道の駅「風の丘米山」の現状
6月12日、星野正仁議員(柏崎の風)の一般質問に対し、市長は再整備を目指している道の駅「風の丘米山」が、事業者撤退により国道8号線側の計画が白紙になったと答弁しました。(写真は令和6年6月13日 新潟日報より引用)
それから2日後の本日、産業建設常任委員協議会で説明を受けました。(傍聴出席)
以下はその資料の引用と質疑のメモです。
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道の駅「風の丘米山」再整備計画について
(産業振興部道の駅「風の丘米山」整備推進室より説明)
1 現状
現在、日本海フィッシャーマンズケープが位置する国道側の一部を道の駅に編入し、再整備を行う計画を見直すこととする。
2 今後の対応
現在、道の駅の登録を受け休止している丘側の再整備の可能性について、道の駅の登録返上を含め、検討に着手した。
3直近までの経緯
(1)能登半島地震の発生と経営体制の変更
本年1月1日に能登半島地震が発生し、株式会社エムアンドケイ(以下「エムアンドケイ」という。)と本社がある金沢市を含む石川県の広範囲に被害が及ぶ。
その1か月後の2月1日に株式会社ニッカイ米山(以下、「ニッカイ米山」という。)の代表取締役が交代となる。
(2)官民連携による再整備区域の拡大の打診
2月下旬に実施設計に向けた協議のため、エムアンドケイ本社を訪問した際に、エムアンドケイから基本協定における再整備区域を含む、隣接の民間宿泊施設や恋人岬側一帯を含めた再整備の打診を受け、市の回答を求められる。
(3)市の基本的な考え方の回答と実施設計に向けた民間事業者側のスケジュール提示の要請
3月下旬に、基本協定における再整備区域に変わりはないことと合わせて、新たな商業施設の建設に向けた実施設計スケジュールの提示を文書で市から民間事業者2社に要請する。
(4)市の要請に対する回答に当たっての質問文書の収受及び質問に対する回答
4月に入り、商業施設の解体及び建設に向けた実施設計スケジュールの回答は無く、基本協定の対象区域外の再整備などの質問を民間事業者2社に要請する。
(5)民間事業者2社から本事業への参画を断念する意向の提示
5月下旬に、エムアンドケイ本社を訪問し、市の考え方は、基本協定の内容と変わりはないことを伝達し、民間事業者2社から事業への参画の断念を口頭で受ける。
後日、民間事業者2社の連名により文書で同様の意向が示される。
(6)基本協定書の執行
民間事業者2社から本事業への参画の断念の意向が文書で示されたことを受け、6月7日に、市から民間事業者2社に対して基本協定書の効力が失効したという認識であることを文書で通知する。
<質疑>
Q
令和4年6月14日に協定を結び、ちょうど2年になる。
通知文書のやり取りによって法的なものは生じないのか。
A
法務に確認したが、法的なリスクはない。
Q
能登半島地震を理由にされた感がある。今回市の対応に道の駅返上の検討が入った。
道の駅そのものを断念するのか、新たな場所を検討するのか。
A
もともとは丘側が駅舎として登録されているが、駅舎がないので休止している。
再整備により休止を解く計画だった。国道側が断念したことで、丘だけで道の駅を目指すのか、返上するのか検討する。
再整備しないなら国交省に返納、方向性を早急に決定したい。
Q
国交省に対しても、登録返上を視野に入れると伝えてあるのか。
A
国、県、関係各所に対して同様の説明をしている。
Q
新たな道の駅設置はハードルが高くなる。
今後かなり高度な判断が求められるが、いつまでに検討し結論を出すのか。
A
いつ頃になるかは申し上げられない。
今年度の予算2億3千万円は未執行、取扱いを諮る(丘側だけなら1/2予算)。
今後はしばらく休止状態を継続し、地元経済界や観光協会、市民の意見もいただき再検討したい。
Q
これまで最適の場所だと言ってきた以上、次善の策はないのか。
柏崎市の観光を呼び込む拠点だと言ってきたが、市の観光そのものに影響を及ぼすのではないか。
A
市の観光の玄関口であるが、市だけで事業を進めるのが難しく、民間と連携してきたがこの結果となった。
隣接地の民間事業者が開発を進めれば、観光拠点としての活性化が見込めるが、現時点では痛い。
手をこまねくわけにはいかないので、再整備するのか、他の場所を開発するのか、再度考えていきたい。
Q
市長が答弁で「屈辱的ではあるが市内の業者で一緒にやっていく体力あるところがない」と発言した。
これから協力を求める段階であの発言はないと思う。
今後大事なのは地元事業者と手を組むこと。場所を変えるべきとの意見があれば、耳を貸す余地はあると解釈してよいか。
A
もちろん地元業者と市が一緒にやるのは最善策であり、そうあるべきだと考える。しかし道の駅と商業施設は別の問題。
これまで整備しようとしてきたのは、道の駅であり、フィッシャーマンズケープ側を登録し、民間の力を借りて活性化したかった。
民間が独自で事業を進めるのであれば市として応援したい。
Q
他の国道沿いではどうか。
A
2桁、3桁国道沿いを登録するのは難しい。ただし可能性がゼロではない。
Q
新潟日報の記事では、当該事業者は地元企業と連携して活性化したいとのコメントが掲載された。市は今後も協力するのか。
A
予算をとるのが協力か、イベントへの協力か、
今後一緒にやっていくことはないが、独自に頑張りたいというなら応援はしたい。
Q
推進室までつくりながら、なぜこうなったのか。
民間との亀裂はどこで生じたのか、原因は何か、そこを分析しなければ今後の民間企業との連携にも影響が出る。
A
民間事業者は収益性がとれない。21億5千円よりも費用をかけて整備をしてもらいたい、にぎわいをもたせてもらいたいとの意向があった。
最終的には丘側、ホテル側も含めて総合的に開発し、活性化を望んだが、そこが折り合わず、今回の事態となった。
Q
市は現状であれば収益、にぎわいができると期待したが、事業者はもっと開発範囲を拡大すべきとの考えであり、齟齬が生まれたものと思う。
市としては白紙でよかったのか、もっとお金をかけて活性化すべきだったのか。
以前から、ここでやるメリットはあるのかと指摘されてきた。もっと交渉の余地はなかったのか。
また、3(2)の部分の宿泊土地や恋人岬側の該当土地は誰が所有するのか。
A
今回の協定相手はエムアンドケイとニッカイ米山。ホテルから恋人岬に関しては別会社が所有している。
そちらを開発範囲に入れると、さらにもう1社と協定を結ばなければならない。
もう1社にもお願いしたが、受け入れられず、白紙となっている。
何度も金沢に足を運び、交渉したが、最終的には判断できる立場ではなく、市長に報告した。
交渉、協議はし尽くしたが、結果は力不足もあるが、市としてよかったのか悪かったのかは判断できない。
何が柏崎のために効果的なのか意見を求めたい。
Q
色々な場面で行政と民間との考え方の差が大きくなってきている。
民間の考え方をもっと入れていかなければ、うまくいかないことが増えていく。
民間の力を活用しながら進めていただきたい。
(答弁は求めない)
Q
星野正仁議員が一般質問した際にこの報告がされたが、もっと前から交渉決裂の兆しはあったのではないか。
すでに通告はされていたのに、6月12日段階で知らされたのは、議会としても遺憾である。
非常に残念ではあるが、分析は必要だと思う。
2015年に休止した風の丘、分家筋に頼ろうとしたのがこれまでの経緯である。
市の計画では収益が望めないとのコメントについての市の所感は。
A
一緒にやろうとする位置はすでに協定に記載してある。そこを超える範囲を望まれたので、協定とは異なると申し上げた。
Q
協定を締結しながら、これまでどういうやりとりをしてきたのか。民間は協定書を結んだあとに契約を結ぶ。
契約の話は出てこなかったのか。
A
協定締結後に、令和5年度に基本設計に着手した。業者選定時に両者社長から来ていただいた。
契約というが、道の駅を整備するのが我々の役目であり、商業施設はあくまでも事業者側の判断(契約は成り立たない)。
ただし、一部の土地を市が買い上げることは紳士協定。金額、期間も決めていない。
基本設計に入る段階で、基本設計業者を選定した。
その後、数回に渡り、情報共有してきた。
さらには金沢に出向き、誠意をもって状況を報告してきた。
柏崎の事業者のところには何度も足を運び、協議会も何度も開いている。
Q
民間の土地購入にあたってはどうか。
A
単価購入だけは伝えたが、それがいくらになるかは提示できなかった。
土地は入り組んでいるので、令和5年度に測量を行い、買うべき土地は示している。
金額は市の評価額で買うことは伝えたが交渉に入っていなかった。
Q
民設民営は撤退リスクが少ないとの説明があったのではないか。
A
建設していればそうなるが、建設前はリスクが低いとはいえない。
Q
事業者の営業休止は市が依頼したのか。
A
市からは依頼していない。解体しながら営業することも勧めたが相手側が営業休止を選択した。
Q
営業補償の問題は発生しないのか。
A
弁護士に相談しながら進めており、現在そういうことはない。
Q
今年度は実施設計として予算計上しているが、これまでに執行した予算はどう考えるのか。
A
すでに執行している分は基本設計なので、丘側を開発するなら生きる。
Q
最終的に市は協定書に基づき事業を進めるのでなければ、継続できないと判断したということでいいのか。
A
その通りである。
以上が現時点で市議会に対して公式に提供された情報・説明です。
錯綜している様々な情報(噂も含めて)を整理し、現実を受け止めた上で、冷静に対応していきたいと思います。
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