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2022年9月

2022年9月24日 (土)

吉川 浩民 氏 講演「人口減少期の地方行政と自治体のデジタル化」

9月24日、柏崎市議会公開研修「人口減少期の地方行政と自治体のデジタル化」を開催しました。

講師は総務省自治行政局長 吉川浩民(よしかわ ひろみ)氏。

1964年生まれ、高柳町ご出身で、高柳中学校、柏崎高校、東京大学法学部をご卒業後、1988年自治省(現・総務省)に入省。
省内でキャリアを重ね、群馬県副知事をはじめ、地方自治体でも要職を歴任され、2021年から現職となられています。

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以下は講演内容(メモ)です。

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総務省(旧・自治省)は省庁の中で唯一、地方自治体のことを考える役所であり、地方との交流人事が多い。
自分は入省して34年のうち14年、地方自治体で勤務した。
ふるさと柏崎の対外的イメージは原発が強いが、群馬県では「鯨波」ビーチのイメージが強く、副知事時代に海の柏崎の存在に気付かされた。
平成25年10月、当時の会田市長からの依頼で前橋市長を紹介し、柏崎市と災害時の相互応援協定を結んだ。
その後、平成26年2月に群馬県では大雪に見舞われ、柏崎市の8トンドーザー除雪部隊が救援に入り、存在感を示した。
そんなこともあり、群馬県民は柏崎市に愛着がある。
昔から越後人は群馬に来て商売を行うなど、交流があった。古くは柏崎の北条高広公が前橋城主となっている。
また明治時代、鵜川村出身の蠟山政道(ろうやま・まさみち)氏は高崎に移住して政治学者となり、弟の山田勝次郎氏は京都大学教授、小山長四郎氏は福田武夫元総理の後援会長を務めるなど、群馬と縁がある。

1、2040年に向けての課題

これからの時代は自治体間の連携、2040年に向けた変革が問われる。
2040年には団塊ジュニア200万人が65歳以上となるが、それを支える現役世代は約100万人。出生数も80万人を切ると予想される。
2040年に人口100万人以上を維持できるのは、さいたま市、川崎市、福岡市など数えるほどであり、新潟県内の市町村は3~10万人、柏崎市もそこに含まれる。
人口ピラミッドは確定し、今後は多少のベビーブームがあっても大きな変動はない。
ただし人口動態は政策により多少の変動はある。

2040年頃までの個別分野での課題は以下のようになる。

【学校】
・児童生徒数の減少により、小規模校や廃校が増加。

【大学】
・地方の私立の小規模大学は経営が厳しい。
・大学進学率が低い地方圏において、高等教育を受ける機会の更なる喪失につながるおそれがある。

【高齢者】
・東京圏を中心に、高齢者(特に医療・介護ニーズが高まる85歳以上)が増加。
・1人暮らし高齢者が増加し、東京では家族や地域の支えが悪い。

【介護】
・介護人材の需給ギャップが拡大。
(需要見込みは253万人だが現状シナリオによる供給見込み215.2万人で需給ギャップ37.7万人)

【インフラ】
・老朽化したインフラ・公共施設が大幅に増加。
・人口減少下では公営企業(水道)料金が上昇するおそれがある。

【集落】
・中山間地域では、集落機能の維持が困難になるような低密度化が発生するおそれがある。

【労働力】
・高齢者と女性、若者の労働参加が進まないと労働力不足が顕著に。
(2030年に600万人の差)

【就職氷河期】
・バブル崩壊後の就職氷河期に就職した世代(特に1972~76年生まれ)は長期にわたり給与が低い。
★団塊ジュニア・ジュニアが生まれなかった理由はここにあるのではないか。

【産業】
・地方圏では労働集約型サービス産業(小売、医療・福祉、サービス業)が増加。
★金融・不動産→都市部、介護・福祉・医療→地方の傾向があり、賃金格差が広がる。

これからの時代は「人材の配分」
地方公務員を志望する若者が減っている。
市役所だけではなく民間も含めた人材の配分が必要。
将来的には1/2の職員でも住民サービスを維持するため、窓口業務はAI、デジタルを活用。
→「人でなければできない仕事」が選別される。

「地域の未来予測」
それぞれの地域が「目指す未来像」の議論の材料となる重要な将来推計のデータを、客観的かつ長期的な視点で整理したもの。
①長期的(15~30年先)な変化・課題の見通しを、客観的なデータを基にして整理
②人口や人口構造の変化及び施設・インフラの老朽化等に関する長期的な将来推計
③長期的な変化・課題の見通しを整理(②を踏まえる)
ポイント
「地域の未来予測」を踏まえて住民等に積極的な参加を促しながら「目指す未来像」を議論し、その結果を様々な政策や計画に反映していくことが重要。

「地域の未来予測」に基づく広域連携 取り組み事例

①「地域の未来予測」の共同作成
 横浜市、川崎市、横須賀市、鎌倉市、藤沢市、逗子市、大和市、町田市
・地域課題の調査・分析
・住民アンケート調査と結果に基づく報告書作成 等

②「地域の未来予測」を踏まえた「目指す未来像」の議論
 広陵町、大和高田市、香芝市、葛城市、上牧町、王寺町、河合町
・「地域の未来予測」を活用したワークショップ
・参加市町の首長向け説明会
・文化施設の共同利用等の検討

③「地域の未来予測」等に基づく広域連携ソフト事業実施のための議論
 横手市、湯沢市、羽後町、東成瀬村
・体育施設等の最適配置等に関する調査分析
・連携に関する研究会等の開催 等

④施設共同利用、デジタル・防災
大分都市広域圏(施設共同)、高松市、観音寺市、綾川町(デジタル、防災)
・公共施設案内・予約システム
・避難勧告等の意思決定支援

2、地方行政のデジタル化

(1)マイナンバーカードの普及促進

マイナンバー:12桁番号。すべての国民に付与されている。
マイナンバーカード:本人確認ツール。普及していなかったがようやく5割弱に。
マイナンバー制度の発端は「消えた年金問題」
5000万人の年金加入記録が不明に→時系列的に一人の人が支払った年金を記録(縦の連携)
住所移転しても児童手当の所得要件等が引き継がれる(役所同士の横連携が可能に)

マイナンバーカードはこれからの時代の本人確認ツール。
・対面での本人確認
・電子的な本人確認により各種手続き・申請が簡略化

マイナンバーカードの安全性
・なりすましはできない
・プライバシー性の高い個人情報は入っていない
・マイナンバーを見られても個人情報は盗まれない
・オンラインでの利用には電子証明を使用(マイナンバーは使わない)

マイナポータルの概要
オンライン申請、行政機関等が保有する自分の情報の閲覧・取得、お知らせ通知などのサービスを提供。

公的個人認証サービス 民間利用事例
・新規証券口座開設時のマイナンバー取得及び本人確認
・銀行口座との連携時の本人確認(PayPayが実施)

医療機関・薬局での「オンライン資格確認」
・現在3割程度準備が進む
・保険医療機関・薬局に2023年4月からの導入を原則義務付け
・2024年度中に保険証発行の選択制導入を目指す→保険証の原則廃止へ
・現行ではマイナ保険証を利用すると患者負担が高い→令和6年度から患者負担を軽減

マイナンバーカードの利活用シーンの拡大
・健康保険証としての利用
・マイナポイント第2弾
・コンビニ交付サービス
・民間サービスにおける本人確認
・マイナポータル
・職員証・社員証としての利用
・マイナンバーカードを活用した各種カード等のデジタル化等

自治体におけるマイナンバーカード活用事例

〇地域公共交通における利用(前橋市)
・移動困難者へのタクシー支援で紙の利用券を廃止し、マイナンバーカードタッチにより割引運賃を適用。
・交通系ICカードとマイナンバーカードを紐付けると、デマンド交通が割安な運賃で利用可能。

〇スマートフォンによるオンライン申請(複数団体)
・証明書の交付申請などの手続きを、スマートフォン上で、マイナンバーカードを使用して本人確認を行い、手数料をクレジットカードで支払うことで、オンライン上で申請を完結。
・申請受付後、証明書は自宅に郵送。

〇申請書作成支援=書かない窓口(複数団体)
・窓口での手続きにおいて、マイナンバーカードを利用し、氏名・住所・生年月日などの一部項目を申請書等に印字することで、申請書の作成を支援。
・申請者は、署名など最小限の記入のみとなり、申請手続における負担が軽減。

〇電子母子手帳サービス(複数団体)
・母子健康手帳の情報をスマートフォンやPCで閲覧できるアプリサービス。マイナンバーカードを使用して利用者登録をすることで、乳幼児健診データ、予防接種データを連携。
・予防接種や定期健診のスケジュール、自治体からの情報をプッシュ通知でお知らせすることが可能。

〇図書館カードとして利用(複数団体)
・事前申込により、マイナンバーカードを図書館カードとして利用。一部の自治体では、図書者の貸出件数を増冊するサービスを実施。

〇印鑑登録証として利用(複数団体)
・事前申込により、印鑑登録証として利用。

〇市民病院診察券として利用(小牧市)
・事前申込により、市民病院の診察券として利用。

〇避難所受付における利用(複数団体)
・災害時に、避難所の受付にマイナンバーカードを利用するシステムを構築。
・手書きで名簿を作成する必要がなくなり、効率的かつ的確な安否確認を実現。

〇環境保全活動と連携した自治体マイナポイント(木更津市)
・市が実施するごみ減量施策(地域のごみ収集等)に参加した住民に自治体マイナポイントを付与。

〇職員の出退勤管理(複数団体)
・マイナンバー読取機に職員がカードをかざす事で出退勤時の時間等を電子的に記録。日々の出退勤時の報告が不要となり、職員の負担も軽減。

〇プリンターログイン時の認証(複数団体)
・認証プリンタの認証用カードとして利用。

 

(2)地方公共団体情報システムの標準化

地方公共団体の情報システムの標準化法が制定
<現状(改正前)>
地方公共団体ごとに情報システムを調達し、カスタマイズが行われている
・維持管理や制度改正時の改修等において個別対応を余儀なくされ、負担が大きい
・情報システムの際の調達が負担となり、クラウド利用が円滑に進まない
・住民サービスを向上させる最適な取組を迅速に全国に普及させることが難しい

<標準化法制定後>
・各地方公共団体の事務処理内容の共通性、住民の利便性向上、行政運営効率化の観点から、標準化の対象となる事務を特定
・標準化対象業務の処理に利用する情報システムは、標準化のための基準に適合することが必要
・標準化対象業務との一体化処理が効率的な場合は、必要最小限度の追加等が必要

<地方自治との関係>
・これまでも複数の地方公共団体による情報システム共通化を進めてきたが、円滑に進みづらい状況にあった。
・標準に準拠した情報システムの利用が法的に担保されることで、システム開発促進、全国規模のクラウド活用の割り勘効果が大きくなる。
・対象事務は地方公共団体の創意工夫の余地が小さい事務とし、国が推進すべき地方行政のデジタル化の基盤とする。

自治体情報システム標準化・共通化に向けた総務省としての主な取組
1.仕様書の策定
2.手順書の公表
3.財政支援
4.進捗状況の把握・情報提供等

(3)個人情報保護制度の見直し

①個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法の3法を1本に統合するとともに、地方公共団体の個人情報保護制度についても全国的な共通ルールを規定し、全体の所管を個人情報保護委員会に一元化。
②国公立の病院、大学等には原則として民間の病院、大学等と同等の規律を適用。
③学術研究に係る適用除外規定について、一律の適用除外ではなく、義務ごとの例外規定として精緻化。
④個人情報の定義等を国・民間・地方で統一するとともに、行政機関等での匿名加工情報の取扱いに関する規律を明確化。

<現状(改正前)>
地方公共団体ごとに個人情報保護条例を制定し、各団体において個別に運用
・団体ごとの条例の規定・運用の相違がデータ流通の支障となり得る、求められる個人情報保護の水準を満たさない団体がある
・国際的な制度調和と、我が国の成長戦略への整合の要請

<法改正後>
・国と併せ、地方公共団体の機関も個人情報保護法の対象とする
・個人情報等について国と同じ規律を適用
・国の行政機関に対する監視に準じた措置を行う
・特に必要な場合に限り、条例で、独自の保護措置を規定することができる

<地方自治との関係>
・個人情報保護の全国的共通ルールの設定が不可欠であり、国が担うべき役割
・個人情報保護委員会による地方公共団体に対する勧告等の権限は、国の関与に関する地方自治法上の一般原則に則ったもの
・地域の特異性に照らして判断する必要がある場合、法律の範囲内で条例により独自の保護措置を講じることは可能
・共通ルール化は地方自治の本旨に反するものではない

4,第33次地方制度調査会

・地方制度調査会設置法により、内閣総理大臣の諮問に応じて地方制度に関する重要事項を調査審議するため、昭和27年12月、総理府(現:内閣府)に設置。令和4年1月14日に、第33次地方制度調査会の第1回総会が開催され、総理より諮問。
*審議項目の中に「地方議会の位置付けや議員の職務の明確化、多様な層の住民の議会への参画につながる環境整備など地方議会のあり方について、どのように考えるか」がある。

5,地方活性化施策について

人口移動
・東京都から近県への流出は前年より増加。

東京一極集中の状況
〇東京県に人口が集中し、東京圏以外から人口が流出しているが、新型コロナウイルス感染症の発生五は東京圏への人口流入が鈍化
〇2021年、東京都は前年から転入超過数が大幅に縮小。近隣の埼玉県、千葉県、神奈川県は、転入超過数が前年から拡大。

女性就業率・高齢者就業率の推移
〇女性就業率は引き続き上昇傾向。背景に保育所等の育児基盤の整備や育児休業制度等の充実、社会全体の意識の変化が挙げられる。
〇高齢者就業率も上昇傾向にあり、経済上の理由や老化予防が大きな要因となっている。

多様で柔軟な働き方、生き方への関心の高まり
〇コロナ前に比べ、特に20~30代の地方移住への関心が高まっている
〇民間企業のテレワークは急速に導入が進むが、地域別実施率を見ると三大都市圏が含まれる地域が高く、地域ごとの差が生じている。

デジタル化に伴う生活の変容
〇2020年4月以降、電話・オンライン診療に対応する医療機関数が徐々に増加。首都圏を中心にオンライン教育も徐々に普及。
〇コロナ禍における行動抑制、テレワーク普及等により、電子商取引(EC)利用が拡大し、宅配便の取扱数が増加。

災害リスクエリアに居住する人口の推移
〇災害リスクエリア内人口は2015年で約8603万人、2050年には約7187万人となり、総人口に対する割合は約2.8%増加すると予測される。

地域力想像Gの地域活性化施策について(人材の確保支援等)

◆地域おこし協力隊(R4予算額:2.4億円)
・都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、生活拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし協力隊」として委嘱。
・隊員は一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る。
・実施主体:地方公共団体
・活動期間:概ね1年~3年
・地域おこし協力隊取組自治体に対しては地方交付税措置(隊員1人480万円上限、起業する場合100万円上限)
・令和3年度6015人・1085団体→令和8年度に10,000人を目標
・隊員の約4割が女性、約7割が20~30歳代、任期終了後は約65%が定住
★新潟県は全国5番目の受入隊員数

◆地域プロジェクトマネージャー
・地方公共団体の重要プロジェクト実施の際、外部専門人材、地域、行政、民間などが連携して取り組む橋渡し・プロジェクトのマネジメントができる「ブリッジ人材」を、市町村が「地域プロジェクトマネージャー」として任用する制度。
・雇用経費650万円/人を上限に特別交付税措置、市町村あたり1人、3年間を上限とする
・都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動
★新潟県三条市、兵庫県多可町で実施

◆地域活性化企業人(企業人材派遣制度)
・地方公共団体が、三大都市圏に所在する民間企業等の社員を一定期間受入れ、そのノウハウや知見を活かして地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事してもらい、地域活性化を図る取組に対し特別交付税措置。
・派遣元企業に対する負担金など企業人の受入に要する経費 上限額 年間650万円/人
・企業人が発案・提案した事業に要する経費 上限額 年間100万円(措置率0.5)/人
・企業人の受入準備経費 上限額 年間100万円(措置率0.5)/人
群馬県嬬恋村⇔富士通株式会社、株式会社ルネサンス が実施

◆移住・交流情報ガーデン(R4予算額:0.9億円)
・移住・就労・生活支援等の情報提供や相談についてワンストップで対応する窓口開設を支援

◆ふるさとワーキングホリデー(R4予算額:0.3億円)
・都市部の人達などが一定期間地方に滞在し、働いて収入を得ながら、地域住民との学びの場などを通じて地域での暮らしを体験

◆サテライトオフィス・マッチング支援事業(R4予算額:0.1億円)
・地方公共団体と企業とのマッチング機会を提供し、地方へのヒト・情報の流れの創出を更に加速

◆特定地域づくり事業協同組合制度(R4予算額:5.0億円)
・地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律(令和2年6月4日施行)を根拠法とする
・地域での仕事を組み合わせて年間を通じた仕事を創出
・組合で職員を雇用し事業者に派遣(安定した雇用環境、一定の給与水準を確保)⇒地域の担い手を確保
・例① 4月:農業、5~10月:飲食業、11~3月:酒造業
・例② 通年でAM:介護事業orこども園勤務 PM:小売業

◆ローカルスタートアップ支援「ローカル10,000プロジェクト」(地域経済循環創造事業交付金)
・産学官連携により、地域の資源と資金を活用して、雇用吸収力の大きい地域密着型事業立ち上げを支援。
・国の重要施策(デジタル技術の活用、ローカル脱炭素の推進)と連動した事業は重点支援。

<参考>
デジタル田園都市国家構想

◆基本的な考え方
「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指して
取組方針
★解決すべき地方の社会課題
・人口減少・少子高齢化
・過疎化・東京圏への一極集中
・地域産業の空洞化

デジタルの力を活用した地方の社会課題解決

①地方に仕事をつくる
スタートアップ・エコシステムの確立、中小・中堅企業DX(キャッシュレス決済、シェアリングエコノミー等)、スマート農林水産業、観光DX、地方大学を核としたイノベーション創出等

②人の流れをつくる
「転職なき移住」の推進(2024年度末までにサテライスオフィスを1000団体に設置)、オンライン関係人口の創出・拡大、二地域居住の推進、サテライトキャンパス等

③結婚・出産・子育ての希望をかなえる
母子オンライン相談、母子健康手帳アプリ、子どもの見守り支援等

④魅力的な地域をつくる
GIGAスクール・通信教育(教育DX)、遠隔医療、ドローン物流、自動運転、Maas、インフラ分野のDX、3D都市モデル整備・活用、文化芸術DX、防災DX等

⑤地域の特色を活かした分野横断的な支援
デジタル田園都市国家構想交付金による支援、スマートシティ関連施策の支援(地域づくり・まちづくりを推進するハブとなる経営人材を国内100地域に展開)

〇デジタル田園都市国家構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備
〇デジタル人材の育成・確保
〇誰一人取り残されないための取組み

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当日は雨模様で足下の悪い中、市職員およびOBの皆様をはじめ、多くの方々からご来場いただきました。

高柳町からもたくさんの方々がお見えになりましたし、同級生や後輩の方々もお見えになり、吉川局長が「ふるさとの誇り」であることがうかがえました。

ご講演はとてもわかりやすく、総務省の取組が「地方で生き抜くこと」を全力で応援するものであり、地方を切り捨てない・見捨てないという意思を感じ取ることができました。

また、地方もただ支援を待つのではなく、自ら踏み出す勇気と努力が必要であることを、あらためて実感しました。

ご多忙の中、講師を受けてくださった吉川局長様、またご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

2022年9月22日 (木)

令和4(2022)年一般会計補正予算第10号・修正案可決について

新聞で報道されましたが、令和4(2022)年度一般会計補正予算第10号の修正案が、9月21日本会議で可決されました。


具体的には

佐藤池サッカーコートクラブハウスを活用した新たな資源物リサイクルステーションに係る予算が削除された。

ということになります。

そこに至る経緯について、私のメモ(あくまでもメモなので要約しています)を掲載します。
数か月後に会議録が公表されますし、インターネット中継でもご覧いただけますので、正確なものはそちらをご確認いただければと思います。

9月5日 副市長による議案説明

「2項1目清掃総務費、ごみ対策事業のごみ減量化・リサイクル対策費113万9千円のうち廃棄物処理委託料及び資源物リサイクルセンター管理費354万6千円は、佐藤池サッカーコートクラブハウスを活用した新たな資源物リサイクルステーションを開設し、運営するために必要な経費を措置いたしたい。」

佐藤池サッカーコート周辺施設図・搬入および搬出経路(案)

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クラブハウス搬入および搬出経路(案)

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<予算決算常任委員会・分科会審査>

9月15日 予算決算常任委員会・文教厚生分科会(◆は委員)

◆佐藤が池サッカークラブハウスの使用を許可した根拠、承認した理由、使用の在り方についてどう協議したのか。また委託先であるかしわざき振興財団の委託料に変化はあるか。使用できない場合の周知方法は。

スポーツ振興課長

 根拠は新潟県柏崎市財務規則228条使用承認に基づき、臨時的なものとして一部使用を認める。

(使用承認)
第228条 課長は、次に掲げる場合で特にやむを得ないと認めるときは、用途変更及び所属替え等の手続を経ないで、その管理する公有財産を他の課、本市の行政委員会又は本市の企業会計に係る事業の用に使用させることができる。
(1) 使用目的が一時的又は臨時的であるとき。
(2) わずかな部分を使用させる場合で当該部分を区分することが困難又は不適当であるとき。
2 前項の規定により使用承認を受けようとする者は、当該公有財産の所属する課の課長に使用承認依頼書を提出し、承認を受けなければならない。ただし、緊急を要するときは、この限りでない。

法的には新潟県柏崎市体育施設設置及び管理に関する条例8条3項「目的外に該当しない事案」として、228条の使用承認に基づくものとする。

(利用の許可)
第8条 体育施設等を利用する者は、あらかじめ教育委員会(別表第2に掲げる施設の場合をいう。以下同じ。)又は指定管理者(別表第1に掲げる施設の場合をいう。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
2 教育委員会又は指定管理者は、体育・スポーツ及びレクリエーションを目的とする利用に限り、これを許可する。
3 前項の規定にかかわらず、教育委員会が必要と認めるときは、各種展示会又は集会等の利用についても、これを許可することができる。
4 指定管理者が前項の許可をするときは、教育委員会の承認を得なければならない。

 使用承認は目的が一時的、臨時的な場合に、用途変更をせずに利用可となる。
 体育施設への資源物リサイクルステーション設置を承認した理由は、田尻地区での臨時的な利用と経費を抑えるためであり、本格的な資源物リサイクルセンターは、環境課が別の場所を検討中であるため。
 協議により、今回の使用は週3日で施設の一部利用であり、試合の時は使用せず、コンテナも本来のサッカーでの使用を妨げないことから、サッカークラブハウス本来の機能保持できると判断した。
 もともとクラブハウスは冬期間には使われないため、リサイクルステーション設置でかかる費用は、除雪と多少の水道代、トイレは仮設、電気は別途引き込みとなり、委託料には影響しない。

環境課長
 大会等でリサイクルセンターが利用できない場合は、コンテナハウスに掲示して早めに周知する。委託料は特に変わらないが、委託先のかしわざき振興財団には使用承認依頼書を提出。
 資源物の搬送は既存の松波リサイクルセンター、西本町リサイクルステーションの業者に業務委託する。

 

地方自治法では、「その用途又は目的を妨げない限度において、貸し付け、又は私権を設定することができる。」「用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可できる」としている。稼働中の体育施設であるサッカーコート・クラブハウスを、資源物リサイクルステーションとして使うことは明らかに目的が異なるが、それでも使用を承認したことの根拠は。また「一時的、臨時的」は具体的にどの程度のものなのか。

地方自治法 第九節 財産
(行政財産の管理及び処分)
第238条の4 行政財産は、次項から第四項までに定めるものを除くほか、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができない。
2 行政財産は、次に掲げる場合には、その用途又は目的を妨げない限度において、貸し付け、又は私権を設定することができる。
4 行政財産のうち庁舎その他の建物及びその附帯施設並びにこれらの敷地(以下この号において「庁舎等」という。)についてその床面積又は敷地に余裕 がある場合として政令で定める場合において、当該普通地方公共団体以外の者(当該庁舎等を管理する普通地方公共団体が当該庁舎等の適正な方法による管理を行う上で適当と認める者に限る。)に当該余裕がある部分を貸し付けるとき(前三号に掲げる場合に該当する場合を除く。)。
7 行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる。

スポーツ振興課長

 今回の件は稼働施設の有効活用ではあるものの、本来の用途とは異なると認識している。環境課には代替案も出して協議を重ねた。
 その結果、「佐藤池サッカーコートクラブハウスの利用は、本格的なリサイクルステーション設置のための市場調査を目的に行うものであり、あくまでも臨時的(時期は環境課の判断)な使用に留める。クラブハウスは冬期間使用せず、なおかつ占有は条件を付けて一部とし、クラブハウス機能を最優先する」ことを条件に貸し出すことに合意した。恒久的に使うわけではなく、あくまでも臨時的な使用として許可している。

教育部長

 あくまでもクラブハウス利用を今まで通りとして協議を重ねた。ステーション利用 火・木・土の9時~16時までとし、公共施設を使うことで新たな費用発生を最小限に抑えて、市の施策を推進したい。

◆財務規則は庁内の部署間の取り決めであり、一般市民に影響しない範囲での貸付とされているが、今回の場合は問題ないのか。

スポーツ振興課長

 財務規則228条の使用承認において、特にやむを得ないと認める時は所管替えせずに使用させることができるとしている。使用目的が一時的、臨時的であり、クラブハウス全体ではなく一部を貸し出すこと、また週3日開設するが、今の使用状況は夕方5時~が大半であり、大会がある土曜日は使用中止とする。利用についてサッカー協会と協議した結果、問題ないと判断した。

◆本来の目的外での使用について認めたということなのか。また他の場所でも市民が活動する場所を貸し出すことが認められるのか。また利用期間は。

環境課長

 施設の利用期間は、本格的な資源物リサイクルステーションを探すための市場調査であり、既存ステーションとの比較のため、開設日を火・木・土とし、通常は町内で収集しないタイミングを設定した。時間は午後4時までとし、資源物すべてではなく、5品目に絞る。
 既存の拠点である松波の資源物リサイクルセンターは、ごみ処理場の更新にともない令和6年度で閉鎖するため、それまでの間に新たなリサイクルステーションを探さなければならない。今回のサッカーコート使用は市民ニーズに応えるための基礎データ収集を目的とし、新拠点をどうするのかの判断材料としたい。年度単位での手続きであり、旧西本町分遣所を資源物リサイクルステーションとしているのも使用承認によるものである。期間は令和6年度末までと考えている。

◆令和6年度末となれば2年半後であり、一時的、臨時的とは言えない。また西本町リサイクルステーションは通常使わない場所であり、サッカーコートとは状況が異なる。

スポーツ振興課長

 財務規則上「一時的、臨時的が」令和6年度末だとしても、承認する側としては協議を進めなければならないと考える。これから市内にリサイクルセンター新たに求めるための市場調査という理由により応じた。期間が1年以内ならいいのか、2年以内ならいいのかといったことは悩ましい問題だが、あくまでも臨時的な場所貸しと考える。
 使用にあたっては、クラブハウスを今まで通り使えるようにすることが条件であり、そこで適正に行われないなら承認は取り消す。期間は市政全体の中で考えていかなければならない。また他のところとなると出費がかさむ。クラブハウスが今まで通りの使用であれば、承認させていただきたい。

 

◆庁内で打ち合わせしているはずなのに課同士の話が噛み合わない。内部で詰めてしっかり説明できる状態で出していただきたい。また西本町の消防署分遣所跡地と現在のサッカーコートでは種類が違う。

教育部長

 協議を重ねる中で最長は令和6年としたが、この間に支障を来せば使用承認は終了する。用途の変更は心配しているところであり、サッカー協会やサッカーコートを利用していた児童に現地で環境課職員が聞き取りを行い、概ね好意的意見を得た。ご理解いただきたい。

(以上)

 

9月16日 予算決算常任委員会 総務分科会(◆委員 ★議長:議員として傍聴出席)

◆資源物リサイクルセンター管理費 354万6千円について、補正の経緯、なぜ新たな取組を年度途中で行うのか、計画の中にもともとあったものなのか。

環境課長

 現在、松波と西本町に資源物リサイクルセンター・ステーションを設置し、述べ19万人/年間利用している。かねてから3か所目の拠点は検討していたが、地域バランスを考慮し、市の東部方面に選定進めている。
 サッカーコートは田尻地区にあり、拠点の建物有する。駐車スペース一定程度確保、経費削減のための有効活用。クラブハウス利用は教育委、振興財団、サッカー関係者と協議し、懸案事項に対する理解を得た。保護者にアンケート調査実施し77%が支障なければ問題ない。空き時間利用は市民ニーズに合う。
 運用にあたっては火、木、土の10:00~16:00 。クラブハウスのトイレ等利用せず、施設の一部だけ利用、クラブハウス利用時はコンテナのみ使う。
 サッカー練習の児童に対し、資源物リサイクル、食品ロス、地球温暖化など資料を展示し環境教育の場としたい。
 市民の利用動向、開設日を資源物回収しない日の反応、リサイクル品を絞り基礎調査のため、令和6年度までの利用。松波のリサイクルセンター代替え施設決定までに使う。大会時は使用中止とし、看板を設置して、SNSでも周知を行う。
 佐藤池新田の役員に意向を確認し、大会時の質問はあったものの、住民の利便性回収品目増やしてほしい等、好意的意見が多かった。利便性向上と年末年始の市民ニーズに応えるために12月からの予算として計上した。

◆そもそも論となるが、行政財産の利用の仕方として、利用目的にかなう施設利用になるのか。サッカークラブハウスは体育施設の付属施設・無料であり、体育施設第8条に利用許可について示される=教育委が認めた場合のみイベント等で使えるとしている。文教分科会の質疑では教育委の考え方、財務規則228条の使用承認の考え方だと使用承認理由も説明されたが、担当課はどのように認識か。

★クラブハウス一部利用、令和6年度までの臨時使用とのことだが、使用については地方自治法の目的外使用に該当しない。設置管理の利用許可とは異なる使用承認ではないか。

市民生活部長

 佐藤池に限らず地域全体のリサイクル事業に係ることから総括的に発言したい。お借りする立場ではあるが、教育委、振興財団、利用者、地元町内会に迷惑かけられない。所管課、関係者と協議を重ね、サッカー協会にも趣旨を説明。事業方向性には理解いただく。意思疎通、定期的にはかりたい。
 サッカー利用は2021年度は年間45日・1905人の利用実態で利用ない日・時間あるが、すべてがクラブハウス利用しているとは限らない。あくまでも市民が利用するのに支障がない、空き時間の有効活用により、本来の用途・目的を妨げない。
 文教分科会では最大で令和6年度末と答えたが、空白期間生じることが地域全体に影響する。新たな拠点整備に並行して取り組む必要最低限の時間だが、一定期間使用であり、東部の利便性、基礎調査、市民ニーズなど実態を把握し、今後のリサイクル回収拠点を模索してきた。
これからもサッカーコートやリサイクルセンターの拠点としての見通し、期間を精査したい。松波に代わる仮の拠点も検討したい。

◆新たにつくることに反対はしていない。問題として法に違反はないのか。市場調査、一時・臨時的、有効活用には反対しないが、設置目的ある行政財産に対して使用承認という判断でいいのか。地方自治法238条の4第7項はクリアーできているのか。西本町リサイクルセンターも5年間、使用承認としているが一時的・臨時的なのか。西本町も用途変更すべきではないのか。

環境課長

 クラブハウスは週3回利用であり、目的を妨げない。施設一部を借用で使用承認が妥当と判断し、西本町も所管課にお願いして使わせていただいている。結果的に4年以上なので今後の在り方は精査が必要。

★財務規則228条では公有財産であり、財産準取扱規定(教育委員会)8条:展示会・集会に使えるとしている。教育財産の使用許可基準は短期間としている。公有財産について説明してもらいたい。

市民生活部長

 公有財産は、普通財産→貸付、行政財産→目的外使用であり228条使用承認を、3者(環境課、スポーツ振興課、かしわざき振興財団)協議の結果としてやらせていただきたい。

★財務規則228条については協議したと理解するが、私は理解できない。特にやむを得ない場合は使用させることができるとしているが、財務規則207条 公有財産 法1条に規程のうち教育財産を除いたものだが、サッカー場クラブハウスは教育財産。まずは地方自治法、条例をクリアーしていないのに実施はできないだろう。

(財産の定義)
第207条 この節において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 公有財産 法第238条第1項に規定する公有財産(船舶にあっては、総トン数20トン以上のもの)のうち教育財産を除いたものをいう。
(2) 行政財産 本市において公用若しくは公共用に供し、又は供することと決定した公有財産をいう。
(3) 普通財産 行政財産以外の一切の公有財産をいう。
(4) 教育財産 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第21条第2号に規定する教育財産のうち物品及び債権並びに基金を除いたものをいう。
(5) 所管換え 次に掲げるものをいう。
ア 市長と教育委員会又は地方公営企業管理者の間で公有財産の所管を移すこと。
イ 市長の所管に属する公有財産を所管の移動を伴わないで、異なる会計の間において所属を移すこと。
(6) 所属替え 一つの課に所属する公有財産を同一の会計の間において他の課の所属へ移すこと。

市民生活部長

条例違反の認識はない。財務規則で使用承認得ている。あらためて教育委と確認したい。

 

◆議事進行。審査はこれ以上できない。

★提案理由にない説明をしている。新たなリサイクルセンターは新年度の方針も示して補正を出すべき。今のようにコロコロ変わるようでは審議に耐えない。

(暫時休憩)

市民生活部長

 公有財産から教育財産を除くことは確かである。教育委員会と協議し、クラブハウス利用にあたっては指摘を受けて目的外使用として許可いただきたい。

「教育財産 第12条 教育長は、教育財産の使用目的が、次の各号の一に該当すると認めるときは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第238条の4第7項の規定に基づき使用させることができる。(2) 市の事務又は事業を推進することに効果があると認められるとき。」

★最後の規則に至るまでにコロコロと根拠法・条例が変わりすぎている。規則より条例が先。3点をクリアーしてから規則に行くべきもの。

市民生活部長

 見通し甘かった。これを機に法令順守しながら準備したい。

議員間討議

◆提案に対して審査できる条件が整ったのか。

◆本来ならば提案時にそこまでの説明が必要だった。これ以上の答弁は見出せない。答弁が必要なのか、違う視点からの質疑必要では。

◆リサイクルステーションつくるかどうかよりも法令に則ってできることなのか?解釈によってなんでもできるようになるのはまずい。

◆他の視点からの質疑あるか。

◆条例に当てはまるかどうかもわからないのに質疑しても意味がない。法的な問題をクリアーしていないので審査できない

◆条例クリアーできているかどうか、できていなければ提案に至らないのではないか。

◆提案理由をあらためて文書化し、整理してもらいたい。

★市の体育施設設置管理条例 最初にこれでやるといいながら、財務規則に変えた時点で条例を蹴っている。それを今更持ち出しても無理がある。設置条例でダメだから財務規則、それがダメだったら規則、そういういい加減なことをやめろと何度も言っている。恥ずかしいことだ

◆市民生活部長の認識は。

◆疑義が生じたので審査できない。

◆今はあくまでも意見集約。

★文教分科会では財務規則228条で説明したのに、ここで覆すのなら文教の質疑に意味がなくなる。

◆再度の議員間討議とする。

(議員間討議)

◆<委員長>答弁難しいことだが、分科会なのでここは意見集約の場となる。新たな質疑あれば承るが、なければ進めさせていただき分科会の最後に意見を述べていただきたい。

(以上)

 

9月20日 予算決算常任委員会 運営会議

★議長
9/19副市長、市民生活部長、財務部長、教育部長と面談。当局の説明二転三転のお詫びがあった。今後しっかり精査したい。ついては再度議会に説明したい。財務規則251条を適用して使用承認とりたいとの提案。議長の一存では決められないので、運営会議で協議すると伝えて了承を得た。

(教育財産等の協議)
第251条 教育委員会は、教育財産及び市長からその管理について委任を受けた行政財産(以下「教育財産等」という。)について、次の事項をしようとするときは、あらかじめ市長に協議しなければならない。
(1) 別に定める基準以外の使用料の免除が伴う教育財産等の使用許可(都市公園法(昭和31年法律第79号)第6条に規定する占用の許可を含む。以下同じ。)を行うこと。
(2) 教育財産等の用途廃止をすること。
(3) 別に定める基準以外の貸付料の免除が伴う教育財産等の貸付けを行うこと。
(4) 用途廃止した教育財産等の取壊し又は処分をすること。
2 教育委員会は、教育財産等について、次の事項をしようとするときは、あらかじめ財政管理課長及び財務部長に合議しなければならない。
(1) 前項第1号の規定を除く使用料の免除が伴う教育財産等の使用許可を行うこと。
(2) 教育財産等の用途変更をすること。
(3) 所属替えをすること。
(4) 前項第3号の規定を除く貸付料の免除が伴う教育財産等の貸付けを行うこと。
3 教育委員会は、教育財産等について、次の事項をしようとするときは、財政管理課長に合議しなければならない。
(1) 第1項第1号又は前項第1号以外で使用料の免除を伴わない教育財産等の使用許可を行うこと。
(2) 教育財産等の使用承認を行うこと。
(3) 前2項以外で教育財産等の貸付けを行うこと。
(4) 教育財産等に地上権又は地役権を設定すること。

◆説明したいとの申し出だが、どの場でなのか。説明により提案を修正するのか、このままなのか。

★議長
議会側の議事進行上、すべての分科会は質疑が終結している。文教、総務とも質疑が打ち切られている。ここで説明を受けると決まったら議運にかける必要がある。質疑終結は当局も知っている中で説明を求められている。前例がないし自分でも理解できない。

◆まれなケースなので我々の判断次第だが、ルール上、付託案件が質疑終結している。そのことは分科会報告求めて、予算決算で質疑することになり、その上で最終的に予算決算委として採択する。常任委員会の役割上、当局説明の場面は、予算決算全体会の場面ということになるのでは。

★議長
議会日程は議運で決めて、その後予算決算委で決めるわけだが、前例がないので整理つかない。通常の流れなら分科会で審査終われば、各分科会長の報告に対する質疑があって、議員間討議・討論・採決となる。これまでの運営上、イレギュラーな説明は前例がない。

◆前例がないことなので、暫時休憩で会派内でも話をしたい。

(暫時休憩)

◆説明は求めない。資源物リサイクルステーションの関連を抜いて修正予算案を出すべき。緊急性が薄いのであれば当初予算で出し直せばよいのではないか。

◆議会軽視甚だしい。質疑もできないなら説明は受けるべきではない。

◆<委員長>他の委員も同意ということで、説明を受けないこととする。

 

予算決算常任委員会 全体会

◆議67号 令和4(2022)年度一般会計補正予算第10号 修正案を提出。
・委託料、管理費 0とする
・体育施設の一部活用について、分科会での財務規則根拠について整合性確認できなかった。

◆賛成討論1名
・原案反対、修正案賛成
・原案の中に必要な予算含まれているため、修正部分以外は原案の通りとしたい。

→資源物リサイクルステーション関連をすべて除いた修正案が全会一致で可決。

 

9月21日 本会議

令和4(2022)年度一般会計補正予算(第10号)修正案 が全会一致で可決。

********

以上がその顛末でした。

自分自身もこうした議案の審査においては、根拠となる法・条例・規則を読み込まなければならないと感じた次第です。

2022年9月10日 (土)

令和4年9月一般質問3「スポーツを活用したまちづくり推進のために」

9月8日に一般質問を行いました。以下はその内容です。

2022.9.8一般質問 映像配信(近藤)

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最後の質問は「3 スポーツを活用したまちづくり推進のために」です。

 柏崎市第五次総合計画・後期基本計画では、主要施策として「スポーツによる地域づくりや生きがいづくりを進める」とし、「ライフステージに応じたスポーツの推進」、「スポーツによる交流人口の拡大」を基本方向としています。

 オリンピックの競技種目からも分かるように、スポーツの定義もここ数年で大きく変わり、スポーツとの関わり方も「する」「みる」「支え育む」「知る」といった多様なものとなっています。そのことから、これまで取り組んできた事業をさらに発展させ、スポーツを活用したまちづくりを進めることが、施策の実現につながると言えます。

 例えば、今年8月から開始した「かしわざき健康サポートカンパニー制度」は、働く世代の健康づくりを、スポーツ振興課と健康推進課のそれぞれの分野からアプローチするコラボレーション事業と認識しています。

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 また、東京2020オリンピック・パラリンピックのホストタウン事業や、海外チームとの親善試合、大会の開催などにより、柏崎に海外・県外の水球チームが訪れる機会が増え、「水球のまち柏崎」の認知度は上がっています。

 昨日の市長記者会見では、2023年度の水球男子アジアリーグ新設に向けて準備を進めており、9/23にはプレ大会として、ブルボンKZとシンガポール男子代表が柏崎で試合を行うことが発表されました。

 新リーグの目的は、地域の国際化や活性化、ブルボンKZの強化にあるそうですが、観光をはじめとする様々な産業振興、多文化交流による世界に開かれたまちづくりのチャンスとして捉え、市を挙げて取り組むことが重要だと考えます。

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 今後はアフター・コロナを見据えて、このような水球による国際交流の拡大はもちろん、他のスポーツにおいても、大会や合宿、研修会やイベント等の誘致や開催に取り組み、交流人口を拡大し、経済効果を波及させていくことが課題だと思います。

 このように、スポーツを様々な課題解決や施策のツールとして活用し、まちづくりを進めるには、全庁的に分野を超えた連携が必要であることから、スポーツ振興課を現在の教育委員会から市長部局に事務移管してはどうかと考えます。

 文部科学省の中央教育審議会では、平成25年12月13日の答申「今後の地方教育行政の在り方について」の中で、「文化財保護を除く文化に関する事務や学校体育を除くスポーツに関する事務は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律上すでに、条例により首長が担当することを選択できるように規定していることから、首長から独立して執行させなければならない必然性は薄い」と判断し、「原則として首長の事務」としています。

 実際に、全国的に見ても対応している自治体は増えており、県内では新潟市、長岡市、三条市、新発田市、見附市、阿賀野市において、スポーツ所管課・係を市長部局に置いています。

そこで質問です。
今後、スポーツを活用したまちづくりを推進し、「水球のまち柏崎」をさらに実のあるものとしていくために、スポーツ振興課を市長部局に移管した方が、より迅速に対応できると考えますが、見解をお聞かせください。

市長
 スポーツ振興課の市長部局への事務移管について、ご提案いただきました。水球の事例をお話しいただいたので、割愛させていただき、結論だけ申し上げます。

 今後、市役所内の機構につきましては、第6次総合計画策定作業にあわせ、行政に求められる役割を正しく把握して、施策の組み合わせ、例えばスポーツと観光、スポーツと健康、これらに文化も加えるなど、全庁的に分野別の施策の基本的方向を定め、その施策の実現を進めて行くための組織機構を検討してまいりたいと考えております。

その結果、スポーツ部門が市長部局に移管することもあり得ると認識しております。

 実は一昨日、県庁に伺い、知事はじめ色々なところに令和5年度要望に伺ってまいりました。その際、スポーツが観光ですとか、文化ですとか、はっきり申し上げれば県組織の中では教育委員会から離れて、行政部局の方に入っておりました。

 そういった事例もございますので、そしてまた今ほど近藤議員から県内各地の事例もご紹介いただきましたので、私どもも真剣にかつ迅速に、部局の移管といったものを含めて検討を進めていきたいと考えております。

近藤
 前向きなご答弁をいただき嬉しく感じております。
 水球にしても、他のスポーツにしても、これまで培ってきたものがあるわけで、特に水球に関してはお金もかけながら盛り上げてきたわけですが、それをただスポーツだけで終わらせるのではなく、まち全体の盛り上がり、活性化、そして持続可能なまちづくりにつなげていただきたいとの想いを込めて、質問させていただきました。

 以上で私の一般質問は終わりとさせていただきます。ありがとうございました。

 

2022年9月 9日 (金)

令和4年一般質問2「超高齢社会を支える地域資源の将来像」

9月8日、令和4年9月一般質問を行いました。以下はその記録です。

2022.9.8一般質問(近藤)

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近藤

次の質問は、「2 超高齢社会を支える地域資源の将来像」です。

 柏崎市は今年7月末の高齢化率が34.9%の超高齢社会です。今後ますます要介護者は増えると予想されますが、介護人材不足の慢性化や介護保険費用の増大を鑑みれば、高齢者の生活は在宅が主になると考えます。
 そこで本項目では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすために、欠かせない地域資源を将来どう維持していくのか・・という観点から質問してまいります。

まずは 「(1)時代に即した地域包括支援センターの在り方」についてお聞きします。

 地域包括支援センターは、介護保険法に基づき設置された地域の中核機関であり、保健師または看護師、主任介護支援専門員、社会福祉士が相互に連携し、身近な相談窓口として高齢者やその家族の生活を支えています。

主な業務として、

●介護保険に関する相談、申請受け付け 
●介護・福祉・医療・保健に関する相談や指導 
●介護予防サービス計画の作成 
●地域の高齢者の実態把握 
●虐待対応を含む、総合的な相談支援と権利擁護 
●地域で取り組まれている福祉活動への支援 

等、多岐に渡ります。

 柏崎市の現状については、新潟県が公表しているデータをもとに作った資料を用いてお話ししたいと思います。画面の切り替えをお願いします。

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(資料1)本市では中地域、東地域、西地域、南地域、北地域の5圏域に7か所の地域包括支援センターを設置し、それぞれ医療法人や社会福祉法人に業務委託しています。
それぞれの圏域には地域特性があり、例えば山間部では人口は少なくても、訪問先までの移動距離が長く、1件あたりに費やす時間が長くなります。

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(資料2)また、権利擁護(虐待や消費者被害など)に関する相談件数も、昨年度の実績を見れば34~132件と幅があります。件数が少なくても、かなり複雑なケースが相当あると聞いています。
 各センターが対応する相談支援業務には困難事例も含まれ、現場では支援のスキルを有する専門職を必要としています。けれど本市条例の人員配置基準と実状が合わず、受託者が超過負担しているケースもあるそうです。また、地域包括支援センターの関係者からは、事業主体は市であることから、委託しているといえども、市として現状をしっかりと把握し事業展開してほしい、との声もお聞きしています。

 9月5日の本会議では、北地域包括支援センターにしやまについて、現在の委託先法人が来年度事業の受託を辞退するため、公募により令和5年度から新たな委託先を選定する・・とご説明いただきました。

 私の実家は西山ですので、こちらの包括には、私の家族がお世話になりましたし、地域住民の信頼も厚く、「困った時にはいつも助けてもらっている。頼りにしている。」と、多くの方々から伺っています。
 職員さんも本当に一生懸命に対応されていますので、今回の受託辞退は、現場を担う職員の方々にとっても、法人にとっても、苦渋の決断であったと思いますが、辞退に至る背景には、おそらく他の委託先にも共通する、人員確保の難しさや経営上の課題等があったのではないかと推察します。

 これからの超高齢社会を支えていくには、高齢者の自立支援や権利擁護、地域の連携・協力体制の整備を、より一層進めることが重要です。それらを担う地域包括支援センターが、設置当初よりも重要性・必要性が増していることを理解していただき、委託料の見直し等も含めた機能強化と、市との連携を深めることが必要ではないかと考えます。

そこで質問します。
地域包括支援センターの重要性・必要性を市としてどのように認識しているか。
また、超高齢社会がますます進行することを見据えて、時代に即した機能強化や市との連携を深めていく考えがあるか。
そして、地域包括支援センターの業務内容に則した、適切な委託料の必要性をどう考えるのか。 

以上についてお聞かせください。

福祉保健部長
 少子高齢化や人口減少に伴い、地域包括支援センターが行う高齢者実態把握や、総合相談の実績も、令和3(2021)年度には高齢者実態把握が230件、総合相談が述べ5048件となっており、それぞれ増加傾向にございます。
 この傾向はしばらく続くことが予想され、地域包括センターは地域包括ケアシステムを構築していくため、今後ますます重要な役割を担っていくものと考えております。

 このため、本市の第8期介護保険事業計画においては、主要施策の取組みとして、地域包括支援センターの機能強化を掲げ、民生委員や町内会長など地域関係者との連携を強化し、支援が必要となる高齢者を早期に把握することで、適切なサービスにつなげていく体制づくりに取り組んでいます。

 地域包括支援センターには、市が委託する包括的支援事業を担当する職員と、要支援の方のケアプラン作成を行い、その報酬から人件費を賄う職員が配置されており、委託事業に係る職員については、市が国の基準に従って配置人員を定めております

 しかしながら、近藤議員の言われるように、近年では地域における人間関係の希薄化や、高齢者を取り巻く環境の変容を背景に、権利擁護や高齢者虐待など、相談内容が複雑化し、地域包括支援センターの対応する業務範囲も広がっております。
 また、その活動場面は、それぞれ特性が異なる地域であるという点からしても、ご指摘の通り、国の基準がすべてに適合すると言い難い面も見受けられます。

 こうしたことから、市としましても、多職種を対象とした合同研修会の開催や、多機関が参画する地域連携会議など、関係者の連携強化をはかる取り組みを推進しながら、現状把握や業務上の懸案事項などを共有し、地域包括支援センターの活動を全面的に支援しているところです。

 ご質問の、時代に即した地域包括支援センターの在り方としては、高齢者支援に関する地域の拠点として機能させつつ、関係する多職種や他機関との協力体制をこれまで以上に強化し、将来を見据えた適正な配置を考慮しながら、多様な支援ニーズに対応してまいりたいと考えております。

 また、事業の運営面に関しましては、委託法人から現状をお聞きしており、委託料も含めた何らかの見直しが必要であると認識しております。今はまだ詳細をお知らせする段階ではございませんが、そのように検討をはじめているところでございます。

近藤
 今ご答弁いただきまして、市としても地域包括支援センターの色々なものが大変になっていることや、費用面でも苦慮されていることを認識していられるということなので、安心したところです。

 大変さの一因として、人材確保の難しさが、やはりあるかと思います。委託している法人では、スキルのある人材を地域包括支援センターに集中させるとなると、他の介護施設等での穴ができるというか、そういった構造もあるかと思いますので、やはり介護人材の確保もあわせてお願いしたいと思います。

 

次に、「(2)在宅介護を支えるサービスのこれから」についてお聞きします。

 現在、在宅生活を送る多くの要介護者が、デイサービス、ショートステイといった通所・宿泊型の介護サービスを利用しています。
 これらのサービスは、介護者(主に家族)が、体調不良、冠婚葬祭、泊まりのシフトや勤務、外出や旅行・・といった事情で、一時的に在宅介護が難しくなった時や、家を空けなければならない時の強い味方でもあります。
 つまり要介護者ご本人だけではなく、介護者の仕事や社会生活を続けるためのレスパイトケア(息抜き・休息)としても重要なサービスなのです。

 しかし、コロナ禍にあって、全国的にデイサービス、ショートステイの利用率が下がっていると報じられ、柏崎市内の多くの事業所においても、利用率が低下傾向にあると伝えられています。
 中には要介護者本人と介護者である家族の見解の違いにより利用に至らないケースや、職員や利用者が新型コロナウイルスに感染したことにより、事業を休止せざるを得ないケースもあると聞き及んでいます。

 その一方で、近年は小規模多機能型居宅介護のような地域密着型サービスも増えており、コロナ禍の影響というよりも、デイサービス、ショートステイ利用者がそちらに移行しているのではないか、との説もあります。

 こうした状況の中で、介護サービス事業者の中には、利用率低下を受けて、デイサービスの開所日・規模縮小や、ショートステイの特養への転換を検討する動きもあると聞きますが、そうした場合、要介護者に不自由・不便が生じることがないか危惧されます

 例えば20床のショートステイを特養に転換した場合、特養の待機者20人は行き先が決まります。ですが、そのショートステイを利用しながら在宅生活を続けている60~80人くらいの方々は、行き慣れた施設を利用できなくなってしまいます。そうなるとご本人だけではなく、介護者の仕事や社会生活にも影響を及ぼします。

 しかしながら、介護事業者の側からすれば、長期化するコロナ禍や光熱費・物価高騰により、厳しい経営判断を迫られている状況にもあると考えます。
 超高齢社会を支える介護サービスの維持・事業継続のためには、各介護事業者が適切な経営判断ができるような市の関わり方・支援が必要ではないかと考えます。

そこで質問です。
柏崎市内のデイサービス、ショートステイ、小規模多機能型居宅介護の利用状況、利用者のニーズをどう原因分析しているのか。
また、その結果を受けた今後の施策展開について、全国の状況も考慮しながら、支援の必要性、事業の見直しや再構築等について、市としてどのように考えているか、お聞かせください。

福祉保健部長
 デイサービスやショートステイといった在宅介護サービスの利用が減少傾向にあることについては、私どもも事業者からお聞きしているところでございます。
 実際にデイサービスについては、平成30(2018)年度は述べ11万6977回の利用に対して、令和3(2021)年度は10万7326回と9651回(-8.3%)減少しております。

 またショートステイについても、平成30(2018)年度は述べ5万2217日の利用に対して、令和3(2021)年度は5万925日と1292日(-2.5%)と、どちらのサービスも減少している状況です。
 ここ数年について申し上げれば、コロナ禍による利用控え、事業所による利用休止の影響が少なからずあったものと承知しています。

次に、小規模多機能型居宅介護は、通いを中心として随時訪問や泊まりを組み合わせたサービスを提供し、中・重度となっても在宅での生活が継続できるよう、複合的な支援を行うものであります。現在、市内に12の事業所があり、平成30(2018)年度は述べ3168人、令和3(2021)年度は3144人と、利用はほぼ横ばいの状況です。

 国が掲げる地域包括ケアシステムのさらなる進化・推進に向け、住み慣れた地域で在宅生活を続けていくためには、極めて有効な在宅介護サービスに位置付けられているものと認識しております。

 今後の在宅サービスにおいて、要介護者に不自由・ご不便が生じることがないかとのご懸念でございますが、現在、令和6(2024)年度にスタートする第9期介護保険事業計画の準備を始めたところでございます。

 今年度は介護予防、日常生活圏域ニーズ調査の他、在宅生活の継続と、在宅介護を担う家族の就労継続の実現に向けたサービスの在り方を検証する、在宅介護実態調査を実施いたします。

 また、ケアマネージャーや介護事業所といった現場の視点から、生活改善に必要な支援や地域課題、施設整備の意向などを把握することとしています。こうした現状を整理していくとともに、将来の人口動態による、介護サービスの需要予測を的確に見定めていく必要があります。

 サービスの提供基盤である介護事業所の適正配置につきましては、現時点では明確なお答えはできませんが、介護人材の確保といった課題も含め、サービスの給付と負担のバランスをはかりながら、総合的に検討を進めることで、持続可能なサービスの提供を目指してまいります。
 尚、介護保険事業計画の策定経過につきましては、議員の皆様にも適時お示ししてまいりたいと考えております。

近藤
 再質問させていただきます。デイサービスやショートステイ、小規模多機能型居宅介護の利用率が変動しているんですが、(原因の)分析結果をもう少し早めに示すことはできないでしょうか

 と言いますのも、質問の中でも申し上げましたけれど、おそらくどこの事業者もかなり厳しい経営状況で、そうなってきますと、経営安定化のために整理していかなければならないという状況も出てくると思うんです。

 第9期(介護保険事業計画)を待っていますと数年かかる中で、やはり事業者を守っていただかないと、高齢の方々が行く場所がなくなるという、そういう想いもありますので、その点を含めてのスケジュール的なもので、もしお示しいただけることがありましたらお願い致します。

福祉保健部長
 分析につきましては、少し難しいところがございます。と言いますのも、個々の利用者さんやご家族の方に、どうして利用しないんですかというご質問はしておりませんので。

 ただ傾向として、先ほど申し上げましたけれども、コロナの影響は非常に大きいのかなというところは感じております。コロナの状況がどこまで続くかということもございますけれども、利用状況という実数の部分は当然集計することはできますので、そういった面も含めて、何らかの支援が必要であるということがあれば、速やかに対応していくかたちをとっていきたいと思っております。

近藤
 なかなか分析結果をすぐに示せないということでしたら、全体の利用状況がどのようになっているのかという情報共有だけでもしていただければと思いますし、事業継続を支援して、利用者さんやご家族を守っていくために取組みを続けていただきたいと思います。

 

2022年9月 8日 (木)

令和4年9月一般質問1「ふるさと納税の活用と持続可能な地域づくり」

9月8日、令和4年9月一般質問を行いました。以下はその記録です。

2022.9.8一般質問 映像配信(近藤)

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近藤

おはようございます。柏崎の風 近藤由香里です。通告に従い、早速質問に入ります。

大項目1番目は「ふるさと納税の活用と持続可能な地域づくり」です。

 ふるさと納税は、返礼品のことがよく話題になりますが、本来の理念は「地方創生」であり、本制度によって得られる収入や「ご縁」を活かして、少子高齢化・人口減少に伴う諸課題に対応し、住みよい環境を整え、「持続可能な地域づくり」を進めることが重要だと考えます。
その観点から、まずは「(1)柏崎ふるさと応縁基金の使い道」について伺います。

 ふるさと納税は生まれた故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度であり、手続きをすると、寄付金のうち2,000円を超える部分については所得税の還付、住民税の控除が受けられます。寄付する人(納税者)にとっては税金控除や返礼品を楽しめるメリットがあり、自治体にとっては地場産業の振興を伴うシティセールス効果が期待され、自主財源の確保策としても重要なものとなっています。

 また、ふるさと納税の使い道には、その自治体が取り組む課題や目指している将来像が示され、そこに共感して寄付するケースもあると考えられます。
柏崎ふるさと応縁基金の使い道は、「1,人と自然にやさしいエネルギーのまちづくりのために」、「2,こどもたちのために」、「3,若者と女性のために」、の他、「4,市長におまかせ」を選択できるようになっています。

 今年度のふるさと応縁基金の充当事業は、「1,人と自然にやさしいエネルギーのまちづくりのために」では、住宅リフォーム補助や市役所の電気自動車急速充電器の維持管理など、「2,こどもたちのために」では、路線バス確保や、指導補助員・ALTの配置、水球のまち柏崎の推進など、「3,若者と女性のために」では子どもの医療費助成、柏崎産米のブランド化などがあります。

 一方、「4、市長におまかせ」では、庁舎及び公共空間に展示する絵画の購入、ぎおん柏崎まつりの花火の充実、えんま市のミニサーカスなどに充当されることが示されています。

令和4年度当初予算 ふるさと応縁基金 充当事業

使い道の1~3は総じて「持続可能な地域づくり」を目指すものとして認識しますが、4については柔軟かつ流動的な活用が見込めるだけに、充当事業決定までのプロセスを明確にしておくことが必要だと考えます。

そこで、現在の柏崎ふるさと応縁基金の使い道について、質問します。
「柏崎ふるさと応縁基金」の使い道の選定状況について、どの使い道が多い傾向にあるのか。
また、充当事業決定までのプロセス、特に「4,市長におまかせ」はどのような基準・視点のもとで決定するのか。
そして、使い道に対する寄付者の意向の反映状況、市民の理解・満足度をどのように検証するのか、お聞かせください。

市長
 ふるさと納税(柏崎ふるさと応縁基金)の使い道について、まずは寄付者がどの使い道を選ぶ傾向にあるのかお答えします。

 まず、寄付者がどのような使い道を選ぶのかお答えします。令和3年度の実績では、「2,こどもたちのために」が35.5%、次いで「4,市長におまかせ」が30.6%、「1,人と自然にやさしいエネルギーのまちづくりのために」が24.5%、「3,若者と女性のために」が7.4%となっており、年度により割合は上下しますが、例年この傾向にあります。

 ちなみに、令和4年8月31日現在では、「1,人と自然にやさしいエネルギーのまちづくりのために」が23.1%、「2,こどもたちのために」が35%、「3,若者と女性のために」4.8%、の他、「4,市長におまかせ」は37.1%です。

 続いて充当事業に関しては、寄付者が選んだ使い道に応じて、「1,人と自然にやさしいエネルギーのまちづくりのために」であれば、環境および次世代エネルギー関係の事業に、「2,こどもたちのために」であれば教育関係の事業に充当するなど、寄付者のご意向に沿った内容の事業を選んで決定しております。

 ふるさと納税全体では昨年度は約3億円ございました。返礼品分などを除きますと、実質的には実入りはその半分程度だと思ってください。1億5千万円が柏崎市にとっての実質的な実入りになります。その中で、「4,市長におまかせ」については、寄付者の意向が30%でございましたので、4500万円となりました。私どもの法では、多年度に渡ってたくさんご寄付をいただいた方のお気持ちを受け止めながら、絵画の購入、えんま市、花火に約4000万円というかたちにさせていただきました。

 どのようなプロセスかといえば、「市長におまかせ」なので、任されているとしか言いようがありません。しかし、今まで私は「おまかせ」されたことはありませんでした。「市長におまかせ」枠でこれだけ使われたという報告は見ましたけれど、「市長におまかせ分をこれに使っていいですか」と財務部から言われたことはありません。今回はじめて、「市長のおまかせ」分はぜひ任せてもらいたいということで、使わせていただいたところです。

 ちなみにこの「市長におまかせ」の選択肢は、ふるさと納税制度ができた平成20(2008)年、初年度から設けています。県内の自治体の中で、「市長におまかせ」の選択肢がないのは20%程度で、76.7%の自治体が「市長におまかせ」の選択肢を設けています。そういった意味で、寄付者の方が選んだ使い道に沿った事業に充当させていただき、寄付者の意向を反映させていただいております。ご寄付いただいた皆様には、翌年に「ふるさと応縁だより」を郵送し、柏崎市の近況とともに、寄付金の活用状況についてお知らせしています。

 市民の皆様に対しては、現在のところ、ふるさと納税に限っての理解や満足度の検証は行っておりませんけれども、これまでも毎年ふるさと納税の活用実績を掲載しております。

 また令和4(2022)年2月14日の市長臨時記者会見では、はじめてふるさと応縁事業の充当事業と充当額を資料でお示しするとともに、令和4(2022)年2月定例会議の予算審議資料として議会の皆様にも提出し、理解をいただいた上で、令和4(2022)年度当初予算を可決いただいたものと理解しております。

 いずれにしましても、今後も寄付者の意向に沿ったかたちで事業に充当し、ふるさと納税を大切に活用させていただきたいと考えております。
 また「市長におまかせ」の部分は、ブラックボックスの中で決まっているのではないかとのご懸念もあるのかもしれませんが、今申し上げた通り、できる限り私の考え方を皆様にお伝えして、議会にもお諮りしているところで、ご理解賜りたいと思います。

近藤
 今ほどのご答弁をお聞きして、「市長におまかせ」の部分で確認させていただきたいことがございます。
 一つ目は今後も「市長におまかせ」を活用して、流動的な事業を進めていきたいのかということです。

 もう一点は、選定状況を見ますと例えば「若者と女性のために」が意外と少なかったり、「市長におまかせ」が多かったりする傾向にあるのですが、もしかしたら、(市長におまかせが)多い理由が、なかなか(使い道を)選びきれないという、寄付者のお考えのもとで、「市長におまかせ」が選ばれているという、そういう受け止めがあるのか。

 後は、「3,若者と女性のために」が少ないという部分も含め、「2,こどもたちのために」と混合させるなど、選定状況に関しても少し工夫を凝らしたりするようなお考えが、あるのであれば、お願いします。 

市長
 近藤議員の視点はごもっともだろうと、私も考えます。それで、過去どのような選択肢があったのかということも含めて、お答えします。今回、少ない割合ではありましたが、「若者と女性のために」という選択肢もあるわけですが、はっきりと申し上げて、「ご高齢者という視点がないじゃないか」という部分もあるわけです。かつてはありました。

 第5次総合計画後期基本計画にもありますが、やはり広く薄くというよりも、この領域に特に皆さんのお力をいただきたい、という部分を明確にしているわけでありますが、当然、寄付者の方々のご意向まで私たちは縛るわけにはいきませんので、結果として「若者と女性のために」という部分が少なく、「こどもたちのために」という部分が、総じて多い結果になっているということです。

 それから「市長におまかせ」に関しては、先ほどもご説明申し上げた通り、柏崎市だけではございません。しかし、かなり努力しています。最近コロナ禍であまりやられていませんが、市内の各高校の同窓会に伺って、お一人お一人にご挨拶しながら、ぜひふるさと納税をお願いしますと・・「市長におまかせ」をお願いしたいとは言っていません。

 そういった部分で、4~5年前に比べて、ふるさと納税がかなり多くなっているという部分は、私を筆頭に、職員にも非常に頑張ってもらっている成果だとご理解いただきたいと思います。

 それから今ほど近藤議員のご指摘にありましたように、「市長におまかせ」は、新しいリーフレットにはこのように書いております。急激な人口減少が進んでおります。定住人口・関係人口の確保に資する事業展開をより一層進めてまいります。」全部読みませんけれど、花のコレクションのことも書かせていただきました。こういったかたちで、「市長におまかせ」を使わせていただきたいと、明記させていただくようにしましたので、ご指摘ありがとうございました。

近藤
 今のご答弁をお聞きして、「市長におまかせ」枠を、なかなか他の選定枠に盛り込めない事業について、市民の皆様のために使っていただけるということでしたので、ぜひそのようにお願いします。

次に「(2)ふるさと納税型クラウドファンディングの活用」について伺います。

 今年度、ぎおん柏崎まつり海の大花火大会には、ふるさと納税「市長におまかせ」枠1,000万円を充当し、尺玉100発2回打ち上げ、三尺玉、デザイン花火、郊外5地域での花火打ち上げ等に使われました。
3年ぶりの花火大会には特別な意味が込められ、例年よりも豪華な内容でしたが、観覧者の満足度に応じて、次年度以降に対する期待値も上がると推察します。
 しかしながら、毎年同じ規模の花火を打ち上げられるか?という問題もある一方で、アフター・コロナの関係人口・交流人口拡大に「海の大花火大会」は大きな切り札になる、という側面もあると思います。

 また当初予算では同じく「市長におまかせ」枠2,000万円が、庁舎の維持管理の他、庁舎および公共空間に展示するための絵画購入に充当されることになっています。
 絵画購入については、今年2月定例会議の代表質問や予算決算分科会で質疑の対象となり、「寄付した方の意向を尊重した」との答弁がなされました。
 事業については市議会として承認し、予算を可決しているわけですが、その後に市民の方々から様々なお声をいただきました。そうした中で、るさと納税による収入の使い道として、寄付者の意向を重視するのであれば、それを可視化・見える化することにより、寄付金充当の必然性がわかりやすく示され、市民の皆さんの理解を得やすいのではないか・・と感じるようになりました。

 以上を踏まえ、今後ふるさと納税をこうした事業に充当するのであれば、総務省も推奨する「ふるさと納税型クラウドファンディング」を適宜活用してはどうかと考えます。
 この方式では、初めから寄付金の使い道(活用事業)を具体的に示しているため、寄付者の意向が反映されやすく、他の自治体事例を見ると、イベント開催費用や災害復旧費用の他、様々な課題解決に向けた費用に充てられています。新潟県内でも多くの自治体が利用しており、本市においても、過去に水球競技の普及、選手の強化を目的としたふるさと納税型クラウドファンディングを行った実績があります。

 ですから例えば、趣向を凝らした花火大会開催のための費用を、ふるさと納税型クラウドファンディングを活用して募り、観覧席を返礼品とすれば、財源確保とシティセールス両面で効果が期待できると思います。 
 また、文化・芸術振興に伴う財産の取得や社会課題の解決を目指す事業についても、ふるさと納税型クラウドファンディングが適するケースもあるのではないでしょうか。

 そこで質問です。
 寄付者の意向を可視化し、寄付金充当の必然性をわかりやすく示すことができるよう、ふるさと納税型クラウドファンディングを適宜、活用していく考えがあるか伺います。

市長
 近藤議員がおっしゃる通り、本市では水球をテーマにしたふるさと納税型クラウドファンディングを過去2回に実施いたしました。

 平成30(2018)年と令和元(2019)年の2回、それぞれ100万円を超える金額をご寄付いただきました。このクラウドファンディングは、返礼品を提供しないかたちでございます。そうしますと、返礼品を楽しみにしている方も多いわけですが、このように、水球への熱い想いをお持ちの方々は、返礼品はいらないから、というかたちで、このクラウドファンディングに応募していただいた方が、2回あわせて146万2800円の寄付が集まったところであります。ここから返礼品経費は引かれませんので、ほぼこの金額が水球のために使われたということでございます。

 たしかに、ふるさと納税型クラウドファンディングのように、具体的な事業名を示した上での寄付募集の方が、その事業に関心のある寄付者の共感を生み、寄付が集まりやすい部分もございますし、寄付者の具体的な意向が示されているため、寄付金充当の必然性も明確です。

 先ほどご答弁申し上げた、「こどもたちのために」など、広い意味を持つふるさと納税の使い道を示した寄付募集は、大きい枠組みの中で柔軟な活用することが可能であります。支援が必要な児童・生徒のために、指導補助員を配置するなどの本市独自の施策や、こども達の教育環境を充実させるための事業等に幅広く充当しているのが、その一例でございます。

 いずれにしましても、いまご提案いただきました花火等も含めて、ふるさと納税型クラウドファンディングの活用、ふるさと納税の寄付金充当先が、市民の皆様にとって、そしてまた、何よりも寄付者の方々にとって、わかりやすいものとなるよう、努めてまいります。

近藤
 今の募集の仕方も非常に良い面もありますので、適宜の活用ということで、上手に組み替えながらやっていただければと思います。

 次の「(3)ふるさと納税の市財政への影響と自主財源の確保」では、ふるさと納税制度はゼロサムゲームである・・という視点から今後の施策展開についてお聞きします。

 ゼロサムゲームとは、参加者の得点と失点の総和がゼロになるゲームのことであり、一方が利益を得たとしても、他方では損失がある状況となります。
 ふるさと納税においても、自治体(とくに都心部)によっては、寄付金収入よりも税金控除による減収が多くなるケースがあります。
例えば茨城県取手市では、市民が他自治体のふるさと納税を利用したことによる市税控除額が、取手市のふるさと納税による収入を上回り、市のHPで「ふるさと納税で市の税収が減っています」として警鐘を鳴らしています。

 また、寄附によって減った住民税額75%は翌年に地方交付税として補填される仕組みはあるものの、地方交付税の不交付団体には適用されません。そのため東京23区等でも、「ふるさと納税による減収で住民サービスが低下する恐れがある」とし、制度是正を訴えています。

 結局、ふるさと納税は税収全体の総和を増やすものではなく、【返礼品が介在する自治体の税収移転】=税金をやったり取ったりしているゼロサムゲームの制度であり、各自治体はゲームに負けないために知恵と工夫を重ねているのがひとつの実情だと思います。

 柏崎市において、さすがにふるさと納税による収入が税金控除よりも少ない、ということはないと思いたいですが、本制度に地域間競争の性質がある以上、本市のふるさと納税利用者(寄付者)を増やす努力を続ける必要があります。

 また、最初の質問で「ふるさと納税は貴重な自主財源」と申し上げましたが、返礼品分のマイナスも含めて考えますと、真に増やすべき自主財源は市税であり、ふるさと納税をいわば呼び水として、雇用の維持や定住人口の拡大、市民所得の増加を図ることが重要だと考えます。

 つまり、ふるさと納税を市税の増加、すなわち自主財源のさらなる確保につなげる・・という視点を持って、充当事業を検証していくことも必要ではないでしょうか。

そこで質問します。
柏崎市民が他自治体のふるさと納税を利用したことによる市財政への影響、つまりどの程度の税金控除があるのか。
また、地域間競争に勝ち抜くために、ふるさと納税寄付者を増やすための新たな取組みを行う考えがあるか。
そして、更なる自主財源確保を見据えたふるさと納税の活用に対する見解について、お聞かせください。

市長
 非常に大事なご指摘・視点であります。柏崎市民の方が他市にふるさと納税された金額は、昨年度は約5000万円でした。本来、柏崎市に入ってくる5000万円分が、他市のふるさと納税に向けられているというところでございます。

 令和3(2021)年度の決算では、ふるさと納税額は3億337万円となっており、一方で市民の皆様が他市等へふるさと納税を行ったことによる本市の市民税の控除額は、5092万円となっており、令和3(2021)年度のふるさと納税の返礼品を含めた経費は47%であることから、経費分を差し引いた実質的なふるさと納税額は約1億6078万円となり、そこから先ほどの5092万円を引いたところ、結果的に約1億1千万円となっておりますので、逆転はせず、本市の自主財源の大きな柱となっています。

 尚、ふるさと納税寄付者を増やすための新たな取組としましては、今年の6月から返礼品を送付した方に対して、ふるさとチョイスなど、ふるさと納税ポータルサイトへの感想投稿を促すメールの配信を開始しました。本市の返礼品ページを見た方が、寄付者の投稿した感想を見て本市を選ぶひとつのきっかけになればと考えております。

 また8月23日に市内事業者を対象としたふるさと納税勉強会を開催し、ふるさと納税サイトの返礼品ランキング1位を獲得している事業者をお招きし、ご講演いただきました。参加者からは、もっとふるさと納税に費やす時間を増やしたい等の感想をいただいている他、早速その翌日に新たな提供事業者としてご登録いただいた方もいらっしゃるなど、良い刺激になったと考えております。

 このように、本市にふるさと納税してくださった方や、市内の事業者に対して、これまでとは違うアプローチを行いながら、新たな寄付者の獲得や新規返礼品の開発に結び付け、さらに我々職員一人一人の人脈を使って、本市のふるさと納税の返礼品を紹介するなど、地道なPR活動も引き続き進めてまいります。

 ふるさと納税を、雇用維持、定住促進、所得向上などの施策に活用するご提案については、いずれの施策も地域の活性化につながり、また本市を応援してくださる、ふるさと納税をされる皆様からも活用先として、ご理解いただけるものと思われますので、来年度以降、予算編成において留意しながら、充当事業を選定してまいります。

 繰り返しになりますが、まずは他人様のお金を頼るのではなくて、市税収入を増やすのだというご趣旨だと考えております。私もまったくその通りだと思います。そのつもりで産業振興等をはかりたいと思っております。

近藤
 今ほど、本市の市民の皆さんが他の自治体へのふるさと納税による控除額が約5000万円と聞いて、少しビックリした部分もありますが、市長が最後におっしゃったように、本市の雇用の維持や産業の発展につなげるように、市税を増やすという本来の歳入を増やす努力をしていただけるということなので、引き続きお願いいたします。

 

最後の質問は「(4)持続可能な地域づくりと今後のシティセールス」です。

 冒頭にも申し上げましたが、ふるさと納税の理念は「地方創生」であり、本市では「柏崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」によって、その実現を目指しています。
 今年3月に改訂された「柏崎市第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本目標のひとつとして、定住を促す魅力あるまちをつくることを掲げ、柏崎らしさの創出として、シティセールスの推進と地域コミュニティの維持・活性化を掲げています。

 また、それを定量評価するためのKPI=重要業績評価指数には、「柏崎ふるさと応援基金への寄付件数」を用いており、令和7年度の目標を2万件とし、見込まれる成果として「関係人口の増加」と「新たな柏崎の印象の広がり」を挙げています。

 このように、ふるさと納税を認知度向上のチャンスとして捉え、寄付してくださる方々から柏崎ファンになっていただき、そこから交流人口・関係人口を拡大し、更には定住人口を確保し、持続可能な地域づくりを図ることが、シティセールス本来の目的だと思います。

 これまでの本市の取組みを振り返ってみますと、柏崎シティセールス推進協議会の活動を通じて、柏崎市の認知度向上、交流・関係人口の拡大を図り、柏崎ふるさと応援基金の利用や柏崎ファンクラブの会員増加につなげてきたと認識しています。

 しかし、柏崎シティセールス推進協議会は今年3月に解散し、コロナ禍において県外・市外でのPRが難しい状況にある中で、本市のシティセールスは新たな局面を迎えていると考えます。

そこで質問します。
持続可能な地域づくりに向けて、今後のシティセールスをどのように進めて行くのか。
また、柏崎ファンクラブをどう機能させるか。
そして、ふるさと応縁基金を通して結んだ「ご縁」をどのように発展させていくか。
見解をお聞かせください。

市長
 今後のシティセールスおよび柏崎ファンクラブについてお答えします。柏崎シティセールス推進協議会は、柏崎ファンクラブという本市のシティセールスにとって新たな礎を築いたことで、一定の役割を果たし、本年の3月末をもって解散したところでございます。

 それに伴い、今年4月からは柏崎ファンクラブ運営を本市が直接行っております。実は7月頃、部長を含めて担当課に少し喝を入れました。柏崎ファンクラブを本市が担うことになったけれども、少し動きが見えない、せっかく今まで1万人のファンクラブをつくっていただいたのに、行政が窓口になって動きが悪い・見えないので、しっかり立て直して行こうとの話を、担当者にしたところでございます。

 これまで会員数1万人達成を目標に進めてまいりましたが、ファンクラブ会員自らの活動を更に活性化させるためには、これまでとは違ったシティセールス活動の展開が必要です。

 今年3年ぶりに開催したぎおん柏崎まつり海の大花火大会におきましては、柏崎ファンクラブ会員有志によるスターマインが打ち上げられました。また、これは会員のお一人が発起人となり、ご自分でクラウドファンディングのページを立ち上げ、会員に協力を呼び掛けて実現したものであります。本市も事務局としてこの取組みに賛同し、HPやSNSを通じた情報の拡散に努めたところでございます。 

 こうやって少しずつですけれども、私どもも事務局として、民間の方々と機能しはじめたというところです。

 このように、これからも少しずつ、SNSや会員向けメールマガジンで本市の魅力を広く発信しながら、本市のセールスパーソンである会員の主体的かつ自主的な活動を支援することで、会員同士のつながりを作り出すことを目指してまいります。
 ファンクラブ会員やふるさと納税寄付者と本市の「縁」が定着することで、ふるさと納税リピーターの獲得など、さらなる関係人口の増加がはかられることと考えております。

 ファンクラブにしても、ふるさと納税にしても、やはりアナログが強いんです。メールで送りました、といっても、今時メールなど何十通も来るわけです。メールよりも電話、電話を直接もらえれば、生の声が聴けるわけですから。そしてさらに強いのは、電話よりも会って対面でお願いをする、お話をするというところが、いちばん大事なのだなということは、私自身にも言い聞かせ、また職員にも同じように言い聞かせているところでございます。

近藤
 新たな展開ということでお聞きしましたが、前から言われている「市民ひとりひとりがセールスパーソン」、この言葉を少しずつかたちにされているのかなと感じました。
 花火のクラウドファンディング、私も拝見しましたけれど、本当に頑張っているなと思いましたし、またそういう取組みがたくさん生まれていくように、また、やったことが次につながるような支援の仕方をしていただきたいと思います。

 ふるさと納税とは地方創生である、という本来の目的に立ち戻った質問をさせていただきました。また引き続き、注視していきたいと思いますので、宜しくお願いします。

 

2022年9月 5日 (月)

令和4年9月定例会議スタート

9月5日から令和4年9月定例会議が始まりました。

前半は補正予算等の審査、後半は令和3(2021)年度決算審査を行う長丁場となります。

柏崎市議会映像配信2022.9.5

令和4(2022)年度一般会計補正予算(第10号) では、総括質疑で、飯塚寿之議員から質疑がありました。

飯塚議員
歳入 総務管理費 補助金について
デジタル田園都市国家構想推進についての柏崎市の考え方は。
デジタル田園都市国家構想推進交付金1340万5千円がもたらす効果について。
採択の背景、実施計画を含め、支出の根拠、今後も交付金申請するのか。
 
市長
 柏崎市では国が構想を出す前にDX推進計画を策定したため、国にあわせて追記した。
 DX推進の上で、暮らし・行政・産業のDX推進を、市民の皆さんが利便性や豊かさを実感できるよう行っていきたい。除雪機のGPS搭載もその一つ。またマイナンバーカードを用いた申請書類交付サービスも開始(R4年8月~)。
 今後もAI・オンデマンドシステムを活用した新しい公共交通システム構築、個別事業計画の施策のめざす姿の実現、マイナンバーによるコンビニでの住民票取得なども、こうした事例のひとつである。

総合企画部長
 デジタル田園都市国家構想推進交付金は、デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上に向けて国が支援する目的で創設された。ハード・ソフト整備の財源を国が用意することで事業推進の効果がある。
 国の令和3年度補正予算に組み込まれたことから、本市のDX推進計画のうち令和4年度当初予算計上したうち、国の交付金の基準に合うものを選定して申請した。
 採択されたのは
① 行政手続きのオンライン化・コンビニ交付の拡充事業
② 公立保育園一斉連絡システム構築事業
③ 早期療育事業における支援内容の記録・情報共有に活用するためのカメラシステム構築事業
④ 除雪システム構築システム
の4事業となる。
 今後の方向性は来年度予算で地方創生など地方向け3つの交付金を再編し、新たにデジタル田園都市国家構想交付金を創設する方針と聞く。現段階ではどの事業が対象か等、詳細は示されていないが、当市の該当する事業は積極的に活用したい。

また、今回の補正予算では、国の脱炭素先行地域の採択を目指して、6月に補正予算が組まれた「地域循環共生社会連携協会交付金」が、申請したものの採択されずに歳入から750万円減額されたことから、総括質疑で以下の質疑を行いました。

近藤
不採択となった要因をどのように分析しているのか。また交付金がない状態でも、引き続き国の脱炭素先行地域に選定されることを目指すのか。

市民生活部長
交付金不採択となった理由を自己分析している。審査会におけるコメントはないものの、地域特性を生かした柏崎らしい提案内容が不足していた、脱炭素化に向けての道筋・方向性が不明確であったこと、事業者間の連携体制が弱かった等が要因ではないかと分析し、力不足が招いた結果と認識している。
今後も、脱炭素先行地域の選定に向けて、第3回の公募に向けてしっかりと準備を進めたい。

 

また今回、令和4(2022)年度介護保険特別会計補正予算(第2号)に、「北地域包括支援センターにしやま」に係る予算が計上されたことから、事前に通告した上で以下の質疑を行いました。

近藤
・今回の介護保険特別会計補正予算(第2号)の債務負担行為に、北地域包括支援センターにしやま業務委託 限度額13,975千円が、令和5年度を期間として計上されている理由について。

・歳出において包括的支援事業として地域包括支援センター業務委託料1,957千円が計上されていることと、1の債務負担行為との関係性について。

・令和3年12月16日の総務常任委員協議会で報告された、公共施設マネジメントの進捗状況(⻄⼭地区)についての中で、北地域包括支援センターにしやまが、西山町いきいき館に移転する計画が示され、移転に向けて協議中と報告されていたが、そのことと今回の債務負担行為、および一般会計補正予算第10号に計上されている「いきいき館管理費(修繕料)351千円」との関係性について。

市長
 北地域包括支援センターにしやまを運営している委託先法人から、来年度事業について受託できない旨の申し出があったため、新たに事業者選定の必要性が生じた
 経緯としては、公共施設マネジメント基本方針を踏まえた「いきいきデイサービスセンター」の活用の中で、北地域包括支援センターにしやま移転の計画があり、法人と協議を進めてきた。法人側から人員配置が難しいこと、収支の面でも負担が生じていることを理由に、移転せず、同法人がなごみ荘内で運営する北地域包括支援センターはらまちに統合したいとの考えが示された。市側は留意をお願いしつつ、いきいきデイサービスセンターにおける賃料減免の考えも当該法人に示し、最終的には統合も含めた意向確認をする中で事業の継続をお願いしてきたが、受託しないと正式な回答があった。
 これに伴い、令和5年4月からの西山地区における地域包括支援センター業務をスムーズに開始するため、年度内に委託先を決定し、引継ぎを含め準備をする必要がある。
 また事業者選定にあたっては、令和5(2023)年度の事業委託を前提として公募が必要であり、その委託料を担保するための債務負担を今議会に上程した。
 尚、詳細については当該法人の経営に係ることから、市が申し上げるべきことではない部分もあると、ご理解賜りたい。

福祉保健部長
 北地域包括支援センターにしやまの業務引継ぎが生ずることになる。引継ぎにあたっては同行訪問などにより、サービスの低下が生じないよう丁寧な引継ぎが必要となる。
 そのための経費として新たな事業者に対し、1か月分の専門職員の人件費と事務所の設置に必要な諸費用として、上限100万円を計上している。

近藤
 公募ということだが、時期も差し迫る中で次の委託先の見通しはついているのか。
 また、もし公募しても委託先が見つからない場合はどうするのか。まさか西山の地域包括支援センターをなくすということはないだろうが。

市長
 公募の見込みや手を上げている法人の状況を申し上げることはできない。もし次の委託先が見つからなかったらどうするのだ、というご心配だろうが、いずれにしても何とか西山の地域包括支援センターが機能するようにしたい。閉めるということは避けたい。そのまま機能するよう何とかしたい。

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市長から「北地域包括支援センターにしやまは残す」との方針が示されたので、この前提をもとに次の一般質問、予算決算常任委員会・文教厚生分科会で質していきたいと思います。

尚、本日の議案は以下の通りです。

(議第73号) 職員の定年の引上げに伴う関係条例の整備に関する条例
(議第74号) 職員退職手当支給条例等の一部を改正する条例
(議第75号) 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
(議第76号) 職員の高齢者部分休業に関する条例
(議第77号) 柏崎市議会議員及び柏崎市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
(議第78号) 避難行動要支援者名簿の情報の提供に関する条例
(議第79号) 会計年度任用職員の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
(議第80号) 手数料条例の一部を改正する条例
(議第81号) 高齢者生活支援施設設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
(議第67号) 令和4(2022)年度一般会計補正予算(第10号)
(議第68号) 令和4(2022)年度国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
(議第69号) 令和4(2022)年度後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)
(議第70号) 令和4(2022)年度介護保険特別会計補正予算(第2号)
(議第71号) 令和4(2022)年度水道事業会計補正予算(第2号)
(議第72号) 令和4(2022)年度下水道事業会計補正予算(第2号)
(議第82号) 財産の取得について(東中学校備品一式)
(議第83号) 字の変更について(高田南部地区)
(議第84号) 市道路線の廃止について
(議第85号) 市道路線の認定について
(議第86号) 令和3(2021)年度水道事業会計未処分利益剰余金の処分について
(議第87号) 令和3(2021)年度下水道事業会計未処分利益剰余金の処分について
(承第 1号) 決算の認定について(令和3(2021)年度水道事業会計)
(承第 2号) 決算の認定について(令和3(2021)年度下水道事業会計)

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