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2025年9月13日 (土)

令和7年9月一般質問3「時代に即した選挙管理の在り方」

9月10日に行った一般質問の記録です。

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最後の質問 3 時代に即した選挙管理の在り方 では、人口減少・高齢化の進行、社会の多様化、DXの推進といった現代社会の特徴をとらえつつ、これまでの取組も踏まえて議論させていただければと思います。

まずは、(1) 選挙公報の配布における課題への対応 について伺います。

今年7月に行われた第27回参議院議員通常選挙では、柏崎市内の介護付有料老人ホームに入所する方から、「選挙広報が配布されていない」とのお問合せをいただきました。

数年前に施設に入手されて以来、選挙広報は個別に配布されず、共用ルームに置かれても誰かが持ち帰るのか、いつのまにか無くなるので、候補者が少ない選挙は、新聞等から情報を得てきたそうです。けれども参議院議員選挙のように全国比例区の候補者が大勢いる場合は、自力で調べるにも限界があるし、そもそも有権者に選挙公報が行き渡らない実態は公平性に欠けるのではないか、と言われました。

まったくおっしゃる通りだと思い、柏崎市選挙管理委員会(以下、柏崎市選管)及び新潟県選挙管理委員会(以下、新潟県選管)に確認したところ、まず、選挙広報の配布先は「広報かしわざき」配布先に準じているので、必ずしも柏崎市内の全戸に配布されているわけではないことがわかりました。

また、問合せいただいた方の入所先は「不在者投票指定病院・施設」として指定され、選挙広報は新潟県選管から直接送付されるものの、「100床につき4部」といった単位であり、各自に配布されないことも判明しました。

公職選挙法及び新潟県柏崎市選挙公報発行に関する条例において、選挙公報は、「当該選挙に用うべき選挙人名簿に登録された者の属する世帯に対して、選挙の期日の前日までに配布するもの」と規定されています。

このことに鑑み、不在者投票指定病院・施設においても、有権者が生活の場を移している場合は、個別に選挙広報を入手できるよう配慮するべきだと考えます。また、「広報かしわざき」未配布の世帯についても同様であり、有権者に等しく配布されるべきではないでしょうか。

そこで質問いたします。不在者投票指定病院・施設や「広報かしわざき」未配布世帯の有権者に対して、選挙広報が等しく配布されない実態について、柏崎市選挙管理委員会ではどのような見解をお持ちなのか。また、課題解決に向けた今後の対応についても伺います。

選挙管理委員会委員長

近藤議員の選挙公報の配布における課題への対応に関するご質問にお答えします。 選挙公報は、有権者が投票先を決める上で、候補者や政党の政策や考えを知るための大変重要な判断材料の一つだと認識しております。 また、ご指摘の通り、公平性の観点からも、すべての有権者が選挙公報を見られるようにしなければならないものと考えております。

近藤議員のご質問を踏まえ、今後は新潟県の送付とは別に、不在者投票ができる指定病院や施設に、あらかじめ確認した必要部数を私共から送付するとともに、希望する方に確実に配布いただくけるようにお願いしてまいりたいと考えております。

また、広報かしわざき未配布については、このこれまでも希望者には個別にお渡ししてまいりました。 選挙管理委員会では、未配布世帯を把握する手立てがないため、今後も当事者からご連絡いただければ、これまで同様に対応して参りたいと考えております。

なお、選挙の際に選挙公報の画像データをホームページに掲載しておりますので、そのことも周知してまいりたいと考えております。

 

近藤

今後はその施設に、問い合わせを行った上で送付ということなんですけれど、その施設の考えによって、その施設の管理者だけで判断してしまうと、全員に行き渡らないという部分もあるかと思います。

ですので、繰り返しになりますが、基本的には有権者がいる世帯すべてに配るというのが規定でありますから、そこに近づけるように、特に老人ホーム等、生活を移しているところに対しては丁寧に行っていただきたいと思います。

選挙公報を手に取ることで、選挙があることを意識し、投票行動につながるケースもあるかと思います。 適切な対応をお願いしたいと思います。

 

次の質問(2)期日前投票の浸透と投票所閉鎖時刻の繰上げ について伺います。

投票時間の繰り上げについては、令和6年12月の持田繁義議員の一般質問でも取り上げられましたが、「時代に即した選挙管理の在り方」を考える上で、私からもあらためて問題提起させていただきたいと思います。

今年7月の参議院議員通常選挙では、柏崎市内の新潟産業大学、新潟工科大学にバスを使った移動期日前投票所が設置され、学生等47名が利用したことが話題になりました。

柏崎市選管は、これまでも移動期日前投票所の範囲を拡大し、投票機会の充実化を進めてきましたが、大学構内での投票所開設は県内初であり、交通アクセスや投票のしやすさを改善し若者の投票率向上を図ったことは、高く評価したいと思います。

ですが、その一方で、7月20日の投開票日においては、開票作業が予定よりも遅れ、新潟選挙区は22時40分完了予定が0時近くに、全国比例区は0時40分完了予定が3時過ぎになりました。

開票作業遅延の理由は、読み取り機の不具合や、全国比例区の全国比例区の残票と投票者数が合わずに計算をやり直したこと、案分票や無効票の確認に時間を要したことが挙げられています。

新聞報道では「職員数が減っており効率よく作業するために機械を使いました。改善するべきところを直し、次回は早くしたい」という柏崎市選管局長のコメントも報じられましたが、少ない職員数で、正確な開票作業をスピーディーに行うのは、現実的に無理があると思います。

そこで、本市においても、期日前投票の充実化や開票作業に従事する職員数の減少を鑑み、投票所を一斉に繰上げ閉鎖し、開票作業に取り掛かる時間を早めることを検討してはどうかと考えます。

他の自治体では、投票所閉鎖時刻の一斉繰上げにより、開票作業の開始を早めている事例は増えつつあり、総務省のまとめでは、令和6(2024)年10月の衆議院議員選挙の段階で、全国の投票所の約39%が、20時よりも早く投票所を閉めています。

そこで質問いたします。 昨年10月の衆議院議員総選挙、11月の柏崎市長選挙、今年7月の参議院議員通常選挙における期日前投票者数及び投票日の18時~20時の投票者数にはどのような傾向があるか、また、その結果を踏まえて、柏崎市における投票所閉鎖時刻を一斉に繰上げ、開票作業の開始時刻を早めてはどうかと考えますが、見解を伺います。

 

選挙管理委員会委員長

期日前投票の浸透と投票所閉鎖時刻の繰り上げに関するご質問にお答えします。まず、昨今の選挙における期日前投票の状況についてです。 期日前投票者数は増加傾向が続いており、全投票者に占める期日前投票者の割合を見ますと。 昨年10月の衆議院議員総選挙では、36.87%。 同年11月の市長選挙では33.42%を占め、今年7月の参議院議員通常選挙では44.07%と初めて4割を超えました。

次に、投票日当日の午後6時から午後8時までの投票者数についてです。 38投票区のうち、閉鎖時刻を午後7時としている投票所が12カ所午後8時としている投票所が20カ所ありますが、午後6時から午後8時までの投票者数は、昨年の衆議院議員総選挙では、1243人。 市長選挙では1042人で、いずれも投票当日投票者全体の5%未満でした。 今年7月の参議院議員通常選挙では1896人で、当日投票者全体に占める割合は8.21%と若干増加しており、決して少なくない数字だと捉えております。

近藤議員のご質問は、昨今の投票状況と職員数の減少という現状を踏まえ、選挙執行体制を抜本的に見直す時期が来ているのではないかという観点からご提案いただいたものと重く受け止めております。

投票所閉鎖時刻の繰り上げは。 有権者の投票機会を制限することにつながることから、慎重に検討する必要があると考えますが、有権者の減少、職員数の減少が今後も続くことを見据え、将来的にも持続可能な選挙執行体制のあり方について、委員会としても継続的に議論し、準備を進めてまいりたいと考えております。

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近藤

今ほど詳しいデータをいただきまして、18時から20時までの遅い時間帯、投票所の閉まる直前に投票される方も、それでも一定数いるというご回答はいただきました。

ただ、ご理解いただいているかとは思いますが、本当に今、職員数が減っている状況の中で、果たして開票作業を早められるかというと、おそらく厳しいかなと思いますし、またこの結果がなかなか出てこないということが、いろんな方々にとっての負担にもつながっているかと思います。ですので、そういったことも踏まえて、おっしゃるように抜本的な改善を求めたいというところです。

特にこの投票時間の繰り上げを行った場合は、やはり周知の仕方にあるかと思います。例えば19時なら19時に一斉に閉まるということを、丁寧に周知することによって、投票意思を持っている方には伝わるかと思います。ですので、今後も前向きな議論を重ねて、とにかく、いろんな意味で効率的な、また正確な開票作業を行えるようにご検討いただきたいと思います。

 

最後の質問 (3)「オンライン立会」導入の可能性 について伺います。

公職選挙法では、投票立会人は、市町村の選挙管理委員会が18歳以上の有権者から1つの投票所につき2人以上5人以下を選任すると規定しています。現在、地域住民が各投票所の立会人を務めていますが、人口減少・高齢化の進行により、担い手確保に苦慮する実態が見受けられます。

また、各地域の投票所となったコミュニティセンターや小学校等の体育館の多くに冷房設備がないため、今年7月の参議院議員選挙では、長時間、高温多湿の環境下にいる投票立会人の負担は大きかったと聞きます。こうした負担感の強さが他の住民にも伝われば、今後の投票立会人の受け手は益々いなくなるのではないでしょうか。

そこで、投票立会人の担い手不足への対応として、オンライン立会の導入を検討してはどうかと考えます。

オンライン立会は、公職選挙法の規定に沿った人数を確保した上で、投票所内にカメラを設置し、離れた場所にいる立会人が、投票所の映像をモニター越しに確認する方法で、鳥取県江府町(こうふちょう)で導入されています。総務省では、現地立会人が最低1人は配置されること、オンライン立会人が投票所全体の様子を把握できる環境を整備することなど、いくつかの条件を満たせばオンライン立会を運用できるとしています。

【自治体通信】投票率向上の取組 自治体事例

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また、令和元(2019)年の公職選挙法改正によって、「選挙権を有する者なら誰でも」立会人として参加できることになりました。地理的な制約のないオンライン立会を導入すれば、市外在住者、選挙権を持つ高校生や大学生、障がいのある方など、多様な人々が立会人として参加でき、主権者教育にも活用できるのではないかと考えます。

そこで質問いたします。人口減少・高齢化の進行により投票立会人の確保が困難化している実状を踏まえ、オンライン立会の導入を検討してはどうかと考えますが、見解を伺います。

選挙管理委員会委員長

オンライン立ち合い導入の可能性に関するご質問にお答えします。 投票所のオンライン立ち合いは、鳥取県甲府町が昨年7月の町長選挙期日前投票において全国で初めて実施したということで話題になりました。

実施に至るまでは鳥取県が主体となり、総務省と接触を重ねた結果、ようやく許可を取り付けたとの報道もありました。 過疎化や高齢化により投票立会人の確保が困難な地域における新たな手法として、本市を含めた県内の市町村選管がその結果に注目したところであります。

同年9月に鳥取県が作成したオンライン投票立ち合いマニュアルには、監視に必要なシステムの要件や環境セキュリティなどの技術的対策をはじめ、第三者が立ち入らないオンライン立会人の執務環境などの物理的対策、操作ミスなどの人的対策などについて例示されていますが、かなりハードルの高いものとなっております。

万一、総務省が求める実施要件を一つでも満たさない事態が生じた場合、選挙無効に直結する危険性が非常に高く、選挙はやり直しが引かないことからも、特に慎重に検討する必要があると考えています。

先の衆議院、参議院選挙においても、新たに実施する自治体は鳥取県内以外にはなかったことから、導入を急ぐことは考えておりませんが、引き続き、情報収集するとともに新潟県や県内他市町村の意向も確認しながら、研究してまいりたいと考えています。

近藤

効果のほどはともかくとして、実際の運用難しいということは理解しました。ですが、やはり立会人の不足、深刻化しております。一会場でもいいから試したらどうかな?との思いもあって質問させていただきました。

時代の変化に対応しながら挑戦を続けるのが、柏崎市の選挙管理委員会であると思っております。ですので、ぜひ前向きに、様々な観点から、時代に即した選挙管理のあり方、選挙の改革を進めていただくことをお願いいたしまして、質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。

 

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