12月定例会議最終日 政策提言
12月20日は柏崎市議会12月定例会議の最終日でした。
提出された議案が全て可決した他、人事案件では、西巻康之副市長が再任されました。
また、3常任委員会がテーマを決めて1年半かけて調査・研究を行ったことを、政策提言として上程しました。
テーマに沿った調査研究と政策提言(令和6(2024)年12月)
所属する総務常任委員会では、「持続可能な地域公共交通」をテーマに、以下の提言を行いました。
【提言1】市民のマイバス・マイレール意識の醸成を図り、地域公共交通の積極的な利用に繋がる環境づくりを強化すること
(1) 提言の背景
路線バスや鉄道等の公共交通網は、人口減少に加えて未だコロナ禍の影響が回復せず、利用者が減少し、交通事業者の経営状況は厳しさを増している。路線バスにおいては、行政からの補填なしでは維持することが難しい状況にある。鉄道においても、不採算路線の圧縮に努めており、特に越後線については、柏崎駅~吉田駅間が将来的に廃線になる可能性を否定できない。
このような状況を市民に率直に示しながらも、「乗らなければ生活の足を守れない」との意識を醸成することや、路線・ダイヤ改正等の際には行政などを通じて市民の意向を確認し、協力体制を構築することが必要と考える。
また、日頃の通勤・通学だけではなく観光やイベントと絡めた利用促進や、「あいくる」サポーター制度の導入を踏まえ、地域公共交通の応援団を増やす取組も重要である。
(2)具体的施策の提案
・地域公共交通の現状及び柏崎市の取組についての周知の強化
・信越本線及び越後線沿線の各駅周辺への公共施設、商業施設などの立地誘導
・企業及び観光施設や中心市街地の施設などとの協力体制を構築し、移動手段と目的がセットとなる利用促進策の検討
・学校、PTA、地域協議会や町内会などの自治組織、シニア・女性団体などと連携した地域公共交通に対するニーズの把握や利用促進活動(イベント)の実施
・免許返納者に対する優遇措置の普及促進
・地域公共交通の運行時間に合わせた各事業所の就業時間設定やイベント企画等、広義での公共交通サポーターを増やす取組の推進
【提言2】運転士の確保・育成に向けた支援策を講じるとともに、民間活力を生かした移動手段の確保について研究すること
(1) 提言の背景
運転士不足は、公共交通関係のみならず、運輸事業関係、社会福祉関係を含め全般にわたる大きな課題であり、市民生活に多大な影響を及ぼしている。
これまで、市は直接的な運転士確保の取組は行って来なかったと認識するが、交通事業者だけでは確保・育成が困難な状況にある。今後は市と交通事業者が連携して、免許取得における負担軽減、人材発掘・育成に向けた研修の充実等を支援することが必要だと考える。
また、国では地域交通の「担い手」「移動の足」不足解消のため、令和6(2024)年3月、タクシー事業者の管理の下で、自家用車・一般ドライバーを活用した運送サービスの提供を可能とする自家用車活用事業「日本版ライドシェア」を創設した。タクシー配車アプリデータ等を活用して、タクシーが不足する地域・時期・時間帯を特定し、地域の自家用車・一般ドライバーを活用して不足分を供給することとしている。
同年3月末には、外国人の中長期的な在留資格「特定技能」に自動車運送業を加えることが閣議決定された。現在、全国の警察で、バスやタクシー運転士に必要な2種免許の学科試験を20言語で受験することが可能となっている。
このような国の先進施策を研究するとともに、移住・定住推進や市民活動支援施策と連動し、多様な人材を活用して移動手段の確保を図るべきと考える。
(2) 具体的施策の提案
・2種免許取得への支援
・運転士の採用・育成に向けた説明会や研修等の開催
・シニア世代や女性も視野に入れた短時間正社員制度導入や、兼業を可能とする多様な働き方の推進を支援
・外国人タクシー・バス運転士採用に向けた支援
・ライドシェア、自動運転バス等の導入に向けた研究・検討
・地域公共交通推進員として地域おこし協力隊を募集
・移住・定住施策と連動した運転士の募集
【提言3】交通政策を担う組織の強化を図ること
(1) 提言の背景
地域公共交通は、市民生活や福祉、経済活動等を支える社会的基盤である。それだけに、利便性・持続可能性・生産性の高い地域公共交通ネットワークへの「リ・デザイン」(再構築)への挑戦と実現が求められている。
同時に交通政策には、暮らしやすいまちづくり、地域の魅力と品格の向上、移住・定住の促進といった政策も内包されていると考える。
現在は総合企画部企画政策課において、本市の交通政策を担っているが、課題の大きさや制度の複雑さを鑑み、交通政策に特化した部署を設けることを検討すべきではないか。
(2) 具体的施策の提案
・交通政策課(仮称)の創設または企画政策課内に交通政策係(仮称)を設置
提言が施策に反映されるかを注視しながら、引き続き「持続可能な地域公共交通」の実現を目指して、調査・研究を続けたいと思います。
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