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2022年12月 8日 (木)

令和4年12月一般質問「3『脱炭素のまち・柏崎市』実現に向けた戦略と取組」

令和4年12月8日、一般質問を行いました。以下は3番目の質問の記録です。

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最後の質問【3「脱炭素のまち・柏崎市」実現に向けた戦略と取組】「(1)脱炭素先行地域選定を目指して」に移ります。

 環境省では2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門の電力消費に伴うCO2排出を実質ゼロとする「脱炭素先行地域」を、2030年度までに少なくとも100か所選定する方針を打ち出しました。脱炭素先行地域には財政措置が講じられることから、多くの自治体が選定を目指して切磋琢磨しています。

 2035年脱炭素のまち・柏崎市スタートを表明した本市も、脱炭素先行地域を目指していますが、先行地域選定の間接補助事業である「地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための支援事業」は不採択となりました。

 この要因分析として、市民生活部環境課からは、「地域特性を活かした柏崎らしさが提案内容に不足していた」、「脱炭素化に向けた具体的な道筋・方向性が不明確であった」、「事業者との連携体制が弱かった」と報告を受けました。

 その上で、『水素』をテーマに、引き続き先行地域選定を目指したいとし、理由として「水素の製造・利活用を表明している民間事業者がいて、水素活用の素地がある」、「製造・利活用事業者と本市の目指す脱炭素の方向性は一致している」といったことが挙げられています。また、再エネ電力と水素電力の併用、民間事業者等から得られる電源で水素を生成、民生・産業・運輸部門に水素を供給といったイメージで進めるとの説明も受けました。

 しかしながら、脱炭素先行地域に採択された自治体を見ると、民間事業者と組んで共同提案している事例が少なくありません。また、選定結果の総評によれば、「範囲の広がり・事業の大きさ」、「関係者と連携した実施体制」、「先進性・モデル性」を前提とした上で、「関係者との合意形成」、「新たな再エネ設備導入の確実性」、「事業性の確保」、「地域経済循環への貢献」、「地域の将来ビジョン」が重視されています。

 こうした条件を鑑みれば、脱炭素先行地域に選ばれるには、現在の担当である環境課だけではなく、電源エネルギー戦略室やものづくり振興課、防災・原子力課等と協働すべきであり、尚且つ、関連する民間事業者との連携・合意形成が必要だと思います。
 また、本市の脱炭素戦略を担うために設立された柏崎あい・あーるエナジー(株)も加え、第五次総合計画・後期基本計画の重点目標「大変革期を乗り越える産業イノベーションの推進」の実現を目指すことが、脱炭素先行地域に相応しい柏崎像ではないでしょうか。

 そこで質問です。本市が「脱炭素先行地域」を目指すのであれば、全庁的な協働や官民連携を強化し、「大変革期を乗り越える産業イノベーションの推進」をテーマとして進めていくべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

市長

 脱炭素先行地域の選定には、先進的かつ地域特性を活かした事業モデルの提案が求められており、地域課題の解決や産業面での活性化につながることが重要であるため、本市では水素エネルギーの利活用を軸とした選定を目指しております。

 基本的には、いま近藤議員が縷々ご提案いただいた通りであります。やはり民間事業者との連携、市役所内部それぞれのセクションとの連携は必須であろうと。今までも取り組んできたわけですが、水素というものにフォーカスした以上、より一層の連携を、市役所内においても、また民間事業者においても、進めたいと思います。水素エネルギーの特性については、すでに近藤議員ご承知の通りですので、省かせていただきます。

 さて、その民間事業者でございます。柏崎市の特徴は、あえて固有名詞を挙げますけれども、(株)リケンさん、(株)INPEXさん、いわゆる上場企業がこの水素に注目をし、取組みをはじめていらっしゃいます。

(株)リケンさんは水素エンジンの開発実証に乗り出し、さらに資源開発大手の(株)INPEXは水素製造・発電の実証試験を市内・平井地内において展開することを決定し、現在すでに事業を進めているところであります。このことは、地域に水素関連の事業を根付かせる有力なプレイヤーが現れたということであります。これ以上、有力なプレイヤーはいません。上場企業2社が控えています。市だけでは進めることが難しい水素事業の展開を、こういった民間事業者2社とともに進めていくこととしたわけであります。

 柏崎市は、水素利活用の先行的普及促進について、(株)INPEX、(株)リケンとともに推進したいと考えております。脱炭素先行地域の選定を念頭に、すでに両社と事業構想の方向性に関する協議を行っております。両社の実証事業が、環境・経済両面から持続可能な地域づくりを進めたい市の考え、水素の普及促進という面で一致しております。

 ですので、その具体化に向けて、近藤議員からご指摘いただきました、柏崎あい・あーるエナジー(株)による再エネ電力の融通機能を活用しながら、公共施設における燃料電池も視野に入れ、水素エネルギーの社会実装を、脱炭素先行地域の限られたエリアの中で実現し、少し未来で水素を利活用する方法を発信していくような事業展開が良いのではないかと考えております。

 あわせて水素関連事業が、地域の産業として波及していくよう、他地域の水素事業の先頭を切る(株)INPEXさん、(株)リケンさん、両者の動きを確認しながら、市も環境課、電源エネルギー戦略室、ものづくり振興課をはじめとする部局横断的な体制を築き、地域産業にも貢献する脱炭素先行地域という共通の目的に向けて、事業構想の検討と合意形成を進めていく方針であります。

近藤
 すでに民間事業者さんや、庁内での連携・協働も進んでいるとのことですので、ぜひ頑張って次の「脱炭素先行地域」に選定されるよう願っております。

次の質問は「(2)柏崎あい・あーるエナジー株式会社実働に向けた進捗と課題」です。

 今年3月末に設立された柏崎あい・あーるエナジー(株)は、令和5年4月から柏崎市所有の高圧公共施設への電力供給を開始する予定であり、初年度からの黒字を見込んでいます。

 しかし社会情勢を見れば、電力市場価格の高騰が長期化する中、全国各地で新電力会社の経営破綻が続き、11月末には東北電力(株)と東京ガスが出資した新電力会社も破産申請したことが報じられています。なので、要は心配しているわけです。そこで実働開始に向けた実状をお聞きしたいと思います。

 柏崎あい・あーるエナジー(株)の経営状況報告書及び中期計画では、2,000kW程度を供給開始時の契約規模とし、このうち約1,500kwは、本市が現在2か所で設備整備工事を進めるオフサイト型太陽光発電を使い、自己託送による供給を予定しています。自己託送の場合は、東北電力ネットワーク(株)の送配電網に系統接続し、市内公共施設に電力供給する仕組みとなっています。

 9月16日に行われた経営状況報告では、「東北電力ネットワーク(株)に系統接続を申請した。審査に3か月程度要するが、十分間に合うと認識して設備の準備を進めており、審査・検討が終わった後、接続工事を行う。パワーコンディショナーと蓄電池は、柏崎あい・あーるエナジー(株)の包括委託事業者であるパシフィックパワー(株)が電子的な設定と制御を行う。」との説明を受けました。来年4月からの実働に向けて、技術的な課題はクリアーできているでしょうか

 また、自己託送には、「計画値同時同量」の制度があり、このズレに対しては、インバランス料金と呼ばれるペナルティが課せられます。
これに加えて送配電網の利用には託送料金が発生しますが、来年度からはレベニューキャップ制度と呼ばれる新たな託送料金制度が導入され、また卸電力市場価格の高騰は長期化しています。こうした状況下で公共施設への電力販売を行うにあたり、どのように売電価格を設定するのでしょうか。

 そして、災害時の避難所の運用に対しても、重要な役割を担う公共施設への電力供給は、太陽光発電による電力供給と合わせて、蓄電池の運用により安定供給を行う計画にも言及されています。

以上のことを踏まえて質問します。柏崎あい・あーるエナジー(株)が来年4月から電力販売事業を開始するにあたっての、電力供給準備の進捗状況、および売電価格の見通し、そして蓄電池整備・運用をどのように進めて行くお考えか、お聞かせください。

市長

 現在進めておりますオフサイト型太陽光発電の設置工事は、半導体不足などで納品遅れとなる設備もなく、概ね順調に進んでおります。北条北小学校跡地はパネル設置を終えました。昨日、私も確認してまいりました。また配線やパワーコンディショナーなど周辺設備も、年内に設置する見込みでございます。旧かしわ荘跡地につきましても、年内のパネル設置完了と、1月中旬の周辺設備設置の完了を見込んでおります。その後は系統線への分電試験を行っていく予定でございます。

 系統線の接続検討につきましては、今ほど近藤議員からもお話しがございましたように、9月の総務常任委員協議会で回答いたしました制御機能の調整や確認などの技術的課題をクリアーし、東北電力ネットワークにも追加連絡や出力提出を済ませております。回答はまだ届いていない状況でございます。ただ東北電力ネットワークには3月上旬に試験運転、3月中旬の運転開始として申請しており、特段の懸念があるような連絡もございません。近く正式に回答が届くものと考えております。

 一般的に東北電力ネットワークなどの一般送配電事業者が行う接続検討は、接続機器の確認のみならず、発電設備の電力が系統全体に及ぼす影響の範囲まで確認すると聞いております。そもそも簡単な確認作業ではないと思いますので、東北電力ネットワークの回答を待ちたいと思います。柏崎あい・あーるエナジーだけの問題ではなく、全体を見たバランスをということで、少し時間がかかるのだろうと思います。
次に売電価格でございますが、議員がおっしゃる通り系統線を利用するためには、30分同時同量の計画策定と託送料金が必要になりますし、計画から外れた際にはそれを補う東北電力ネットワークにインバランス料金を支払う必要があります。これらは自己託送特有のものではなく、電気小売り事業を行う上での根幹でありますので、事業検討にあたっては当然考慮しているものであります。

 計画における予測精度を高めるためには、事業規模を大きくして、個々の需要量変動の影響を小さくする「ならし効果」が有効なため、私達だけでは小さいですので、そこで柏崎あい・あーるエナジーの株主である、実務を担うパシフィックパワーが持つバランシング・グループ・・パシフィック・パワーは私達あい・あーるエナジーだけではなく、他の新電力等も扱っていらっしゃいますので、パシフィックパワーの持つバランシング・グループに加入して、インバランス・リスクを抑えることにしております。それでもゼロにできないインバランスに備え、その分の利益を見込んだ事業計画を組んでおるところでございます。

これらの各種経費を考慮しながら、オフサイト太陽光発電の自己託送と、民間事業者や市場から調達する電力をミックスして、公共施設に販売すること、電力市場や小売り相場をにらみながら、従前の電気料金よりわずかではありますけれども、安価な電気料金を設定することは、9月にご説明した経営状況報告の通りであり、方針に変更はございません。

 現在は市場動向を見極めながら、最終的な供給先と、料金や収支の確認を行っている段階となります。オフサイト型太陽光発電は、年度内に完成する見込みでありますし、公共施設への電力供給準備も整いつつありますので、予定通り次年度、つまり令和5年度当初から事業を開始したいと考えております。

 最後に蓄電池の整備・運用についてお答え申し上げます。太陽光発電特有の電力系統を整えつつ、つまり夜は発電できない・曇っている日や雪の日は発電量が落ちてしまうという特徴があります。こういったことを踏まえて、夜間の電力供給を市場調達等にできるだけ頼らないよう、大型の系統側蓄電池整備を目指してまいります。これらを活用して災害時、すなわち大規模停電時の電力供給を担う機能も、将来的に考えていきたいと思います。公共施設に併設をし、災害時の自営線を準備しておくことで、電力供給は可能になります。

 また、大規模停電時には系統線の配電網だけを切り離し、その範囲内で電力供給を行うマイクログリッドを部分的に組む事例も出てまいりました。これらを実現するためには、コストの問題もありますし、後者のマイクログリッドに至っては東北電力ネットワークの事業参画も必須となります。

 いずれも大容量の蓄電池があることで実現できるものでありますので、まずは補助金に合致した蓄電池と再エネ発電の導入を優先して進め、機能し始めてきたところで検討を進めたいと考えております。

近藤
 二点再質問させていただきます。一点目は黒字化の見込み、令和5年度中に黒字に持って行ける予定はありますでしょうか。二点目は、蓄電池整備には国の補助金等を活用するお考えなのでしょうか。

市長
 端的にお答え申し上げます。今の見込みでは令和5年度も黒字化できると考えております。その根拠でございますけれども、今、卸電力市場は高止まりしておりますけれども、最悪のパターンで、私どもは30円/kwhを見込み、今のマーケットは23~25円/kwhだろうと思います。電力市場価格が30円/kwhまで上がったとしても黒字化できる見込みでございます。
 それから蓄電池の方に関しましては、国からの補助金を考えておるところでございます。

近藤
 わかりました。黒字化、経営の安定化を願っております。

最後に「(3)原子力発電所立地自治体としての今後の役割」について伺います。

 今年8月24日に行われたGX実行会議では、柏崎刈羽原子力発電所の方針も含め、脱炭素とエネルギー確保の同時実現を目指す現実的な国策が示されました。
 これに対し櫻井市長は10項目のコメントを出され、9番目はバックエンド問題に関するものだったかと思います。

 今年8月、北海道にある幌延深(ほろのべ・しん)地層研究センターを会派合同で視察し、最終処分方法となる「地層処分」研究とともに、寿都町と神恵内村での文献調査の経緯や現状を知ることができました。令和3年4月以降、この間、両町村での首長選挙もありましたが、両町村では「対話の場」を設けており、現在は処分方法に対する住民の理解も進んでいるそうです。

 しかし、北海道では、特定放射性廃棄物の持ち込みを拒否する条例があり、現知事も次の段階となる概要調査に進むことには否定的です。また道内の他の市町村でも理解が進まない面もあるということです。

 その一方で、今年10月に参加した第13回全国原子力発電所立地議会サミットでは、泊原子力発電所が立地する泊村の村議会議員の方から、このように伺いました。
本来なら自分達が使ったものは自分達で始末すべきところを、寿都町・神恵内村が手を挙げてくれた。両町村には原子力立地地域の住民として、心から感謝しており、何とか先に進んでほしい。」この点において、私も全くの同感です。

 原子力発電所には常にバックエンドの問題が付きまといます。国策として原子力発電を進める以上、国が前面に出るのは当然だと思います。ですが、地地域もまた、最終処分候補地として手を挙げた自治体、あるいはこれから手を挙げる自治体が孤立無援にならないよう、感謝と敬意をこめて応援していくことが、バックエンド問題の前進につながるのではないかと考えます。

 そこで、GX会議の方針に対して、いち早く意思表明された櫻井市長には、あらためて、高レベル放射性廃棄物の最終処分地候補として手を挙げた自治体に対する感謝と敬意を表明・発信するとともに、国のエネルギー政策に対して、処分方法への理解促進を図ることを表明してはどうかと考えますが、見解をお聞かせください。

市長

 原子力発電所の高レベル放射性廃棄物処分に関する、原子力発電所立地自治体としての今後の役割についてお答えします。8月24日に政府がGX実行会議で示した方針に対する私の考えは、国の存亡をも占うエネルギー政策の根幹について、腰を据えた国民的議論を早期にしっかりとしていただきたいと、国にお伝えしたところでございます。

 特にその国民的議論の中には、近藤議員からもご指摘いただきましたように、私は当面の間、柏崎にとっても国にとっても原子力発電所は必要だと、という立場でございます。しかし柏崎のサイト内の使用済核燃料は全体で81%、6・7号機で97%、93%という状態で、核燃料サイクルを勧めなければすぐに止まってしまう、止めざるを得ない状況があるわけです。こういうことも含めると、最終処分場の部分、そして核燃料サイクルの部分がしっかりと確立しなければ、原子力発電所は最終的に成り立たないと考えるところでございます。

 一昨年、高レベル放射性廃棄物最終処分地選定の、第一段階である文献調査に北海道の寿都町と神恵内村は手を挙げられたわけでございますが、両自治体のご英断には心から敬意を表するところでございます。村長さんにも町長さんにも直接私はお目にかかり、お話しをしたところでございます。

 特に神恵内村に関しましては、今年9月、村長に現地の神恵内村で直接お目にかかり、意見交換をさせていただいてきたところであります。人口減少下での村の財政、まちづくりに対する想い、隣接する原子力発電所立地地点の泊村、北海道のスタンスもお伺いしてきたところであります。苦渋の決断という言葉もありますが、そうではなくて、村長さんは非常に前向きなご決断をされたと、私は村長さんのお言葉から、感じ取ったところであります。

 繰り返しになりますけれども、バックエンド問題を含めた原子力発電は、国のエネルギー政策の一環として、今後のわが国のエネルギー供給における国全体として議論しなければならない喫緊の課題であります。

 立地自治体としての今後の役割というご質問でございますが、調査に手を挙げていただいた二つの町村のためにも、国が主体的に全面に立って国民的議論、理解促進を図っていくよう、電源協などあらゆる場で発言してきたつもりでありますけれども、今後も両町村の意志に敬意を払うとともに、私どもも全面的に応援させていただきたいと考えるものであります。

近藤
 最後早口になりましたが、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

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