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2024年5月27日 (月)

旧庁舎跡地利活用事業 事業手法の変更について

5月27日、産業建設常任協議会において、都市整備部都市計画課から、旧庁舎跡地利活用事業の事業手法の変更について報告がありました。(傍聴出席)以下はその内容です。

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旧庁舎跡地利活用事業の事業手法の変更について

1 事業実施概要

⑴概況 敷地面積14,620㎡

⑵整備方針(仮称)

柏崎セントラルガーデンのコンセプトのもと、中央地区コミュニティセンターと屋根付き多目的広場、多世代交流センターを核とする公共施設として整備

⑶事業方式等

令和4(2022)年度に官民連携手法のDBO(Design Build Operate) 方式による事業実施を決定

【事業期間】設計・建設:約3年、管理・運営:約15年

2 令和5(2023)年度の経過

令和8(2026)年4月開業を目指し、8月4日から事業者選定の公募型プロポーザルを開始したが、11月2日付けで参加辞退届の提出があり、中止となった。

8月4日 公募型プロポーザルの開始
9月22日 参加申込・資格審査書類の受付 ※1企業グループ(6者)
11月2日 申込事業者から辞退届の提出(受理)
11月7日 公募型プロポーザルの中止(公表)
12月8日~1月11日 申込事業者等へのヒアリング
12月20日 補正予算の議決(継続費、債務負担行為の廃止)

3 申込事業者の辞退理由

要求水準を満たす事業を実施した場合、サービス対価A(設計・建設) 、サービス対価B (管理・運営)とも市が設定した提案上限額に収まらないため

公募時の提案上限額
サービス対価A (設計・建設) 3,294,104,000 円
サービス対価B (管理・運営) 1,684,331,000 円
合計4,978,435,000 円

4 申込事業者等へのヒアリング結果について

⑴サービス対価A(設計・建設)に関する主な意見

・昨今の物価や労務費等の高騰に伴い、リスクを踏まえた安全側の積算となった。
・環境性能の要件を達成するために過大な設備設計が必要となり、工事費が増大した。
・提案書の提出期限までに内容を精査し、調整できなかった。(ただし、調整しても上限額に収めるのが困難であった。)

⑵サービス対価B(管理・運営)に関する主な意見

・管理実績のない新規施設のため、光熱水費、除雪費、人件費等の設定については将来予測が難しくリスクが高いことから、安全側の積算となり限度額に収まらなかった。

※【参考】過年度本事業に興味を示していた県内建設企業3者へのヒアリング結果3者ともに、現在は官民連携事業に取り組んでおらず、再公募をしても参加はしないとの回答があった。

5 事業手法の変更について

⑴変更の理由

・昨今の物価や労務費等の高騰に加え、働き方改革による工期の延伸、令和6年能登半島地震の復興事業に伴う資材・人材の不足など、先行き不透明な状況が続いていくと考えられることから、DBO方式では安全側の積算となり再度不調となるリスクがある
・本事業をDBO方式で再公募した場合、ヒアリング結果からも他企業の参加が期待できない

⑵変更の方針

・事業手法を「DBO方式」から「従来方式(個別発注方式) 」に変更する。
・令和6(2024)年度は、6月補正予算を上程し、「基本設計業務」により施設規模や配置等の検討を行い、当初の事業費(設計・建設)を目安に設計を取りまとめ、令和7(2 025)年度の実施設計へと進めたい。

6 今後のスケジュール(予定)について

令和6(2024)年
5月 委員協議会報告、地元等説明
6月 補正予算の上程(基本設計業務委託費)
7月~8月 公募型プロポーザルにより設計者を選定
9月~令和7(2025)年5月 基本設計(令和7(2025)年度へ繰越予定)
令和7(2025)年6月~令和8(2026)年3月 実施設計
令和8(2026)年度~令和9(2027)年度 建設工事
令和10(2028)年4月 施設開館
※開館年度は、当初予定から2年遅れとなる。

主な質疑

Q サービス対価A、Bをどの程度上げればDBO方式が可能だったのか。DBO方式によるメリットを説明してきたが、他のDBO方式予定(新ごみ処理場)への影響も大きいことから、それを崩す以上は明確な説明が必要ではないか。

A 上限額は最新の法的単価を用いて積算し、仕様の中でスライド条項規定を適用し、物価上昇に伴い契約締結後に上げることも可能としていたが、それでも折り合わなかった。上限額はDBO方式による事業費削減効果を見込んでいたが、事業者は現在の社会情勢では契約後の価格改定は盛り込んでいても、リスクが大きすぎるとして入札に応じられなかった。DBO方式でプロポーザルを再開しても最後は不調になるリスク大きいと判断し、設計、建設、管理・運営を個別に発注する従来方式に変更する。

Q 再度の不調となり金額が上がる可能性はないか。また、セントラルガーデン全体の管理はどうするのか。

A 事業費はサービス対価A:33億円の範囲内でまとめる。縮小も含めて施設規模や配置を検討したい。削る部分も出て来ると考える。管理・運営は指定管理者制度とし、建設後に3~5年ごとに指定期間を更新する。

Q 規模縮小もしくは品質を落とすということか。

A 大幅な縮小はしたくないが、フォンジェ内のキッズマジック改修なども考慮して施設規模は検討しなければならない。また、環境性能の要件として従来型の照明や空調のエネルギー効率を50%以上としていたが、物価高騰によりハイスペックな設計となってしまったことも再検討する必要がある。

Q サービス対価Aの上限を33億円の範囲内に抑えるため、照明や空調が環境性能を満たさなくても構わないと解釈したが、環境性能だけが問題なのか。事業の必要性を追求し、事業達成のための詳細な調査を行わないのか。

A 当初のDBO方式では設計も事業者提案だったことから詳細の検証ができていない。従来方式では基本設計の段階で施設規模や意匠を決めてから発注し、細かい部分を決定していく。

Q 旧庁舎跡地の近隣にはコンセプトであるセントラルガーデン構想の類似施設があり、例えば北園町の鴨池公園はほとんど利用されていない。また、中心部ではフォンジェ地下スーパー撤退により買い物場所がない。中央コミセンはソルトスパ潮風跡地に建設し、旧庁舎跡地にスーパーをつくる等、現状にあわせて見直すべきではないか。

A 第五次総合計画・後期基本計画の重点戦略「子どもを取り巻く環境の充実」にも鑑み、セントラルガーデンのコンセプト自体は変えずに、施設規模や配置を見直す。

Q 中央コミセンは老朽化し、雨漏りも酷い状態だが、令和8(2026)年度の移転を視野に入れて応急処置的に対応してきた。開館が2年遅れることにより、施設管理の経費が上がる等の影響が出る。コミセン関係者の間では、プロポーザル中止に伴い、新たな意見や要望ができると思っている人もいる。また、周辺住民は旧庁舎跡地の動向に不安を感じている。どのように住民説明を行うのか。

A 説明は中央地区コミュニティ振興協議会に対して現状を説明する。中央コミセン施設は中央地区コミュニティ振興協議会からの2度の要望活動を反映したものだが、今後の基本設計の中で最終的に決定するので、配置等に意見を反映することは可能と考える。

Q 開館延期に伴い旧庁舎跡地の空き部分を市民の駐車場として利用すること等、何らかの活用を検討しないのか。

A 用地の所管は総務課であり、空いている部分は舗装していないため、安全を担保できる状態ではない。そのため現時点では利活用は考えていない。

Q セントラルガーデンのコンセプトは変えないとのことだが、内容を見直さないのか。

A セントラルガーデンのコンセプトとして、コミュニティガーデン(中央コミセン)、オープンガーデン(イベント実施が可能な施設建屋、駐車場)、スポーツガーデン(天候に左右されない屋根付多目的広場)は変えないが、スマートエネルギーガーデンは中央コミセン屋根の太陽光発電は行うものの、他は詳細が決まっていない。今後のコスト高騰に伴う運営・維持費も考慮し、コンセプトの強弱は出てくると考える。

 

DBO方式は市が企業グループに設計、建設、管理、運営業務を一括で発注するものであり、新ごみ処理場も同方式で進めています。

今回の事業手法の変更および開館の延期が関係各所に及ぼす影響は決して小さくないことから、引き続き今後の動向を注視していきたいと思います。

 

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