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2024年4月

2024年4月30日 (火)

柏崎市消防本部・水難救助訓練中の事故についての所管事務調査の報告

令和6年4月30日、「水難救助訓練中における消防士の死亡」に係る 所管事務調査報告書を総務常任委員会として議長に提出しました。

(*地元紙「柏崎日報」等に掲載していただきました。)

23764

以下はその内容です。

******

本委員会は、次の事件について調査を終了したので、柏崎市議会会議規則第110条の規定により報告します。

1  調査事件
 令和5(2023)年10月13日に発生した水難救助訓練中の事故による消防士の死亡について

2 調査目的
本件についての原因究明及び再発防止に向けた市の対応を調査する

3 調査方法
総務常任委員会を開催し、担当部局の説明を受けた後、調査目的に対する質疑を行う

4 調査期間
 令和5年(2023年)11月8日から令和6(2024)年4月24日まで

5 調査の経過及び結果
(1)令和5(2023)年11月8日 柏崎市消防本部からの初回報告 

冒頭に消防長から、亡くなられた消防士長及び御遺族に対する哀悼の意、市民の代表たる市議会に対する謝罪、再発防止に向けた決意が述べられた。また、現在は消防本部が警察による捜査を受けている最中であり、捜査に支障を及ぼす詳細な御説明や断定的な物言いができないこと、第三者による事故調査・再発防止検討委員会の設置を決定し、準備を進めていることについて言及された。

その後、消防署長より、別紙【調査資料1】に基づき説明を受けた。

質疑により以下について確認した。

1_20240503093801

議員間討議の結果、第三者による事故調査・再発防止検討委員会における経過及び結果について、適時適切に報告を受けた後、総務常任委員会として報告書を作成し、議長に提出することとした。

(2)令和6(2024)年3月26日 柏崎市消防本部からの中間報告

 第三者による事故調査・再発防止検討委員会が4回開催され、事故調査結果の検討がある程度進んだことから、【資料2】【資料3】【資料4】に基づく説明が行われた。

補足として以下のことが報告された。

・事故調査・再発防止検討委員会においては事故の直接的原因が特定できないことから、機械的要因、環境的要因、人的要因に着目して問題点を抽出し、事故原因についての考察と再発防止に向けた検討を行ってきた。

・次回(第5回)の委員会では最終報告書が取りまとめられることから、今回の総務常任委員会における中間報告に至った。

・ご遺族にしてみれば、職員間の意思疎通に加え、本人からの申告を踏まえ、消防の対応がしっかりとしていれば、このような事故は起こっていなかったという強い思いがある。

・消防本部はこれまでの意見の取りまとめを基に、ご遺族の思いをしっかりと受け止め、消防組織内での情報共有体制を再構築するとともに、職員の潜水業務への適正及び健康状態を把握しながら、総務省消防庁通知に基づいた万全な安全管理体制を確立し、引き続き現状の水難救助活動計画の改善に向けた取組を継続する。

質疑により以下について確認した。
2_20240503093601
議員間討議は特になし。次回の総務常任委員会が最終報告になることを踏まえ、4月末までに所管事務報告書を作成することを確認した。

 

(3)令和6(2024)年4月24日 柏崎市消防本部からの最終報告

 冒頭、消防長から、あらためてこの度の殉職事案は誠に遺憾であり、亡くなられた消防士長ならびにご遺族、関係者の方々への哀悼の意を表するとともに、市民の代表である市議会に多大な心配をかけたことをお詫びしたい、との発言があった。

 令和6(2024)年4月18日に開催された第5回 柏崎市消防本部事故調査・再発防止検討委員会において最終報告書がまとめられ、4月22日に「柏崎市消防本部水難救助訓練中の事故を踏まえた事故調査・再発防止検討委員会報告書」が柏崎市消防本部に提出された。
 同日には、市長並びに故・消防士長のご遺族に対しても報告を行ったことが説明された。

本委員会においては【資料5】に基づく説明が行われた。

質疑により以下について確認した。
3_20240503093601

議員間討議においては、全ての委員から発言があり、それぞれが意見を述べた後、質疑を終結し、柏崎市消防本部からの報告は終了した。
また、本日の委員会をもって本件に関する調査を終結することとした。

6 まとめ

調査最終日における各委員の意見を集約すると、以下の通りである。

・管理監督責任者のリーダーシップの下、小さな気付きを共有し、個々の危機管理、想像力、自己管理を徹底することにより、安全を最優先する組織の構築を図っていただきたい。

・消防職員がモチベーションを維持できるよう心身の健康管理をしっかり行うことが、市民安全を守ることにもつながる。

・安全管理のための人員や装備・資機材に対する必要な予算措置は行われるべきである。

・再発防止に向けた具体的な取組の進捗は適宜、議会への報告を求めたい。

・二度とこのような事故を起こさないとの強い気持ちを持って取り組むことが、亡くなられた消防士長の御意思に通じるものだと思う。

以上を総務常任委員会としての意見とし、調査を終結する。

柏崎市議会 総務常任委員会

********

当初は「協議会」として報告を受ける予定でしたが、内容の重要さを鑑みて「委員会」として調査を行うというかたちをとりました。

初の試みであり、試行錯誤しながらではありましたが、何とか調査を完了することができました。

あらためて、亡くなられた消防士長ならびにご遺族の皆様にお悔みを申し上げます。

尚、再発防止の具体的な取組については、適宜報告を受けることになっており、引き続き委員会活動を通して注視していきたいと思います。

 

 

2024年4月24日 (水)

【総務常任委員会】水難救助訓練中の事故調査3

令和6年4月24日、昨年10月13日に発生した柏崎市消防本部消防署職員の水難救助訓練中の死亡事故について、3回目となる所管事務調査が行われました。

内容は、第三者による事故調査・再発防止検討委員会の最終報告と、それに対する消防本部の対応を確認するものでした。

 

以下は主な質疑です。

Q1
事故調査・再発防止検討委員会報告書を受けての対応

A1
検討委員会報告書の指摘は柏崎市消防本部の変革を求める想いが込められていると受け止める。

報告書を消防職員ひとりひとりが熟読し、既に各部署でのミーティング等を通して共有を図っている。
部課長級職員が懲戒処分を受けたことも全職員に伝え、安全性を最優先する組織風土の構築に向けて、職員の意識改革を図りたい。

Q2
総務省消防庁からの通知への対応について

A2
通知が発令されたこと自体は職員全員が承知していたが、指導者や担当者任せになっていた。

訓練に使用する資機材の個数が限られ、訓練に関わる職員数を制限してきたことも、報告書において「安全より効率性優先」との指摘につながっている。
今後の訓練においては、ベテラン指導者と経験の浅い職員を組み合わせたバディ体制に加え、水陸での安全監視員の配置、更には潜水作業従事者を危険から守る警戒員を配置する等、通知に則り対応したい。

Q3
今後の組織の在り方について

A3
安全性最優先の組織風土への変革に向けて、管理監督責任者がリーダーとして先頭に立って行動しなければならない。

管理監督責任者が不安を抱える職員への面談を率先して行い、職員の健康状態や訓練状況を口頭だけの報告とするのでなく、紙もしくは電子媒体により記録し、所属長と共有していく。また、ヒヤリハット等、小さな気付きを共有し、事故を未然に防ぐ組織体制の構築を進める。
災害時においては指揮命令系統によって動くことが必要だが、若手職員の気付きも汲みながら、チームとしての強化を図る。

Q4
再発防止策について

A4
報告書の指摘事項を重く受け止め、可能な限り水難救助活動計画に反映し、再発防止の取組みをできる限り実行する。

尚、水難救助活動計画は災害活動計画の一部であり、個人情報等が含まれるため公開はできないが、改善点については市議会に対して適宜報告する。

Q5
資機材について

A5
訓練や災害現場で使用する資機材は、自主点検だけではなく専門業者による点検、常態に応じた更新を行い、訓練再開にあたっては海上ではなくプールを検討するなど、必要な措置を講じたい。

また、現在は共用している潜水スーツの見直しも、現場の意見を参考に検討したい。

Q6
訓練マニュアル見直しについて

A6
訓練内容は、基本訓練・反復練習・応用訓練の流れが基本だが、必要な点は変えていく。

Q7
人材育成について

A7
潜水士免許の国家試験に合格した職員は、ダイビングスクールを受講し、専門的な知識・技能を取得することを検討している。

認定者であってもダイビングスクールを受講して、潜水作業従事者全員が外部の専門家から指導を受けられるよう予算要求することも検討したい。

Q8
人員体制について

A8
今後の訓練ではバディ2名と安全管理員3名(水中監視員1名、陸上監視員1名、警戒員1名)を配置予定である。安全管理員には従来の救助担当者だけではなく、他部署の職員を充てて負担軽減を図りたい。また、潜水作業従事者を増やしたい。

市長からは若手職員の不足がないかと投げかけられており、定員管理計画はあるものの、消防組織全体を見て不足がないか検討する。

Q9
他自治体との比較

A9
新潟県内の19消防本部中、10消防本部が海に面しており、それぞれの対応を確認する中で、資機材の点検や耳抜き不良時の対応等、柏崎市消防本部には至らない点があった。引き続き情報交換しながら、将来的には合同訓練も視野に入れ、柏崎市消防本部の向上につなげたい。

 

議員間討議を経て質疑は集結し、本日をもって総務常任委員会としての調査も終了することを決定し、その後は委員会としての報告書を作成しました。

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