16時10分頃
震源地:石川県能登地方
震源の深さ:16㎞
地震の規模:マグニチュード7.6(暫定値)

市内震度:
・震度5強 市役所(日石町)、西山町事務所(西山町池浦)、
(*刈羽村も震度5強)
・震度4 高柳町事務所(高柳町岡野町)

津波:
・1月1日(月)16:12 津波警報発表→16:36鯨波0.4m
・1月2日(火) 1:15 津波注意報に切替
・1月2日(火)10:00 津波注意報解除

2 避難に関する状況

(1)避難情報の発令状況
・市内沿岸部9地区に対し避難指示を1/1(月)16:12に発令

(2)避難所の開設状況
・開設避難所:最大63か所
→1月2日(火)8:00時点で31か所

・避難者数:最大1,794人(*刈羽村への避難者含む)
→1月2日(火)8:00時点で24人(*刈羽村に4人)
1月2日(火)正午をもって全ての避難所を閉鎖

3 人的・住家被害

(1)人的被害:2件

・小学4年生女児(トースターが頭上に落下してコブ)
・80代男性(手すりや本棚にぶつかり左まぶた、左肩に裂傷)
*救急搬送されたケースの中で把握し、いずれも軽症

(2)住家被害:1月2日(火)朝から税務課が3班体制で確認

*長崎地内で自宅が傾くケースがあったが、安全性が確認された為、避難していた住人は自宅に戻った。

4 道路被害

(1)国道

・国道8号比角跨線橋でクラック発生、日吉交差点から天神町交差点(コモタウン前)まで通行止め
1月2日(火)1:36通行止め解除

(2)県道 確認中

(3)市道 通行止め

・佐藤ヶ池新田(9-189号線)亀裂、段差
・新赤坂~鯨波(6-125号線)損傷
・西山町藤掛(赤坂線)損傷
・その他の箇所においても、舗装めくれや段差、照明被害あり(30件)

5 原子力発電所の状況

・16:06 サービスホール及び固体廃棄物貯蔵庫の火災報知器発報
→17:36 いずれも誤報であることを確認
・2,3,4,6,7号機において燃料プールからの溢水(4~10ℓ程度)を確認
(放射性物質漏れ等の異常はなし)
停電なし
・機器点検は1/2(火)12:15に完了。異常なし。

6 市の対応状況

1月1日(月)
16:10 柏崎市災害対策本部、原子力災害対策本部 設置
連動して柏崎市議会災害対策支援本部 設置

災害対策本部会議
17:15 第1回 
18:15 第2回 
20:45 第3回
22:00 第4回

1月2日(火)
9:00  第5回
11:30  第6回
16:00  第7回→県に連動し警戒本部に切り替える予定

〇防災行政無線放送件数 20件(1月2日11:30時点)

7 その他の状況

(1)ライフライン

◆水道
上水道 漏水箇所
①刈羽村刈羽排水池付近(復旧)
②大沢低区配水池付近(復旧)
③駅前ホテルサンシャイン付近(対応完了)
④佐藤ヶ池195-1付近(工事中)
⑤荒浜配水池付近(復旧)
⑥西山町鎌田・北陸ガスホルダー付近(1/1~1/2復旧工事予定)
⑦朝日ヶ丘14-1(1/2復旧工事予定)
⑧刈羽村国道116号付近陥没・水道管との因果関係不明(1/2対応予定)

*市内全域で濁水が発生中

◆電気
・1/1(月)16:11停電発生→同23:34に全て復旧(*最大約1,000戸)
*東北電力ネットワークは規則上、津波警報発令地域には入れないため、復旧作業に時間がかかった。

(2)公共交通機関

◆JR

信越線:運転見合わせ
<立往生発生(その後解消)>
・柏崎行・長島~広田間で停車
・長岡行・越後広田駅で停車

越後線:運転見合わせ
<立往生発生(その後解消)>
・柏崎行・小島谷駅で停車
・新潟行・妙法寺-小島谷間で停車

★乗客はそれぞれJR東日本により搬送

◆バス

高速バス:迂回運行および一部運休(京都・大阪行)

*東京行はコロナ禍以降、運休中

◆高速道路
北陸自動車道:柏崎IC-西山ICで通行止め

1/2(火)14時過ぎに解除

◆新幹線
上越新幹線、北陸新幹線ともに1/2午前中まで運転見合わせ

1/2(火)14時過ぎに運転再開

(3)道路

被災による通行止め3路線3か所+踏切1か所
◆市道
・佐藤ヶ池新田(9-189号線)亀裂、段差
・新赤坂~鯨波(6-125号線)損傷
・西山町藤掛(赤坂線)損傷

◆踏切
・田中踏切(宝町)架線が垂れ下がる(通行不可)

(4)公共施設被害

①佐藤ヶ池野球場
・ポンプ室の水漏れ
消火ポンプからの水漏れがあり、業者に連絡。業者により水漏れは止まった。
・野球場 屋内練習場(1塁側)
土の陥没と隆起による被害。

②総合体育館
・メインアリーナ
走路の壁にヒビ、壁材の落下。走路の天井換気扇の排気口周辺の天井材にヒビ確認。Cコート上部の壁にも被害あり。

③市民プラザ
・地盤沈下箇所複数あり
・2階ガラス割れ箇所あり

④駅前公園
・歩道に亀裂

⑤夢の森公園
・漏水により公園施設エコハウス及び公園駐車場屋外トイレ封鎖措置
(水道管の破損、排水管等損傷の可能性があるため)
・建物周辺 敷地沈下段差あり

<補足説明>

・発災以降、職員の50%が登庁し24時間体制で勤務しているが、状況に鑑み、1/1(月)22時以降に半数を帰宅させた。1/2(火)16時以降は更に半数を帰宅させる予定。

・柏崎市では震度5強で職員が登庁し、原子力災害警戒本部も同時に立ち上げるが、発電所に異常がなく被害が拡大しないことを確認した場合は解散することになっている。

・新潟県での対応に合わせて市でも原子力災害警戒本部は1/2(火)16時の会議をもって解散し、災害対策本部は警戒本部に移行。

・1/1(月)22時の時点で避難者は大洲小72名、市民プラザ51名、総合体育館44名、西中通コミセン39名 

・総合体育館で乳児用のミルク不足との避難者に対応したが、その他に避難者からは要望なし。

<質疑・意見より>

・人的被害は救急搬送により消防本部が確認した数字のみ把握、各個人のケガ等は含まない。

・駅前の歩道損壊は順次対応、ホテルのガラス破損等の被害は所有者が対応する。

・庁舎は外構部に隙間ができた。

・災害救助法が柏崎市にも適用され、避難所開設に伴う費用が対象となる。

避難所では非常食として備蓄しているクラッカーと水を提供した。おにぎり等を要望された避難所もあったが、公平性の観点から公設避難所においては一律対応とした。

・避難所での段ボールベッド使用はなく、毛布等を提供した。

・ペット同行避難所の告知はしていなかったが、市民プラザでは1件ペットを同伴するケースがあった。現場スタッフの判断により飼い主が責任を持つ条件で1階学習室を開放した。

・学校施設の被害も報告されている。始業に向けた安全確保、補修など適切な対応を願いたい。

・山間部では積雪のため現時点で田畑の被害が確認できない。雪解けの頃に被害が明らかになった場合は適切な支援を願いたい。

・石川県など被災地への派遣は現時点では行っていない。今後、家屋調査員や保健師の派遣はあるかもしれない。

・1/1夜には給水車を停電が続く松波地域に手配した。電源車も手配し、松風の里、松波の里、西中通コミセンに派遣したが、停電が復旧したので使用はしなかった。

・各地域の消防団が安否確認等に尽力している。

・避難所担当職員の親切な対応に避難した市民から感謝の声があった。

★市長より

・災害復旧に関する予算措置は専決処分で行いたい。

・災害によって避難場所、避難所が異なる。市民の皆さんには「防災ガイドブック(自然災害編)」を再度ご確認いただきたい。

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報告を通して、柏崎市当局の皆さんが迅速かつ適切に対応されていることを確認しました。ありがとうございます。

その後、柏崎市災害対策本部が警戒本部に変わったのを受け、柏崎市議会災害対策支援本部も解散されましたが、余震は続いています。

「災害は常に継続している」との意識を持ちながら、できることをしていきたいと思います。

2023年7月16日 (日)

災害から守ろう 命と健康

7月16日、二田地区コミュニティ振興協議会の防災研修に防災士として参加しました。

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前半は特定非営利活動法人 地域活動サポートセンター柏崎の防災士・渡邉浩二さんから、「災害発生時の対応」として、原子力災害時の避難について伺いました。

渡邉さんはご自身が福島第1原子力発電所事故による避難者であり、災害発生時から柏崎に避難されるまでの間、どのような場面に遭遇したのか、またどうやって直面する問題に対応したのか等、お話しいただきました。非常に胸に迫る内容でした。

私からは「災害から守ろう 命と健康」と題して、災害関連死の問題や、災害時のTKB(トイレ・食事・就寝環境)等についてお話しさせていただきました。

災害発生時には無事であっても、その後の被災者としての生活の中で健康を害し、命を落とすケースが少なくありません。

(2016年の熊本地震で亡くなられたうち約8割が災害関連死によるものでした)

また、災害時は、危機的な状況に直面しながらも「まだ大丈夫」と思い込む心理=正常性バイアスが働き、身を守る行動を取るのが遅れることも多々あります。

災害は日常と隣合わせであり、物心両面から常に備えておくことが必要だと、自分自身も再確認する機会となりました。

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柏崎市防災・原子力課からは、原子力災害時の具体的な避難行動について説明がありました。

中越沖地震から16周年、防災・減災に対する考え方は日々変化しています。

災害が発生しても誰もが生き延び、再起できる社会を目指して、精進したいと思います。

 

 

2023年1月24日 (火)

【情報提供】農地・農業用施設に係る倒木処理について

柏崎市農林水産課から情報提供を受けました。(すでに農家組合長には連絡済)

倒木によって農道が通れない、農業用・用排水路の水が流れない等、倒木を撤去しないと令和5年度の稲作・耕作に支障をきたすため、倒木撤去を土木業者に依頼する場合は、市の補助対象になる場合がありますので、実施前に農林水産課まで、御相談ください。」とのことです。

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(写真は新潟県HPより引用)

農地・農業用施設に係る倒木処理について(御案内)

日頃より当市の農業行政について、格別の御協力をいただき感謝申し上げます。
さて、昨年末に災害救助法が適用されました令和4(2022)年12月19日からの大雪により、農地(田または畑)や農業用施設(農道や農業用・用排水路)への倒木が多数報告されています。
倒木によって農道が通れない、農業用・用排水路の水が流れない等、倒木を撤去しないと令和5年度の稲作・耕作に支障をきたすため、貴組合(または町内会)で倒木撤去を土木業者に依頼する場合は、市の補助対象になる場合がありますので、実施前に農林水産課まで、御相談ください。

・倒木につきましては、木の所有者が撤去することが原則です。

・所有者個人や地元で処理した場合は、補助の対象外です。

地元で撤去が困難で、重機を使わないと撤去できそうにないものが補助の対象となります。

・実際には、雪が融けないと被害の全容が確認できないと思いますので、 雪が融けましたら(概ね3月下旬から4月にかけて)、現地の状況を確認頂き、支障があった場合は、早めに御相談ください。

・御相談いただく場合は、可能であれば倒木位置図や倒木状況写真等をお持ち下さい。

・この案内は、令和4年度の農家組合長名簿に記載のある代表者の方に送付しております。

・代表者に変更があった場合は、お手数でも交代された方にお渡し下さい。

担当:産業振興部農林水産課農地建設係
電話:0257-21-2307(直通)

また、もう一点は

大雪によってパイプハウスや農業機械等に被害が生じた皆様へ(調査報告のお願い)

柏崎市産業振興部農政課長

新潟県と柏崎市とでは、今般の大雪が原因で、

・ パイプハウスが倒壊した

・ パイプハウスに歪みが生じた

・ 農作業場が損壊した

・ 畜舎に被害が生じた

・ 園芸出荷用の柿の木が折れた

などの農業者の資産にかかる被害調査を継続しております。
つきましては、貴農家組合下の農業者に該当がある場合には、当該被害者から直接柏崎市役所農政課に御連絡くださるようお願いいたします。

◎ 柏崎市産業振興部農政課
電話 0257-21-2295(直通)

なお、本調査は今般の大雪による農林水産業被害を把握するためのものです。
この調査によって、何らかの支援や補助を、現段階で行うものではありません。予め御了承ください。

 

2023年1月19日 (木)

防災士チーム柏崎勉強会「雪害から命を守るために」

1月17日、防災士チーム柏崎の勉強会に出席しました。

もと消防長で現在はチーム柏崎副会長の近藤尚文様から以下のご講演をいただきました。

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「雪害から命を守るために」

1 雪害とは
(1)多量な雪によって生ずる災害
①交通障害とそれによる経済活動の阻害
②生鮮食料品などの生活物資の流通が阻まれることによる生活上の支障など
③雪下ろしによる労働過重や出費、転落死
④家屋や公共建物の倒壊(損害)

雪の荷重
・新雪 0.03~0.15g/㎤
・こしまり雪 0.15~0.25g/㎤
・しまり雪 0.2~0.5 g/㎤
・こしもざらめ雪 0.2~0.4g/㎤
・しもざらめ雪 0.25~0.4 g/㎤
・ざらめ雪 0.3~0.5g/㎤

柏崎市内の積雪
・12/18 積雪ほとんどなし
  ↓
 12/19~22にかけて一機に降ったため、除雪が間に合わなかった
 同じ柏崎市内でも地域によって降り方が違った

 

2 被害状況(主に柏崎地域)
①積雪害
道路・線路が埋もれる(路面の凍結→スリップ事故)
道路・鉄道線路などの交通機関の混乱
ア 関越自動車道閉鎖、北陸自動車道閉鎖
イ 信越本線、越後線運休

②雪圧害:屋根や木に積もった重みで損壊・倒木
 ア 家屋、カーポートの倒壊・破損
 イ 倒木による道路封鎖
★救急車が通れずスノーボートで搬送する事例もあった

③着雪害
 送電線に雪が付着し、送電線の切断や鉄塔倒壊による大規模停電

④雪崩
 表層雪崩:速度100~200㎞/h 厳冬期1~2月に多く発生
 全層雪崩:速度40~50㎞/h 雪解け期3~5月に多く発生
★人の歩く速度は5㎞/h程度

新潟県は災害救助法を適用

災害救助法(国の責任で救助を行うことを趣旨とした法律)
 災害救助法は1946年に起きた南海地震をきっかけに、翌1947年に施行。
 国の責任において被災した国民を救助する趣旨でできている。
 食事の提供、避難所や仮設住宅の提供は災害救助法に基づいて行われる。

★決定するのは都道府県・市町村単位
 災害救助法の適用を決定するのは都道府県。ただし、管轄内の市町村から被害情報の報告があり、災害救助法の適用申請が行われて初めて適用となる。
【ポイント】
 適用までの流れが以下のようになる
・市町村単位で被害状況を取りまとめる
・都道府県に被害状況を報告する
・災害救助法の適用申請を市町村が行う
・都道府県が災害救助法の適用を決定
・内閣府に情報提供を行う

★災害救助法が適用されない場合
 災害救援などにかかった費用は全て市町村が賄う。
 甚大な災害の場合、避難所運営だけで相当な予算が必要となるので、市町村の財政を圧迫しかねない。
【ポイント】
・災害救助法が適用されないと市町村が困る
・全ての支出を市町村が賄うことになる
・予算が不足するので全ての住民を助けることができなくなる
・財政を圧迫して正常な住民サービスができなくなる

★災害救助法が適用された場合
 被災した市町村に対して、都道府県や国庫から支援金が出る。
【ポイント】
・避難所の設置にかかる費用 1人=330円以内 7日間以内
・炊き出しスタッフの雇い上げ
・被災者用の弁当の購入
・エアコン、扇風機などのレンタル費用
・応急仮設住宅の供与など

★日常生活が困難な場合は日常必需品も支給される
 住宅が全半壊、全半焼、流出、床上浸水によって生活に必要なモノが無くなり、日常生活に支障をきたす場合は次のモノを給与または貸与。
・洋服、作業着、下着、毛布、布団、タオル等
・石けん、歯みがき、トイレットペーパーなど
・炊飯器、鍋、包丁、ガスコンロ、茶碗、皿等
・マッチ、ライター等
かかる費用は1人世帯で最高は夏:18,800円。冬:31,200円。4人世帯だと夏:42,800円、冬:65,700円を限度に支給される。
その他、障害物等の除去費、埋葬費、学用品の給与もある。

12月21日 今冬の雪害状況(新潟県発表)
・死者数累計3人、重傷者累計12人、軽傷者累計12人 合計27人
(新潟市3人、長岡市17人、三条市1人、柏崎市3人、小千谷市1人、五泉市1人、阿賀町1人)
・住宅被害1件(阿賀町)
・死亡したのは柏崎市の20代女性。12/20、自宅前の雪で埋まった車内で意識がなくなっているところを発見された。車内で暖をとっているうちにマフラーが雪で埋もれ、車内に排気ガスが充満し、一酸化炭素CO中毒だと推測される。
・除雪中に亡くなった事例もある。
・亡くなった方、怪我をされた方の半分以上が65歳以上の高齢者

★停電
 東北電力ネットワーク(株)新潟支社によると、18日から新潟県内にて延べ6万400戸の停電が発生し、21日10時現在では約1万700戸が停電している。
*21日10時現在の停電地域:佐渡市、新発田市、村上市、関川村、阿賀野市、胎内市、新潟市秋葉区、五泉市、阿賀町、見附市、長岡市、小千谷市、魚沼市、刈羽村、柏崎市、上越市

復旧作業が可能な地域については、懸命に復旧作業を進めている一方で、積雪や倒木の影響により、停電が新たに発生する地域もある。

停電により小型発電機を使用する場合は、運転中の廃棄の中に一酸化炭素が多く含まれ、大変危険なため、屋内で使用しないよう呼び掛けている。

3 対策
大雪で心配なこと
・停電や電話の不通が発生
・積雪により、建物から出られない
・車が使用できない(食料、燃料等の買い出しができない)
・人工透析・投薬など生命にかかわる通院ができない
・コンビニエンスストアなどでは品物の搬入に時間がかかる
・降雪・積雪時に車で出かけた場合、タイヤが雪に埋まり立往生する
・家屋等(カーポート、ビニールハウス)が倒壊・損壊する

(1)車の運転
①携行品
・チェーン、スコップ、搬出用マット、笛など
・防寒具(手袋・帽子含む)、長靴、水、非常食、携帯トイレ、毛布、ホッカイロ
②注意点
・ホワイトアウトで停止する際は、ハザードランプを点灯させる
・雪で車が覆われたら、エンジン停止またはマフラー周囲を除雪(CO中毒防止)
・ドアが開くか確認
・急発進・急ブレーキはしない
・予備燃料の傾向

一酸化炭素COは無色無臭の毒性ガス
・0.02% 2~3時間で前頭で軽度の頭痛
・0.04% 1~2時間で頭痛、悪心、2.5~3時間で失神
・0.06% 45分で頭痛、めまい、悪心、嘔吐、けいれん、2時間で失神
・0.16% 30分で頭痛、めまい、嘔吐、けいれん、2時間で死亡
・0.32% 5~10分で頭痛、めまい、30分で死亡
・0.54% 1~2分で頭痛、めまい、10~15分で死亡
・1.28% 1~3分で死亡

スタックの理由:なぜくぼみができるか
・車の重み、タイヤの温度、タイヤの空転:3回転で7㎝深さになる
〇停車の状態
 車の重み+タイヤ温度が路面より高い
 20分で4センチ、70分で8センチのくぼみ
〇タイヤ空転の状態
 3回まわると7㎝のくぼみ
★タイヤ周りに空間をつくって掘り起こす

〇エコノミークラス症候群(脳血栓塞栓症)を防ぐために
 狭い座席で長時間(4時間以上で2倍)同じ姿勢のままでいると血流が悪くなり、血のかたまりができてエコノミークラス症候群の危険性が高まる。以下の点を心掛け、定期的に体を動かす。
・足の指を開いたり閉じたりする
・足首をまわす
・つま先を引き上げ足首の曲げ伸ばしをする
・ふくらはぎや足首をマッサージする
・背伸びや上半身をひねる
・水分を補給する

(2)歩く時の注意
 ①歩幅を狭くして歩く
 ②足の裏全体をつけることを意識して歩く
 ③転んでもすぐに手をつけるよう両手を空けておく(リュック等)
 ④屋根からの落雪を避けるために、屋根下付近を通らない

(3)除雪中の事故を防ぐ
 ①屋根からの転落→命綱、ヘルメットの着用
*新築・改築時には自然落下式(出入口に落下しない構造)、融雪屋根
 ②軒下の除雪中に落雪が直撃
 →1人で除雪作業をしない、暖かい日は屋根の雪が緩むので注意
 ③融雪層、河川への落下→危険個所に目印
 ④除雪機使用時の巻き込まれ事故
 →雪詰まりを除く等の時はエンジン停止(安全装置が働くようにする)
 ⑤急病(心筋梗塞)の発症→無理をしない、1人で作業しない
 ⑥携帯電話を持つ
 ⑦除雪は屋根を優先し、落下によるけがを防ぐ
 ⑧雪に埋もれたら、呼吸ができるよう口の前に空間を確保

雪下ろし10か条
 ①作業は2人以上
 ②建物の周りに雪を残して雪下ろし
 ③晴れの日は要注意(屋根の雪が緩んでいる)
 ④梯子の固定を忘れない
 ⑤低い屋根でも油断禁物
 ⑥除雪機はエンジンを切ってから雪詰まりを取り除く
 ⑦作業開始直後と疲れた頃は特に慎重に!
 ⑧命綱とヘルメット
 ⑨命綱、除雪機などの用具はこまめに手入れ・点検を!
 ⑩作業の時は携帯電話を持って行く!

停電への備え忘れず(最低3日分)
〇懐中電灯、ランタン、ヘッドライト、ローソク、マッチ、石油ストーブ、灯油、カイロ、木炭、練炭、練炭コンロ、発電機、カセットコンロ、カセットボンベ
〇ラジオ、携帯電話、携帯電話用充電器(乾電池型、飲料水など)
〇食料品、飲料水など

4 まとめ
①大雪時には、不要不急の外出をしない
②気象情報、道路情報(渋滞情報)などの情報収集をする
③自宅、車、出先でそれぞれ過ごせる備えを徹底(最低3日分)
 水、食料、暖房機器(石油ストーブなど)、燃料(ガソリン、灯油)、使い捨てカイロ、予備電池、懐中電灯、ラジオ、処方薬(冬季は少し長期間分をもらうようにする)
④家屋等(カーポート、ビニールハウス)の耐雪化
⑤家族、関係者への連絡手段の確保
⑥スコップ、スノーダンプ、除雪機など除雪用具の備えと点検
⑦ふだんよえい時間に余裕をもって行動する

意見交換
・道路沿いや電柱電線沿いの樹木管理(所有者がいる場合は責任を持って管理する)すべき
・カーブなどシャーベット状になる箇所には融雪剤を設置してはどうか
・雪道の運転技術の周知が必要
・渋滞時には沿線住民の協力(トイレ、仮眠場所貸出、軽食の配布など)が見られた
・運送会社によっては大型車は除雪車を通すために脇に寄せるようルール化しているところもある
・除雪車があってもオペレーターが到着できず除雪に取り掛かるのが遅れた→早目出勤が必要ではないか
・長距離ドライバーには中間情報が入りにくい。通行止めなどの情報は適宜発信してほしい
・テントや携帯トイレなども車中に積んでおくとよい
・市や県、国に要請する前に、まずは地域単位での自助・共助が必要ではないか

ーーーーーーー

先般の大雪被害を教訓として、今後もし同様またはそれ以上の大雪に見舞われた場合に備えて、何をすべきか、細かくご教示いただきました。

柏崎市および地域の防災力を高めるために、学んだことやご意見を活かして活動していきたいと思います。

ありがとうございました。

2022年12月22日 (木)

全員協議会 豪雪災害に伴う説明・報告

12月22日(木)は2日間延期された12月定例会議の最終日であり、終了後に全員協議会が開催されました。以下はその内容メモです。

市長より

尊い命を失われた方々にお悔みを申し上げる。
災害事案は大きく分けて2つある。

1,道路・交通障害 

・12/18(日)16:15 北陸自動車道が通行止め
・国道8号線に大量の車が押し寄せ、降雪もあり、スタック・事故・渋滞
・12/19 通行困難車 多数発生
・12/21 米山台1丁目→長岡方向に連なる車両の停滞 解消まで30時間
・高速道路の閉鎖、基幹路線が大渋滞 県道・市道も交通渋滞、機能低下

市内道路状況について(柏崎市都市整備部)pdf

  
2、大規模停電

・12/19 3:30以降発生
・最大6100戸 いまだ北条地区1000戸が停電継続中
・東北電力ネットワークが応援部隊と共に懸命に作業するが完全に解決していない
・全体像の把握がそれぞれできていない
・倒木が多く復旧が遅れている
・倒木等により停電復旧ができず、住民の安全確保のため自衛隊を要請した

危機管理監より

◆災害救助法の指定
・大渋滞により車中に閉じ込められた方々の救出・安全確保が目的。
・12/21に渋滞解消したことから、同日24時に適用終了

◆市が行った支援

12/19(月)16:45~23:50 
・飲料水、ビスケット、携帯トイレを配布
・国道8号線 穂波町セブン~鯨波3丁目まで 
・車両440台 504配布

12/20(火)10:50~17:00
・飲料水、ビスケット、携帯トイレを配布
・国道8号線田塚交差点~116号線西山・荒谷まで
・550台に配布

安全確保と車中の体調不良者への対応のため、同日とも消防車両が先導。
1件救急搬送あり。

◆国の支援(国交省北陸整備局)

・12/19~20
・国道8号線824台、116号線300台に物資支給
・乾パン、飲料水、ガソリン配布を実施

◆停電状況
・12/22(木)15:25‐1200戸が停電
・うち600地区が北条地区
・北条地区以外、人家での停電はほぼ復旧

東北電力ネットワーク 停電情報(随時更新)

◆人的被害(現時点で市が把握)
・亡くなられた方 3名
 12/19‐1名、12/20-2名
・重症・中等症 3名
 12/19‐1名、12/20‐2名

◆建築被害(住家)
・与三、西本町、宮之窪‐各1棟
・全壊‐2,一部損壊‐1

<質疑応答>

★停電復旧の技術者は間に合っているのか。また倒木管理は山林所有者が行うべきではないのか。

市長
東北電力ネットワークは不眠不休で復旧作業にあたり、他県からも応援部隊が来ているが、現場にたどり着けない。
送電網は一括管理しているので、停電故障箇所はわかっており、技術力もあるが、それでも対応しきれない現状がある。
電気の重要性と通電守ることの大変さをあらためて実感する事態である。
倒木は鯨波‐宮川線の新道‐川内間だけでも百数十本になる。山林所有者が管理できれば理想的だが、この状況では難しい。

★北条地区の大規模停電により、多くの住民が入浴できない。個々の衛生管理の面から緊急対応できないものか。
★北条コミセンも停電している。学校等、通電している他施設を避難所として利用できないか。

市長
衛生面がままならずご不便をおかけしていることは遺憾である。
避難所となっている北条コミセンには蓄電池やバッテリーを集め、柏崎信用金庫からも電源車を3台借りて暖房や照明を確保している。
学校等を避難所とすることは諸条件により難しい。

★市道除雪が間に合っていない。町内助け合いによる除排雪補助制度を拡充することはできないか。

市長

建設業組合等、除雪事業者の皆さんが夜を徹して尽力しているが、幹線道路の除雪に難航し、なかなか市道までまわれない。

町内会には除排雪制度の周知をしている。現状での拡充は難しい。関係機関と連携していきたい。

 

★個々の停電箇所を東北電力ネットワークは把握できているのか。

危機管理監
復旧作業中にも次々に停電が発生し、その都度復旧している。
故障箇所は特定できても周辺状況まで把握はできていない。

★住民は停電が把握されているのか不安を感じている。防災行政無線で停電時の連絡先をアナウンスしてはどうか。

市長
停電箇所を把握できれば市の対策本部に教えてほしいが、12/19以降、問い合わせや苦情の電話対応で防災原子力課の職員を増員しなければならない状況。
市役所内でも混乱している状況なので、防災行政無線でのアナウンスは適切ではない。

★市道除雪がままならない。何とかならないのか。

都市整備部長

市道除雪は12/19には1回入ったが、その後は幹線道路の除雪対応に追われている。

12/21以降は1種路線(通勤通学道路および国県道に通じる道路)、2種路線(比較的交通量が多く、第1種に次いで重要な道路)の区間拡幅にあたっている。
12/22からの学校再開にともない、歩道除雪も急いでいる。

3種路線は機械除雪が入れない場所もある。

12/21の防災行政無線で町内除排雪制度の利用を呼び掛けた。まずは排雪をお願いしたい。

市内300町内会長に連絡し、制度の周知をはかった。

 

★市道12/19にいちど除雪が入ったきりでそのままになっている。早目に対応できないのか。

都市整備部長
建設事業組合はじめ、除雪事業者には不眠不休で頑張っていただいている。
除雪に入れない地点は町内会にお願いしたい。

★11/27に開通した8号バイパスはどんな状況か。バイパスができたことによる車の動きは検証されているのか。

都市整備部長
8号バイパスは旧道と同様の降雪状況であり、車が止まってしまうケースも多々ある。
状況は国交省のカメラ画像で見るしかない。
渋滞回避を期待していたが、坂道で大型車スタックにより渋滞を引き起こしている。
今後は国交省が検証し、除雪・誘導を検討すると考えるが、その結果を踏まえて市道との関連性を検討したい。

★国が全体像の把握をできていないことが課題ではないか。

市長

市は独自にドローンで現地確認するなど対応している。国道ライブカメラに映像が映らず渋滞状況が確認できない場面藻る。国にも現状把握のため、様々な手段を講じていただくようお願いした。

 

★北条地区の停電は3日目であり、災害時の72時間の壁を考えても限界に来ている。住民をケアしていただきたい。

市長
避難所として北条コミセンを開けているが、移動できない住民もいる。
民生委員等の協力も得ながら住民のケアに努めたい。

★12/19の早朝以降の休校判断をどう検証するのか。幸い事故はなかったものの、スクールバス乗場に集まる前に休校を知らせることはできなかったのか。

◆豪雪に伴う小中学校の状況 教育委員会

12/19(月)
7:00
スクールバス運行委託事業者より教育委員会担当職員に、 バス運行が不能な学校がある旨の入電。
これを受け、 スクールバス、路線バス 等の 運行状況の情報収集。

8:15
「時刻どおりに運行できていないことから、バスを待っている児童生徒は、自宅に戻るように」防災行政無線を流した。
8:25
同様の防災行政無線を流した。

9:00頃
実際に運行できていない学校名「 新道小学校、 南中学校、北条小学校、米山小学校、第三中学校、田尻小学校、瑞穂中学校」を挙げて、自宅に戻るようお知らせするとともに、保護者と地域の方に協力を依頼した。

道路状況により、 鯨波小学校と米山小学校は午前中に下校。

停電の影響により、北条小学校、北条中学校、鯖石小学校、第五中学校は 午前中に 下校。

16:00頃

12/20(火)を全小・中学校臨時従業とすることを決定。

16:15

教育委員会から全小・中学校に一斉メール送信により決定 事項を連絡学校ごとにPTAメールにより、保護者に連絡。

12/20(火)

小学校20校、中学校11校 全校を臨時休業。

12:00頃

12/21(水)を全小・中学校臨時休業することを決定。

12:04

教育委員会から全小・中学校に一斉メール送信により決定事項を連絡。学校ことにPTAメールにより保護者に連絡。

12/21(水)

小学校20校、中学校11校全校を臨時休業。

15:40頃

全校の始業時間を2時間遅らせて再開、給食実施、及び16時までに帰宅できるよう下校することを決定。

15:58

教育委員会から全小・中学校に一斉メール送信により決定事項を連絡。学校ごとにPTAメールにて保護者に連絡。

12/22(木)

小学校20校、中学校11校全校を2時間遅れで始業。全校で 事故なく登校できたことを確認。

教育長
反省点は多々ある。大雪予報はあったが、12月にここまでの降雪は予想していなかった。

バス運行会社から情報は入ったが伝達がスムーズにいかなかった。休校判断の段階で登校した子もいたので、バス停に取り残される子がいないよう、防災行政無線を入れるしかなかった。あの時点での最善策と考える。

★都市整備部の資料が実態と異なる。

都市整備部長
お詫び申し上げる。

ーーーーーーーーーーー

現場で除雪や停電復旧にあたっている方々はもちろんですが、市当局の皆さんも疲労困憊状態であることが窺えました。

尚、市議会では「豪雪災害対策支援本部」が設置され、各市議に寄せられたご意見はいったん議会として集約した上で、市当局に伝えられます。市の通信確保と混乱抑制のためにもご理解いただければ幸いです。

12月23日夜半から週末にかけて、再び暴風雪となる予報が伝えられます。

くれぐれも気を付けてお過ごしください。

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2022年12月20日 (火)

本会議最終日の延期と災害対策

本日10/20は柏崎市議会の12月定例会議最終日・・のはずでしたが、災害救助法が適用された状況であることから、延期となりました。
10時から市長より、現状の説明がありました。以下はその内容です。

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12/19(月)
・正午に災害対策本部を設置。
・花角知事に自衛隊派遣を依頼し、21:15新潟県から災害救助法に適用されたと連絡あり。
・市役所では豪雪災害本部に切り替えた。

12/20(火)
・0時過ぎ 高田駐屯地よりリエゾン(現地情報連絡員)2名が現場入りして自衛隊派遣を決定。

降雪状況(AM8時)
 総合高校88㎝、鵜川橋付近110㎝、西山町事務所75㎝、高柳町事務所65㎝

交通状況(AM8時)
・国道8号線、116号線、252号線 車両停滞続いている。
・国道8・116号線は北陸整備局、252合繊は新潟県の管轄。
・昨夜から国道8号線の渋滞車両ドライバーに対し、柏崎市職員が乾パン・水・簡易トイレ500セット、北陸整備局職員がカロリーメイト・水を460セット配布。
・新潟県からも食料・水の支援を受け、順次配布している。
・国道8号線の西方向での除雪は進んでいるが、まだ車は動けない。
・米山大橋→上輪方向に進む車はないが、柏崎に向かう車は渋滞している。
・曽地峠付近では柏崎→長岡方面は進んでいるが、長岡→柏崎は渋滞している。
・8号線×116号線 大型車両が雪に埋もれて動けなかったが、現在除雪している。

停電
・最大6100世帯→2900世帯(東北電力ネットワークと応援部隊が対応)
・原因箇所まで渋滞して復旧部隊が行けない。
・今朝3900世帯(北条で1000世帯増えた)
・北条地域・湯本館までが倒木で通行不可・孤立状態
・北条コミセンも停電状態 

小・中学校→臨時休校
保育園・幼稚園・認定こども園→原則として自宅待機だが、日中子どもを見る人がいない場合は対応

医療機関・介護施設
・燃料不足が心配される。たんねの里、新潟病院に対して燃料を手配している。
・水源となる谷根赤岩ダムも停電しているが、非常用電源で3日間は対応。高圧電源車も手配している。

情報が錯綜して国でも混乱している。なかなか全体像がつかめないが、まずは正確な情報把握につとめたい。ありがたいことに自衛隊が情報把握に努めている。

その後、議会運営委員会があり、本会議は12月22日(木)16時~となりました。

ーーーーーー

尚、市からの情報は 柏崎市災害情報 、停電の状況は 東北電力ネットワーク停電情報 にて随時更新しています。

*現時点で最新の防災行政無線の内容は以下のものです。

2022.12.20大雪に関する情報
(令和04年12月20日19時24分放送)

現在の状況
・自衛隊が除雪活動中

交通状況

・国道8号は本日中の通行止め解除を目指し、国、自衛隊が作業中
・8号バイパス茨目鯨波間は通行可能
・国道116号の新潟方面は通行可能、柏崎市街地に向う方面は順次除雪を実施
・国道252号は大字加納、大字安田鳥越地内で市街地方面、高柳方面共に渋滞
・通行止め
  県道鯨波宮川線→新道、鯨波川内間
  県道柏崎小国線→畔屋トンネル
  県道柿崎小国線久米与板間
  県道東長鳥五十土線成沢地内
・高速道路は米山IC、柏崎ICから上越方面への流入は可能

小中学校→明日12/21も臨時休業

市立保育園→できる限り自宅待機

停電3,200戸が継続中
・東北電力ネットワークが応援部隊を含め、復旧に当たっている

ーーーーーー

多くの方々から不眠不休でご尽力いただいていることに感謝しながら、一刻も早い渋滞・停電の解消を願います。

今般の豪雪でご苦労されている皆様、くれぐれもご自愛ください。

2022年7月 3日 (日)

災害時の食と健康

7月3日、二田地区コミュニティセンターの防災訓練でした。

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前半は水消火器を使った消火訓練、中盤では段ボールパーテーション・段ボールベッドの組立、および設営訓練を行いました。

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後半は防災講座で、NPO法人 地域活動サポートセンターさんによる「コロナ禍における避難所対応」の講話でした。

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7月3日はちょうど1年前に熱海市での土石流災害が発生した日にあたります。

まずは日頃から自分の住む場所がハザードマップ上、どのような地域なのか確認し、災害に応じた避難行動を前もって家族で話し合っておくことが大切です。

また、感染拡大防止の観点から避難所運営は以前とは変わっています。

ウィズコロナ時代の避難所運営における7つのポイントについて学びました。

次いで、私からは管理栄養士・防災士の立場で「災害時の食と健康」について講座を持たせていただきました。

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災害時には避難所に行っても、食べ物が手に入るとは限りません。

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また災害後の生活で健康を害するケースも多く、長期的には食事への配慮が必要です。

避難所に持参する食料の選び方、健康維持のための食事のポイント、避難所での食品衛生、在宅避難時のローリングストックなど、できるだけ身近に感じていただけるようにお話ししたつもりです。

参加された皆さん、大変お疲れ様でした。

また、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

災害が日常化している昨今なだけに、私自身も「備えよ常に」を実践していきたいと思います。

2021年4月13日 (火)

積雪時の火災対応

4月13日、「防災士チーム柏崎」の勉強会があり、柏崎市前消防長・近藤尚文様よりご講義いただきました。以下はその内容です。

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積雪時の火災対応

1,消防水利確保の広報について

・降雪時期前の広報かしわざき12月号、消防署HPに必ず掲載
・消火栓、防火水槽の確保に協力要請
・防火線の赤い表示板が目印 
・除雪により埋まらないように(雪寄せ)
・消防署、消防団が除雪

2,令和3(2021)1月の降雪・積雪

・8拠点の降積雪が240㎝超え→対策本部ができる
・1/9~1/11 もっとも大変な時期(特に街中)

3,令和3年1月降雪時の様子

・金属探知機を使って消火栓を確認→掘り起こす

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・雪のときは積載 消火栓、防火水槽を出す
・必ず標識版がある

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・掘り出したあとに凸凹ないよう埋め戻す(やわらかめ)車が埋まらないように
・河川を利用 水を吸い上げて放水

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・街中ではオレンジの枠(マンホール等と間違わないように)
→表面の塗料がはげる場合も

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・高柳 やぐらを組む
・消火栓2口
・地下式消火栓も・・下まで掘り起こす
・横穴を掘り口だけを出す場合も

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・格納箱(ノズル、消火栓が収納)昔のタイプはノズルが真ちゅう→盗難も・・
・施錠管理はすぐ使えないためにねじ式
・地下式はスタンドパイプの立ち上がり管 一切設置せず。

 

・大規模災害 公的消防車だけでは消火できない。
 今後は地域の消火栓方式も・・

・市民雪捨て場の様子 従業員2~3人

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★新花町の消火栓・防火水槽

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*カンガルーの中に消火管が収納 下に防火水槽

・消火栓の表示看板 4.8m先にある

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・東京の表示 消防車がつかないように

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4,消防水利とは(消防水利の基準)

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・2条に定義
 消火栓、施設消火栓、防火水槽、プール、河川、溝等、海、湖、井戸、下水道

・給水能力が定められる
 常時貯水量40㎡以上または取水水量1㎡以上/分、連続40分以上

・管網配管

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・枝状配管

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・水道管本管 150mm以上が認定

・水利配置 
 市街地 商業・工業100m、その他120m
 市街地以外 140m

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・円を描いたときに充足率がどうか 基準に満たないとしても使えないわけではない

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・消火栓 充足率 その場所によって異なる
 消防車が多くの水を出せない

・消防車 火災の近くに配置
・水量が決まっているので同じ管からは出せない

・普段は見やすいが冬場はわからないことがある

・消火栓 明細図を消防車に積載(降雪多く発見できない時に使用)

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・車両の長さと道路幅 一覧表

Dsc_2197 Dsc_2198

5,消防署における消防水利除雪計画

第1次除雪計画→50㎝
第2次 〃  →70cm
第3次 〃 →100cm

*自宅付近の消火栓・防火水槽の除雪をお願いしたい

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・火災件数は減っている
 防火意識の向上、IHの普及も関係
 ガスコンロ時代は衣服の袖に火が燃え移ることも・・

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・今の子ども達は火を知らない
 オール電化 生の火を見ない それはそれで心配・・

・令和2年は消防車、救急車の出動が激減した
・救急の要因 いつもは転倒事故が多い(一般負傷)が暖冬で300件ほど減った
・移動がない(コロナ禍) 
・火災14件

・柏崎市全体の水利 約3400
・大きな防火水槽100トン以上 

★火災発生すると
・指揮隊→現場指揮
・他のハシゴ車、放水車が駆け付ける
・火災の状況に応じて呼ぶ件数が増える

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積雪により被害が拡大する要因

1,積雪時は屋根雪及び建物周囲が雪により埋もれ、火災発生の場合、火煙が建物外に出にくく滞留する等のため、特に留守の場合に発見が遅れる。
2,道路幅の減少、路面凍結等により、消防車到着が遅延する。
3,消火栓・防火水槽が雪に埋もれている、取水口凍結

消防署の冬期間の対応

1,金属探知機、ツルハシの使用
2,凍結対策として、電気ポットやポリ容器にお湯を貯めるなど用意
3,ホースの本数を増加
4,中継体制
5,スノーボード(救急隊は携行)

一般家庭では

1,火気管理に十分留意(コンロ・ストーブ)
2,住宅用火災警報器の維持管理
  5~10年 電池寿命がなくなり探知機も劣化し機能しない場合も→本当に動くのか。
  他の部屋での火災を感知できない場合も・・最近は高額だが無線も
3、消火器の用意
  天井まで炎が上がる直前までなら消せる
4,二方向避難の確保(勝手口、掃き出し窓)
  玄関だけが避難口では逃げられない。
  火災の発生場所を想定し、台所かタバコを吸う場所か・・
  電気火災 トラッキング火災 コンセントのホコリもないように

*高気圧・高断熱化が進み、火災時においては耐火建築物と同様に、室内が濃煙や高温熱気可燃性ガスが充満状態になっており、消火活動の危険性が高くなっている。

*秋田県、東京都、静岡県などで消防士や警察官が消火活動中に殉職。二酸化炭素中毒やフラッシュバックなど

昔の住宅 田の字つくり いったん窓・ふすまを破れば消火できた(思うところにホースライン)

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現在の住宅 壁圧・板圧 ガスが充満
窓が小さいと有効放水できない

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ホグネール(槍上のホース)が開発。

外側から放水できず、中に入っても危険が高い。

★自主防災会向けハリアー(街かど消火)

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リュック式の放水器具  
消防車が来る前に、水道蛇口があれば・・
水道の圧なのでケガの心配少ない。

*家庭用(庭の散水用など)ホースでも、ノズルを金属製の丈夫なものにすれば代用できる。

<補足・質疑など>

●消火器が使われないケースが多い。
実際の火事を目の前にして、判断力を養う。訓練が必要。
消防法の基準通りに設備はあっても使い方がわからないのは×。

●救急出動 1件につき4名の消防署員

●ドクターヘリは最初の命の砦
長岡まで5分 新潟まで20分

一次、二次、三次救命
重症度によって搬送先が変わる。

新潟県は2機 長い地形をカバー
重複することも・・

ヘリの弱いところは悪天候。

★冬季間は救急隊の到着がスムーズにいかない。
 ヒートショックなど急激な寒さなども注意。

繰り返して訓練をする。超高齢化の時代、知識や経験を得ることを続ける。

●柏崎市は病院群輪番制があるため、救急車は必ず受け入れられる。
都会では病院の数は多いがたらいまわしにされるケースもある。

●都心部では住宅が密集しているが大火になりにくい
→近距離に消防署の分署を配置、消防車の所有台数が多い。
*新潟県は大火になりやすい。

Q1、冬期間の除雪は自主的にやるべきか。

A1、行政の命令によって事故が起きると問題に。
   消防団は別。特別公務員として消防署と一緒に出動。

Q2、除雪機のガソリンを簡単に売ってもらえない(免許証の提示が必要、灯油缶NG)。

A2、法的な問題。ガソリンは引火点がマイナス40度。発火しやすい。

Q3、家庭用の消化器は何年かに1回の交換時期だが、見過ごした場合は。

A3、消火器の耐用年数は8年 一般的には粉末タイプと強化液タイプ
   粉には消火剤が含まれ5年経つと消火効力は下がる。
   消火器の保管状況 フタ部分から湿気 実際は10年くらい。

   確認方法 ゆすぶると粉が移動音 音がしないと固まっている。

   消火器には高圧式ともともと圧がかかっているものがある。

   強化液タイプは劣化速度が遅い。ただしホースがひび割れたら交換。

ーーーーーーーーー

降雪時だけでなく消防水利・消火活動全般について理解を深めることができた講義でした。

日頃から、自分が暮らす地域のどこに防火水槽や消火栓があるか確認しておきたいと思います。

2021年1月24日 (日)

令和2年度 第2回防災士フォローアップ研修会

1月24日、「防災士フォローアップ研修会」に参加しました。

柏崎市では防災士養成講座を開催し、防災・減災に関する専門的な知識と技能を有する「防災士」を養成し、地域の防災活動や実践的な防災訓練に積極的に関わり、地域防災力の向上のために中心的な役割を担う人材の育成を進めています。

主催である柏崎市 危機管理部 防災・原子力課長からのご挨拶によれば、全国的に防災士の取得者が激減する中で、柏崎市では今年度42名の防災士(5期生)が誕生し、全体で200名以上に上るそうです。

今回の研修では昨年加入した「女性防災士の会すてっぷ」としてのお手伝いも兼ねて参加しました。以下はその内容です。

ーーーーーー

講演「災害に強いコミュニティの育て方」

講師:上村靖司 氏(長岡技術科学大学機械創造工学専攻 教授)

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災害は
●論理(仕組み-技術・制度)
●摂理(自然現象の理解・観測・分析・予報)を中心に考える傾向にあるが、
心理(人・人々の気持ち・行動)に目を向けないとかみ合わない。

人の心理に注目すると

●平常時-快適ゾーン
●災害時-パニックゾーン
●ストレス時-学習ゾーン=ストレスにより学習する。

防災=ゼロにはできない
減災(被害を減らす)、縮災(早く復旧)との言葉もあるが

いざという時に主体的に考えて行動する力を育むことが必要。

これからは応災=反応・対応・適応

【奇跡と悲劇】

◆釜石の奇跡と悲劇

東日本大震災の時、岩手県釜石市の小中学生が自発的に避難したことが話題になった。(2991人のうち犠牲者5人=生存率99.8%)
その一方で、対岸の防災センターには241人が避難したものの津波に飲まれ、生存者は34名(生存率14%)だった。

釜石の小中学校では片田敏孝教授(当時群馬大学)が防災学習を行い、津波三原則を子ども達に教えていた。

津波三原則とは

◆想定にとらわれるな・・論理には限界がある(ハザードマップなど)
◆最善を尽くせ・・正解はない
◆率先避難者たれ・・誰かが動けば他の人も動く

釜石の子ども達は中学生が小学生に声をかけ避難を開始。その様子を見た大人や高齢者も避難。
避難場所として指示されていた場所に逃げたが、迫りくる津波を見て「ここでは危ない」と判断し、さらなる高台を目指した。
防災センターに逃げた大人達は施設名により「ここなら大丈夫」との正常性バイアスが働いた。

⇒今できる最善の行動をとるしかない

2018年西日本豪雨では避難指示が出ても95%以上の人は避難しなかった。
テレビのアナウンス「今すぐ命を守る行動をとってください」
しかし現実に何をすればよいかわからない。

知識があればよいのか?
訓練すればいいのか?

不確かな情報をもとに何となく判断しているにすぎない。
今、直面している災害は方程式に当てはまるものなのか。

感性は経験により磨かれる。
行動は自信~自己肯定感~成功体験が背景に。

主体性」に踏み込まないと行動につながらない。

防災レシピから防災ワクチンへ
・レシピ:決められた手順
・ワクチン:免疫力を高めて災害と向き合う。

生き抜く力を育むにはワクチンが必要。

 

【自主防災組織と地区防災活動】

◆自主防災組織=日頃の地域コミュニティの延長

●中越地震の事例

震源地となった川口町木澤地区では、地域住民が食料やストーブを持ち寄って炊き出しを行い、暖をとった。
ついには除雪用の重機を使って、住民たち自ら道をつくった。
「できることをできる範囲でやる」「肝心なとき役所はあてにならない」

いかに日頃から行政依存しているか・・昔は自助・共助が当たり前。

●糸魚川大火の事例

ラーメン屋の出火が強風により「飛び火」して遠隔地に火災が広がった。
消防隊員65名のうち50名余がホースを握る(全員体制で消火活動)
→後方支援に人をまわせず、記録もできなかった。

しかし人的被害は最小。
避難誘導は地元の警察・自主防災会が行った。
彼らは日頃から商店街・青年会議所・町内会等の仲間として酒を酌み交わす中。
打ち合わせをしなくても阿吽の呼吸で動けた。

2事例からわかること・・いざという時に発揮されるのは「地域の力」

◆地区防災計画とは

従来、防災計画は国→都道府県→市町村にトップダウン。
しかし地域の実情はそれぞれ違う。
地域住民が話し合い、それぞれの実情にあわせて策定するのが「地区防災計画」:地区から市に上げる。
計画をつくることが目的ではなく、プロセスが重要。

【苦情と協働】

●岩手県滝沢市の事例

人口5万人の豪雪地帯。村時代から住民自治に尽力。
新興団地の開発により人口が急激に増え、行政施策が追い付かなくなった。
移住政策として行政による市道除雪を掲げたが、やればやるほど苦情も増えた。
排雪が間に合わない。予算が倍になる。

苦情が集中するのは「上ノ山団地」
住民要望・苦情データを解析すると
・バス通りが狭く状況がよくないから何とかしてほしい
・自宅前に寄せられる雪を何とかしてほしい

2013年~協働除雪の開始

・上ノ山団地のリーダー・高橋さん(元議員・故人)を中心に地域住民が「まごころ除雪隊」を結成。
・きっかけは「あの除雪車を貸してくれれば俺がやるのに」との地域住民の言葉。
・国の克雪事業を活用(補助金100万円)してパケット付除雪車をリースし、業者除雪が残した雪を片付け

2015年~本格的な住民協働へ

・隊長・局長で出勤を判断
・除雪日・排雪日の当番表作成
・排雪には市から軽トラを借用
・排土板付き除雪車購入

2016年~「上ノ山方式」として認知

・除雪協力費として1世帯1000円徴収を承認。
・業者との協働除雪車を配備。
・市独自に貸出用除雪機を確保。

2017年~財政的に自立

2018年~補助金ゼロ・苦情もゼロに

住民協働除雪を評価~上の山自治会まごころ除雪隊

<ふりかえり>

◆固定観念の払拭
・「除雪は行政の担当」→自分達の地域は自分達で作るべきもの
・業者・行政任せの除雪→住民主体で業者と協働。行政は後方支援。

◆主体性を取り戻した結果・・
・ニーズに寄り添ったきめ細やかな除雪。
・住民満足度の著しい向上。
・除雪が新しい地域共同体づくりの入口に。

リーダー:当事者→主体→率先者(=影響を与える人)
住民:無関心→傍観者→当事者→主体

<主体性が引き出された過程>

◆地域リーダー
・元議員:役所の論理や動かし方は熟知。しかし重機の運転はできない。
・自治会役員:重機の運転はできるが世の中の動かし方は知らない。

◆役員・住民の役割分担
・オペレーターの発掘。運転以外でも交通整理などの役割を担う。
・お母さん達の役割→感謝状の贈呈。お父さん達はますますやる気に。

◆主体性を獲得した結果
・共同作業による連帯感。やればできるという自信。
・定年後の生きがい。感謝の言葉・肯定感。その共有。
・自分達の地域は自分達でできる。→「三人寄れば文殊の知恵

(資料より)

★同市内の「あずみ野団地」でも協働除雪を導入をめざし、行政主導でワーキンググループを開催したが大荒れに。

●住民の認識「除雪とは雪を持っていくこと」
・除雪車が出たら道路に雪を出す。「出せば持っていくだろう」

●除雪車が来ると・・
・住民は外に出て除雪作業を監視「見てないと雪を家の前に置かれる」

●除雪業者は「もうムリ・・」
・雪を寄せることができず、結果、表面を撫でるだけの除雪に。
・この状態なら除雪は止めたい。

●それを見て住民は・・
・除雪の雑さに苦情を言う。
・懇談会で呼びかけるも悪循環

◆あずみ野自治会住民懇談会を開催
・雪を問題視しない班と、話し合いをしている班・していない班が混在。
・苦情と行政が捉えているのは団地全体でなく、「話し合いが不十分な班の一部住民の苦情」だと全体に共有。

第1段階:住民が個別に行政・業者に要望・苦情
・不満への個別対応が持続 
・協働除雪も「業者の代行」と認識

第2段階:除雪懇談会を開催し、地域に説明
・地域の要望・苦情が共有
・まだ行政と業者は一体の認識
・イケイケ自治会長と冷めた住民

第3段階:地域住民・行政・業者の3極構造
・それぞれの立場と役割が明確に
・自治会を5地区に分けリーダー選出。自治会主導の情報共有の仕組み
・協働除雪により除雪への理解深まる

第4段階:3者相互の関係性が双方向に
・除雪懇談会が共通認識づくりの場に

話し合いを重ねることで、地域の主体性が育まれた。

アンケート調査結果
・肯定的な意見が増え、除雪マナーの向上、話し合いに前向きに。

 

【ヤクタタズと限界集落】

豪雪地は高齢化(過疎化)が進行→除雪の担い手不足
担い手探し→除雪ボランティア登録制度(新潟県)
登録者と活動者数に差がある。

そこで・・「越後雪かき道場」を主催。
豪雪地域の除雪ボランティアとして未経験者を育成。
限界集落に入り、地域活性化につながっている。
未経験者にとって雪はレジャー。

越後雪かき道場

ミッション:未経験ボランティアに研修機会を提供(当初)
ビジョン:豪雪時に「修了書」を持った支援者が駆け付ける(当初)
コンセプト:「学び・成長・体験」を提供。「楽しく一緒に」雪かきする。「地元のみんな」を巻き込む。「ブランディング」(かっこよくおしゃれに)

雪かきを楽しく本気で学ぶ。「越後雪かき道場」入門レポ!

★除雪ボランティアと地元住民の交流機会を創出。
★ボランティアに地元のお年寄りが雪かきのテクニックを伝授。
★一人暮らしの高齢者宅の雪下ろし→感謝→やりがいに。
★毎年の交流につながるケースも。

*個人宅のどこに派遣?→本当に困っている人のところへ。

ボランティアの声
・感謝の言葉が嬉しかった
・疲れたけど充実していた
・地元の方々のおもてなしがよい思い出になった
・観光ではなく体験を通して交流できて満足
・またやりたい。充実感!

地元住民の声
・どうなるかと思ったけど、やらせてみれば結構できるなあ。
・手伝ってもらって助かったよ。
・俺たちの雪かき技術は日本一だ。
・正直、面倒くさいと思って受け入れたらすごく良かったよ。
・また来いよ。春は田植え、秋は稲刈りをやらせてやるから。

平成30年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞

◆越後雪かき道場の意義

マイナス(ヤクタタズ)+マイナス(限界集落)=プラス

本当に足りなかったのは、除雪の担い手?
・雪かき道場を開催するとかえって大変。やらない方が楽?
・「ヤクタタズ」と呼んでいる時点で役に立っていた。

 

<これからの防災は何を目指すべきか>

安全安心の欺瞞・・安心しきったら却って危険。不安だからこそ安全に。
快適・便利・・度が過ぎれば不満ばかりに。
合理的・効率的・・人間の心理はいつも不合理・非効率

大雪の時は、地域を育てる絶好のチャンス

<私の願い>
今の地球の困りごとだけでなく、子どもや孫の未来に、誇らしく思えるような地域に育ってほしい。
次々と顕れる地域の課題に対し、皆で丁寧に議論を積み重ね、納得して対応できる地域になってほしい。
何時いつ起きるかわからない、災害などの非常時にも助け合って支え合って乗り越える地域に育ってほしい。

最後に・・

Yahoo!ニュース「福井市内大雪から2週間 SNSで歩道除雪呼び掛け 保護者ら通学路確保」

1/23(土) 12:43配信 福井テレビ

先日の大雪から2週間が経ち、福井市内では23日、SNSの呼びかけで集まったボランティアらたちが歩道の除雪作業に取り組んだ。
同市北部にある通称・サン二の宮通りは車道の除雪はされているが、歩道には多くの雪が残っている。
この通りは付近の小学校や幼稚園に通う児童や園児らの通学路になっているため、地元の保護者らがSNSで歩道の除雪を手伝うボランティアを募った。
この日は、7人のボランティアが集まり、スコップを使って交差点に積み上げられた雪山を崩したり、除雪機で歩道の雪を取り除いたりした。
24日までに通り沿いの歩道約1.5kmの除雪を完了したいとしている。

このニュースが取り上げられてよかった。気が付いた人が声を出し、行動することが大切。

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非常に深い内容の講演であり、災害に強いコミュニティを育てるためには、日頃から顔が見える友好的な関係を築いておくこと、主体者として自ら動く人、率先者となるリーダーがいることが重要だと感じました。

私自身も主体的かつ適時・的確に行動できるよう、スキルを磨く努力をしていきたいと思います。

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