令和6年3月一般質問2「災害経験を生かした明日への備え」
令和6年3月5日に一般質問を行いました。以下はその内容の後半です。
次の質問「2 災害経験を生かした明日への備え」に移ります。
まずは(1)災害時の適切な行動・対応に向けた取組 について「令和6年能登半島地震における検証と今後の対策」を伺います。
令和6年能登半島地震では、市民の行動、各地域の対応を通して、様々な課題が顕在化したことから、柏崎市議会ではそれらを集約し、市長宛に意見・要望を提出しました。
また、市では防災行政無線で防災ガイドブック<自然災害編>に沿った行動を呼び掛け、リーフレットの全戸配布や、沿岸部の町内会長・コミセン会長等との意見交換を行い、啓発や今後に向けた実態把握を進めているのも承知しています。
地震の専門家は、佐渡沖に活断層の割れ残りがあり、再び大きな地震や津波が発生する恐れがあると警鐘を鳴らしますが、それ以外にも様々な自然災害が予想され、行動や対応を誤れば二次災害を引き起こします。
多様化・日常化している災害から身を守り、生き延びるには、過去の災害経験を振り返り、適切な行動・対応であったか検証し、防災・減災対策の推進、自助・共助の向上を図るべきと考えます。
そのためにも、1月1日の地震発生時の行動・対応を専門的な知見で診断して結果を市民や地域に示し、マイ・タイムラインや家族避難計画、地区防災計画の策定推進やPDCAサイクル化につなげてはどうかと考えます。
さらには、市の防災訓練や各地域の避難訓練において防災ガイドブックを活用したり、市が主催・後援するイベントにおいて防災・減災の情報を盛り込むなどして、災害対策の強化を図ってはいかがでしょう。
それで質問です。令和6年能登半島地震の際の市民や地域の行動・対応への見解と検証状況及び市民や地域の災害対応力を向上させる今後の対策についてお聞かせください。
市長
地震発生後の避難行動、特に津波避難につきましては、即時性が求められることに間違いはありません。
東日本大震災時の津波被害の映像が、いまだ市民の皆さんの脳裏に生々しく焼き付いていられる方もきっと多いんだろうと思います。そういった中で、元日の避難行動はやむを得ない部分もあったと理解しております。
平成5(1993)年7月の北海道南西沖地震以来、約30年ぶりに本市に発表された津波警報でございました。
市としてもどう対応すべきなのか、まったく手探りの状態であったというのが正直なところでございます。同じ轍を踏まないよう、早速検証作業を既に実施しているところでございます。
まず、避難行動の拠り所となる防災ガイドブック<自然災害編>の津波ハザードマップの妥当性を確認しました。
2月1日に防災・原子力課担当職員が、津波の挙動解析研究をしております長岡技術科学大学の犬飼直之・准教授のもとへ伺いました。その中でハザードマップの妥当性について確認させていただき、佐渡沖断層の割れ残りによる地震・津波の再来の可能性についてもお聞きし、このハザードマップに従った避難行動をとれば大丈夫との見解をいただいたところでございます。
このことは2月10日の沿岸地域の町内会、コミュニティの皆様にもお伝えしました。またその時の皆様からは、発災当時の避難行動の実状や問題点について、ご意見を伺ったところです。
このような中で明らかになったことは、避難を必要としない方、これはマップの上で色が付けられていないエリアにお住まいの方、着色されていないエリアにお住まいの方となりますが、そういった方々まで含めて大挙して、それも車で避難をされ、交通渋滞を引き起こしてしまったということが実態でございました。
さらに、津波警報発表後から流し続けた、あの不気味なサイレンが、市民の皆様の不安を過度に増幅・増長させてしまったということもわかりました。
私どもの力が足りなかったということ、また市民の皆様にお伝えする力がやはり足りなかったということだろうと思っております。
来年度、防災ガイドブック<自然災害編>に、津波災害への正しい対応を盛り込んだ改訂版を予定しています。それを待つことなく、今年度内、3月中に、沿岸地区以外の町内会の皆様のところに職員が赴き、説明させていただき、HPや広報かしわざき、チラシなどで周知を図ってまいります。
また、想定外をなくすべく、能登半島地震で得られた新しい知見にも注視しながら、不断に原子力災害を含む災害への再適応をはかり、訓練などへも反映させながら、市民の皆様へフィードバックしていく所存です。
近藤
現在進行形で対応していただいていることには本当に感謝申し上げます。避難を要しない方まで動いてしまった、それによるリスクというのは、3/2の田中先生のお話ともおそらく重なるかと思います。また、そういったことも含めてお示しいただき、皆さんの意見を反映させて、自らの行動を検証する機会とさせていただきたいと思います。
次に「小・中学校における防災教育の多世代共有」について伺います。
市民の防災・減災に対する知識や捉え方は個人差が大きいものの、小・中学校では県の防災教育プログラムに基づいた柏崎版新潟県防災教育プログラムである「マモルプログラム」を活用し、防災教育の充実化を図っていると承知しています。
マモルプログラムは、地震、津波、大雨、台風、雪、原子力、避難所、備えの8つのテーマに対し、各学年にあわせた内容が用意され、児童・生徒が災害を「自分事」として捉え、適切に判断し、行動する力が身につくよう構成されています。
そのため、本市の子ども達の災害への対応力は着実に育まれ、むしろ大人よりも正確な知識や判断力を持っているのではないかと感じるところです。
マモルプログラムを作成した「中越沖地震メモリアルまちから」では、毎年約50回の小中学校の防災教育を支援しており、担当者様からは、「防災学習の幅が学校だけでなく、地域とも繋がりながら広がっていけるような仕組み作りを今後考えていきたい」と伺いました。
これまで学校での防災教育は、子ども達が学び得たことを持ち帰り、家族に伝達することにより、大人達への波及効果を期待されたと思います。
今後はさらにその効果を上げる為、地域住民も含めての学習参観や親子参加型の防災学習の推奨、マモルプログラムに準拠した多世代参加型の防災イベントの実施等により、子ども達とともに市民全体が災害対応力を向上させていくような取組を進めてはいかがでしょう。
そこで質問します。市民全体の災害対応力向上を図るため、柏崎市内の小・中学校で実施されているマモルプログラムを活用した防災教育の内容を、多世代で共有することへの見解及び今度の取組について伺います。
教育長
議員がおっしゃる通り、市内小・中学校では令和4(2022)年度より、柏崎版・新潟県防災教育プログラム、いわゆるマモルプログラムをもとに、防災教育に取り組んでいます。これは、県の防災教育プログラムにある地震、津波、大雨、台風、雪、原子力に加え、本市独自の判断で避難所、備えを加えた8項目から構成されています。 これをもとに、それぞれの学校が地域の実情にあわせた防災計画を立てて、学習対策を進めています。
具体的には、中越沖地震や水害、雪害といった実際に過去に発生した災害から、備えについて考えたり、原子力防災ガイドブックを活用したりするなど、地域の特性に合わせた防災学習に取り組んでいます。
その他、対話を主にした「学べる非常持ち出しカードゲーム」や、防災グッズの作成といった活動にも取り組んでいると聞いております。
今年度、マモルプログラムを作成した「中越沖地震プログラムまちから」と連携した防災教育を実施した学校は、小学校13校、中学校4校であり、計40回の講座を実施しました。
地域の方を招き、防災マップをともに作成したりするなど、地域とともに考える学習を行っている学校もございます。このような学習は、児童・生徒はもちろん、保護者、地域の方も含めて防災意識を高める学習につながっていると考えます。
また、新たな試みとして、今年度より幼稚園児に対する防災教育を実施したところです。
尚、多世代共有につきましては、各地域、コミュニティが中心となった取り組みが重要であると考えております。
今後も児童・生徒が地域の一員としての自覚を高め、協力していけるような防災教育の推進に努めてまいります。
近藤
今、様々な取り組みを伺いましたけれど、この地域の方々との関わり、多世代共有によって、子ども達自身が地域の中での防災リーダー的な役割を果たす、そういったことも期待されると思います。引き続きこの取り組みを続けて、各地域で子ども達とともに大人が学ぶ機会を作っていただきたいと思います。
次の質問(2)避難所における要配慮者への対応と環境整備 では、まずは「要配慮者の属性に配慮した空間設定」について伺います。
先日、障がいを持つご家族がいらっしゃる方から、「災害時にはどこに避難すればいいのか」とのお問合せをいただきました。
防災ガイドブック<自然発生編>には福祉避難所について明記がなく、指定避難所であるコミュニティセンターや小中学校等に行った時に、もし他の多くの避難者がいたとしたら、不安定な状態になってしまう、そのため避難するのをためらわれると伺いました。
そして、一般の避難所に行ってよいのなら、受付の段階で、希望すれば別室に案内していただけるとありがたい、とも伺いました。
柏崎市福祉避難所運営マニュアルでは災害発生直後、指定避難所に避難した方で、一般の居住スペースで生活することが困難な高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児等の要配慮者がいた場合、必要と判断すれば、間仕切りの設置や和室・空調設備がある部屋等を利用して、福祉避難室を設けることとしています。
しかし、災害発生直後は混乱を予想されますので、特に優先開設避難所となる施設においては、あらかじめ要配慮者の属性に応じた受入れ空間の設定を行い、受付段階で希望すれば別室に入れるよう、施設関係者と調整しておくことが、速やかな支援につながるのではないかと考えます。
避難行動要支援者名簿や民生委員、主任児童委員の情報等も参考に、地域の要配慮者の概数を予測し、例えば、高齢者は一般居住スペースの環境改善を図り、障がい者には会議室等の別室を、乳幼児のいるようなご家族には和室を優先的に提供する、といった取り決めを、各コミセンや小中学校で進めてはいかかでしょう。
そこで質問します。優先開設避難所における円滑な支援に向けて、要配慮者の属性に応じた空間設定を行うことについて見解を伺います。
福祉保健部長
災害時には各避難所において、高齢者、障がい者、妊婦や乳幼児など、配慮が必要な方への状況を把握し、配慮すべき事項に応じて、一時的に和室などを福祉避難室として複数設置することを想定しています。
福祉避難室の対象者の判断にあたっては、避難行動要支援者名簿の情報などを活用することとなるため、現在、名簿情報に服薬やかかりつけ医、担当ケアマネージャーの追加を検討しているところであります。
名簿は自主防災組織や民生委員、消防団と共有し、対象者や受け入れスペースの確認作業などを進め、福祉避難室のスムーズな開設に向けて取り組むとともに、災害時には必要に応じて、保健師の避難所巡回による健康観察も行ってまいります。
また、避難所での生活が困難な要配慮者においては、福祉避難室から速やかに福祉避難所である元気館やアルフォーレへの移送、協定書を提携している介護保険施設や障害福祉施設などへの緊急入所、緊急ショートステイなども含めて、適切な避難所・避難先を提携してまいります。
一方で能登半島地震にて見られたように、避難所には市外者やコミュニティ区域を越えて、離れた場所から市民が身を寄せることもあり、避難所近隣の要配慮者数をもとに準備するのみでは対応が難しいことも想定されるところです。
避難所の運営については、施設管理者と担当職員が施設の特徴を把握した上で、避難された方々の必要性に応じて、個室に案内するなどの対応に取り組んでまいります。
近藤
今ほど避難行動要支援者名簿の充実化などのお話も伺いました。今の段階だと、こういった情報がぱっと見てわからない状況ですので、ぜひHPや新しく改定する防災ガイドブックに掲載していただきたいと思います。
和室の話も出たところで、次は「避難所の環境改善策としての畳の活用」について伺います。
優先開設避難所となるコミセンや小・中学校は、体育館や講堂等が一般居住スペースとなりますが、固く冷たく埃が舞う床の上での長期の避難生活によって、避難者、特に要配慮者の健康状態を損なう恐れがあり、災害関連死も危惧されるところです。
こうした課題解決のひとつとして、避難所に畳を届けるプロジェクト「5日で5000枚の約束。」による支援が行われています。
本プロジェクトは、全国の畳店有志で構成され、各自治体と協定を結び、災害発生時にはメンバーが新品の畳を用意し、被災地をよく知る地元の畳店が受け取り避難所へ運ぶもので、どの畳店でも対応できるよう、畳は共通の規格としています。
2013年にスタートして以来、サポート企業の支援を受けながら、全国の様々な災害において畳を提供してきた実績があり、能登半島地震では新潟県のメンバーも畳を提供したそうです。
本市では、災害時に備え段ボールベッドを備蓄していることは承知していますが、高齢者人口の多さや避難生活の長期化も考慮し、一般居住スペースの環境改善策として、畳の活用を検討してはどうかと考えます。
そこで質問です。避難者の健康状態悪化や災害関連死を防ぐ避難所の環境改善策として、外部プロジェクト等との協定も視野に入れた畳の活用について見解を伺います。
危機管理監
今ほどご紹介いただいたように、本市では新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、感染症対策の一環として、ダンボールパーテーションとダンボールベッドの備蓄も始めたところですが、これにつきましては、避難された方が横になりたいというニーズに対して、すぐに対応できない、組み立てに時間がかかったり、設置場所も限られており、十分ではないと理解しております。
また、畳の活用につきまして、プロジェクトが立ち上げられ、すでに活動していることも承知しております。
実は私どもも新潟県畳業組合連合会と災害協定を締結しておりまして、柏崎市も活用を視野に入れ、すでに動いているということです。
用意する畳も10枚、20枚のレベルではなく、即時で一日に数百枚レベルの対応が可能とのことで、私どもは新潟県畳業組合連合会と県との災害協定を活用しながら、畳の活用については図ってまいりたいと思います。
畳は設置が容易ではありますが、かさばるものですから、常時備えておくのは難しいものです。また全県が広域的に被災した場合には、畳の確保がただちに調達できるかどうか、難しい状況も想定されます。
こういったことを総合的に勘案いたしまして、災害時の備蓄品として、すぐに使用でき、常備できるようなサイズのエアマット等の活用も、現在研究しているところでございます。
避難者の健康被害や災害関連死を防止するための環境改善策については、畳の活用も含めまして、引き続き研究してまいります。
近藤
すでに畳に関しては協定を結んでいるとのことで、安心しましたけれど、おっしゃるように様々な手法を使って災害時の対応、環境整備について、整えていただきたいと思います。
次は(3)ペット同行避難に向けた体制整備 について伺います。
柏崎市地域防災計画では、「災害時には、被災者が安心して安全に避難できるようにするため、ペット同行避難を受け入れる避難所を開設し、飼い主が自らの責任の下、ペットを適切に飼養し続けることができるよう支援する。」と明記しています。
(*柏崎市防災ガイドブック<自然災害編>にも記述あり)
ペット同行避難とは、災害発生時に飼い主がペットを連れて安全な場所へ避難することで、人間の居住スペースとは別にペット居住スペースを設けて、ケージ等に入れ、飼い主が適正に管理します。本市では、中越沖地震および東日本大震災の際、総合体育館の敷地内にコンテナハウスを設置し、ペット居住スペースとした実績がありますが、発災直後に最寄りの避難所にペットを連れて行けるのかは、明確になっていません。
令和3年9月の一般質問で、この件について確認しましたが、具体的な検討は進んでいないとの答弁でした。
あれから2年半が経ち、ペット同行避難の検討を進めるコミセンがあるとは聞きますが、市として大きな進捗はないと認識します。
しかし、1月1日の地震発生時には、優先開設避難所ではない市民プラザに、ペットを連れた避難者が来られ、現場職員の判断で、施設内の一室をペット用として提供されています。これ以上、ぺット同行避難の問題を曖昧にしておいてはいけないと感じます。
一方、他の自治体では体制整備が進み、長岡市では15地域22か所の指定避難所をペット同行避難推奨施設としてHP等で周知しています。災害時にはペットを連れて避難所に到着した人から、スターターキットと呼ばれる手順書や作業に必要な物品を収納したケースを開封し、所定の場所でペット居住スペースを設営し、飼い主が運営・管理します。
三条市においても、指定避難所3か所にペット用避難スペースを増設した他、昨年6月にはスターターキットを用いてペット同行避難訓練を実施しました。
また、能登半島地震により被害が大きかった新潟市西区では、黒崎市民会館をペット同行可能な避難所として開設しています。
これらの取組みは、ケージ内での飼育や決められた場所での排泄など、日頃からペットのしつけを行っていることが大前提となります。
これらの事例を鑑み、本市でも複数地域でのペット同行避難推奨施設の設置を目指して、準備を進めてはどうかと考えます。
そこで質問です。本市においても、ペット同行避難訓練(ペット居住スペース立ち上げ訓練)の実施や、公共施設への動物搬入に係るルール見直し等の体制整備、ペット同行避難に必要なしつけや飼い主責任の周知等、ペット同行避難推奨施設を複数の地域に設置できるよう、準備を進めてはどうかと考えますが、見解及び今後の取組について伺います。
危機管理監
令和3(2022)年9月定例会議にて、近藤議員から質問いただきまして、その後の検討状況も含めてご説明いたします。
現在、市が開設する62か所の優先開設避難所においては、ペットの動向避難についてはOKでございます。基本的には希望される方は、原則というかたちになりますが、屋外の軒下等にとりあえずということになりますが、施設によってケースバイケースでありますが、原則として屋外の軒下などの専用のスペースを設けますので、ペットが過ごすケージ等をお持ちの上、安心して同行避難をしていただければと思います。
ただ、これも議員ご指摘の通り、ペットのいない避難者の中には、鳴き声によるストレスを感じる方や、アレルギーをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ペットの管理のみならず、他の避難者へのご配慮も飼い主として責任を持った対応をお願いすること、これについてはご理解を賜りたいと存じます。
また、発災直後は人名の保護が最優先であり、ペット同行避難の理想的な環境の構築というところは、直ちになかなかできないというのも現状でございます。避難所開設の長期化が見込まれる場合、ある程度災害が落ち着いてきた段階で、避難者とペットが共に過ごすことができる望ましい方法を、避難所ごとに検討するという段階に、現在留まっている状況です。
今ほどご紹介いただきました長岡市や三条市の事例も承知はいたしております。スターターキットの導入その他も含めまして、他市の事例を参考に、ペットの同行避難につきまして、避難所での対応を含めて、わかりやすく記載し、市民の皆様に周知が行き届くよう、今後も努めてまいります。併せて、避難所開設を担当する市職員への対応や、訓練についても通知・実施をしてまいりたいと考えております。
近藤
現在はどの優先開設避難所にも連れて行っていいということですが、受け入れる側が、それを周知して準備できるかといった問題もありますので、ぜひ新年度はそのスタートの年にしていただくよう、期待しております。
最後の質問は (4)災害時の受援力を高めるために に移ります。
大規模災害において、防災ボランティアの活動は、被災地の復旧・復興支援、被災者の生活再建支援等に大きな役割を果たします。しかし、被災地での受け入れ環境が整わなければ、ボランティアの力は十分に発揮できません。
防災ボランティアの多様な支援活動を受入れ、活かす力「受援力(じゅえんりょく)」を高めるには、災害ボランティアセンターが重要です。
災害ボランティアセンターとは、災害時に設置される被災地での防災ボランティア活動を円滑に進めるための拠点であり、近年では、被害の大きい災害に見舞われたほとんどの被災地において、設置・運営されています。
内閣府資料によれば、災害ボランティアセンターの運営は、一般的に、被災した地域の社会福祉協議会、日頃からボランティア活動に関わっている人々、行政が協働して担うことが多く、被災地外の災害ボランティアセンター運営経験者が関わる場合もあります。
また、行政は情報の収集と共有、防災ボランティア活動の広報面での支援、資機材の提供や移動のためのバスの手配、被災地の被害情報の発信等、災害ボランティアセンターの設置・運営を継続して支援することが必要とされています。
先般の能登半島地震では、私自身も日本赤十字安全奉仕団の一員として、1月中旬に新潟市西区でのボランティアに参加しました。
新潟市西区においては、広い駐車場がある<みどりと森の運動公園 屋内コート>内に災害ボランティアセンターを設置しています。
スタッフは社会福祉協議会の職員が中心で、行政や多機関と情報共有・連携しながら、日々変わる住民ニーズとボランティアのマッチングや、ボランティアの安全管理等、チームごとに役割分担を行い、機能的かつ柔軟に運営しており、非常に参考になりました。
本市においても、災害時の受援力を高めるために、災害ボランティアセンターの速やかな設置と円滑な運営に向けた準備を行うべきではないかと考えます。
そこで質問です。大規模災害を見据え、柏崎市社会福祉協議会等と連携して、災害ボランティアセンターの設置・運営を視野に入れた協議や訓練を行うことについて、見解及び今後の取組をいます。
福祉保健部長
災害ボランティアセンターの重要性は、議員ご指摘の通りでございます。無駄のない機能的な運営はもとより、災害対策本部との適時な情報共有、災害ボランティアの広域調整を担う県社会福祉協議会との有機的な連携は特に重要だと考えております。
阪神淡路大震災が発生した平成7(1993)年はボランティア元年といわれますが、本市においても同年にボランティアセンターを開設し、平成16(2004)年の新潟県中越地震、平成19(2007)年の中越沖地震をはじめ、豪雪、水害などの度に、災害ボランティアセンターを開設してまいりました。
昨年の秋に柏崎市社会福祉協議会と行った災害ボランティアセンターの再構築に関する協議では、活動の中心を担ってきた職員の退職などにより、引き継ぎが十分にできていない実態などが共有され、機能強化の相互の必要性を確認したところです。
令和6(2024)年度の予算においては関連する補助金を増額し、災害ボランティアセンター再構築の取り組みを支援したいと考えております。また、災害対策本部を担う防災・原子力課、直接の窓口となる福祉課との連携を点検し、適時の情報共有に向けた準備を進めたいと考えております。
尚、柏崎市社会福祉協議会からは、令和6(2024)年の秋に災害ボランティアセンターの立ち上げ訓練を予定しているとの話を聞いております。
訓練の場には市も参加し、実地において情報共有や役割分担の在り方について、検討・協議を進め、必要時に機能する災害ボランティアセンターとなるよう、相互に連携し、取り組みを進めてまいります。
近藤
前向きなご答弁をいただき安心しました。災害は本当にいつ起こるかわかりませんが、備えを厚くし、また、正しい知識と冷静な判断力を持てるよう、私もまた、自分自身もですが、皆さんにそれを共有していけるように、取り組んでいきたいと思います。
これで私の一般質問は終わりです。ありがとうございました。
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