旅行・地域

2019年12月21日 (土)

「人口減少時代における観光の可能性を探る」

12月21日、新潟産業大学付属柏崎研究所主催の第3回柏崎学シンポジウム 「人口減少時代における観光の可能性を探る」に参加しました。

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以下はその内容メモです。

1、基調講演 新潟県知事 花角英世氏

●人口減少

日本は人口減少が進み、1億2700万人をピークに減少傾向。
2052年には1億人を切り、45年後には9000万人台となる。
高齢化率4割を超え、生産年齢人口5割を切る。
人口を維持したいが現実には難しい。
社会を支える層、すなわち生産年齢人口が急速に減少している。

新潟県人口は現在約223万人、2.1万人/年規模で減少し県も危機感を抱いている。

人口減少の中で地域経済を元気に、地域社会を活性化するためには観光交流人口の増大をはかることが必要。

定住人口ひとりあたりの年間消費額は約127万円。

旅行者が何人で定住者ひとり分を消費するか?

外国人旅行者  8人
国内宿泊    23人
日帰り旅行者  73人

いかに観光・交流人口が重要かがわかる数字。

●新潟県の状況

宿泊(延べ) 1000万人/年
全国的にも旅行者多い県に入る。

マーケティング結果によれば県内旅行者が1/3強
県外からも多くの旅行者を集めている。

現在の入込数7500万人 → 8200万人めざして県は観光に力を入れている。

●インバウンド(訪日外国人旅行者)の状況は?

日本全体で急速に伸びている。
7年前1000万人→現在7000万人 

新潟県の宿泊外国人は延べ40万人  
冬のスキー客が多い→妙高、湯沢、南魚沼

●新潟県の戦略

交流人口拡大に向けて何をしているか?
=ディスティネーション・キャンペーン

新潟~庄内へ誘致プロモーション活動
魅力は「食」 上質で豊かな食文化を持つ地域

「うまさぎっしり」として売った頃もある→食に限らずさまざまな魅力、自然、伝統文化、ものづくり 

多すぎると動機にならない→食文化に絞って新潟の魅力を発信

「日本海美食旅(ガストロノミー)」

新潟の食文化を県民はもっと自慢すべき!

新潟県は「食事がおいしい県」4位にランクイン

「新潟=食事がおいしい」との対外的イメージがあることを認識してほしい。

ミシュランガイド新潟県版 来春に赤本(なかなか無い)

新潟にはポテンシャルがある。新潟=食 として売り出すことを理解してほしい。

 

●インバウンドについて

1位 台湾
2位 中国
3位 香港

「雪」に焦点当てイメージ戦略(新潟=雪)で売り出す。
ウィンタースポーツできるリゾートとして海外にPRする。
(北京での冬オリンピックを控えてスノーボーダーが増えている)

●「新潟の魅力を考える懇談会」アンケート結果

・新潟県に愛着感じる→8割
・新潟県は魅力的→6割
・魅力を発信したい→5割 
・魅力を発信(実践)→1割

県民自身が新潟の魅力を知らないことが問題。

「自分は好きだが他県の人から魅力的だとは思われないだろう」との思い込みがあるのでは?

新潟県民は奥ゆかしい。「新潟には何もない」という人が多いのは残念。もっと自信を持ってよい。

●地域別アンケート

住んでいる地域について魅力の認識・発信・実践

魚沼、佐渡→高い  
中越地域→中間  
上越地域→低い

●「小さな観光」に向けたヒント

・只見川「霧幻峡の渡し」

人が住まなくなった消滅集落の四季 ずっと写真に撮り続けて発信 →SNS通して海外から
「何もない」地域→美しい景観、幻想的風景ある旅行地へ。
夏の一時期だけでなく新緑、紅葉シーズンも魅力 春~秋にかけて観光客が訪れる。

・新津「鉄道の町にいつ」 

鉄道、石油のまちとして地域ぐるみで魅力を発信
昭和レトロをコンセプトに 地域全体で人を呼び込もうと努力

●人とふれあうこと→旅行動機に

・十日町市、津南町 大地の芸術祭 →地域のおばさん達の手料理を食べ、会話を楽しむ場所もある

・燕三条 畑の朝カフェ

・村上 町屋の人形様めぐり

・着地型観光=地域資源を生かして人を呼び込むための研修(ワークショップ)→地域の取り組みを促す

●まとめ

新潟県全体が地域経済を維持し、潤すには、人を呼び込むことが必要。
住民が自分の住む地域に関心と誇りを持って、はじめて人を呼び込める。
ぜひとも新潟県、地域の魅力を引き続き考え、外に向かって表現していただきたいと願っている。

―――――――――――――――

2、パネルディスカッション「小さな観光で地域を外に開く」

パネラー
〇栃堀耕一氏(小竹屋旅館代表)
〇西村遼平氏(La Luce L’ombra代表取締役)
〇矢島徹氏(NPO法人 SPIN A TALE代表)
〇橋本和明氏(荻ノ島ふるさと村組合事務局長)
〇細山和美氏(柏崎市産業振興部商工観光課課長代理)

コメンテーター 花角英世県知事

コーディネーター 春日俊雄氏(新潟産業大学付属柏崎研究所長)

(春日氏)
本日の狙いは、大型観光と相対したり、大型観光を否定するものではない。
時代の変化スピード速すぎて変化の度合いが見えない。
価値観や考え方の多様化し、団体行動から個人行動へと変わっている。
スマホ普及により「共感」が大きなキーワードになり、従来の観光のあり方に合わなくなりつつある。
そんな背景の中でパネリストが変化を肌で感じて取り組みはじめている。
その中で新しい「持続型観光」ヒントがあると考える。

自己紹介

(栃堀氏)
来年50歳になる。柏崎に戻って10年、色々やっている。
起点は危機感(地元、自社に対して)
・海の価値の最大化
・ビーチの価値創造

<チャレンジしてきたこと>
シーカヤック・ツーリング→海水浴だけでない新しい価値
バーベキュー →泳がない人が海を楽しむ
デッキのある部屋→高単価サービス提供
海水浴発祥の地→「鯨泉サイダー」開発
ビーチピクニック→9月以降の海を楽しむイベント。浜辺でのフルコース料理が好評。来年度以降の中心になる。

最近では「バリアフリービーチ」
水陸両用の車椅子で乗り入れ。障害あっても海を楽しめる。
鯨波海岸は砂浜がフラットな珍しいビーチ→車椅子の方々へまったく新しい価値を提供。
バリアフリーでシーカヤック。ライフジャケット着て海水浴も。

今後の課題は、お客様にとっての価値、自己実現、世界観が提供するものとマッチしているか。
事業者も幸福感を持ってやれるか。

(西村氏)
事業所名の意味は「光と影」
→自然と人、生産者と消費者など相反するもの、出会うはずのなかった人と人をつなぎたい。
「食」を中央に置き、カフェ、ケータリング、商品開発、観光、地域の魅力発信など広報活動を展開。
飲食の提供には地元農家の食材を使う。魚も含めほぼ100%が地元産。
夢の森公園内でカフェ経営。
ケータリング→個人宅や会社でパーティー料理請け負う。
ディスティネーション・キャンペーンではJRで料理が取り上げられる。
県外から食べにくる人もいて、発信はできていると思う。
チェンジメーカーとして学校で授業→地元中高生と一緒に地域課題、社会課題をどうビジネス化?
地域に目を向けることで危機感、愛着を定住人口増加につなげたい。
主体性の育成→自力、新たな評価軸へ。

(矢島氏)
母が南鯖石・小清水出身。東京からの孫ターン。
移住当時、集落は45世帯→23世帯に減少。
理想は100年後も続く「にこにこ笑顔のおじいちゃん、おばあちゃんが走り回る孫たちを見守る光景」
集落の神社の神主をしている。
5か月の子供をつれていくと場が和やかになる。子供の存在→笑顔あふれる平和な光景につながる。
個人としては、春~秋は稲作農家、秋には酒蔵の杜氏、「まちから」にて地域おこし協力隊サポート活動など。
奥さんが「イーリーカフェ」経営。市外県外からもお客さんが来訪し、地域住民と交流。
美しい景色とは「自然+人の営み」→将来的に残したい。

(橋本氏)
荻ノ島集落で暮らす大阪のベッドタウン生まれ25歳。
京都府立大学4年の時、田舎で地域づくりをしたいと思い、インターンとして荻ノ島入りしたことを機に移住今年で3年目。
荻ノ島でのインターン時、田舎滞在の中で温かさを感じ(作業後に帰ると野菜が置いてある等)ここに住みたいと思うようになった。
荻ノ島集落は25世帯50人。生産業が中心。
十日町の職人にならって屋根保守、ライター活動、地域ものづくり継承活動を行う。
外の人への情報発信により昨年1年間で100人来訪。
イベントの企画開催→7日間の村留学など。
「暮らしを体験したい」という価値観の変化が新たな観光のあり方になる。

(細山氏)
柏崎はぎおん祭り・海の大花火大会をはじめ、米山、日本海、松雲山荘など海と山を楽しめる珍しい地域。
最近は小さな観光で外部誘客をはかっている。

・番神自然水族館 
 磯あそび体験、生き物自然観察 本年7~8月に実施し430名が利用。
 海水浴離れから違うコンテンツで海を楽しんでもらいたい

・米山海水浴場 を「こども海水浴場」として発信
 市内15の海水浴場ひとつひとつの個性をつくりたい

・からむし街道 よっくら・らっくら市
 11月開催。地域古民家巡り、物産販売、ブナ林ウォーキングなど。今年で11回目。

観光に大切なのは「人」だと感じている。

 

1.各自が今の活動を持続するために必要なものは何か。

(西村氏)
柏崎への愛情、地域で暮らす人たちを幸せにしたいとの思いが大切。
地元の生産者から仕入れて使うのも、料理人として地元が喜ぶことをしたいとの思いから。
ひとりひとりができること→スーパーの地場産野菜コーナーで購入し、地元消費を上げる。
隣人や地域への気遣いがもっと当たり前になるとよい。
特定の誰かがすべきことでなく、子供達がそのマインド持って大人になれるようにすること。
本人も周りも楽しく、日々笑顔で過ごすことが大切。

(矢島氏)
もともとは非農家だったが、耕作放棄地を見て新規就農、今年で2年目。
農作業していて集落の景色を見ると気分がよい。
1100年前、長野諏訪大社から来たご先祖様が同じ景色を見て、素晴らしいと感じて移り住んだ。
その感覚は今の自分と一緒ではないか。
妻が経営するカフェでは、近所のお年寄りが寄り集まって昔話をしている。
閉店後、夕暮れの集落を見ると、その美しさに涙する。
先祖の想い受け継ぎ、集落に誇りをもって暮らすことが大切。

ふるさと自慢すぎてもダメだと思う。どうすれば市場で注目され価値を持つのか?
伝統と歴史を手にとってもらえるようにすることが必要。

(橋本氏)
人の循環としたたかさが必要。
荻ノ島は移住により5人増えたが、小さな集落でその分誰かが死んでいる。
荻ノ島を観光・商売にしても新規だといつ途切れるがわからない。
リピーターに仲間として関わってもらうことが必要。
観光客からステップアップして身内になってもらうことが、小さな集落の生き残りには必要。
日本人は商売下手。
先日イタリアへ研修に行ったが、イタリア人は熱意で買わせる。
自分達が生き残るために、稼ぐ仕組みをつくることが大切。

(細山氏)
行政のプロモーションとして「海」をイメージしている。
群馬県旅行業協会との意見交換して、必要な情報が旅行者に伝わっていなかったことがわかった。
駐車場やトイレ位置など、お客目線とこれまで提供してきた情報にギャップがあり、見直しが必要だと感じている。
からむし街道は11回目となるが、成功要因は
・地域の方々の努力
・身の丈にあう取り組み=地域の小さな単位でできることを継続(合わないコンテンツには取り組まない)
・行政あまり関わらない

これからは「人と個性」が大切。

(栃堀氏)
柏崎の観光はもともと大きくない。
小さくなると経済的な縮小が怖がられるが、決してそうではない。
柏崎の固有性をどこに?
大きな観光がファミレスだとしたら、小さな観光はグランメゾン。
楽しませたいお客さんを明確化し、地域の価値を外の人をどうつなげるかということが大切だと思う。

(花角知事)
皆さんは自然体で楽しんでいると感じる。そこが素晴らしい。
取り組む人が楽しんでいないと、そもそも続かない。
自分達の魅力を誇りに思い外に出すことが「小さな観光」の原点。
地域維持のため人を呼び込むという視点が大切。
地域を自慢に思うことは出発点だが、市場価値あるものにしなければならない。
押し売りでなく、価値をどう見出すか。 
自慢すると同時に外からくる人にどう見せるか、考えなければならない。

 

2、肌で感じる「市外県外の人達の価値観」とは

(矢島氏)
今の世の中はモノが豊富。外からのお客は「地域の人達とつながり、暮らしに混ぜてもらうこと」を求めるのではないか。
カフェの隣が田んぼで、昔ながらの手作業で田植えをしている様子が見える。
東京からのお客さんは「人の仕事ぶりを落ち着いた場所で眺めたことはなかった。それだけで癒された。」
何気なく暮らしてきたことがそれだけで癒しになる、ふだんの姿を見てもらうことが観光資源になるという発見があった。
小清水はもともと街道筋の茶屋であり、旅のエネルギーを補充する場所になっているのではないかとも感じている。

(橋本氏)
SNS発信により集めた200人との「関わりしろ」「仕組みづくり」
人口減少=地方から人が減るということと、地元に関わりたい人が減っていることは必ずしもイコールではない。
力になりたい、手伝いたいというニーズがあり、実際どう関わり、手伝ってもらうか。
外からのお客さんと一緒にかやぶき屋根補修を体験し、ともに嬉しい関係性をつくれたことも。
新潟出身者でも田植えをしたことがない人もいる。「手間」をつくることも大切。

(細山氏)
人それぞれ価値観は異なる。癒し、普段の生活にないもの、できないことを求めているのではないか。
スマートフォン普及により旅行、観光のあり方は大きく変わった。
これまで旅行店の店頭で情報得ていたが、今は必要な情報のみを自分で探す。
行政の意識変革も必要。情報の露出よりも新たな価値観を一緒につくることが重要ではないか。

(栃堀氏)
価値観が合わなければ来なくなるので、外の人の価値観を正直、肌感覚でつかんではいない。
・消費額が落ちている
・暑いのにわざわざ来ない
・海に入らない客増えている
という実態から見えてくるのは、海水浴に関しては質が変わっているということ。
海水浴とレジャーはこれ以上のびない。
海に来る新しい価値をつくらないと「海のまち柏崎」を売れない。
現状つかまえることが必要だと思う。

(西村氏)
景色や暮らしなど、ここにしかないものを求めてくるのでは。

(橋本氏)
戻ってはこれないけど応援したい、体験したいニーズはあるのではないか。

(春日氏)
キーワードは「共感」
いろんな情報の中で、自分の感覚にあうものをつなげて、楽しめるところとつながりたい。

 

3、これからどうしたいか?

(橋本氏)
今後の展開のキーワード「連携と導線つくり」
SNSは#で見る→失敗したくない、リスクを取りたくない客が増えている。
荻ノ島だけでなく、他との連携・誘導が必要。
かつ荻ノ島からの導線の「見える化」が循環してお金落とすために重要ではないか。
楽しむことが根本にある。
地域に人を増やすためには、住む人が楽しそうにしていなければ近づかない。
楽しむことを発信し、外のひとがキャッチできるようにしておくことが大切
冊子「小さな観光は自分達を表現すること」は柏崎市内の方々のヒストリー。
アクセスできる仕組みになっているので参考にしていただきたい。

(細山氏)
ネット上で情報が散乱し、いいことも悪いこともネットがきっかけになる。
これからの観光は個性が見えないとダメ。
個性を見出すためにはある程度小さな範囲でなければ難しいと感じる。
日本全国でさまざまな取り組みを行っている。
行政の仕事は税金をサービスで返すこと。教育、福祉、土木などがあるが、観光により元気な柏崎(経済的にも、気持ち的にも)を感じていただきたい。

民間が力を発揮するために行政がやるべきことは?
選手が気持ちよくプレイできるよう、環境整備することだと感じる。
相手に勝つためのデータ収集を行政が行い、情報をもとにプレイヤーと戦略を練ることが必要。
行政は全方位的になりがちだからこそ、民間の協力が必要。
役所=「お役所」ではなく「役に立つ所」だと市民の皆様に認識してもらえるよう頑張りたい。

(栃堀氏)
地域が稼ぐ観光をやりたい。
体験コンテンツが以前よりも魅力を失っている。
生産者に会うことや収穫などにより、ストーリーが紡がれ 興味持つ人に情報が届くことが必要。
海・宿泊、食、地域と酒、外部コネクション・・今日の4人で組めば新しいストーリー生まれる。
地域で結びつき、ベクトルを合わせてやっていけると良いと感じた。

(西村氏)
レストランには市外県外からお客がいらっしゃる。食こそ小さな観光だと感じる。
レストランに来たついでに他のところにも、あるいは他の目的で来たついでにレストランにも・・単独で頑張るよりも連携を。
ドラム缶風呂をやっているが、発信したところ県外者が来ている。カンボジアでも実施。何が受けるかわからない時代。
楽しみながらやっている。
大変なことを面白がることで、今まではできなかったことができる楽しい時代に。

(矢島氏)
これからの小さな観光は、もっと東京と仲良くすべき。
地方では東京をけなす人が少なくない。
地方には自然豊かで深い文化、歴史を持つという良さがあるが、東京はエネルギッシュで経済規模が大きくスピード感がある。
地方のストーリーと東京のパワーを合わせれば日本全体がハッピーに。
互いの「暮らし交流」から入っていけばいいのではないか。
相手をお客扱いしすぎない。
かっこいいところばかり見せない。
困っていること、関わってもらえる場所を提供すれば、明るい未来が来るのでは。

(花角知事)
前向きな話、元気が出る話をいっぱいいただいた。
単体で大勢の人を引き付けるのは難しい。新津のように複数の連携が必要。
地域全体での受け入れは、複数の魅力の積み重ねの上にある。
「リスクを避けたい」「はずれなし」に答えるためにも複数の回答用意するのは必要。
海にしても、絶対的価値が落ちている海水浴からどう新たな価値をつくるか。
「持っているものを売る」としても、来る人が何を求めているのかはわからない 。
来る人が何を喜ぶか、常に探らなければならない。
「弱みが旅行動機」という発想は斬新。
何が求められているか常に意識していかなければならないと感じた。

<質疑>

問1、これほど魅力的な取り組みがあるという情報が、まだ十分に市内外に届いていないのではないか。

(栃堀氏)

広告代理店など発信のプロがいる中で、事業者自らの発信には難しい面もある。連携、つながりから拡散することが必要。

 

問2、地方でお金を得るにはどうアプローチ?

(橋本氏)
出稼ぎもひとつの方法だが、移住者が創業するとしたら?
自分は複数の仕事をかけあわせてやっている。
都会でなく地方の方が生活コストが低い。
地方で生きるためには仕事をつくることが必要。
ないものねだり、差から生まれる仕事をつくれるマインドのある人が、地方で生き残れるのではないか。
自分も学生時代からスキルあったわけではない。やりたいことを育ててステップアップしていくことが必要。

 

問3、タイトルにもあるように、日本は人口減少する一方で世界では人口増大、観光がインバウンドに向かうべきなのは明確。これまでの話でまったくインバウンドに触れていないが、どう考えているのか?

(細山氏)
柏崎市のインバウンドはまだまだ成熟していない。ただ水球はじめ個々の取り組みにより、海外とつながっている。
つながる先は十分あるが、海外の客との経済交流はまだ。インバウンドは戦略的に発展途上だと自覚している。

 

問4、食を通じてという点、地産地消をもとにアピールすることは大事だが、宿泊施設の食事でも地産地消を心がけた方がいいのではないか?

(西村氏)
地産地消は楽ではない。料理人を抱えて地産地消の料理を出すこと、非常に難しい。
その時々で対応するには非常にスキルが必要で多くの人が着手できない。それができれば「わざわざ来る宿」になり得るかもしれない。

 

問5、各人への質問。

①矢島氏 移住者呼び込み 小清水、柏崎の魅力どう見ているか?

②橋本氏 イタリア人に荻ノ島魅力紹介する時どうしたか?

③春日氏 じょんの村構想について、今の高柳と柏崎の観光の中でどう評価されているか。

①(矢島氏)
小清水は自分に生きる道を与えてくれた場所。100年後まで続く場所にすること生きる目的。
集落を残すために活動しているので、客観的に見られないところもあると思う。
小清水の名の通り、湧き水によってお米がつくられる。 ずっと流れる水が魅力。お米おいしい。
街道筋の旅人受け入れる寛容さがあり、カフェではお客に地域の人が話しかける触れ合いがあることが魅力。

②(橋本氏)
イタリアのロマーニャ地方が研修先だが、学びに行った立場でイタリア語もしゃべれないので、売り込みはしていない。
ロマーニャの先進的な水平型観光を学んだ(これまでは垂直型観光が主流)。
集落、地域全体で観光することがコスト下げ、持続可能につながる。
ほとんどがリピート客で、語学学校もセットになったおり、イタリア語学びながらお金を落とす仕組み。
宿のお母さんに会いに来ている客もいた。これからの観光はそういう方向性になるのではないか。

③(春日氏)
柏崎市にはじょんのび村への手厚い支援に感謝している。
背景は右肩上がりの時代 価値観広く、当時のキャッチコピーは「すべての人にふるさとを」
高柳は大きなくくりの中で「ふるさと」として共感していただいた。

今の時代は考え方も価値観も多様化し、「ふるさと」だけでは共感のつながりが難しい。
ふるさとへの想いがある人は景色、農村に住む人との触れ合い、食など一般的なもの
「胸に刺さる」=「共感する」情報は細分化し、情報発信はその人達に届くようなやり方が必要と考える。

時代背景の変化の中で、じょんのび村構想=それぞれがつながって頑張っていただくことが重要だと感じている。

 

意見(産業大学・詹 秀娟 教授より)

インバウンド調査に協力した立場から言わせていただきたい。
新潟県インバウンドは増加し、最多は台湾。リピーター客も多く、すでに何度も荻ノ島にも来ている。
小さな観光は海外にも発信できる。SNSで外に発信することは重要。個性があれば勝てる。
花角知事就任後のインバウンド推進戦略は効果を上げている。
柏崎市はなぜこんなに魅力的な場所あるのに発信しない?知られていない?ということが口惜しい。
台湾人はホームステイしたがっているが、日本人は受け入れ難い傾向がある。
SNS発信などを通じて、小さな観光、頑張ってほしい。

総括(春日氏)

1、小さな観光 地域で十分可能。暮らしをベースに。コアなファン、応援団をつかむことが重要。

2、外の価値観が多様化し、人口減少社会での共感の幅は狭くなっている。大きなくくりでは難しい。それぞれの海水浴場の個性を発信し、共感の幅ある人につなげること。

3、「楽しく」が大きなキーワード。受け入れる側も感動し、自分達が発信すること。手前みその発信ではなく、体験した人が高評価で発信するような方法が良い。

小さな観光は大型観光と相反するものではない。時代にあったスタートラインに立つことが重要。

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ということでした。

花角知事が進める観光戦略は明確でわかりやすく、パネリストの皆さんの努力・実績も素晴らしいと思いました。

小さな観光につながる努力をしている方々は他にもたくさんいらっしゃると思いますし、それを発掘・地域資源として認識し、インバウンドを含む観光戦略につなげていくことが今後の課題だと感じました。

地域資源・提供できるサービスと、どんなニーズを持つ人をターゲットとして実際につなげていくか、ということが重要だと思います。

これからの観光政策の在り方を考える機会になったと同時に、新潟産業大学の生き残りをかけた努力もうかがえました。

関係者の皆様、ありがとうございました。また大変お疲れ様でした。

 

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