令和7年12月一般質問1「持続可能な医療提供体制を守る戦略的な取組」
令和7年12月10日、一般質問を行いました。
以下はその内容です。
【近藤】
おはようございます。会派「明日への希望」の近藤由香里です。
今回の定例会議は、桜井市長が三期目を担われてから一年を迎え、柏崎市第五次総合計画の総括と第六次総合計画の開始に向けた最終局面を迎える重要な時期にあります。市長の公約、そして総合計画が描く本市の将来像を視野に入れ、通告に従い順次質問してまいります。
最初の質問1持続可能な医療提供体制を守る戦略的な取組 について伺います。
医療は人々の命と健康を守る基盤であり、地域の安全・安心を支える最重要の社会インフラであることから、自治体として最優先でその安定確保に取り組むべき分野であると考えます。しかし昨年来、本市医療の中核である柏崎総合医療センターの持続可能性が大きく揺らぐ事態に直面しています。
一年前の12月一般質問では、柏崎総合医療センターの存続に向けた支援のあり方について伺いましたので、その後追いの意味も含めて、まずは(1)柏崎総合医療センター支援の成果と展望についてお聞きします。
柏崎総合医療センターは、母体であるJA新潟厚生連の経営悪化、医療従事者確保の深刻化などにより、厳しい環境に置かれています。
桜井市長は三期目公約の柱として、柏崎総合医療センターを守り、医療をさらに充実させることを掲げ、柏崎市としての財政支援を恒常的・緊急的に行うとともに、医師確保やアクセス改善などの側面的支援も実施してこられました。
令和7(2025)年度は財政支援に加え、新潟大学の寄附講座を活用した産婦人科医師の常勤体制を確保したほか、AI新交通「あいくる」拡充に伴うアクセス改善なども進めています。
その一方で、柏崎市単独で多額の一般財源を投じ続けることには限界があり、国・新潟県への支援拡充要請も行ってきたと承知しています。しかし、新潟県立病院の深刻な赤字が報じられる中で、県による支援がどこまで見込めるのかは不透明です。また、国の2025年度補正予算においては医療分野への大規模な緊急支援を行うとしていますが、持続可能性の観点からは引き続き市の関与が不可欠だと認識しています。
そこで質問いたします。
桜井市長が三期目の筆頭公約として進めてきた柏崎総合医療センターへの経済的支援、側面的支援について、この一年弱の成果と課題をどう評価されているのか。
また、同病院が今後も本市に必要な医療機能を継続的に提供できる見通しはあるのか。
そして、新年度予算を踏まえた柏崎市としての支援の方向性、すなわち継続、拡充、新規の支援といったそのあり方について、見解をお聞かせください。
【市長】
柏崎総合医療センターへの支援についてお答え申し上げます。
本市では今年度、緊急医療や周産期医療、がん治療などを継続するために、1億2,000万円の緊急支援を行い、必要な医療提供体制を維持していただいているところでございます。
また、寄附講座の開設により、新潟大学から産婦人科医師の派遣を受け、現在は充実した人員のもとで診療・分娩に対応していただいております。
さらに、柏崎総合医療センターと新潟大学との連携により「女性ウェルネス外来」が開設され、市内でより専門的な診療を受けられる体制が整ったところでございます。
一方、柏崎総合医療センターの運営母体でありますJA新潟厚生連の経営改善が喫緊の課題であります。議員からご指摘をいただいた通り、就任直後から今日に至るまで、この問題の健全化に取り組んできたところであります。同時に、新潟県と連携をとるべく、JA新潟厚生連の六つの病院を有する市、柏崎市を含む六市と連携しながら、県に対して支援を求めてきたところであります。
当然のことながら、JA新潟厚生連自身に一番大きな責任があるわけでございますので、その経営改善に対しても、しっかりと取り組むよう求めてきたところであります。
昨年、JA新潟厚生連は緊急的な経営改革を進め、令和7(2025)年度から令和9(2027)年度までの中期経営計画を策定し、県や市の財政支援を得て、今年度の資金ショートは回避したところであります。
しかしながら依然として経営状況は厳しく、地域医療連携推進協議会を構成する六市では、令和9(2027)年度までは協調した支援が必要であるとの認識で一致しております。
新潟県に対しても、令和9(2027)年度までは継続して支援していただけるよう、現在、地域医療連携推進協議会で交渉をしているところでございます。これは現在進行形であり、県からなかなか確約をいただけない状況でございます。
また、持続可能な医療提供体制を整備するためには、医療需要の変化に応じた病院の機能分化や集約を早急に進めることが求められます。新潟県が現在、中越圏域の医療需要実態を調査分析しており、その結果に基づき病院再編協議が進むものと考えております。その上で、柏崎総合医療センターが市民に必要な医療機能を維持できるよう、県と連携しながら必要な支援を行ってまいります。
最後になりますが、新年度予算では、今年度と同様の緊急支援を引き続き行い、地域医療提供体制を維持してまいりたいと考えております。
【近藤】
ご答弁の中で、支援については今後も継続、次年度も継続の方向性であると伺いました。その成果について、少し深掘りさせていただきたいと思います。2点伺います。
まず1点目は分娩に関することです。もともと柏崎総合医療センターを守っていくという中で、お産ができる環境を守ることが大きな意味合いを持っていました。分娩をやめる医療機関は十日町などでも見られる中で、産婦人科の診療が継続できる意義は大きいと考えます。そこで、今回の支援を行ったことにより、出産数の変化があったのかどうか、これが1点目です。
もう1点は、病院側の自助努力についてです。経営改善だけではなく、接遇面での改善なども行ってきたと伺っていますが、その点についてどのように把握されているのか。市民の反応として「総合医療センターが変わったね」という声が聞かれているのか。この2点についてお願いいたします。
【市長】
再質問をいただきました。順にお答えいたします。
まず1点目でございますが、残念ながら分娩数は昨年に比べ、今年10月末現在、11月現在でさらに減っております。つまり、体制が整ったからといって分娩数が増えたという実態はないところでございます。これは事実であり、残念に思っております。
ただ一方で、新潟県内には20の市がありますが、そのうち、自分の市で赤ちゃんを産むことができない市が7〜8市あるはずでございます。そうした中で、人口7万5,000人の柏崎市において、自分の市、まちで赤ちゃんを産むことができる体制を維持していることは、大きな意義があると考えております。
2点目のご質問ですが、これは厚生連全体の話であり、柏崎総合医療センターだけの問題ではありませんが、人件費を抑えるべく、具体的には賞与、いわゆるボーナスの見直しを行っているところであります。新潟県立病院における人件費の問題も課題となっているようですが、厚生連はまさに身を切る改革を行っているところでございます。
その結果、市民の皆さんから「厚生連、柏崎総合医療センターは頑張っているね」という声がどれほど届いているかについては、私自身、はっきりと自信を持ってお答えできる状況ではありません。しかし、実際に病院側が努力していること、そして議会の理解をいただきながら、多額の公費を柏崎市として大事な病院のために投じ、分娩体制のみならず柏崎の中核的な医療拠点を守るという政策展開を行っていることは、ご理解いただいているものと思います。
【近藤】
今ほど成果という点でお聞きしました。
柏崎総合医療センターは医療の中核としての役割に加え、災害医療の要としての役割も担っています。現在、新潟県議会において柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する議論が本格化しており、一昨日12月8日の青森県沖の地震をはじめ、各地で災害が相次いでいます。こうした状況を踏まえ、災害時であっても本市の医療提供体制を確実に維持できるのか、その備えを改めて共有する必要があると思います。
そこで、(2)災害医療体制の現状と展望 について伺います。
新潟県地域防災計画並びに柏崎市地域防災計画において、柏崎総合医療センターは新潟県指定の「災害拠点病院」、また原子力防災における「原子力災害医療協力機関」として位置付けられています。災害拠点病院は一般災害時の緊急医療の中核を担い、原子力災害医療協力機関は、被ばく者の初期医療、除染、放射線影響の評価など、高度かつ専門的な役割を果たすものと認識しています。
また、同病院の災害派遣医療チーム、通称「柏崎DMAT」は、平成24年の発足以来、柏崎市消防本部との緊密な連携のもと、市内外の災害医療に大きく貢献してきました。同病院のホームページでは、平成30年北海道胆振東部地震、令和6年能登半島地震での被災地支援の様子が紹介されています。さらに、同病院の公式インスタグラムでは、今年10月に実施された新潟県原子力防災訓練に際し、院内に対策本部を設置したこと、また被ばく患者受け入れを想定して救急外来や除染室の養生を行ったことなどが発信されており、平時からの備えが着実に進められていることがうかがえます。
しかしその一方で、先ほど市長もご答弁されたように、近年の経営改善による人件費削減等が、同病院の災害対応機能に影響を及ぼすのではないかと懸念しています。頻発する災害に加え、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が現実味を帯びる中で、柏崎総合医療センターを軸とした災害医療体制の一層の強化は喫緊の課題であると考えます。
そこで質問いたします。
柏崎市地域防災計画に基づく災害時の医療体制の現状と課題をどのように認識しているか。
また、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を見据え、柏崎総合医療センターの原子力災害対応機能の維持・強化を今後どのように進めていくのか。
さらには、複合災害に対応可能な医療拠点としての機能確保、広域的な医療支援の充実に向けて、国・県に対してどのように働きかけていくのか。見解をお聞かせください。
【市長】
災害医療体制の現状と展望についてお答え申し上げます。
柏崎総合医療センターは、自然災害時には24時間体制で傷病者の受け入れを行う災害医療救護の拠点となり、原子力災害時には被ばく傷病者の初期診療および緊急診療を行う協力機関となっております。
柏崎総合医療センターでは防災委員会を運営し、中越沖地震の経験を踏まえて福島県内の病院への視察や訓練を重ねるなど、災害対応力の向上に取り組んでいるところでございます。去る10月23日の新潟県原子力防災訓練では、被ばく傷病者の受け入れ訓練を行い、資機材の使用や受け入れ体制の改善の必要性が確認されたところであります。
一方で、病院だけでは容易に対応できないこともあり、災害対応に必要な設備の更新が大きな負担となっていること、また災害医療に従事する要員の確保や育成が課題であると認識しております。
原子力災害対応につきましては、県が国や医療機関等と連携し、広域的な原子力災害医療体制の構築に取り組んでおります。現在、国は屋内退避下での診療継続体制の構築に取り組む島根県松江市の松江赤十字病院をモデルケースとして支援し、その取り組み成果を全国の関係医療機関と共有することとしております。これにより、柏崎総合医療センターにおいても防災体制の一層の強化が期待されるところであります。
ちなみに、この松江赤十字病院をモデルケースとしたBCP(事業継続計画)の策定に関しましては、柏崎にもお越しいただいた福島県立医科大学の坪倉先生のご協力もいただきながら、この計画を進めていると承知しております。
複合災害時には、通常の災害医療に加え放射線対応が必要となることから、より専門的な診療が求められますが、柏崎総合医療センターが受け入れ可能な患者数や対応可能な症状には限りがあります。そのため、広域医療支援や広域搬送が確実に機能することが不可欠であります。
本市といたしましては、柏崎総合医療センターと連携し、地域の状況や課題を的確に国や県に伝え、災害時に確実に機能する医療体制を構築するよう求めてまいります。
【近藤】
今ほどご答弁いただいたように、しっかりとした医療の連携体制が確保されているとは思いますが、だからこそ柏崎総合医療センターを守る価値、守る意味があると考えます。その点も含め、経済的な部分も含めて、しっかりとした支援を引き続き国や県に要望し続けていただきたいと思います。
さて、医療提供体制の確保は、行政や医療機関だけで完結するものではなく、患者でもある市民の理解・納得、そして協力があってこそ、持続可能な仕組みとして機能すると考えます。そのため、市が進める医療施策について、市民がどのように理解し、受け止めているのかを適切に把握しながら展開していくことは、地域の安全・安心を支える上で極めて重要です。
そこで、本項目の最後に(3)市民ニーズ・理解度の分析と今後の施策展開 について伺います。
昨年7月に実施された「柏崎市まちづくりに関する市民アンケート」では、医療分野での満足度が34.1%、不満度が54.0%と厳しい評価となりました。医療提供体制の確保は市民の安全・安心につながる継続的な最重要課題であり、柏崎市はこれまでも多額の予算を投じてきました。にもかかわらず、市民満足度が低いということは残念であり、また見過ごせない課題だと感じます。
本市は次期総合計画においても、主要施策として「持続可能な医療提供体制の確保」を掲げていますが、施策の効果を上げるには、市民が何に満足し、何に不満を持つのか、またその背景を適切に把握し、取り組みの優先度に反映させるべきだと考えます。また、かかりつけ医の推奨や「医療・介護ガイドブック」の全戸配布など、これまで本市が行ってきた地域医療に関する啓発が、実際に市民の行動変容につながっているのかを検証し、施策改善に生かす視点も必要だと思います。
そこで質問いたします。
医療分野の不満度が高かった「柏崎市まちづくりに関する市民アンケート」の結果をどのように分析し、施策に反映させているのか。
また、かかりつけ医の推奨をはじめ、市が行ってきた地域医療に関する啓発が、市民の理解促進や行動変容にどの程度つながっていると評価しているのか。
そして今後、改めて市民の理解度やニーズを調査し、施策改善に生かす考えがあるのか。以上、お聞かせください。
【市長】
市民の皆様からの声をどのように政策として生かしていくかというご質問でございます。
市民アンケートでは、医療機関や医療体制の充実に対し「不満」「どちらかといえば不満」と回答した人が54%と、不満度が過半数を占める高い結果となりました。自由記載の意見を見ますと、「病院の選択肢が少ない」「高度な医療が受けられない」「病院を増やしてほしい」「市内で治療を受けられず市外に搬送される」などの声があり、本市の医療提供体制を不十分と感じている方が多いのだと捉えています。これは先般の原子力発電所に関する県民意識調査と同じように、市民の率直な声であると思っております。
しかし一方で、柏崎市の医療体制は他市と比べても一定の水準にあることは、やはり申し上げるべきだと考えております。すべての医療を柏崎市内で完結させることは難しいという現実、市民の皆さんにもよく考えていただきたいということを、これまでもお伝えしてきましたし、今後も申し上げていくつもりです。
本市としては、医療体制の充実を図るべく、病院の医療機器や施設整備に対する補助や、診療所開設の支援を行っていますが、物価高騰や患者数減少に伴う経営収支の悪化、さらには医療人材の不足や高齢化により、医療機関は非常に厳しい状況にあり、現在の医療体制を維持することも容易ではないのが実情です。そのため、医療機関に過度の負担をかけない適切な医療のかかり方を、市民の皆様に啓発しているところでございます。
今回のアンケート結果からは、こうした理解が十分には進んでいないことが推察されます。まず、市民の皆様には、医師や看護師が不足している中、限られた人員で懸命に医療を提供している医療機関の厳しい実情を理解していただくことが重要です。その上で、今ある医療体制を守るために、どのように医療と関わることができるのかを考えるとともに、今後の病院再編を見据えた地域医療のあり方への理解を深める機会を提供する啓発事業に力を入れてまいりたいと考えております。
また、医療体制の整備にあたっては、少子高齢化による医療需要の変化や医療利用データなどから客観的に判断することが大切です。その上で、医療との適切な付き合い方を啓発する「医療・介護ガイドブック」を活用した出前講座の開催時に理解度を調査しており、あわせて医療に対する市民ニーズの調査を行い、その結果を参考にしながら医療施策を効果的に展開してまいりたいと考えております。
【近藤】
市や医療機関の皆さんのご努力について伺いました。私自身、市外の病院で高度な医療を受けた後、経過観察も含めて市内の病院に転院し、その対応が非常に温かく感謝しているというお声も聞いております。また、市内で分娩できる自治体がかなり減っている実態も踏まえれば、啓発とセットで現状を知っていただいた上で、それでもなお不満なのかどうかを市民と一緒に考えていくことが大切だと感じます。
冒頭でも申し上げたように、医療は大切な社会インフラであり、ライフラインでもあると思います。あって当然、失ってから不便さに気づくのではなく、使う側も感謝とともに大切に利用し、持続可能なものにしていけるよう、私も呼びかけていきたいと思います。
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