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2024年6月11日 (火)

令和6年6月一般質問3 市民に響く原子力防災の啓発

令和6年6月10日に行った一般質問の最後の項目です。

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柏崎市議会映像配信(2024.6.10近藤)

近藤

最後の質問は、先回の一般質問に引き続き、柏崎刈羽原子力発電所との共生、再稼働を巡る不安の払拭を目指して、

3 市民に響く原子力防災の啓発 について伺います。

まずは(1)柏崎刈羽原子力発電所再稼働に関する懇談会の総括と今後の取組 をお聞きします。

今年の3月末~4月頭にかけて、柏崎市内全11会場において、市長と市民との柏崎刈羽原子力発電所再稼働に関する懇談会が開催されました。

私自身も2か所の懇談会に参加し、また各会場の会議録を読み、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に対する市長の考えをあらためて確認するとともに、市民の不安や疑問、期待について知る事ができました。

しかし、市民への周知が間に合わなかった地域もあり、多忙な年度末~年度始めのため都合がつかず、関心はあったけれど参加できなかったとの声もお聞きしています。

また、複数の会場で同じ内容の発言を繰り返す参加者も見受けられ、他の方々が委縮して、幅広い市民の声を聴くには至らなかったのではないかと感じます。

ただし、市長はすでに定例記者会見で、懇談会をやってよかったとの趣旨でお話していますし、私自身も、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働という重要なテーマに対し、市長と市民との対話の機会を設けたことには意義があったと思っています。

そこで、今回の懇談会の趣旨と開催時期の設定理由について伺うとともに、開催した結果をどのように受け止めているか、また、今後も同様の機会を設ける予定はあるのか、そして、今回の懇談会を今後の本市の原子力政策にどのように反映させるか、総括及び開催結果を受けての今後の展望について、お聞かせください。

市長

近藤議員ご指摘の通り、開催については急でございました。市民・住民の皆様への周知の時間を十分に取れなかったことは否めません。この点に関してはお詫びを申し上げるところでございます。ただ、私としては、これはもうやらなければいけないと、このタイミングで間髪を入れず、やらなければならないと判断をしたところでございます。

原子力規制委員会による、柏崎刈羽原子力発電所7号機の再稼働に必要な追加検査の結果が、法に基づき昨年12月27日に出された以上、遅滞なくその詳細内容を住民へお知らせし、ご意見を伺い、市長として最終的な判断を行う準備を進めなければならないと考えたからであります。

元日には能登半島地震も発生いたしました。能登半島地震の後、2月10日は沿岸地域の方々に全てお集まりいただいて、能登半島地震による不安、津波の不安を解消するべく、説明会をさせていただきました。

また、年明け以降の国の関係省庁による説明会や、原子力規制委員会の初代委員長の田中俊一先生を3月2日にお招きをし、講演会を開催させていただいたということも、全てそうした想いからのスケジューリングでございます。

そして更に、2月には市内の経済団体から、早期の再稼働を求める請願が市議会に提出され、圧倒的多数で3月の市議会本会議において採択もされたところでございます。

こういったことを含めると、やはり、ここで市民の皆様からのご意見を直接私が伺う機会を設けなければいけないと考えたところでございます。

一通りの事実経過を、当事者から直接ご報告・ご説明いただき、一方で新たな不安材料も発生し、更には経済界からのご要望とそれについての市議会からのご賛意もいただき、市民の皆様の柏崎刈羽原子力発電所への関心も極めて高まったこのタイミングを失することなく、率直なご意見を確かめるべく、地域懇談会を設定させていただいた次第です。

ご承知のように、全中学校区で開催し、延べ522人の方からご参加いただき、私自身の考え方をご説明し、また市民の皆様からのご意見を伺ったところでございます。

再稼働に反対するご意見や、不安を訴えるお声を直接聞けたこと、再稼働を認める立場の方、反対する立場の方に、なぜ私が再稼働に意義があると申し上げているのかということを話せたことは、開催の意義があったと考えるところであります。

現時点で、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働のみをテーマとした懇談会の追加開催を考えてはおりませんけれど、あの場でも申し上げましたけれど、引き続き市民の皆様からのご意見や不安等がございましたら、私どもの方で出前講座を行っておりますので、ご利用いただければありがたいと思います。

近藤

市長の受け止めは承知しました。次に大事になってくるのは、今回のテーマである原子力防災、特に避難計画に対する理解促進かと思います。

そこで、(2)時間軸とインフラ・ハード強靭化への理解促進 について伺います。

先般の懇談会では、「柏崎刈羽原子力発電所で事故が発生した場合に、広域避難や屋内退避ができないのではないのではないか」との質問・意見が各会場で出されました。

市長は「自然災害に伴い、原子力発電所の事故が起こっても、放射性物質の飛散開始までには一定の時間があり、慌てて避難する必要はない。」、「柏崎市の一般住宅の耐震化率は約9割であり、屋内退避は有効である。」と回答されましたが、理解が得られたかは不明です。

また、市民の方々とお話ししていますと、どうも原子力防災のことがよくわからない、という方がけっこういらっしゃいます。

ただ、原子力防災については、防災ガイドブック<原子力災害編>に詳細が記されていますし、防災に関する様々な場面で市から説明を受ける機会があります。今ほども、防災出前講座をやりますとのお話を伺ったわけです。

また、毎年行われている原子力防災訓練では、様々なパターンを想定し、防護措置を確認しながら課題を抽出し、解決に向けた措置を講じながら、避難計画をブラシュアップしていると認識します。

ですが、令和6年能登半島地震のあと、「大地震が起これば原子力災害が発生する」、「道路寸断や大渋滞、家屋倒壊によって避難や屋内退避ができなくなる」という印象を持ち、再稼働に不安を抱いている方々は、一定数いると思われます。

そこで、今後の啓発にあたり、原子力災害の時間軸と、インフラやハードの強靭化について、重点的に理解促進を図ってはどうかと考えます。

現在の原子力発電所の安全対策では、自然災害が発生してから、仮に放射性物質を放出するとしても、約10日間の猶予があるとされます。
また、避難指示が出された場合、PAZ区域住民が円滑に移動できるよう、複数の避難ルート確保を視野に入れ、国と交渉しながらインフラの強靭化を図っていることも承知しています。

UPZ区域においては耐震化された家屋での屋内退避が有効であり、もし仮に家屋が倒壊したとしても、近隣の頑丈な公共施設であれば屋内退避は可能だと考えます。

その一方で、仮にPAZ区域住民が全員避難するとしたら、どの程度の時間を要するかを把握し、逆算して避難指示を出す体制整備を国・県に働きかけることは必要だと思います。

そして、UPZ区域住民には、PAZ区域住民の避難が完了するまで「動かない」ことこそ、全市民を守るための最大の協力でもある、との共通認識を広げることが必要だと考えます。

以上を踏まえ質問します。原子力防災への理解促進において、原子力災害の時間軸及びインフラ・ハードの強靭化に重点を置き、根気強く啓発を図ることへの見解 及び避難計画の実行性を高める今後の取組について伺います。

市長

日本の原子力規制は、国家行政組織法 第3条に基づく独立性の高い3条委員会として設立されている原子力規制委員会において、いかなる事情よりも安全性を優先し、世界でもっとも厳しいと言われるレベルの新規制基準に、科学的・技術的に審査されていると理解しております。

新規制基準による安全対策によって、事故は絶対に起きないということではありません。もちろん何度も申し上げていますように、いくら厳しい基準といえども、百-ゼロということはそれぞれないと考えております。

そして、今回の能登半島地震も激甚なる自然災害ではあったけれど、原子力災害ではなかったということは、市民の皆様へもよくご理解いただきたいと考えております。

そして、自然災害がただちに原子力災害に結び付く可能性は、東日本大震災当時からは大きく低下しているものと考えております。新しい、厳しい基準ができていますので。

自然災害を正しく恐れ、原子力発電所のリスクを正確に認識していただくことが、何よりも重要です。令和6年能登半島地震においても、原子力災害は発生しておらず、地震や津波の発生=即、原子力災害の発生とはなり得ないことを、市民の皆様にもご理解いただけるよう、引き続き丁寧に説明してまいります。

津波に関しましても、何度も説明会でも懇談会でも申し上げましたし、担当課が来月の20日を目途に、新しい津波ハザードマップを市民の皆様に公表すべく、準備を進めておりますけれど、柏崎市民の99%の方々が住んでいらっしゃる地域は、津波の心配はないと、津波警報が出されても、市民の99%が住んでいらっしゃるところは、避難する必要がないということも、明確に書かせていただくようになっております。

屋内退避の有効性についても取り沙汰されておりますけれども、自然災害と原子力災害を峻別して、それぞれに対策を強化していくことが、何より重要だと考えております。

ここに来て、県内の自治体の中にも、県外でも、屋内退避云々の話がございますけれども、あらためてこの場でご説明申し上げますけれども、柏崎市の耐震化率は89%です。お隣の長岡市も90%です。上越市も87%です。石川県と比べて大変恐縮ですけれども、30~40ポイント以上、柏崎の耐震化率は高いのです。

雪が考慮されてないじゃないか、とのお声もありますが、間違いです。積雪が屋根の上にあったということを含めて、耐震化の基準に合格している住宅が柏崎市では89%です。雪国は屋根の上に積雪があるということを含めた耐震基準になっております。

そういった意味で、近藤議員からお話しいただきましたように、屋内退避を安全かつ確実に継続できる更なる環境整備、近隣の公の施設の強化等も含めて、環境整備を国・県に対して求めていく所存でございます。

近藤

一点再質問です。PAZ区域住民が全員避難するとしたら、どの程度の時間を要するか、国・県に求めていくことについてはいかがでしょうか。

市長

PAZ圏内は人口約1万5千人として、この件に関しましては、新潟県が阻害要因調査を行いましたけれど、正確なものではないと考えております。

ですので、当初、国・県と協議していたルートを考えたとするならば、あそこまで時間がかかるものではないと考えておりますが、今ほどお話しいただきましたように、PAZ圏内の方々がどういう状況で、どういう風に避難するのかということも含めると、正確な時間が出ているものではないと承知しております。

近藤

その点はなかなか難しいものがありますが、避難道路整備が進むという話もありますので、ある程度の時間は把握していただきたいと考えるところです。

最後の質問は(3)子ども達及び家族の避難をめぐる対応 です。

新潟県の原子力防災訓練では、PAZ及びUPZ内の学校や保育園において、緊急時に児童や園児の避難が円滑に行われるよう、手順を確認するための訓練を実施しています。

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具体的な訓練内容は、保護者に子ども達の迎えを要請する、迎えに来た保護者に子どもを引き渡す、避難時の安定ヨウ素剤を持ち出す、引渡しできなかった子ども達をバスに乗せ、教職員が引率して避難する、という流れになっています。

毎年の訓練結果を次の訓練に反映しているのは承知していますが、マニュアルをこなす感覚で参加するケースも見受けられます。

そのため、原子力防災の基本的な考え方に基づく訓練の意味を、子ども達、教職員、保護者がそれぞれ理解することが必要だと思います。

また、子ども達が登園・登校している時間帯は、保護者とは別々の場所にいることから、「平日の日中に災害が起きた場合、家族が全員県内各地にバラバラに避難することになる」との意見があります。

これに対し、市ではあらかじめ各家庭で家族避難計画を作成することを推奨し、防災ガイドブック<原子力災害編>には「家族が別々になったときの避難行動」として、広域避難先で合流する案を示しています。

ですが、原子力災害の時間軸を考えた場合、いったん家族が参集し、ともに広域避難することも可能ではないかと感じます。

また、保護者の中には「原子力災害時に発電所に近いPAZ区域にある学校や保育園に、子どもを迎えに行くことには抵抗がある」との意見もありますが、PAZ区域における避難開始時期は放射性物質の放出前なので、引き渡しの段階で発電所との距離はあまり関係ないと思います。

以上のことから、子ども達を含む家族の避難においても、原子力災害の時間軸、自然災害と原子力災害にはタイムラグがあることを理解した上で、各自が適切な対応・判断できることが重要です。

そこで質問です。原子力防災における子ども達及び家族の避難について、小・中学校や保育園でも時間軸を踏まえた適切な対応を周知し、家族避難の在り方を整理する必要があるのではないかと考えますが、見解及び今後の取組について伺います。

 

市長

これもいざ原子力災害が起こった場合として、保護者の方々からご心配の声が寄せられていることでございます。そういった意味で、近藤議員からのご質問は非常に重要な部分だと思います。

ただ、多くの方々が誤解しているわけです。近藤議員がおっしゃるように、事故が起こったらすぐに放射性物質が放出されることにはならないわけです。タイムラグが必ずあるわけです。そういったことを前提に、避難できるとなっております。

今年度から全小・中学校、全市立保育園を対象に、児童、生徒、保護者、教職員に向けた原子力防災講座を開催し、原子力発電所や放射線を含めた原子力防災知識の理解を深める取組を始めております

本市といたしましては、保育園、学校などでの引き渡しにおいて、お迎えが可能な方を幅広く登録するようお願いしておりますが、保護者の職業、勤務形態や、発災時の私的な都合などにより、迎えに行く状況は大きく異なっていると認識しています。これはご指摘の通りです。

そのため、教職員の基礎知識習得が重要でございます。お子さんを保護者がすぐに迎えに来れないという状況もある時には、預かっていただいている教職員の対応が、非常に重要になるということでございます。

昨年度は、引渡し訓練前に、教職員等に対して、原子力防災基礎講座を開催し、児童・生徒への的確な対応など実施効果の高い訓練となりました。今後は保護者の方へのより一層の周知と理解の促進が重要であると考えております。

以下、具体的なことを申し上げます。例えばUPZ(30km圏内)にお勤めの保護者が、距離的に原子力発電所に近付く、つまりPAZ(5km圏内)の学校に通学している児童や生徒を迎えに行く場合でも、警戒事態で保護者に迎えを要請し、引渡しを行いますので、つまり放射性物質が放出される前に、完了されるということになります。放射性物質が放出された後に、迎えに来てくださいということにはならないということです。

また、新規制基準により装備される代替循環冷却設備によって、放射性物質の放出を可能な限り回避することができるならば、また万が一放出される場合においても、それまでの時間的な余裕、近藤議員からは10日間というお話もありましたけれど、時間的な余裕を確保できると認識しております。

従いまして、ご指摘の通り、PAZ圏内の学校に迎えに行くことをどうしよう、放射性物質があるのに迎えに行かなければならない、ということはご心配いただくことはないということを、きちんとお伝えしなければならないと考えているところでございます。

保育園、学校などでの研修や訓練などを反復・継続して実施するとともに、平時ご家庭において、防災ガイドブック<原子力災害編>に記載してあります、家族避難計画を活用した避難シミュレーションをお願いしているところでございます。

引き続き、正しく理解し、正しく恐れ、原子力発電所のリスクを正確に理解していただけるよう、理解促進・啓発に努めてまいります。

近藤

力強いお言葉をいただきました。私自身も今のお話を市民の皆様と共有しながら、不安を払拭し、希望を持って暮らせる柏崎を目指して取り組んでまいります。これで今回の一般質問は終わりです。ありがとうございました。

 

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