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2023年12月

2023年12月22日 (金)

令和5(2023)年12月定例会議 結果

柏崎市議会12月定例会議が終りました。
可決された議案のうち、市民生活や事業者への支援は以下のものがあります。

原油価格・物価高騰等緊急対策事業

介護・障害福祉施設等に物価高騰に係る支援金を交付します。介護サービス事業所に対しては業務効率化(DX化など)の取組みを支援します。

 

令和5年度(追加分)LED等省エネ設備導入促進支援補助金

原油価格や電気・ガス料金の高騰により影響を受けている市内中小企業者を対象に、省エネルギー設備の導入を支援します。

◆電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金給付事業

国の施策として、令和5年度分の住民税均等割の非課税世帯を対象に、一世帯当たり7万円を給付します。(*令和6年1月以降を予定)

 

◆省エネエアコン普及促進事業補助金

家庭の電力消費を抑えることを目的に、省エネルギーエアコンへの買い換え費用を最大8万円補助します(1世帯につき1台まで)。

 

◆農業支援事業

今年の夏の高温及び渇水による被害を受け、減収となった農業者(対象はコシヒカリを30a以上作付け)に対し、10aあたり4,000円補助します。(*詳細は後日発表)

 

◆漁業者物価高騰支援事業

新潟県漁業協同組合柏崎支所に対し、魚を出荷する際に使用する魚箱の高騰分(令和3年度と令和5年度を比較)を補助します。組合員に対しては、漁船の低燃費航行につながる船底塗装費用の一部を補助します。*詳細は後日)

その他議案⇒柏崎市議会HP 議案・審議結果

 

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議会最終日の翌日から雪が降り始めました。

柏崎市内では停電が相次いでいます。

被害が大きくならないとよいのですが・・。

 

2023年12月15日 (金)

新ごみ処理場建設・運営事業の実施方針について

12月15日の総務常任委員協議会の中で、新ごみ処理場建設・運営事業の実施方針について、柏崎市市民生活部環境課から説明を受けました。

背景として、現在のごみ処理施設は平成4年に完成し、焼却炉80トン×2基を稼働してきましたが、施設・設備の老朽化に加え、人口減少に伴うごみの減少によって、非効率な状態となっていることから、新ごみ処理施設が建設されることになりました。

2020年には柏崎市一般廃棄物中間処理施設整備基本計画 を策定し、当初の財政計画では建設費・維持費20年間あわせて185億8千万円~234億3千万円とされていました。(90ページ前後参照)

しかし、エネルギー価格や物価・資材高騰により、財政計画は見直されています。

以下は協議会での内容です。(写真は現在のクリーンセンターです)

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1 実施方針の概要

・実施方針は、新ごみ処理場の設計・建設・運営のほか、募集・選定に関する市の考えをまとめたもの

・民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に準じ、事業者の参入促進、準備期間確保、事業内容の改善を目的に、要求水準書(案)とともに令和 6(2024)年 1 月に公表予定

・さらにパブリックコメントと近隣町内への事業説明・意見聴取を行い、事業者や市民の意見を反映した事業仕様(要求水準書)を決定し、次年度の事業者選定への準備を整える

(1)一般事項
・現施設の敷地内に令和 11(2029)年度の稼働を目指し、新ごみ処理場を建設

・一般廃棄物中間処理施設整備基本計画における施設整備方針及び各種要件を実現

・現施設の稼働に与える影響を最小限に、仮設施設の整備及びし尿処理場の解体工事等を実施

◆新ごみ処理場の整備コンセプト
①循環型社会を推進する施設 ごみの適正処理と排熱や焼却灰を有効活用

②市民が身近で安全・安心を感じられる施設 市民の利便性と災害時の機能維持を両立

③高効率なエネルギー回収を可能とする施設 エネルギー地産地消を実現するベース電源

④ふるさとの環境を守る施設 循環型社会推進や環境問題等を学べる拠点

⑤経済性に優れた施設 効率的規模や設備配置を活かす高効率運営

 

(2)施設概要等

◆エネルギー回収型 廃棄物処理施設
〇処理対象物 
・燃やすごみ、可燃残渣 ・ボランティア清掃ごみ ・剪定枝及び庭の草 ・災害廃棄物
*現施設と同等の処理対象物を基本
*発電により循環型社会への貢献が可能となるため、外部処理している庭木等を追加

〇炉形式 ストーカ式焼却炉
*灰再資源化に優れ最終処分量減少

〇施設規模 80t/24h(40t×2 炉)
*将来のごみ量推計から必要規模算出
*現施設から規模半減し効率化

〇エネルギー回収 
・蒸気タービン発電 ・場内熱利用設備
*焼却の排熱を発電などで有効活用
*余剰電力は電力小売により地産地消

◆マテリアル リサイクル 施設
〇処理対象物 ・不燃ごみ ・粗大ごみ
〇施設規模  6.7t/5h
*現施設と同等の処理対象物
*中間処理施設整備基本計画から増強
*ごみ多様化を見据えた処理能力確保

◆関連施設 
・計量棟・管理棟・洗車棟・会議室・見学通路・ 駐車場・構内道路・構内サインなど
*施設見学・環境学習の拠点
*発電を活かした避難所機能
*個人搬入の受け入れ

事業方式  DBO 方式により、施設の設計・建設及び 20 年間の運営業務を行う
・契約形態  基本契約、建設工事請負契約、運営業務委託契約にて構成

 

◆設計・建設に係る補助金・交付金収入と余剰電力販売収入(20 年間)シミュレーション

〇循環型社会形成推進交付金
交付率:概ね 1/3  FIT・FIP 併用可
対象:ごみ処理施設・マテリアルリサイクル施設

〇二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金
補助率:主設備 1/2  FIT・FIP 併用不可
対象:ごみ処理施設

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◆余剰電力の活用方法
・有利な国補助金活用のため、FIT・FIP ではなく市内供給の電力小売事業者と相対契約とする

・電力卸市場への売電が市に著しく有利になる可能性を考慮し、市場動向を確認して決定する

 

(3)事業の対象となる事業範囲

◆柏崎市
〇設計・建設に関する業務
交付金・補助金申請、設計・建設モニタリング等

〇運営に関する業務
ごみの搬入、焼却灰や処理困難物の運搬・再資源化・処分、市 ごみ処理政策に係る対応、運営モニタリング等

◆事業者
〇設計に関する業務
施設設計及び事前調査、交付金・補助金申請支援、許認可申請等

〇建設に関する業務
施設建設、仮設施設の設計・建設・解体、し尿処理場等の解体、 許認可申請、近隣への安全配慮等

〇運営に関する業務
年間運転・発電等計画作成など運転管理業務、計画的修繕等 の維持管理業務、測定管理業務、防災等管理業務、運営関連 業務、情報管理業務、近隣への安全配慮等

・市に帰属する事業収入⇒ごみ処理手数料、有価物の売却収入、余剰電力の売却収入
・事業者に帰属する収入⇒市が支払う運営業務委託料

4)事業の募集及び選定に関する事項

・事業者選定方式 :公募型プロポーザル方式

<選定スケジュール>
◆事業者募集前
・実施方針の公表 令和6(2024)年1月
・パブリックコメント・地元町内会説明 令和6(2024)年1月
・債務負担行為設定 令和6(2024)年2月

◆事業者選定及び契約
・募集公告及び募集要項等公表 令和6(2024)年4月
・最優秀提案者の決定 令和6(2024)年12月
・基本協定締結 令和7(2025)年1月
・仮契約・議会審議・本契約締結 令和7(2025)年 3月

◆事業期間
・本施設の設計・建設 契約締結~令和11(2029)年3月
・本施設の運営(20年間)令和11(2029)年4月~

(5)主な参加資格要件

・プラントの設計・建設業務を行う者を代表とする複数企業によるグループで構成すること
・設計・建設業務及び運営業務の実施に当たっては、本市の住民を対象とした雇用に配慮し、本市に本店がある企業を積極的に活用すること
・応募者のうち、下表の各業務を行う主たる1者は、当該業務の主な要件を満たすこと

◆プラント 設計・建設
・過去10年間に稼働した一般廃棄物処理施設で、ボイラ・タービン式発電設備を設置し、80t/日以上かつストーカ式の受注実績を有すること
・建設業法に基づく許可(清掃施設)を受け、総合評定値が1,300点以上

◆建築物
〇設計
・ボイラ・タービン式発電設備を設置した一般廃棄物処理施設の建築物の設計を一括して実施した実績を有すること

〇建設
・建設業法に基づく許可(建築一式)を受け、総合評定値が1,300点以上
・ボイラ・タービン式発電設備を設置した一般廃棄物処理施設の建築物の施工を一括して実施した実績を有すること
・新潟県内に本店があること(構成企業のうち1者は、市内本店)

〇解体
・アスベストを含有する建築物の解体工事を元請として受注し、実施した実績を有すること
・本市に本店があること

◆運営・維持管理
・過去10年間に稼働した一般廃棄物処理施設で、ボイラ・タービン式発電設備を設置し、80t/日以上かつストーカ式の運転管理業務の実績を有すること

2 見込まれる事業費と財源措置について

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・昨今の物価高騰や建設費高騰を受け、新ごみ処理場に係る費用を検証した結果、設計・建設・管理に要する費用は160億円~200億円程度、営に要する費用は20年の総額で130億円~160億円程度の見込み

・プラント事業者に対するヒアリング調査、専門家による回答内容精査、近年の他自治体における予定価格設定状況検証等により事業の適正金額を把握

・令和2(2020)年3月の一般廃棄物中間処理施設整備基本計画における見込み金額に対し、1.5倍から2.0倍程度の事業費を要するが、現施設の状況を踏まえ、計画どおり整備を進める考え

・設計・建設費用には、国交付金や補助金適用を最大化し、起債を最大限活用することを優先に、最も有利な財源構成を措置する方針

・運営事業は、現施設と同様に一般財源で措置する方針

・事業者の参入及び競争を促す予算計上に向け、令和6(2024)年2月定例会議に債務負担行為を上程予定

<質疑応答>

Q1 地元町内会はどこまでか。

A1 橋場、山本、松波(環境アセスメントの説明範囲)

Q2 現在のごみ処理場が建設される際、春日地域など収集車が通る区域にも説明した。説明範囲を広げてはどうか。

A2 現時点では3町内だが、建設にあたっては丁寧に説明していく。環境アセスメント上では交通障害はクリアしている。まずは地元3町内に説明後、コミュニティセンター等を通して広く知らせたい。

Q3 そもそもなぜあの場所につくるのか。他の場所に移転することは検討しなかったのか

A3 現在の場所ありきではなく、ごみ収集運搬と人口密集地との効率を考え、現在の松波が適地と判断した。

Q4 新ごみ処理場の排熱発電の事業リスクは。

A4 発電する側としては市場電力価格の上下が販売リスクと関係する。施設の自家消費で電力を使い、余剰電力を売電する中で、シビアな売電状況であったとしても、発電コストはペイしていけると判断している。

Q5 建設・維持費用の増嵩が予測されるが、ごみ袋の金額や手数料を上げる考えは。

A5 ごみの排出抑制が主目的であり、直ちに見直さなければならないものではない。物価高騰もあり、近隣市町村と足並みを揃えて慎重に検討していく。

Q6 建設費・運営費が当初案より高くなるが、刈羽村との交渉状況は。

A6 現在も協議中であり、信頼関係を持って丁寧に行っているが、スケジュール感を持って話を詰めていきたい。刈羽村のごみは今後も受入れするが、負担金の協議が決着しなければ建設できないわけではないと考えている。

Q7 新ごみ処理場の運営費を20年間で160億円とすると、年間に8億円かかる見込みだが、現在のごみ処理場と比較するとどうなるのか。

A7 現在の運営費は平成4年以降、経常的には毎年4億2千万円ほどかかっており、20年間分に置き換えると84億円になる。この他に修繕費用が21億円ほどかかり、合わせて105億円になる。新ごみ処理場の運営費としては物価高騰を見込んだ額を示している。

Q8 事業費の市負担分はどうなるのか。起債には交付税措置もあるのか。

A8 200億円を想定した場合、補助金58億円、起債120億円、一般財源22億円となる。
補助対象事業の起債には交付金によるバック率50%、対象外事業30%が期待できることから、これを最大限充てていきたい。

Q9 起債の償還年数は。また一般財源はどこから出すのか。

A9 起債償還年数は20年。一般財源は全体を見ながら検討する。

Q10 関連施設として環境教育機能や防災機能を追加しているが、補助金交付の要件なのか。また避難所の収容人数は。

A10 関連施設は補助金交付要件ではないが、熱回収が必須であり、いちばん効率的なやり方が発電になる。この発電を生かすには、ごみ焼却中は停電しない利点を生かして、会議室やフリースペースを施設内に設置することで、災害時の避難所としても使うことができる。
加えてこれまで継続してきた環境教育(小学4年生は必ず訪問)の一環として、多くの他のごみ処理施設で見学対応や社会勉強への活用に力を入れていることから、本市においても必要な機能として判断した。収容人数は事業者提案も影響するが、現時点では100人クラスを想定している。

Q11 発電の部分は施設内で循環させているのが主目的であり、余剰電力の売却益は大きな目的としていないということか。

A11 そういうことになる。国の補助金は熱回収が条件であり、可燃による排熱を回収し利活用する目的で発電を行う。発電であれば施設内外での使用を踏まえ、将来的にもメリットがあり、余剰電力の大きさによってどれだけ地域に還元できるかも決まっていく。
最大限、国の補助金を活用する中で、建設費を抑えるには従来の交付金ではなく、今回活用を見込む熱回収を要件とする補助金を使うにあたり、発電が妥当と判断した。地域で出たごみを活用し、発電を通して地域に還元していきたい。

Q12 同じくDBO方式でプロポーザル公募していた旧庁舎跡地利活用事業では、要求水準書の上限価格では必要とされる事業を実施できないとして応募していた事業者が辞退し、プロポーザル中止となった。先が見通せない状況で長い年月の委託を担うDBO方式は事業者にとってリスクが高いのではないかとの指摘もある。実施方針において維持費を130億~160億円としたのは、物価・エネルギー価格が増嵩してもDBO方式でやりたいという意向もあるのか。

A12 金額幅は廃棄物処理施設の積算方法が特殊であり、プラント建設にあたって様々な事業例や最新の事業費を参考にしているため、建設方法によって金額幅が出ている。物価・資材高騰を受け、金額はギリギリまで検討していきたい。(DBO方式のためというわけではない)

Q13 新ごみ処理場の建設ラッシュにより補助金が減額され、市の負担が増えることを危惧しているが、いわゆるデッドラインを想定しているか。

A13 国の調査では令和2年度末に30年以上経過したごみ処理場は全体の1//4であり、建設ピークを想定して延命や改修も検討した。その一方で循環型社会形成推進交付金 はこれまでにない規模となることも公表されている。今回、国の交付金を使う条件として循環型社会のための地域計画を策定し、承認されることが必要であり、柏崎市は既に策定・承認済みなので確実に交付金を得ることができる。また、二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金も特別会計なのでベーシックな補助金よりも余裕がある。こうした情報を最大限注視し、市の財政を圧迫しないよう努めたい。

Q14 人口減少によるごみ削減、ごみの変質により熱回収が難しくなる可能性はないか。

A14 ごみ処理場の規模設定は難しい。令和5年度段階で95トン/日であり、令和11年度以降に80トン/日のごみ処理量になるのかわからないが、場合によっては2炉を1炉にすることもあり得る。

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今回の実施方針で示された費用は、建設費・運営費あわせて280億~360億円となりました。

国の交付金や補助金を活用したとしても、非常に大きな額ですが、現在のごみ処理場は老朽化が進み、新ごみ処理施設は絶対に建設しなければなりません。

今後も進捗を注視していきたいと思います。

2023年12月12日 (火)

令和5年12月一般質問2「不調を乗り越え、活躍できる社会を目指して(4)不調の先にあるキャリア形成」

令和5年12月一般質問2(4)の内容です。

柏崎市議会映像配信(令和5年12月8日)

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最後に(4)不調の先にあるキャリア形成 について伺います。

これまでの質問を通して、心身の不調により、仕事に専念できない、あるいは十分に能力を発揮できないケースに言及してきました。

不調の時期と昇進・昇格や重要なプロジェクトを任される時期が重なり、チャンスを逃す人は、少なからずいると思います。
逆に、チャンスを失うことを恐れ、不調に耐えて働き続けた結果、志半ばで倒れてしまうことも・・私が心から尊敬していた方が、まさしくそうでした。

もともとは高い能力・意欲を持ちながらも、不調によって戦線離脱し、気力・体力が回復した人が、「彼・彼女は責任が重い仕事は耐えられないだろう」と判断され、大事な役割や仕事が任せれないまま、他の同僚はどんどん出世していくとしたら、その人の意欲は失われていくでしょう。

人口減少時代においては、働く人ひとりひとりが大切な人材であり、不調の時期を過ぎれば、重要な仕事を担うことが可能となる職場づくりを進めて、いつでも、何度でも、キャリア形成にチャレンジできる社会にしていくことが必要だと思います。

その一方で昇進・昇格だけが「活躍」ではなく、その時々に持てる力を生かして、意欲的に働くことが「活躍」であると感じられる風土づくりも重要ではないかと考えます。

そこで最後の質問は、不調の時期に配慮したキャリア形成支援、不調であっても意欲を持って働ける職場環境づくりについて、柏崎市としての取組及び見解をお聞かせください。

総合企画部長

療養期間中は職務を他の職員が分担して行うこととなり、復帰後に配慮が必要な場合は、本人が十分に能力を発揮できないことがあるのは事実でございます。

しかしながら、市職員においては、適性や能力を備えていれば、回復後に昇進・昇格の機会は十分にあり、病気で休んだことだけをもって道が閉ざされるものではありません。

一方、承認・昇格だけが活躍ではなく、その人の適性が活かせる領域で働けることが重要であると考えております。職員には研修等を通して、個々の事情を理解し、お互い様の気持ちを持って働き続けられるような意識付けを行っており、その時々で持てる力を十分に発揮し、意欲的に働くことのできる環境を引き続き整えてまいります。

また、民間事業所における職場環境の整備やキャリア形成の支援については、柏崎市の男女共同参画基本計画におきまして、雇用や就労環境における男女平等の推進として啓発し、取り組んでいるところでございます。

計画では女性が活躍できる基盤づくりを目標に掲げ、取組みを進めていることから、現時点では働く女性に対し重点を置いているものです。

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しかし、不調からの復帰者を含めた働きやすい環境の整備は、男女の性別に関わらず、企業が重要視すべきことであり、健康経営の観点からも、自発的に取り組む必要があると考えております。

市といたしましては、民間事業所の模範となるよう、取組みをこれからも進めてまいります。

近藤

承知しました。しっかりとやられているということですので、これからも、一人ひとりを大切な人材と考えながら、取組みを進めていっていただきたいと思います。
これで今回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

令和5年12月一般質問2「不調を乗り越え、活躍できる社会を目指して(3)職場復帰及び治療と仕事の両立に向けた支援」

令和5年12月一般質問2(3)の内容です。

柏崎市議会映像配信(令和5年12月8日)

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次の質問(3)職場復帰及び治療と仕事の両立に向けた支援 に移ります。

うつ病や心身症等の心の健康問題、がん等の治療により仕事を一定期間休んだ人が、治療を継続しながら、あるいは完全に体調が回復しないまま仕事に復帰するケースは少なくないと思います。

そうした場合、各職場において、回復途上の心身状態に配慮し、勤務形態や業務内容の柔軟な転換や相談支援体制の整備、また、休職者がいたとしても、同僚に過度な負担がかからないよう配慮することが必要だと考えます。

厚生労働省では様々なガイドラインや手引(「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引」や「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」)を策定し、休業中のケアから職場復帰後のフォロー等の留意事項をまとめています。

さて、柏崎市では毎年、人事行政運営の状況を公表しています、この5年間で「心身の故障」による休職者が10人前後となっており、市職員の皆さんのメンタルヘルスを含む健康状態が危惧されます。

そこで、「柏崎市職員への対応」について質問します。

心の健康問題やがん等の治療による長期休業者の実態について、また、回復途上や治療を継続する職員の職場復帰に向けたプログラムがあると聞き及んでいますが、具体的にはどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。

総合企画部長

当市職員において、心の健康問題や身体面の疾病により、長期療養休暇等を取得する者は、近年20人前後で推移しております。

療養中および職場復帰する際のケアは、主に本人の所属職場において行っており、療養休暇中はしっかり休んでもらい、復帰後も過度な負担がかからないよう、配慮しているところでございます。また、柏崎市職場復帰支援実施要領では、円滑な職場復帰を図るため、本人や所属長等への支援について定めており、産業医、人事課などの支援スタッフが所属課と連携し、取り組むこととしております。

具体的には、休暇期間中は定期的に本人に連絡をとり、体調を確認する他、他の職場所属職員への配慮を行うこと、また回復してきたら復帰に向けた慣らし勤務、例えば短時間における勤務などを検討し、必要に応じて実施しているところです。職場復帰後も再発防止のため、業務量や業務内容に配慮する等としています。

この要領は主に心の健康問題による長期療養休暇者等を対象としていますが、それ以外の場合でも必要と判断される時は、対象とすることができるようになっております。

また、主に心の健康問題に関する職員を対象としている産業カウンセラーの面談についても、身体面での長期療養休暇者が、がん等の身体的疾病による不安をやわらげるために案内をしているところでございます。

引き続き、職員が病気になっても希望を失わず、働くことができる環境づくりに努めてまいります。

近藤

今、詳しく聞かせていただいたんですが、こういった職場復帰に向けたプログラムは当人だけでなく、やはり周りの方、同僚の協力が必要だと思います。ですが、それによって周りに過度な負担がかからないようにすることも必要かと思います。そういった面での、職場全体で心掛けていること等が何かありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

総合企画部長

おっしゃるように職場全体、ケアスタッフ全体で取り組んでいるところですが、復帰に向けて、また復帰した後も含めまして、所属する職場の主に職場長、そして同じ係の職員など、係長をはじめとして聞き取りを行いながら、本人の状況に合った形での対応というところを心掛けているところでございます。

近藤

同僚の方達への配慮も必要だと思います。同僚への過度な負担により、またその方が具合が悪くならないように、そこも含めて続けていただきたいと思います。

次に民間事業所における対応として、「健康優良法人認定制度の活用」について伺います。

治療と仕事の両立支援は、経済産業省が認定する「健康経営優良法人認定制度」における評価項目の一つであり、相談窓口の明確化と周知、支援体制の整備等の対策が規定され、働き方改革の重要な柱とされています。

民間事例でもいくつかありますが、伊藤忠商事株式会社が、「がんになっても、私の居場所はここだ。」と社員が実感できるよう、予防・治療・共生の3つの観点から、「がん治療と仕事の両立支援」を行っています。

現在、本市では従業員の健康づくりに積極的に取り組む事業所を「かしわざき健康サポートカンパニー 」として紹介し、地域の健康意識の向上を促進しています。スポーツ振興課が担当し、どちらかといえば予防に重点を置きながら、健康経営を推進するものと認識しています。

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しかしながら、誰もが予期せぬ不調に陥る時があることを踏まえ、病気になっても希望を失わず、働くことができる環境整備、心身の不調からの回復を緩やかに見守ることのできる風土づくりを、民間事業所においても進めていくことが大切だと考えます。

そこで質問です。
「かしわざき健康サポートカンパニー」の認定要件の一つとして、経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」の評価項目を盛り込む等して、病気休業者の職場復帰及び治療と仕事の両立支援に取り組む企業を紹介し、好事例の共有によって実践する職場を増やしてはどうかと考えますが、見解を伺います。

教育部長

本市のかしわざき健康サポートカンパニーは、働く世代の健康づくりや地域の健康への意識の向上に、少しでもつなげていきたいと考え、令和4(2022)年8月1日から始めた事業であります。

市内の中小企業等で、従業員の健康づくりに積極的に取り組む事業所を登録し、その取組みを広報かしわざきや市HP等で広く紹介することで、職場における健康づくりのきっかけになってほしいと考えております。これまでに23事業所からご登録いただきました。

ご登録いただいた事業所には、健康づくりやスポーツイベントを個別にご案内して、それにご参加いただくことで、職場の健康づくりを支援しているところであります。

登録要件は先ほど述べました通り、従業員の健康づくりに取り組む事業所とし、募集に際しては、スポーツ、健康診断、食生活、心の健康などの項目において、取り組みやすく、また関心を持っていただける取組みをご紹介しております。

取組みの具体例に、病気・療養からの職場復帰や、治療と仕事の両立支援等を加えるという考えもありますが、一方で取り組みたいと思われる事業所の皆様の目標設定が高くなってしまい、登録を敬遠されてしまうことも懸念されます。

しかし、近藤議員のご提案のように、好事例を共有し、実践する職場を増やしていくという考えは、かしわざき健康サポートカンパニーの趣旨と共通するところでございますので、働く人の支援につながる事例は、広く紹介してまいります。

これからも、かしわざき健康サポートカンパニーの取組みを広げていくために、まずは事業所訪問等により事業の趣旨をご理解いただき、できる限り多くの事業所の皆様から健康づくりに関心を持ってご登録いただけるように取り組みたいと考えております。

近藤

今ほどのご答弁で確認させていただきたいのですが、職場復帰や治療と仕事の両立支援を行う企業は、かしわざき健康サポートカンパニーの要件にはしないものの、別の形で周知したり、好事例の共有として、取組みを発信していくというお考えなのでしょうか。

教育部長

先ほど申しました事業所訪問の際にそういったお話もさせていただきたいと思います。

近藤

しつこくて申し訳ないのですが、かしわざき健康サポートカンパニーに入れるかどうかという質問に対してはどうされますでしょうか。

教育部長

今の段階で登録の要件に新たに入れることは考えていませんが、そのような取組みを行っている事業所からは積極的にご登録いただいて、そのことを共有してまいりたいと考えております。

近藤

はい、わかりました。かしわざき健康サポートカンパニーに登録するかどうかは、あくまでも手法であって、目的としては、そういった良い事例を他の事業所にも広めていただきたいということですので、そのようにご理解いただければと思います。

2023年12月11日 (月)

令和5年12月一般質問2「不調を乗り越え、活躍できる社会を目指して(2)女性特有の健康課題に対する取組」

令和5年12月一般質問2(2)の内容です。

柏崎市議会映像配信(令和5年12月8日)

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次の質問(2)女性特有の健康課題に対する取組 では、まず「職場における理解と配慮」について伺います。

女性活躍の推進が謳われる一方で、先ほど質問した更年期障害のほか、生理痛やPMS(月経前症候群)、妊娠中や産後の体調不良、不妊治療等、女性特有の健康課題によって、仕事に専念できない、あるいは十分に能力を発揮できないケースもあると思います。

生理休暇や妊産婦を保護する措置は、労働基準法や男女雇用機会均等法で定められ、昨年4月からは、不妊治療と仕事を両立しやすい環境整備に取り組む企業を認定する「くるみんプラス」制度が新設され、それぞれ職場での配慮が求められています。

妊娠出産・母性健康管理サポート > 母性健康管理に対する企業の義務

柏崎市の職員に対しては、母性保護に関する特別休暇が定められ、「出生サポート」として不妊治療に係る通院を対象としていると承知しています。

しかし、制度があっても、必要とする人が適時適切に利用できているかということは、各職場において検証すべきと考えます。

また、人手不足や職場の無理解、あるいは本人の理解不足により、不調でありながら働いた結果、流産や切迫早産に至るケースや、仕事を続けることが苦痛となって退職に至るケースも、実際に見知っています。

生理や妊娠・出産、不妊治療による体調不良時に、適切な休息や休暇の取得ができ、母体への負担が少ない業務への速やかな転換ができる柔軟な職場づくりを進めていくことが、ワーク・ライフ・バランス及び女性活躍の推進につながるのではないでしょうか。

特に妊娠中の働く女性は、医師等から通勤緩和や休憩などの指導を受けた場合、「母健連絡カード(正式には母性健康管理指導事項連絡カード)」を用いて、事業主に指導内容を伝えることができますが、その存在はほとんど知られていないようです。
こうした仕組みの周知と適切な活用の促進も、あわせて必要ではないかと思います。

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そこで質問します。柏崎市職員の生理痛、妊娠中・出産後や不妊治療による体調不良時の対応状況として、条例や規則上の取扱い、休職や退職の実態と具体的な対応例、母健連絡カードの活用状況について、また、市民や民間事業者に対する啓発と、支援体制整備に向けた取組についてお聞かせください。

総合企画部長

当市職員に対する制度は国家公務員に準じており、生理に伴う体調不良や妊娠期の健康診査の折に休暇を取得できる他、妊産婦の時間外勤務や深夜勤務の制限を請求できるなど、多岐に渡っております。

令和4(2022)年4月1日からは、不妊治療に係る通院のための休暇を新設しており、1日または30分単位で取得ができます。また、妊娠に起因する症状により勤務困難な場合には、ご紹介いただきました通り、母性健康管理指導事項連絡カードを提示することで、特別休暇が取得でき、令和3(2021)年は3名が38日、令和4(2022)年は4名が39日、今年度は現時点までにおいて1名が9日間と、一定の利用実績が見られているところです。

近年では妊娠に起因した体調不良による療養休暇および休職はあったものの、それが主な理由となって退職まで至ったものと認識しております。

女性特有の健康課題に対するご質問でありますが、出産に関連して男性職員の育児休業について申し上げますと、近年では当市男性職員の育児休業取得率は、非常に上がってきておりまして、取得可能職員のうち、令和3(2022)年度は5名‐21%、令和4(2022)年度は11名‐42%、今年度は11月末時点におきまして12名‐80%が取得しております。

女性職員もしくは男性職員の配偶者が妊娠したことを職場に申し出た際には、育児関連休暇や休業取得の意向確認の面談を係長等が行い、出産に向けた計画表を作成する他、制度をわかりやすく1冊にまとめた「子育てサポートハンドブック」により制度周知を行っていることが、一定の成果を生んでいるものと考えております。

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民間事業者に関しましては、中小企業等に勤務する男性労働者が育児休業を一定期間以上取得した場合に、当該労働者および事業主に奨励金を交付する制度を設けております。

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引き続き、妊娠、出産、育児等と仕事の両立ができる環境づくりに、市役所自らが努めるとともに、市全体に広がるよう支援してまいりたいと考えております。

続いて、市民や民間事業者に対する女性特有の健康課題に対する啓発について申し上げます。市では母子健康手帳を交付する際、通勤や勤務への配慮を必要とする症状の場合に、事業主への申し出を活用する母性健康管理指導事項連絡カードについて説明しております。

しかしながら、近藤議員がおっしゃいますように、市民や事業者がその仕組みを理解し、適切な活用につながることが重要でございますので、今後はHPなどを通じて、情報発信にさらに努めてまいりたいと思っております。

また、これまで男女共同参画基本計画に基づき、生涯を通じた男女の性の尊重と健康支援を重点目標に掲げ、各種取組みを進めてきたところでございます。

女性の社会進出が進み、重要な働き手となっている現在におきまして、女性特有の健康課題により、女性が自分の望むキャリアを諦めたり、仕事の生産性を低下させたりすることは、女性だけではなく企業にとっても重大な損失と考えております。このことを踏まえ、女性特有の健康課題に対する理解促進に、引き続き努めてまいりたいと考えております。

近藤

前向きなご答弁をいただきましたので、次に「学校教育における取扱い」について伺います。

児童・生徒の発育には個人差がありますが、早い子は小学生の時に初潮を迎えます。中には重い生理痛やPMSに苦しむ女子児童・生徒もいると思います。

また、女性特有の健康課題は、妊娠・出産と大きく関係することから、子ども達が「将来、どんな人生を送りたいか」考える上で重要であり、適切な時期に、男女ともに共通の知識や認識を持つことが必要だと考えます。

さらには、予防法や対処法、法的な配慮についても、学ぶ機会があると良いのではないでしょうか。

そこで質問します。柏崎市の学校教育において、女性の健康課題や法に基づく配慮を学ぶ機会について、また、生理痛・PMSにより授業を受けることが困難な児童・生徒への対応についてお聞かせください。

教育長

子ども達が学ぶ機会としては、小学校4年生の体育・保険料育の授業で第二次性徴について学習します。第二次性徴とは、思春期になって現れる生殖器以外の体の各部分に見られる男女の特徴です。続きまして中学校では、保健体育1年生で性に関して学んでおります。

柏崎市では、助産師の方々から外部講師となっていただき、男女生徒に対して指導を行っていますが、これは教育委員会の思春期保健対策事業の一環として、行われているものです。

この時に生理痛や女性特有の健康課題についても学習しています。思春期における身体的な変化だけではなく、男女が互いの性を思いやる気持ちについても学ぶ大切な機会となっております。

授業以外でも養護教諭等から、女子児童に対して生理用品の使用方法等を教える際に、生理痛への対処の仕方や、困った時の相談窓口について具体的に指導しているところです。

次に生理痛やPMS(月経前症候群)により、授業を受けることが困難な児童・生徒への対応についてです。生理に関わる体調不良の場合は保健室で休養させたり、体育実技の授業等は見学させたりする場合もあります。また、必要に応じて保護者と連絡をとり、医療機関への受診を勧めることもあります。

尚、受けられなかった授業の内容については、後刻、個に応じて保障を行うなどし、当該児童・生徒の不利益にならないよう対策を講じているのが現状であります。

近藤

計画的に取り組まれていること、また男女ともに学んでいると聞いて安心したところです。引き続き進めていただきたいと思います。

 

令和5年12月一般質問2「不調を乗り越え、活躍できる社会を目指して(1)更年期への理解と職場における配慮」

令和5年12月一般質問2(1)の内容です。

柏崎市議会映像配信(令和5年12月8日)

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次の質問「2 不調を乗り越え、活躍できる社会を目指して」では、調子が悪い時期があっても、キャリア形成を諦めることなく、希望を持って働くための対応策についてお聞きします。

まずは(1)更年期への理解と職場における配慮 について伺います。

柏崎市役所をはじめ、多くの職場において40~50代は責任ある立場となり、更なる活躍が期待されるものの、更年期症状が発症するのもこの時期です。

更年期症状は、性ホルモン分泌量の変化によって起こり、頭痛、ほてり、めまい、疲労感、イライラ感、気分の落ち込みなどが知られます。
女性は閉経を挟む45~55歳頃、男性も40~60代頃に発症すしやすく、日常生活や仕事に影響が出る状態を更年期障害と呼びます。

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厚生労働省が昨年6月に発表した意識調査結果によれば、女性は50代の38.3%、40代の28.3%が、男性は50代の14.3%、40代の8.2%が更年期症状を自覚しています。
しかし、そのうち約7割は医療機関を受診せず、「更年期症状は誰もが経験し、いつかは終わるもの」として我慢し、体調不良を押し通して働く傾向があります。

一方、NHKと専門機関が行ったアンケート調査では、女性の9%、男性の7%が更年期障害により離職し、推計すると全国で男女合わせて約57万人いることがわかりました

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離職の主な理由は「仕事を続ける自信がなくなったから」、「職場に迷惑がかかると感じて居づらくなったから」だそうです。

また、更年期障害による心身の不調から、昇進や昇格を拒んだり、諦めたりする「雇用劣化」が多数あることも報告されています。

本市においても、官民を問わず、更年期障害に苦しむ人達は一定数いると思いますが、適切な治療や適度な休養によって心身の復調を図れるよう、社会・職場の理解を促進すること、更年期障害による離職や雇用劣化が生じないよう、制度や環境を整備することが必要だと考えます。

鳥取県においては、更年期障害の実態に関する職員アンケートを本年4月~5月に実施し、更年期障害を理由として有給休暇等を取った職員が、約20%いることが判明しました。
その実態を受けて規則改正を行い、今年10月1日からは、更年期障害により勤務が著しく困難である場合、年間5日以内の特別休暇を取得できるようにしています。(とりネット 更年期特有の不調を抱えて働く県職員に対する支援について

そこで質問です。
まずは更年期障害がもたらす社会的影響についての柏崎市としての見解、また、柏崎市職員の更年期障害への対応状況、すなわち条例や規則上の取扱い、更年期障害による休職や退職の実態と具体的な対応例、そして、市民や民間事業者に対する啓発と、支援体制整備に向けた取組について、お聞かせください。

市長

更年期障害の症状は様々で、症状の程度にも個人差があり、また性ホルモン分泌量の減少に起因しているものの、仕事、家庭、社会情勢、周囲との関係などが複合的に影響して起こると言われています。

症状がみられる40代~50代は、知識や経験を積み、責任ある立場として働く時期と重なり、更年期障害で不調を感じていても、話しづらさから周囲に打ち明けにくく、受診せず我慢することがあります。その背景には、更年期障害に対する当事者や社会全体の理解不足や認識不足があるのではないかと考えております。

辛い症状が続くことで、仕事の能率の低下、ひいては休職や離職などの人的損失につながりかねない問題であると受け止めております。

市職員に対しましては、療養休暇制度を運用し、更年期障害を含めた疾病による長期間の休暇取得や、定期的な通院治療を支援しているところでございます。尚、過去5年間において、更年期障害を主たる要因とした休職や退職はなかったものと認識するところでございます。

たしかに言葉にしづらい不調もあると思いますけれども、上司や同僚が更年期障害を理解し、相談しやすい職場環境となるよう、意識付けを行ってまいります。

更年期障害に関し、国は「働く女性の心とからだの応援サイト」を開設し、女性特有の健康問題に対する支援やサポート体制について、情報提供を行っております。

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また、市内には更年期障害の相談に対応している医療機関もございます。

市といたしましても、更年期障害に関する知識や理解促進に向けて、市民の皆様や事業所に対し、HPの掲載やこれまで行っている企業訪問などの機会を通じて、情報提供や啓発に取り組み、働きやすい環境整備に努めてまいります。

近藤

今ほど市役所の中で更年期障害を理由としての休職事例がないと言われましたが、逆にそれを伝える仕組みも無いのではないかと感じるのですが、確認です。

鳥取県では特別休暇を作ったりしています。特別休暇を作れとまでは言いませんが、市役所として更年期障害への対応において、なるべく軽い段階で気付いて休みにつなげるといった、そういう取組みについてどのようにお考えでしょうか。

市長

特に更年期障害ということを取り立てているわけではございませんけれども、一般的な疾病、つまり体の具合が悪いんだということを伝えているところでありますので、あらためて近藤議員の方から、更年期障害という言葉が使われましたし、また国の方も「働く女性の心と体の応援サイト」の周知も含めて、私どもの療養休暇の利用もあらためて職員に周知してまいりたいと考えております。

2023年12月10日 (日)

令和5年12月一般質問1「中心市街地の再生と脱炭素のまちづくり(4)中心市街地における公共交通の将来像」

令和5年12月一般質問1(4)の内容です。

柏崎市議会映像配信(令和5年12月8日)

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本項目最後の質問 (4)中心市街地における公共交通の将来像 について伺います。

地域公共交通を取り巻く環境は、交通事業者の経営難→運転手不足→運行本数の減少→利便性の低下→利用者の減少→さらなる経営難、という負のスパイラルに陥っています。
低炭素社会の実現、SDGsの観点からも、地域公共交通の利用促進は大きな課題です。

そんな中、11月24日から運行を開始したAI新交通「あいくる」は、DXを活用してニーズを的確に捉え、人的資源、輸送資源を効果的に運用し、市民の生活の足となる移動手段として期待されています。

「あいくる」は路線バスと一般タクシーの中間的な機能を有し、既存の交通機関との棲み分けを行うとしていますが、市民の皆さんからは「あいくる」導入は、路線バスやタクシーを今後、減らす布石ではないのか、との声も聴かれます。

また、次年度からは運転士の労働時間等の基準が見直され、人的資源は更に限られたものとなるため、現実的には全ての交通機関を残すのは難しいのではないかと感じます。

実際に10月に総務常任委員会で視察した長野県安曇野市では、路線バスが完全に撤退し、デマンド交通を主たる移動手段としていました。

本市においても郊外での路線バスの減便や廃止が続き、夜間や早朝のタクシーも中々確保できない状況ですが、これらを維持するために、将来的には「あいくる」普及に伴い、市街地循環バスや日中のタクシー運行を縮小していく方向性なのでしょうか。

また、「あいくる」予約にはLINEやアプリを使えば効率的なはずですが、11/24に私の地元町内会で開催された「あいくる」の説明会では、古い機種のスマートフォンや、いわゆるらくらくスマホでは、LINEやアプリの登録がうまくいかず、皆さんが苦労されていました。

12/4には私自身も「あいくる」に乗車しましたが、運転手さんによれば今のところ約8割は電話予約とのことでした。

「あいくる」の利用促進には、9月に一般質問した高齢者のデジタルデバイド解消に向けた丁寧なサポートに加え、電話予約への対応強化も必要ではないかと感じます。

そこで質問です。AI新交通「あいくる」利用促進に向けた今後の取組 及び中心市街地の将来的な公共交通の在り方について、見解を伺います。

市長

「あいくる」には11/27~28頃、私も市役所から自宅のある西本町まで乗ってみました。電子マネーを使おうとしたらまだ使えないということなので、400円を握りしめて乗りました。結果的にお客さんは私ひとりでした。

越後交通さんが担当される3号車で、運転手さんに一番遠い距離はどこかお尋ねしたところ、与三からご夫婦がドン・キホーテまで乗ったということでした。ご夫婦とも免許を返納されて、タクシーよりはずっと安いし、バスは不便なので、本当にありがたかったと話されていたそうです。

議会にもご報告しましたけれど、今のところ当初のあいくるの目標乗降者は50人/日を予定していたのですが、出だしの1週間では63人/日であり、計画より2割以上多く確保していることになります。

予約方法に関しては、近藤議員が聞いたのとは違う号車だったのかもしれませんが、平均すると電話が概ね60%、LINEが概ね30%弱、スマートフォンのアプリが20%弱という状況です。

いずれにしましても、たくさんの方々にご利用いただくためには利用方法をしっかりと周知する必要があると考えております。そのため、これまでガイドブックを10月に全戸配布した他、利用説明会を各地域で述べ55回実施し、参加者数は1150人以上で、多くの方々に関心を持っていただいております。今後も引き続き周知活動を行ってまいります。

また近藤議員からお話しいただきました、らくらくフォンだとか古いスマホでは登録できないということも含めて、また上手に説明させていただきたいと思っております。

説明会ではスマートフォンでの予約方法の説明や、予約システムの初期設定の代行なども行っており、このような取組の結果、これまでに受付した予約のうち、約半数がLINEと専用アプリでの予約になっております。スマートフォンをお持ちでない方に関しましては、電話予約が多い午前中の受付を増員させていただき、万全な体制で対応させていただいております。

また、来年度からは運転手等の労働時間が見直されることから、運転手の確保は更に難しくなるものと見込んでおります。相次ぐ路線バスの減便に歯止めをかけることは難しい状況であります。路線バス、循環バスだけではなく、あいくる、タクシーを含めて相互に連携をさせ、それぞれの特性を活かしながら、中心市街地、また市街地における生活の移動手段の確保に努めてまいります。

また、更にはあいくるの運行区域外の地域とも、鉄道、路線バス、地域内交通等と結節させることで、持続可能な公共交通ネットワークを形成してまいります。

近藤議員からもお話しいただいたように、使っていただかなければならないので。ハッキリ申し上げて、柏崎市民の悪い所なんですけれど、お店を開いている人、やめている人からはよく言われます。柏崎でにぎわいがあるのは、開店セールと閉店セールの時だけだという声をよく聞くわけでございます。そういった意味で、市民の皆様にも極力お使いいただきたいと、また議員さんからも色々な方々にお伝えいただきたいと思います。

近藤

私自身もあいくるを利用して、非常に便利だと感じましたし、使った方からも好評だと感じております。そこで二点、再質問させていただきたいと思います。

まず一点目は説明会の中で予約システムの代行もされているということですが、これを市の職員さんだけではなく、例えばコロナワクチン接種サポートとして民間の方達にもご協力いただきました。そういった形で少し協力の形を広げていくお考えはないか。

もう一点は、あいくるを入れたからといって、他の路線バス等の廃止をすんなり受け入れるものではなく、引き続き、できることならという形で維持を求めていくものなのでしょうか。

市長

一点目は民間団体にも話をしてみますが、コロナワクチンのところでかなり疲弊されたと思いますので・・心ある方にはこういった形でお手伝いいただければありがたいと思います。

二点目になりますが、逆に申し上げて、申し訳ないですが、路線バスは減ります。あっちもこっちもというわけにはいきません。なぜなら運転手さんがいないからです。運転手さんの有効活用のために、あいくるという形にさせていただきました。いずれ路線バスは減らさざるを得ない。私どもがというよりも、運行事業者の方がそういう意思です。ご了解賜りたいと思います。

近藤

厳しい現状に対応していくためにも、あいくるの利用促進が必要だと理解しました。
色々な課題はありますが、中心市街地が再生を図れるよう、私もまた調査・研究を重ねて、提案していきたいと思います。

 

2023年12月 9日 (土)

令和5年12月一般質問1「中心市街地の再生と脱炭素のまちづくり(3)東京電力ホールディングス株式会社の社員異動に伴う対応」

令和5年12月一般質問1(3)の内容です。

柏崎市議会 映像配信(12月8日)

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近藤

次に(3)東京電力ホールディングス株式会社の社員異動に伴う対応 について伺います。

東京電力HD(株)は、柏崎刈羽原子力発電所のテロ対策不備を受け、2026年度中に東京の本社原子力部門の一部を地元の柏崎市に移転する計画を発表しました。

所有施設の柏崎エネルギーホールを解体し、跡地に約200人が勤務する5階建ての新事務所を建設し、現施設のうち市民が利用できる機能は新事務所でも残すほか、新たな社員の住居を確保するため、社宅の増改築工事も進める・・としています。

企業誘致や移住・定住を進めてきた柏崎市にとって、中心市街地の就業人口増加は歓迎すべきことであり、市民からは駅前周辺の活性化や地元への経済効果を期待する声も聴かれます。

9月の阿部基議員の一般質問に対し、櫻井市長は「駅前は柏崎市の顔であり、財政規模とのバランスを見ながら駅前の再開発を考えなければならない。」と答弁されていますが、新たに駅前で200人が働くことを最大限生かして、中心市街地活性化に取組むべきと考えます。

例えば、新しく柏崎駅前社屋で働く方々から、移動や帰省に電車を使っていただき、路線の維持や柏崎駅の機能確保を図ることや、社屋周辺で食事や買い物ができるようニーズを捉えビジネス展開すること等、様々な可能性があるのではないでしょうか。

また、全員ではないにしろ、もしご家族と共に異動する社員がいらっしゃるのであれば、空家・空き物件の活用、教育環境の整備も視野に入れるべきだと思います。

脱炭素のまち・柏崎の実現において、柏崎刈羽原子力発電所の存在は欠かせません。その安全性を高めるというミッションを背負い、2年後に異動して来られる社員の方々から、「柏崎は住み良いまちだ」と感じていただき、中心市街地の再生、地元経済の活性化、そして発電所の更なる安全性の向上につなげていく準備や環境整備をしていくべきではないかと考えます。

そこで質問です。東京電力ホールディングス株式会社の社員異動が、中心市街地の活性化や経済効果につながるよう、準備・交渉を進めることについて、見解を伺います。

市長

東京電力ホールディングス株式会社が、本社にある原子力部門の一部を柏崎市に移転することにより、約200人の社員が市内に転入し、新たな事務所や社宅の建設も行われることから、様々な効果が期待できると考えております。200人が駅前、100人がサイト内で、300人がお越しになると理解するところです。

前向きなご提案であり、私としても大歓迎です。バックグラウンドは4年ほど前、柏崎商工会議所会頭と共に東京電力HD(株)本社を訪問した際、安全対策工事を含め、色々と頑張っているわけですが、住んでいる人を含めて、市内にどれくらいお金を落としているのか尋ねたことがあります。1か月ほどして、1年間、関係する建設、物品購入、住居費、飲食費等を合わせて約1千億円あるうち、柏崎に関係するのは約100億円くらいだという返事をいただきました。この約10%という数字は少ないのではないかと、東京電力HD(株)にはお伝えしました。

その後、色々なことが東電にもあり、やはり近くに専門家が住んでいること、勤務していることは大事だろうとお考えいただき、駅前に200人、全体で300人の社員異動になったのだろと思います。

駅前で200人が新たに働くことは、中心市街地の就業人口が増えることですので、大変喜ばしいことです。社員の方の中には今回の移動をきっかけに、本市への定住を考えていただける方がいるかもしれません。ただ聞くところによれば、単身が多いと承知しているわけですが、その際は転入していただいた方に、本市のU・Iターン関連施策は説明してまいります。

いずれにせよ当面の間お住まいになるわけですので、そうしますと中心市街地の再生・活性化、とりわけ駅前空間のにぎわい創出については柏崎市立地適正化計画の施策の一つに位置付けており、柏崎市の玄関口に相応しいまちづくりを行い、魅力あるまちなか形成を目指しております。

これ自体はもう少し大きい枠組みでの計画であり、東電社員200人に駅前で働いていただくのに対応する計画ではないわけですが、いずれにせよ200人から住んでいただくわけですので・・。

実は私は、東電の幹部の方に東電生協はないんですかと聞きました。東電生協がもしあるならば、この200人の方々がお弁当や食料品を調達するのに、いい空き物件があるのですが・・と確認したところ、残念ながら「ありません」とのことでした。

そういった中で、来年度は駅周辺の商業者や関係事業者等と、中心市街地活性化の方向性や推進体制に関する意見交換等を実施したいと考えております。東京電力HD(株)も引き続き地元とのつながりを強化する方針と聞いておりますので、今後の事業の動向を注視し、機を逸することなく協議・対話を行ってまいります。

また、駅前商店街や駅仲商店街の方々には既にこの情報をお伝えしておりますので、商店街の方々が何か企画をするということになるならば、私ども行政がお手伝いすることもあるかもしれません。近藤議員のご提案を生かしながら、意見交換をさせていただきたいと考えております。

近藤

今回の社員異動が、4年前、おそらくもっとそれ以前からの市長や商工会議所の皆さんの陰ながらのご努力が実ったものと承知いたしました。
単身者が多いのではないかとのお話でしたが、単身者向けのニーズを踏まえたビジネス展開もあることと思いますので、そういったことも東京電力さんと、また地元の商業関係者と協議しながら、いい形で中心市街地の活性化につなげていただきたいと思います。

 

 

令和5年12月一般質問1「中心市街地の再生と脱炭素のまちづくり(2)旧庁舎跡地利活用と今後のまちづくり」

12月一般質問1(2)の内容です。

柏崎市議会 映像配信(12月8日)

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近藤

次の質問 (2)旧庁舎跡地利活用と今後のまちづくり に移ります。

11月初旬、柏崎市旧庁舎跡地利活用事業に係る公募型プロポーザルの中止が報告されました。理由として、要求水準を満たす提案をした場合、施設の整備段階及び維持管理・運営に係る費用が提案価格の上限に収まらず、参加申込みをしていた1グループが辞退したためと伝えられています。

旧庁舎跡地利活用事業は、柏崎市立地適正化計画において、まちなかの魅力・求心力を高めるリーディングプロジェクトとして位置付けられ、国の支援措置(都市構造再編集中支援事業)を活用して、整備が進められてきました。

利活用コンセプトは「(仮称)柏崎セントラルガーデン~人が集まり新たな活動・交流を生む柏崎の中心拠点~」。中央地区初の新築となるコミュニティセンター、カフェスペースを含む多世代交流センター、子どもの遊び場を含む屋根付き多目的広場の他、事業者提案による民間収益施設の整備が予定されています。

また、地球環境、省エネルギーに配慮し、災害時や設備更新時のバックアップも含めて、安定した電力供給システムを整備し、将来的には柏崎あい・あーるエナジー(株)から電力購入することや、バリアフリー、ユニバーサルデザインに配慮することも示されています。

柏崎市旧庁舎跡地利活用事業 要求水準書pdf

このように、旧庁舎跡地利活用事業は、市民活動支援、子育て環境の充実、多様性の尊重、そして脱炭素の推進といった重要施策を実現し、空洞化が進む中心市街地に活気を呼び戻す交流拠点として期待が寄せられてきただけに、今後の動向が危惧されます。

現時点でのプロポーザル上限価格は、整備に係るサービス対価A:32億9410万4千円、維持・運営に係るサービス対価B:16億8433万1千円とされ、補助率1/2の国補助金を活用したとしても大きな額です。

一方、円安や世界情勢の影響により、建設資材や燃料費の高騰、労務費の上昇等が続く状況下で、建設整備費、運営費、維持費が更に増嵩する可能性は高いと思います。

プロポーザルを再度行うとしても、今後、新ごみ処理場建設に莫大な費用がかかること等も踏まえると、提案価格を上げるのは避けるべきと考えます。

そうなると、既存の類似施設との棲み分けや、フォンジェ存続、駅前再開発とのバランスも考慮しながら、新たに整備すべき施設や機能を精査し、実状に見合う事業規模・内容となるよう見直す必要があるのではないでしょうか。

そこで質問です。旧庁舎跡地利活用事業のプロポーザル中止に伴う今後の対応及び実状を踏まえた今後の中心市街地まちづくりの方向性を伺います。

市長

旧庁舎跡地利活用事業については、今年8月に実施事業者を選定するための公募型プロポーザルの公募を開始し、9月22日に1グループから参加申込がありました。

しかし、11月2日に参加辞退届が提出され、応募者がなくなったため、公募型プロポーザルが中止になったことから、議員の皆様にお知らせするとともに、HPにもその旨を掲載したところでございます。

今後の建設資材や労務費などの高騰による影響や、施設管理・にぎわい創出に関わる事業者の考え方など、応募辞退に至った要因を確認する作業を現在、進めているところです。それらを検証した結果を踏まえ、事業の見直しの有無も含めた検討を進めてまいります。

日本建設業連合会によれば、建設資材は20~30%、労務単価も5~15%と上がっており、ご承知の通り、県内においても各所で公共施設工事が不調に終わっております。全国的にも、昨年のウクライナ情勢以降、この傾向は強くなっており、エネルギー価格、製造価格が上がり、その結果、建材、労務単価も上がっています。

繰り返しになりますが、事業計画の見直しの有無も含めた検討を進めているところです。

中心市街地まちづくりにつきましては、ご指摘の通り、フォンジェを取り巻く厳しい状況など、課題が山積するところでございます。今後ともしっかりと旧庁舎跡地利活用事業を進め、市民の皆様や関係事業者の皆様と意見交換を行い、官民で連携した持続可能なまちづくり、にぎわい創出に向けた各施策を進めてまいります。

近藤

大変厳しい現状があるわけですが、確認させていただきたいことが2点あります。まずはスケジュール全体がどうなっていくのか、遅れていくのか、また、市民の皆さんも不安を感じているかと思いますが、市民の皆さんへのご説明を今後どのようにされていくでしょうか。

市長

まず、事業は残念ながら遅らせざるを得ないという状況でございます。ただ、補助金等の関係もございますので、そこをどう調整していくのかという問題があります。

また、市民の皆様に対しましては、まず、旧庁舎跡地に関しましては、ご承知のように三つ大きい施設があるわけです。一つは中央コミセンの建て替え、古屋の造作だった中央コミセンを移設して建て替えること、あとはドーム的な機能と附帯する施設の三つあるわけですが、少なくとも中央地区コミュニティセンターは、しっかりと企画通りにつくるということは、また中央地区コミュニティ振興協議会の方々にも、しっかりとお伝えしてまいりたいと思います。

あとは、どこを削り、どこを残すのかと言う見直しは、しっかりと行わなければならないと考えております。

近藤

今後、見直し・縮小があったとしても、中央地区コミュニティセンターは死守するというか、企画通りと聞いて、関係者の方々も安心されると思います。引き続き丁寧なご説明をしていただきたいと思います。

 

2023年12月 8日 (金)

令和5年12月一般質問1「中心市街地の再生と脱炭素のまちづくり(1)フォンジェ再生に向けた新たな一手」

12月8日、通算19回目となる一般質問を行いました。以下はその内容です。

柏崎市議会 映像配信(12月8日)

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近藤

おはようございます。会派「柏崎の風」の近藤由香里です。
通告に従い、早速、質問1「中心市街地の再生と脱炭素のまちづくり」に入ります。

先日、20代半ばの友人からメッセージが届きました。彼は中央地区出身で、高校卒業後は地元製造業勤務を経て、市外で働いていましたが、ふるさと柏崎で環境産業に携わり、脱炭素のまちづくりをしたいと、昨年Uターンしました。この春からは新潟工科大学で勉強しながら、ボランティア活動やアルバイトも頑張っています。
そんな彼が送ってくれたのは、大学の仲間達と考えたという中心市街地活性化のアイディアで、素朴ながらも柏崎を良くしたいとの想いが伝わってきました。

本市の中心市街地を取り巻く状況は厳しいものですが、その現実を受け止めた上で、柏崎を元気にしていこうとする若者達は確実に存在します。彼ら次の世代のためにも、課題解決に向けた建設的な議論をしていけたらと思います。

まずは(1)フォンジェ再生に向けた新たな一手 について伺います。

今年10月末にフォンジェ地下に入っていたスーパー(ピアレMart)が撤退し、後継テナントは決まっていません。
経営再建半ばの株式会社 柏崎ショッピングモール(KSM)にとって大打撃であり、イトーヨーカドー丸大に継いで、まちなかのスーパーが閉店したことで、市民の皆さんからは、柏崎市の将来を不安視する声が聴かれます。

柏崎市はKSMに対し、駐車場棟借り上げやコツコツ貯筋体操センターの設置、キッズマジックの利用促進など、一定の節度を持って協力・支援を続けてきたと認識していますが、KSM最大の収入源を失った今、フォンジェは存続の危機に直面しています。

フォンジェは柏崎の中心市街地まちづくりのシンボルであり、廃墟にするわけにはいかないと思うものの、市長もよくおっしゃるように民間施設であり、存続させるには従来とは異なるアプローチが必要だと感じます。

また、当座の買い物支援として、市が移動販売車を手配していますが、あくまでも臨時的措置であり、売上がなければ継続は困難です。
ピアレMart撤退の理由は示されていませんが、冷凍冷蔵機器を有するスーパーにとって、昨今の電気料金高騰は相当の痛手であり、後継が決まらない一因になっていると推察します。

そこで、フォンジェ再生に向けた新たな一手として、太陽光発電の導入を提案します。
もし国の補助メニューが使えるのであれば、フォンジェを防災拠点として指定し、災害時には非常用電源確保、日常的には電気料金低減を図り、後継テナント確保に向けた条件交渉の材料にするという案です。

あるいは、柏崎あい・あーるエナジーが整備する安政町資材置場での太陽光発電設備・蓄電池を活用し、フォンジェに対して安価な電力供給してはどうかとも考えますが、これには工事の進捗が影響します。

尚、これらの提案は、今まで柏崎市が施策や事業に絡めてフォンジェを支援してきたことに鑑み、脱炭素のまちづくりを中心市街地で展開することで、フォンジェ再生を図れないかという私なりの「たたき台」です。他に良い案があれば、それに越したことはありません。

以上を踏まえて質問します。
フォンジェ存続に対する本市の考えと今後の取組、また、フォンジェ再生に向けた脱炭素電力の活用に対する見解、そして、柏崎あい・あーるエナジー株式会社が進める安政町資材置場での太陽光発電設備・蓄電池設置工事の進捗について、お聞かせください。

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市長

フォンジェをどうするのかということには非常に頭を悩ませております。あの手はないか、この手はないかと頭を悩ませ、体を動かし色々なところにお伺いして力を要請し、お知恵を拝借しながら色々なアプローチをしておりますが、確固たる明確なものがないのが正直なところでございます。

ただ、少しずつではありますけれども、行政として何ができるのか、何をするべきなのか、会社側に何を行っていただくべきなのか、すなわち経営者であるKSMに行っていただくこと、行政が行うこと、また行ってはいけないことを含めて、少しずつではありますが、整理整頓しながら進めているところでございます。そういった中で、近藤議員から、また学生さんからアイディアをいただいたことは、本当にありがたく思います。

さて、KSMが運営しておりますフォンジェは、中央地区・西部地区の日用品や食料品の買い物など、市民の皆様の暮らしを支える非常に重要な施設だと認識しています。現在、スーパーマーケットの後継テナントにつきましては、KSMが主体となって模索している状況だと認識しています。

今程、買い物、スーパーのことを申し上げましたけれども、また、近藤議員からもご紹介いただきましたように、市職員の駐車場棟180台分も関係します。それから、コツコツ貯筋体操センターは私が市長になってから始めさせていただきましたが、非常に高い人気を誇り、ご利用が多い施設でございます。

続いてパワーリハビリの方も非常に人気が高い施設になります。それから、キッズマジックは私どものスターチケット(子育て応援券)も使えるということで、少し利用は低迷しておりますが、これから冬に向かい天候が悪くなる中で、子どもを遊ばせる場所として一定の役割を果たしていると認識しています。

このように、フォンジェという空間は、買い物の空間であり、高齢者の健康を保持する空間であり、そして、子ども達の遊び場を確保する空間であり・・という意味で、非常に大事なまちなかの賑わい空間の一つであると認識するところです。

さて、近藤議員からご提案いただきました太陽光発電を有する避難所としての活用は、今現在、フォンジェを避難所として活用する考えはございません。また、ご心配いただいている柏崎あい・あーるエナジー株式会社が進める太陽光発電設備と大型蓄電池設置工事は、概ね順調に進んでいると聞き及んでいますが、まずは株主であるところの民間企業の方々にと考えています。

今、脱炭素電力が欲しいという民間企業の方々は非常に多く、例えば数日前に西武鉄道が電車を動かす電力を全て再生可能エネルギーにすると発表しています。そういった中で、まずは株主の方々、そして次の段階で柏崎の製造業を中心とした企業の方々に送ることができるように、規模の拡大、安定化を図っていきたいと考えておりますので、フォンジェの優先順位は低いものとご理解いただきたいと思います。

それから、ご質問の中にありました移動販売車の方も、一時的な利用で終わらないか心配していましたが、出店業者の一つからは、固定的なお客さんがつき、営業的に助かっているとの声があることもご紹介させていただきます。

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近藤

フォンジェ支援の考え方を伺いました。私からの提案は現実として難しい面も多いかと思います。それでは、行政としての支援の方向性を、少しでも具体的にお示しいただけることがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

市長

行政ができることは、お金、税金を使わせていただくことですが、どういった形でそれができるのかということにも関わります。また、いつのタイミングでお金を使わせていただくか、ということにも関わります。 KSMにおかれましては、非常に厳しい資金繰りだということが、9月あたりに出ておりました。しかし、私の方は一貫して、今年度、令和5(2023)年度は、何としてでもご自分達の努力で会社を守ってもらいたい、資金繰りをしてもらいたいと申し上げてきました。

裏を返せば、まだまとまっていないものの、議会の各会派から出された令和6(2024)年度予算の中で、どういった形でこのKSMを支援することができるか、若しくはできないのか、厳しいことを言えば、令和6年度予算は来年4月からのものであります。来年4月までにKSMが立ちいかなくなってしまったならば、上げた予算が意味のないものになってしまいます。

こういうことも含めて、令和6年度予算の中で、どういう領域でKSMを支援することができるか、できないかということを詰めている最中でございます。

近藤

今程のご答弁から、令和6年度予算の段階ではっきりと示されると伺いましたので、しっかりと予算審査させていただきたいと思います。

 

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