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2024年5月

2024年5月29日 (水)

柏崎市消防本部 水難救助訓練の再開について

5月29日、総務常任委員協議会において、柏崎市消防本部から、水難救助訓練の再開についての報告を受けました。以下はその内容です。

消防長より

昨年10月に発生した水難救助訓練中の事故によって亡くなられた消防士長、御遺族の皆様に深い哀悼の意を表するとともに、市民の代表である市議会に対し、あらためて謝罪したい。

4月22日に第三者による事故調査・再発防止検討委員会委員会による報告書を受領し、安全最優先の新たな組織風土の構築を目指して、職員の考え方や行動の変容を図り、万全な安全管理体制を活動計画に反映させるべく取り組んできた。
この度、事故以来中断していた水難救助訓練を再開したいことから、本協議会にて報告したい。尚、市長、副市長、故・消防士長の御遺族からは既に了解を得ている。ただし、活動計画については実災害における対応への影響を考慮し、非公開としたい。

また、警察による捜査は現在も継続中であり、答弁できない質問もあるかもしれないことを了承いただきたい。
安全な水難救助訓練に必要な備品は、6月定例会議の補正予算に計上させていただくが、訓練実施が可能なものから再開したいと考えている。

改善点のポイントは、御遺族の想いを受け止めた部分であり、指導者間の情報共有の徹底として、月2回に振り返りの機会を設けて幹部職員が未認定者の訓練状況を把握する他、未認定者の相談窓口(メンタルサポート)を、消防総務課人事係に設置している。
また、総務省消防庁からの改正通知も消防幹部会議で共有し、速やかに対応したい。

消防署長より

水難救助訓練の再開について

目的
水難救助対応時における潜水技術の向上及び潜水作業従事認定者の養成

2 日時
毎月、火曜日を原則とする(月4回)
⑴プール訓練:9時30分から12時まで
⑵海洋訓練:9時30分から13時10分まで
⑶操船訓練:9時30分から12時30分まで

3 場所
⑴プール訓練:新潟県立柏崎アクアパーク(柏崎市学校町6番73号)
⑵海洋訓練:笠島漁港内及び外海(柏崎市大字笠島)
⑶操船訓練:柏崎マリーナ(柏崎市東の輪町)

4 対象者
〇潜水作業従事認定者15人
〇潜水作業従事未認定者8人
〇有資格者7人
(警防第一:15人警防第二:15人)
※潜水作業従事未認定者8人及び有資格者7人はCカード(ダイビングライセンス)取得後から海洋訓練を開始する。

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5 訓練内容(バディ:潜水ダイバー2人以上を1組)

⑴ドライスーツ若しくはウエットスーツを着用し、適正なウエイト量の確認
⑵浮力調整装置を着装しての潜行及び浮上要領
⑶バディでの検索要領
⑷トラブル対応要領

6 安全管理の役割分担(バディ1組当たり)

⑴陸上
〇訓練統括:1人(副署長)
〇警戒員:1人 
〇陸上安全監視員:1人

⑵水面
〇スタンバイダイバー(安全監視員) :1人

⑶警戒艇
〇操船員:1人 
〇警戒員:1人

※警戒員:周囲の状況変化等の警戒を行い、ダイバーの安全を確保する隊員をいう。
※陸上安全監視員:不測の事態が発生する恐れがある場合に、ダイバーの安全を確保する隊員をいう。
※スタンバイダイバー:不測の事態が発生した場合に、直ちにダイバーを救護できる隊員をいう。
※警戒艇:訓練場所が、陸上から約30m以上離れた位置で訓練する場合に配置する。

7 携行品

⑴個人装備:
〇ドライスーツ若しくはウエットスーツ×人数分
〇個人潜水資機材一式×人数分
〇救命胴衣(訓練統括、警戒員、安全監視員、操船員)

⑵水難救助資機材:
〇潜行ロープ
〇検索ロープ
〇沈錘
〇国際A旗

⑶安全管理資機材:
〇浮環
〇フローティングロープ

⑷通報資機材:
〇携帯無線(安全監視員及び警戒員)
〇携帯電話

⑸救急資器材:
〇AED
〇呼吸管理資器材

8 水難救助訓練開始前の職員研修

⑴安全管理研修(安全監視及び警戒要領)
〇対象者:68人(主任以上の隔日勤務者)
〇日時:5月23日(木) 、24日(金) 1時間程度

⑵潜水業務従事者研修
〇対象者:30人(潜水作業従事認定者及び未認定者)
〇日時:5月25日(土) 、26日(日) 1時間程度

⑶船舶操縦士研修
〇対象者:31人(船舶免許保有の隔日勤務者)
〇日時:5月28日(火) 、29日(水) 1時間程度

※水難救助(潜水)訓練の開始予定日6月11日(火)

9 改善点

⑴安全を最優先にする組織風土の構築

ア 総務省消防庁からの水難救助等に関する通知は幹部会議で共有し、消防本部内の対応を明確にする。

イ 他消防本部や他機関で発生した事故事例及びヒヤリハット事例は、隊員間で共有する場を設け、必要に応じて水難救助活動計画を見直す。

ウ 潜水士の国家資格を取得後、プールで基本泳力を確認し、スキューバダイビングライセンス(Cカード)を取得させる。

エ 組織内の情報共有として、潜水作業従事認定者は訓練の振り返りを月2回以上実施し、未認定者の訓練状況を把握すると共に、その内容を潜 水活動振り返りシートを用いて、消防署長に報告し、消防署長は報告内容から適切な対策を講じることとする。

オ 未認定者の相談及び意見等を聞き入れる窓口は消防総務課人事企画係長とし、その内容を消防総務課長に報告する。なお、消防総務課長は消防署長と協議し、適切な対策を講じることとする。

⑵機械的要因(資機材点検)

ア 圧力調整器(レギュレーター及びオクトパス) 、ゲージ(水深計、残圧計及びコンパス)並びに浮力調整具(BCジャケット)については使用に際して支障を来さぬように年1回業者に点検整備を依頼する。

イ ドライスーツを追加配備し、可能な限り隊員の体型に合うサイズ選定を可能にする。

ウ 個人装備の点検は、全ての隊員が点検表に基づき同様の手順で実施するとともに、必ずバディ相互でダブルチェックを行う体制とする。

⑶環境的要因(安全管理)

ア 安全管理員を増員させ、訓練統括、警戒員、安全監視員、スタンバイダイバーを配置し、安全管理体制を強化する。

イ 潜水救助活動は、陸上又は船艇から、水平距離でおおむね30m以内とする。陸上から30m以上離れて訓練を行う場合は警戒艇による警戒員を配置する。

ウ 無線機、携帯電話等により通信手段を確保、AEDなどの救急資器材を配備し、緊急時の迅速な対応に備える。

⑷環境的要因(訓練の実施方法)

ア 訓練の実施に際し、潜水業務計画表を作成して、全隊員が訓練内容を把握できるよう周知徹底する。

イ 段階別潜水隊員育成訓練実施表及び潜水隊員訓練実施表に基づき訓練を実施し、訓練参加者個々の技術等の到達度を確認できる体制とする。

ウ 潜水訓練は、2人以上1組(バディ)を遵守し、単独での潜水は行わない。

エ 就業時及び訓練前後の健康状況については、健康チェックシートを用いて安全責任者がチェックを行う。また、安全責任者は訓練者の健康状況を消防署長へ報告する。

オ 訓練前日当務の仮眠時間は、連続6時間以上取れるように配慮する。なお、夜間(21:00~翌朝6:30)に災害等で出場した場合は、労務管理に考慮して水難救助訓練には参加させない。

⑸人的要因(個人の適性)
ア 潜水訓練を実施する職員は、高気圧作業安全衛生規則第38条に定められた健康診断(肺活量測定等)を実施する。

イ 消防署長は月に1回程度、訓練対象者と面談を実施し、個人の適性を把握する。

主な質疑

Q 伝達のシステムは機能するのか。
A 消防幹部が先頭に立ち、月1回面談を行う他、認定者同士でも月2回の振り返りを行い、未認定者の状態や訓練状況を把握する。

Q 安全管理員の配置を増やすことは現職員数において無理のない状況なのか。例えば消防OBに依頼する等の考えはないのか。
A 訓練者は基本的に非番職員であり、現体制で実施は可能である。ただし。訓練者は夜間勤務のうち継続して仮眠を確保できる1番(0時~6時)、4番(21時~4時)の者とし、救急出動など夜間災害対応を行った場合は訓練に参加させないこととする。

Q 職員のメンタルケアは十分か。
A カウンセリング対象者は面談を終了し、ストレスチェックも実施した。今後もメンタル面のサポートを継続する。

Q 職員研修の際の様子はどうか。
A 研修では安全管理の徹底について丁寧に指導し、職員からは質問も多く出された。これまでと変わった部分として、安全監視体制の役割を明確にしており、職員配置のポイントについても理解を深めたと認識する。

Q 訓練場所を笠島漁港にした理由は。また、漁業に支障はないのか。
A 笠島漁港は水深があり、広範囲でエリアを警戒できる等、訓練には最適な場所であると判断した。(これまで使用していた番神海岸は岩礁が多く、陸から30m離れた箇所には警戒艇が必要となる。)漁業関係者とは調整が済んでおり、新潟県漁業協同組合米山支部および柏崎漁業協同組合の了解を得ている。尚、毎週火曜日は漁業者の休暇日であることから、訓練に使用させていただくこととした。

Q 訓練時の安全管理体制は理解したが、実際の災害出動時には様々な環境、立地の中で水難救助を行わなければならない。新たな訓練体制の中で、そのためのスキルは身に着けられるのか。
A 訓練は未認定者と認定者を分けて行い、海上のバディ体制ではベテランと未認定者を組み合わせ、指揮命令下で活動することを学ぶ。また、訓練課程でCカードを取得することにより、様々な条件での水中活動のためのスキル取得を目指す。

Q 訓練参加者の適性やメンタルを見極めながら育成するとのことだが、一般的な取得期間を延長することもあるということか。
A 認定には早くて1年、最長2年を見ている。個々の体調や適性を確認しながら、着実に育成する。

Q 訓練資機材の過不足はないか。
A 潜水資機材は全部で12機あるが、オーバーホール修理が必要なものがあり、6月の補正予算に計上している。また、警察の捜査で押収された10機のうち9機が戻ってきており、仕様できる状態になっている。

Q 職員の体調管理についての情報共有は。
A 訓練参加者には必ず健康管理チェックシートを記載し、体調に不安がある場合に自己申告する体制としている。訓練前後にもチェックする。消防署長を中心に救助係長等が参加者の様子を見守り、異常を感じた時には声掛けすることとしている。参加者が訓練内容を把握し、実際の動きをイメージできるようにする。訓練の改善や強化についての新たな取組みについて情報を取得した場合は共有し、採用できるものは採用していきたい。

 

これから本格的に「海のシーズン」が始まります。

水難救助訓練の安全管理体制と実際の災害現場における対応力の維持・向上、この二つを両立させなければならない消防本部のミッションは非常に重いと感じます。

今後の6月定例会議で計上される補正予算も含めて、引き続き注視していきたいと思います。

2024年5月27日 (月)

旧庁舎跡地利活用事業 事業手法の変更について

5月27日、産業建設常任協議会において、都市整備部都市計画課から、旧庁舎跡地利活用事業の事業手法の変更について報告がありました。(傍聴出席)以下はその内容です。

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旧庁舎跡地利活用事業の事業手法の変更について

1 事業実施概要

⑴概況 敷地面積14,620㎡

⑵整備方針(仮称)

柏崎セントラルガーデンのコンセプトのもと、中央地区コミュニティセンターと屋根付き多目的広場、多世代交流センターを核とする公共施設として整備

⑶事業方式等

令和4(2022)年度に官民連携手法のDBO(Design Build Operate) 方式による事業実施を決定

【事業期間】設計・建設:約3年、管理・運営:約15年

2 令和5(2023)年度の経過

令和8(2026)年4月開業を目指し、8月4日から事業者選定の公募型プロポーザルを開始したが、11月2日付けで参加辞退届の提出があり、中止となった。

8月4日 公募型プロポーザルの開始
9月22日 参加申込・資格審査書類の受付 ※1企業グループ(6者)
11月2日 申込事業者から辞退届の提出(受理)
11月7日 公募型プロポーザルの中止(公表)
12月8日~1月11日 申込事業者等へのヒアリング
12月20日 補正予算の議決(継続費、債務負担行為の廃止)

3 申込事業者の辞退理由

要求水準を満たす事業を実施した場合、サービス対価A(設計・建設) 、サービス対価B (管理・運営)とも市が設定した提案上限額に収まらないため

公募時の提案上限額
サービス対価A (設計・建設) 3,294,104,000 円
サービス対価B (管理・運営) 1,684,331,000 円
合計4,978,435,000 円

4 申込事業者等へのヒアリング結果について

⑴サービス対価A(設計・建設)に関する主な意見

・昨今の物価や労務費等の高騰に伴い、リスクを踏まえた安全側の積算となった。
・環境性能の要件を達成するために過大な設備設計が必要となり、工事費が増大した。
・提案書の提出期限までに内容を精査し、調整できなかった。(ただし、調整しても上限額に収めるのが困難であった。)

⑵サービス対価B(管理・運営)に関する主な意見

・管理実績のない新規施設のため、光熱水費、除雪費、人件費等の設定については将来予測が難しくリスクが高いことから、安全側の積算となり限度額に収まらなかった。

※【参考】過年度本事業に興味を示していた県内建設企業3者へのヒアリング結果3者ともに、現在は官民連携事業に取り組んでおらず、再公募をしても参加はしないとの回答があった。

5 事業手法の変更について

⑴変更の理由

・昨今の物価や労務費等の高騰に加え、働き方改革による工期の延伸、令和6年能登半島地震の復興事業に伴う資材・人材の不足など、先行き不透明な状況が続いていくと考えられることから、DBO方式では安全側の積算となり再度不調となるリスクがある
・本事業をDBO方式で再公募した場合、ヒアリング結果からも他企業の参加が期待できない

⑵変更の方針

・事業手法を「DBO方式」から「従来方式(個別発注方式) 」に変更する。
・令和6(2024)年度は、6月補正予算を上程し、「基本設計業務」により施設規模や配置等の検討を行い、当初の事業費(設計・建設)を目安に設計を取りまとめ、令和7(2 025)年度の実施設計へと進めたい。

6 今後のスケジュール(予定)について

令和6(2024)年
5月 委員協議会報告、地元等説明
6月 補正予算の上程(基本設計業務委託費)
7月~8月 公募型プロポーザルにより設計者を選定
9月~令和7(2025)年5月 基本設計(令和7(2025)年度へ繰越予定)
令和7(2025)年6月~令和8(2026)年3月 実施設計
令和8(2026)年度~令和9(2027)年度 建設工事
令和10(2028)年4月 施設開館
※開館年度は、当初予定から2年遅れとなる。

主な質疑

Q サービス対価A、Bをどの程度上げればDBO方式が可能だったのか。DBO方式によるメリットを説明してきたが、他のDBO方式予定(新ごみ処理場)への影響も大きいことから、それを崩す以上は明確な説明が必要ではないか。

A 上限額は最新の法的単価を用いて積算し、仕様の中でスライド条項規定を適用し、物価上昇に伴い契約締結後に上げることも可能としていたが、それでも折り合わなかった。上限額はDBO方式による事業費削減効果を見込んでいたが、事業者は現在の社会情勢では契約後の価格改定は盛り込んでいても、リスクが大きすぎるとして入札に応じられなかった。DBO方式でプロポーザルを再開しても最後は不調になるリスク大きいと判断し、設計、建設、管理・運営を個別に発注する従来方式に変更する。

Q 再度の不調となり金額が上がる可能性はないか。また、セントラルガーデン全体の管理はどうするのか。

A 事業費はサービス対価A:33億円の範囲内でまとめる。縮小も含めて施設規模や配置を検討したい。削る部分も出て来ると考える。管理・運営は指定管理者制度とし、建設後に3~5年ごとに指定期間を更新する。

Q 規模縮小もしくは品質を落とすということか。

A 大幅な縮小はしたくないが、フォンジェ内のキッズマジック改修なども考慮して施設規模は検討しなければならない。また、環境性能の要件として従来型の照明や空調のエネルギー効率を50%以上としていたが、物価高騰によりハイスペックな設計となってしまったことも再検討する必要がある。

Q サービス対価Aの上限を33億円の範囲内に抑えるため、照明や空調が環境性能を満たさなくても構わないと解釈したが、環境性能だけが問題なのか。事業の必要性を追求し、事業達成のための詳細な調査を行わないのか。

A 当初のDBO方式では設計も事業者提案だったことから詳細の検証ができていない。従来方式では基本設計の段階で施設規模や意匠を決めてから発注し、細かい部分を決定していく。

Q 旧庁舎跡地の近隣にはコンセプトであるセントラルガーデン構想の類似施設があり、例えば北園町の鴨池公園はほとんど利用されていない。また、中心部ではフォンジェ地下スーパー撤退により買い物場所がない。中央コミセンはソルトスパ潮風跡地に建設し、旧庁舎跡地にスーパーをつくる等、現状にあわせて見直すべきではないか。

A 第五次総合計画・後期基本計画の重点戦略「子どもを取り巻く環境の充実」にも鑑み、セントラルガーデンのコンセプト自体は変えずに、施設規模や配置を見直す。

Q 中央コミセンは老朽化し、雨漏りも酷い状態だが、令和8(2026)年度の移転を視野に入れて応急処置的に対応してきた。開館が2年遅れることにより、施設管理の経費が上がる等の影響が出る。コミセン関係者の間では、プロポーザル中止に伴い、新たな意見や要望ができると思っている人もいる。また、周辺住民は旧庁舎跡地の動向に不安を感じている。どのように住民説明を行うのか。

A 説明は中央地区コミュニティ振興協議会に対して現状を説明する。中央コミセン施設は中央地区コミュニティ振興協議会からの2度の要望活動を反映したものだが、今後の基本設計の中で最終的に決定するので、配置等に意見を反映することは可能と考える。

Q 開館延期に伴い旧庁舎跡地の空き部分を市民の駐車場として利用すること等、何らかの活用を検討しないのか。

A 用地の所管は総務課であり、空いている部分は舗装していないため、安全を担保できる状態ではない。そのため現時点では利活用は考えていない。

Q セントラルガーデンのコンセプトは変えないとのことだが、内容を見直さないのか。

A セントラルガーデンのコンセプトとして、コミュニティガーデン(中央コミセン)、オープンガーデン(イベント実施が可能な施設建屋、駐車場)、スポーツガーデン(天候に左右されない屋根付多目的広場)は変えないが、スマートエネルギーガーデンは中央コミセン屋根の太陽光発電は行うものの、他は詳細が決まっていない。今後のコスト高騰に伴う運営・維持費も考慮し、コンセプトの強弱は出てくると考える。

 

DBO方式は市が企業グループに設計、建設、管理、運営業務を一括で発注するものであり、新ごみ処理場も同方式で進めています。

今回の事業手法の変更および開館の延期が関係各所に及ぼす影響は決して小さくないことから、引き続き今後の動向を注視していきたいと思います。

 

2024年5月 1日 (水)

【視察報告】上越火力発電所(東北電力株式会社)について

4月25日、会派で東北電力株式会社の上越火力発電所を視察しました。

東北電力株式会社 上越火力発電所(リーフレット)

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発電設備の概要

立地:約21万㎡(東京ドーム約4.5個分)、JERA、INPEXに隣接
使用燃料: LNG気化ガス
発電方式 :コンバインドサイクル発電システム
(三菱重工業と共同開発)
発電出力:57.2万kW
発電効率 :63.6%(低位発熱量基準)
営業運転開始日 :2022年12月1日
所員数:47人

*発電所建屋の壁面上部と煙突の先端部には「上越市の木」である桜をイメージした「桜色」、上杉謙信公の天賜の御旗をイメージした「紺色」の2色であしらっている。

設立の経緯

1995年に中部電力(株)との共同出資による上越共同火力(株)を設立し、直江津港荒浜埠頭地区の埋立地に火力発電所を建設・運営する計画だったが、電力需要の伸び悩みなどから2003年に開発計画を変更し、上越共同火力(株)は解散した。
1,2号系列を中部電力が、3号系列(現・東北電力1号系列)を東北電力が直接運営する計画に変更となったほか、着工時期や営業運転開始時期も変更された。

中部電力(株)は2012年7月から上越火力発電所の営業運転を開始して長野県に電力供給を行い、2016年にはJERA(中部電力と東京電力フュエル&パワーの合弁会社)に設備が承継された。
東北電力(株)では老朽化が進む他の火力発電所の代わりに、東北管内に安定的に電力供給を行うため、環境性・経済性を高めた上越火力発電所を建設した。
2022年12月から上越火力発電所の営業運転を開始し、東新潟火力発電所等の他の発電所とともに東北エリア一帯に電力供給している。

上越火力発電所の役割

上越火力発電所ではガスコンバインドサイクル発電方式を採用し、ガスタービンと蒸気タービンの二つの力で効率よく発電機を回している。
さらに新開発の「強制空冷燃焼器システム」を導入し、発電効率を63.6%まで高めている。燃料を節約することができ、CO2などの環境負荷を低減し、脱炭素社会の実現に貢献している。
また、従来型の火力発電所よりも起動・停止時間が短く、1日の電力需要の変動や天候により急激に変動する自然エネルギーの発電量に対し、電力の需要に合わせた発電量になるようスピーディーに対応することができ、自然エネルギーの導入拡大における調整力としても重要な役割を担っている。

ギネス認定について

発電効率63.62%を達成し、2023年1月24日、ギネス世界記録「Most efficient combined cycle power plant/最も効率の高いコンバインドサイクル発電設備」の認定を受けた。

環境性能

上越火力発電所は、大気・水質・廃棄物・騒音・振動・緑化など環境保全に配慮し建設している。燃料となる液化天然ガス(LNG)は,ばいじんや硫黄酸化物の排出がない。また、最新鋭のガスタービンを導入し発電効率を高めたことで、燃料の使用量を抑え、窒素酸化物や二酸化炭素(CO2)の排出を抑制し、資源の効率的利用と環境負荷低減を両立している。

ガスコンバインドサイクル発電のしくみ

ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた二重の発電方式。最初に圧縮空気の中で燃料を燃やしてガスを発生させ、その圧力でガスタービンを回して発電する。
ガスタービンを回し終えた排ガスは、まだ十分な余熱があるため、この余熱を使って水を沸騰させ、蒸気タービンによる発電を行う。同量の燃料で、通常の火力発電より多くの電力をつくることができ、CO2の排出量が少ない。

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災害対応

<地震対策>
中央制御室があるサービスビル(事務本館)には、制振装置を設置し地震による建物の振動を最小限に抑える。
<津波対策>
想定最大津波の高さよりも高い位置に、電気盤・制御盤・非常用設備を配置し津波被害を抑える。

地域との共生

地域住民とともに周辺道路のごみ拾いや海岸清掃等を行う他、、子ども達を対象とした環境学習のサポートを行なっている。上越火力発電所本館の梁に使う鉄骨部材には地元小学生によるイラストが描かれている。

電力供給先
特定の地域というより、東北電力管内全体が供給先となる。

調整力について
上越火力発電所が調整のために発電を抑制・停止することにより、太陽光発電の出力制御をせずに済んでいる。
本来は老朽化した火力発電所に代わり、安定的かつ効率的に電力供給を行うための設備であり、不安定な自然エネルギーによる電力との調整のために運転を停止することによる起動損失(発電効率・売電量の低下、設備への負担)は少なくない。

以前はボランティアで調整していたが、近年ようやく調整に対する補助が出るようになった。

自然エネルギー発電の安定化には蓄電池が有効だが、高コストであるため普及には課題がある。また火力発電は同期発電であり、一部が停電しても全体でカバーできるが、蓄電池はインバータ電源であり、比率が大きくなれば停電リスクが高くなる。

燃料の調達および脱炭素化の取組
燃料であるLNGは隣接するJERAを通して調達している。理由としては敷地にガスタンクを置くスペースがないことや、低圧蒸気タービン冷却水が地下管を通ってJERA上越火力発電所側に放水されていること等による。
東北電力(株)では世界各国からLNGを調達しており、長期売買契約を締結して変動を抑制している。脱炭素化の取組として、燃焼してもCO2を排出しない水素を混焼した試験運転(燃料転換)を新潟火力発電所にて実施している。

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視察時は定期検査中であるため運転は停止していましたが、全ての部品を分解して細かく点検している様子を見せていただきました。

また、中央制御室や作業現場では、モニターを使わずプロジェクターを用いてスクリーンに画像を投影していました。経費削減のためだそうです。2021年の福島沖地震により、東北電力(株)管内の火力発電が大きなダメージを受けたこともあり、厳しい経営状況だと伺ったことがありますが、こうしたところでも経営努力をされているのだと知りました。

電気には同時同量の原則があり、使われる量と発電する量を常に一致させなければ周波数が乱れ、大停電を引き起こすリスクが高くなります。

微調整ができる火力発電は同時同量を維持するため、もともと調整役を担ってきましたが、近年の自然エネルギー(再生可能エネルギー)の導入拡大によって、調整幅が大きくなっているそうです。

本来は「稼ぐ」ための上越火力発電所が、高性能であるがゆえに調整役を担い、出力抑制や運転停止を余儀なくされている現状には心が痛みました。

そうした中でも、所員・社員の皆様のモチベーションは高く、ライフラインを守ることへの使命感と矜持を持って、地域に根差した電力会社・発電所として役割を果たされている姿には、非常に感銘を受けました。

電力の安定供給には、様々な発電手段を組み合わせるエネルギーミックスが必要であり、ベースロード電源となる原子力発電所を安全に活用し、火力発電の負担を減らすことが、持続可能なエネルギーの確保につながると感じました。

火力発電の重要性、必要性についても周知を図りたいと思います。

ご対応いただいた関係者の皆様、ありがとうございました。

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