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2022年8月

2022年8月30日 (火)

第一中学校区地域懇談会

本日8月30日、第一中学校区地域懇談会が中央コミセンで開催されました。
以下はその内容メモです。
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1 開会挨拶 中央地区町内会長会会長

2 市長の地域に関する施策の説明

・柏崎市は人口減少が加速し、原子力発電所7号機すべての運転が開始した1997年には約10万人だったが、現在は7万人台になった。令和3年は約1200人が亡くなり、出生数は377人。1年に約1000人の人口減少があり、自然減が約800人だとすると、社会減は約200人の計算になる。

・令和4年度には2つの大きなトピックスがある。一つは新型コロナウイルス感染症。柏崎市の人口1万人あたりの感染者数は県内でも下位4~5番目で低い割合で抑えている。

・もう一つはリケンについて。今年7/27にリケンと日本ピストンリングが経営統合する。私がこの話を知ったのは発表の1時間前。ピストンリング市場2位のリケンと3位の日本ピストンリングが生き残りをかけて統合し、令和5年4月から事業開始となる。柏崎市でもっとも雇用が多いのは原子力発電所だが、リケンもまた多くの雇用を抱えるリーディングカンパニーである。

・8/4にリケン東京本社を訪問し、柏崎市の北斗町・剣にある工場の維持をお願いした。当面の間は維持するものの、いずれは1社になるという。また水素領域にチャレンジすることも伺っている。EV化の流れ、経済の動きは早急であり、強い危機感を持っている。

・今日の地域懇談会は最終日だが、スタートは五中校区と高柳地域2か所で行った。すでに高柳中は五中に統合しているので、中学校区単位としては本来1か所。ある意味不公平かもしれないが、それぞれの地域で行い、厳しいお叱りの声をいただいた。

・高柳小の在校生は現在6人であり、2年後に鯖石小と統合する予定。高柳の方々からは地域から学校をなくすのかと言われたが、少人数すぎては子ども達の可能性を伸ばせない。

・一中校区も少子高齢化が進み、令和13年には一中校区153人、松浜校区94人となる。私が子どもの頃は1学年240人だったことを考えると、合わせても1/3程度しか子供がいない。

・一中校区の人口は約1万人で、年間約7億2千万円税金を使っているので、1人当たりの税金は年間7万2千円。一中校区住民のみが使う施設等に限定するともっと少ない。一方では過疎地域では一人当たり年間30万円以上使っている。どこの地域懇談会でもこの話をしている。 

 

3 地域からのテーマ(★は住民の意見)

(1)(株)リケンが計画している「水素エンジン」の支援策について

★柏崎市の製造業の多くは自動車部品をつくっているが、完成車をつくるメーカー誘致が必要ではないか?

市長
・トヨタでは水素エンジンを大型車両や船舶などに搭載することを視野に入れて開発を進めている。柏崎市には東芝リチウムイオン電池があり、業績を伸ばしているが、電池が重いことが電気自動車にとってネックとなっている。大型車両や船舶ではかなりの重量の電池を必要とするため、水素エンジンを視野に入れて開発。リケンでは水素製造も視野に入れている。

・完成車(完成形)メーカー誘致は柏崎市では難しい。理由は日本車の場合、輸出がベースであり、海外に出荷するには大きな港が必要。

・現在、INPEX(旧帝石)が市内平井で水素研究を進めており、2025年3月から200~300億円を投資して日本発の商業用水素発電をスタートする。この電気を柏崎あい・あーるエナジー(株)が買って市内製造業に供給すれば、リケンとINPEXをつなげることができる。

・フロンティアパークの東芝リチウムイオン電池工場は事業を拡大し、雇用も増える。電池は主としてヨーロッパで売れているが、電池をつくるための電気は火力発電では売れず、原発でも微妙。ヨーロッパでは再エネでつくった電池でないと売れない。現在は東北電力(株)の水力発電によってつくられた電気を使って電池をつくり、証明書をつけてヨーロッパで売っている。いずれ柏崎あい・あーるエナジー(株)が東芝の電池工場に売電したい。柏崎の製造業に再エネでつくった電気を売りたい。

・青森~北海道沖の洋上風力発電は800万kwを予定し、柏崎刈羽原子力発電所の発電量にも匹敵する。国は海底送電で東京に電気を送る計画であり、日本海側に優位性があるとしている。この電気を柏崎で陸揚げし、東電の送電線を使って再生可能エネルギーを東京に送りたい。変電所は1千億円規模の工事となるが、これを柏崎で行い、原発と再エネ由来の電気を安く売りたい。

★東芝リチウムイオン電池工場の好景気は喜ばしいが、地元雇用率は上がるのか。若い人が働く場所、雇用の場をつくることが大事ではないか。

市長
・東芝リチウムイオン電池工場の地元雇用は非常勤、契約社員が多い。少しずつ正社員が増えている。かつて東芝本社に行き地元雇用率を上げてほしいとお願いしたが、その時の返答は「能力ある人を揃えていただけますか?」誰でもいいわけではなく、一定の技術・基礎知識を持った人が必要とされる。

・一時期、東芝工場は後退した。理由は30代社員が「柏崎は教育レベルが低い。今後を考えると横浜の方がいい」と言って、横浜工場に流れたから。時間はかかるが柏崎の小中学生の学力レベルを上げる取組みを始めている。付加価値をつけて良いものを生み出せる人材を確保し、正社員の割合を高めたい。

 

(2)旧市役所の跡地利用に伴う情報発信について

★旧庁舎の跡地を再開発した場合、人が集まり活用するような情報発信が必要ではないか。

市長
・旧庁舎跡地利活用は市長就任以来の課題。中央コミセン移転にプラスアルファとして、夕陽のドーム2倍広さの壁がある運動広場をつくり、冬季もイベントやスポーツ施設として使えるようにする。その脇にギャラリースペースを設けて美術鑑賞等ができるようにしたい。

・この冬にソフィアセンターで花コレクションを行い好評だったことから、花をテーマにしたギャラリースペースをつくりたい。市役所庁舎には相澤陽一先生の花の絵を飾り、季節にあわせて交換している。

・旧庁舎跡地利活用について「まちば」ばかり・・と言われるが、今の中央コミセンは中越スポーツハウスを間借りした古家の造作(補修費用がかかる)であり、中央コミセン初の新築となる。まちなかのにぎわいを生み出し、にぎわい空間をつくりたい。

 

(3)原子力発電所等による災害時の避難所対応について

★7月にコロナ禍での避難所設営訓練を行ったが、段ボールパーテーションを設置してソーシャルディスタンスを確保すると収容人員が限られる。現在の避難所だけで足りるのか。

市長
・中央コミセン区域の住民は約9000人であり、比角コミセン1万人、田尻コミセン8000人だが、現状ではどのコミセンにも同じ数だけしかパーテーションを配置していない。人口に応じて配置するよう、令和5年度予算で人口が多い地域のコミセンには防災倉庫を設置し、資材を置くスペースにしたい。

・段ボールベッドはかさばるので、業者と提携して流通備蓄となっている。

 

(4)冬期間における通学路確保について

★通学路は市の除雪範囲ではなく、町内会が除雪している。除雪車購入補助はあるものの、高齢化が進み除雪が追い付かない。通学路除雪にもう少し支援していただけないか?

市長
・小さな道路は町内会ベースで除排雪していただくことになるが、経費の75%は市が補助している。当該町内会から補助申請は出されているが実際の除雪実績はない。

・小型除雪機購入の補助制度だけではなく、業者に依頼しても75%補助対象となる。いくつかの町内会では業者に依頼している。市に問い合わせていただけば業者を紹介できる。

★市の道路維持課が除雪はしてくれないのか。

市長
・そういうことになる。

 

5 自由懇談

★近所の市道はロードヒーティング(電動で路面温度を上げて雪を溶かす仕組み)だが、不調なので維持管理課に補修をお願いしているが、修理は完了したのか?また一時停止線が消えかけている道路があるので、線の引き直しをしてほしい。

市長
 承るが、市議でも対応するはず。ロードヒーティングは電気代がかかる。

 

★政府がGX実行会議で柏崎刈羽原発を含む再稼働や、これまでと異なり、原子力発電所の新設・増設の方針を打ち出した。エネルギーの必要性と安全性の問題は別であり、しっかりと市長から国や県に意見していただきたい。

市長
今回の方針が示されたことを受けて8/24にコメントを発表した。
以下はその内容となる。

1 再稼働の方針に、改めて柏崎刈羽7、6号機の名前が含まれるとするならば必然。

2 国の方向性、「安全性の確保を大前提とした上での原子力の最大限活用」が示された以上、新潟県におかれましては、「3つの検証」につい て、行政手続法の観点からも、明確な結論を早期に出し、原発、再稼働問題の議論を始めて頂きたい。

3 稼働標準期間を40年から60年に延長する方向性、検討も、日本のエネルギーセキュリティ、また、気候変動、地球温暖化を防ぐという原発の環境性能を考えても、海外の事例を勘案しても妥当。

4 原子力規制委員会による安全審査などに長期間を有している現状を鑑みるとき、40年の期間から、審査期間、柏崎刈羽のように中越沖地震などで止めざるを得なかった期間、つまり原子炉稼働により放射化されなかった期間を減ずるのが合理的ではないかと思うが、この点にもしっかりとした基準が求められる。

5 私自身は1~7号機全ての再稼働は経済的にも、安全面からも合理的ではないと考える立場なので、従来申し上げているように東京電力には1号機~5号機の廃炉計画を出してもらいたいという考えに変化はない。もちろん、5つ全てを廃炉してもらいたいということではない。

6 アメリカ合衆国においても、1立地点で3、4の原子炉を有しているのが最高であり、福島事故を経験し、かつアメリカ、ヨーロッパ、中国などと比べても大規模地震が起きる確率がけた違いに大きい日本においてはエネルギーセキュリティ、環境性能を考えてもなお、原発は制約的であるべき、というのが私の考えである。

7 リプレイス、新増設の議論が出てくることは、ウクライナ情勢、エネルギー価格の高騰、経済、国民生活への影響を考えるとき、一般論として考えれば、これも自然な流れであると考える。

8 柏崎刈羽原子力発電所の1立地点、柏崎市の市長として、この53年間原発賛成、反対と議論し続けてきた歴史に鑑みるとき、今、この時点でリプレイスだとか新増設などということは言える段階ではないと考える。
 例えば、50年間言われ続けてきた「トイレ無きマンション論争」 核燃料サイクルに明確な方向性、光が見えない。六ケ所村の使用済み核燃料再処理施設は26回目の竣工延期である。日本が未だ先進国だとするならばあり得ない事態である。むつ市、青森県の苦悩を見るとき、原発立地点として、さあ、原発、どんどん行こう、等とは到底言えない。

9 柏崎刈羽の使用済み燃料プールは全体で約81%が埋まっている。再稼働を目指している7号機のものは約97%、6号機のものは約92%埋まっている。

10 バックエンド問題も、敢えて言うが、寿都町、神恵内村の「男気」に頼るようでは国のエネルギー政策とは言えない。
本当に腰の据えた国民的議論を、早期に、そしてしっかりとしていただきたい。国の存亡をも占うエネルギー政策を「これを機会に」「やっつけ仕事」ではいけない。
 納得がいく議論がなされ、結果が出されたとするならば、国がこれまで以上に、原発の科学的、合理的安全の確保を行い、住民が安心、かつ豊かな生活を享受できるような施策展開、原発の集中リスクの軽減、洋上風力発電の海底直流送電など再生可能エネルギー供給計画への柏崎市の参画等を担保していただけるならば、柏崎市はこれまで以上に国のGX、エネルギー政策の一端を担う覚悟はある。

 

★中央地区の指定避難所は柏崎小学校、第一中学校、中央コミセンだが、コロナ禍では一人当たりのスペースを広くとらなければならない。今後、指定避難所を増やす考えはあるのか。

市長
・学校を避難所として使う場合は普通教室も利用するよう指示を出した。教室にはエアコンが入っている。

 

★柏崎市の定住人口を増やすため、兵庫県明石市のように、大胆な子育て施策を行ってはどうか。

市長
・どこの市町村も子育て日本一を目指している。明石市では確かに色々な子育て施策(医療費無料など)に取り組んでいるが、柏崎市でも高校生まで通院・入院は実質無料にしている。また、18歳までを対象にスターチケットプラスとして2万円分の市内で使える商品券を配布した。長岡市では現金給付だが、柏崎市でお金を使ってもらうために商品券にしている。

・例えば不妊治療にかかる費用を全額補助を出す(燕市が実施)ことや、出産一時金42万円と実質的にかかる費用50万円の差額を埋めるために10万円補助して自己負担なしにすることなど、9月の一般質問でも提案されているが、これをやるとすれば約4000万円かかり、その分どこかの予算を削らなければならないので悩ましい。

・子どもと産業にお金を使うことに対する覚悟は決めている。現時点でも例えば物価高騰していても給食費は上げていない。今後、子どもの成長過程でどの時期にお金を使うのが適切か検討して、新年度予算に盛り込みたい。

 

★地域通貨の電子版を行う考えはあるか。

市長
・すでにやる予定で指示を出しているが、マイナンバーカード取得が必要。マイナンバーカードは国のシステムであり、独自の機能を持たせるには開発費にお金がかかる。

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18時30分からスタートし、20時過ぎに終了となりました。その後、会場を片付けて帰路につきました。

地域懇談会については令和3年6月一般質問 にも新たなスタイル提案も含めて取り上げましたが、プロデュースは各地域が主体であり、柏崎市の場合は伝統的なスタイルが踏襲されていくのかもしれません。

元気館・太陽光パネルに関する「債権の放棄」

本日、文教厚生常任委員協議会で福祉保健部・健康推進課から報告を受けました。以下はその内容です。

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市議会9月定例会議において報告する「 報第31号 債権の放棄 」 について

(1)債権の名称

・太陽光パネルの撤去費用及び行政財産
・目的外使用料

(2)放棄した債権の額

・撤去費用 2,316,600円
・行政財産目的外使用料 170,362円
・合計 2.486,962円

(3)放棄した債権の件数 各1件

(4)債権放棄の日 令和4年8月12日

(5)債権の相手方

・破産者 新潟スマートコミュニティ事業株式会社 破産管財人

(6)放棄した理由

債権の届出等の措置が終了したときにおいて、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、弁済する見込みがないと認められるため(柏崎市債権管理条例第10条第1項第6号該当)

(7)債権を放棄するまでの経緯

・平成24年12月25日 
 県と23 市町村が屋根貸し太陽光発電の共同実施を宣言。
「全国初の県と市町村が共同した公共施設の屋根貸し太陽光発電事業を実施します。」と県が発表。

・平成25年3月4日
 県が屋根貸し太陽光発電事業の事業者を選定。
( ㈱JCサービスと新潟スマートコミュニティ事業㈱ による共同企業体)

・平成26年1月30日
 柏崎市と新潟スマートコミュニティ事業共同企業体が、公共施設の「屋根貸し」による太陽光発電事業にかかる協定を締結 。

・平成26年5月
 元気館の屋上に太陽光パネルを設置 。

・平成26年9月3日
 ㈱東北電力に売電を開始。

・平成31年4月26日
 元気館屋上防水改修工事を実施するため、太陽光パネルを一旦屋根から降下。
 工事完了後の令和2年3月に再設置 する予定であった。
 しかし、再三の要請にかかわらず太陽光パネルは再設置されず元気館敷地内に放置されたままとなっていた

・令和3年10月9日
 新潟スマートコミュニティ事業共同企業体の構成員の株式会社JCサービスが破産 。

・令和4年6月8日
 新潟スマートコミュニティ事業共同企業体の代表者の新潟スマートコミュニティ事業 ㈱ が破産。

・令和4年6月29日
 破産管財人へ太陽光パネルの撤去請求と協定書第17条の規定に基づく損害賠償
 パネル撤去費用 2,316,600 円及び行政財産目的外使用料 170,362 円を請求(破産債権の届出)

・令和4年7月25日
 破産管財人から破産者の財産状況は極めて乏しく、撤去の要請にも損害賠償に応じることも不可能な状況にあり、本件物件の所有権を放棄して市が本件物件を任意に処分することに支障が無い状態にすることが、現実的に対応可能な対策であるとの通知書を受領。

・令和4年8月2日
 顧問弁護士に相談し(破産後、合計5回相談)、破産者の財産目録を確認して破産債権の回収の見込みがないこと、又、9月1日の債権者集会をもって破産手続き終了の見込みであり、所有権放棄等の合意をしないまま終結を迎えた場合は今後の交渉相手が不明確となり処分に支障をきたすことから、合意書を取り交わすしかないとご教示をいただいた。

・撤去費用は12月定例会議に補正予算として提出予定。

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<質疑応答>

Q1
平成31年時点で一旦降下した後の令和2年3月以降の設置に関する「再三の要請」は具体的にはどのように行われたのか。
A1
電話で請求したが、なしのつぶてで1年半経過した。

Q2
令和3年10月のJCサービス破産以降の代表者との交渉経過は。
A2
代表者である新潟スマートコミュニティ事業 ㈱ に連絡をとり協議してきたが、約8か月後に破産した。

Q3
損害賠償請求があったのに、これまで議会に報告がなかったのはなぜか。
A3
当初は破産に伴う要求が未確定であり、その後太陽光パネルの撤去と目的外使用料の支払いを要求していたが、結論が不明だったので報告しなかった。債権放棄が決定したので、条例に従って本日の報告となった。

Q4
督促の仕方が電話だけとは甘かったのではないか。文書での回答を求めるべきではなかったか。
A4
おっしゃる通りであり、前任者の判断とはいえ督促の仕方として不十分だった。

Q5
平成25年に県が事業者を選定しているが、撤去費用の負担は市のみか。
A5
業者選定は県だが、当時の財産、運営能力からはこうなるとは判断できなかった。
あくまでも市と事業者との関係性になる。

Q6
元気館以外にも太陽光パネルが設置された公共施設があり、電力市場高騰により新電力会社は厳しい経営状況にある。
今回の件をもとに、他の公共施設で契約している新電力会社の経営状況や、太陽光パネルの処分等について確認するといったことはあるのか。
A6
各部署に今回の件を説明するにあたり、教訓としていただきたい。

Q7
県の「公共施設の屋根貸し太陽光発電事業」で他の自治体でも同様のケースはあるのか。
A7
本事業自体は元気館のみ。

Q8
今後、元気館に再び太陽光パネルや再エネ導入を検討するのか。
A8
その予定はない。

Q9
撤去後の太陽光パネルを利用して、再度の設置はできないのか。
A9
破産者が債権放棄しないと利用できない。

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新電力の厳しい状況が現れているものの、再設置予定時期から1年半もの間、放置されていた点は問題があると思います。

類似の事案がないよう徹底を願います。

2022年8月25日 (木)

令和4年9月一般質問通告

令和4年9月定例会議が9/5から始まります。

9/8、9、12は一般質問であり、私は9月8日(木)10時~ となりました。

1 ふるさと納税の活用と持続可能な地域づくり
(1)柏崎ふるさと応縁基金の使い道
(2)ふるさと納税型クラウドファンディングの活用
(3)ふるさと納税の市財政への影響と自主財源の確保
(4)持続可能な地域づくりと今後のシティセールス
 
2 超高齢社会を支える地域資源の将来像
(1)時代に即した地域包括支援センターの在り方
(2)在宅介護を支えるサービスのこれから

3 スポーツを活用したまちづくり推進のために

尚、通告書は以下のものを提出しました。

令和4年9月一般質問・通告書(近藤由香里)

(写真はふるさと納税「市長におまかせ」枠1千万円が充当された「海の大花火大会2022.7.26」を撮影したものです)

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ところで一般質問の順番は原則として通告した順であり、同じ会派が続かないよう調整されます。今回は一番目でした。

毎回、質問を詰めすぎて超早口になってしまうことを反省し、今回は質問を絞りました。その分、しっかりと確認すべきところを確認しながら、丁寧にやりたいと思います。

 

2022年8月24日 (水)

花角知事 表敬訪問

8月24日、与口善之県議(自民党柏崎支部長)のご厚意により、自民党に所属する市議会議員有志で、花角英世新潟県知事を表敬訪問させていただきました。

花角知事は気さくで穏やかなお人柄で、面談はとても暖かい雰囲気の中で行われました。

また人の話に丁寧に耳を傾け、話の趣旨を瞬時で理解し整理した上で提案もできる、とても頭脳明晰な方でした。

海岸の環境美化や砂浜を活用した地域活性化に取組み、「海の柏崎」をさらに発展させていくというお話をいただきました。

また、柏崎市が誇る無形文化財「綾子舞」や海の大花火大会、貞観園やかやぶきの里といった高柳の観光資源にも関心を示されました。

柏崎市にもぜひまた行きたいとおっしゃっていただきました。

懇談を通して、花角知事は「県民の誰もがふるさとに誇りを持って心豊かに暮らし、他県や海外の方々が訪れたい・また来たい・いつか住みたいと思える新潟県」を目指していることが伝わってきました。

あらためて、花角知事はかけがえのないリーダーであり、「宝」だと実感しています。

貴重なお時間と機会をいただき、ありがとうございました。

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2022年8月10日 (水)

【委員会視察3】長野県須坂市「いじめ・不登校対策」

8月8~10日、文教厚生常任委員会による行政視察を行いました。
委員会では「子どもを取り巻く環境の充実」をテーマに
●子どもの貧困対策
●いじめ・不登校対策
について、調査・研究を行っています。

8月10日は長野県須坂市のいじめ・不登校対策について学びました。

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◆いじめ対策の背景
・須坂市のいじめ対策はマイナスからのスタート。平成9年に市内中学生が自殺した。遺書には「いじめ」により死を選んだことが記され、遺族が市を相手に訴訟を起こし、長期の裁判の結果、平成17年に和解した。
・遺族の強い意向もあり、須坂市では毎年4月の校長会にて、事件について周知し、いじめの未然防止と根絶に向けて市を挙げて取り組む姿勢を示している。

◆いじめの未然防止、早期発見
・小中学校の前学級を対象にQ-U検査「楽しい学校生活を送るためのアンケート」を年2回実施。
・アンケート結果を学級経営に活かし、児童生徒指導や個別相談に活用している。
・以前は紙ベースだったが、GIGAスクール構想により端末が整備されてからはGoogleフォームを使用。
・Q-U検査手数料 324万3900円(2022年度当初予算)

◆いじめ等の初期対応
・いじめ等が重大事態に発展するケースは、共通して初期対応がうまくいっていない。
・個々の職員が独断で統一を欠いた指導をすることのないよう、各学校で組織的に対応する。
① 迅速に複数名の職員で加害生徒・被害生徒の双方から情報収集する
② 被害生徒に安全は必ず守ることを伝える
・事実確認と指導を同時に行わない。事実に基づく指導方針を協議する。
・児童生徒から話を聞いて終わりにするのではなく、加害児童生徒には自分の行動を振り返らせ、しっかり考えさせる。
・被害者が教室に入れなくなったら直ちに学習保障をどうするか対策を講じる。

◆須坂市学校問題解決支援チーム
・いじめ等の重大事態に対応するための第三者委員会。弁護士、医師、臨床心理士、福祉関係者、教育関係者、学識経験者で構成。
・重大事態が起こらなくても年2回、情報・意見交換を行っている。
・各学校では解決できない問題が発生した場合に機能する。
・平成26年に設置して以降、重大事案は1件(平成30年)。いじめが原因と疑われる不登校重大事案が発生し、チームが発動して、聞き取り調査、対応の協議を行った。いじめ行為は認定されたが、不登校については複数の要因が見られた。報告書は公表しないものの校長会で共有、加害生徒には内容を伝えた。

◆不登校に対する学習保障
・多様な学びを進めている。私立フリースクールとも連携(出席扱い)している。
・GIGAスクール構想推進委員会では不登校・不適応児童への対応を検討し、「オンラインでつながる」ことを目指す。多くの子が教室とオンラインでつながっている。

◆中間教室フレンドリールーム
・家庭から中々出られない子が外に出るきっかけとなるよう開設。学校への登校に抵抗感を持つ児童・生徒が安心して過ごしながら、再登校・復学を目指すことができるような指導・支援を行う。
・毎週月~金、8:15~16:45開室。個別対応を行う(復帰プログラム)。
・在籍校に籍を置いた上での通室、出席扱いとする。
・インスタグラムを開設し、気安い雰囲気づくりに心掛けている。

◆家庭への支援
・不登校児童生徒支援員等の配置
・スクールカウンセラーによる相談
・スクールソーシャルワーカーによる相談
・心の教室相談員(司書兼務・各中学に1名)による相談

【質疑応答】

質問1
須坂市学校問題解決支援チーム発足後、重大事案が1件のみとのことだが、学校内での対応が迅速であること、いじめを未然に防ぐ取組みの効果と考えてよいか。
回答1
学校内での初期対応により重大化を防いでいる面はある。職員間でいじめの定義を共有し、各学校が年度当初に保護者に対して確認、子ども達にも伝える。1日のうちに何度もいじめ事案は起きていると捉え、繰り返し子ども達自身が考える機会をつくる。いじめ事案の認知件数は年間に400件を超えるが、できるだけ認知することが重要と考える。

質問2 
不登校はいじめ以外に生活の乱れ(ゲーム依存等)や人間関係など、様々な原因があると思うが、どのように対応しているのか。
回答2 
友人関係や家庭生活の問題など、原因がはっきりすれば見通しが立つが、家庭での状況は見えにくく、その子自身も何が原因で学校に行けないのかわかっていないケースが多々ある。スクリーニング会議を行い、各課で確認し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの介入・要因分析も行い、個別に対応している。

質問3
Q-U検査が学校生活全般に及ぼす効果は。
回答3
結果は各学校で分析し、前回と比較しながら考察する。教育相談のきっかけとなるケースもある。クラス全体に居心地が良くないと感じる子が多い場合は、道徳の授業等を通じて対応する。

質問4
LINEグループでのいじめなど、SNS上でのいじめにはどう対応しているか。
回答4
SNS上のいじめは見えにくいが、児童生徒からの情報提供により発覚したケースもある。
「いじめは決して見逃さない」という姿勢を貫くことで、子ども達自身が声を挙げるようになってきた。

質問5 
いじめ加害者側への対応は。出席停止措置はあるのか。
回答5 
加害者対応は個々によって異なるが、保護者に事実を伝えて反省を促す。児童生徒自身に何がいけなかったのか、なぜそうなったのか状況を把握・理解できるようにする。出席停止措置はない。

質問6 
フレンドリールームの利用状況は。
回答6 
現在は中学生10名が利用している。

質問7 
市単費で補助員を配置しているか。
回答7 
45名採用し、各小中学校や特別支援学校に配置している。

質問8 
教育機会確保法に基づく対応を行っているか。
回答8 
明確に法に基づくものではないが、これまでの説明の通り学習保障に努めている。

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【所感】
須坂市では過去に発生した、いじめに起因した中学生の自死を教訓とし、強い意思を持って「いじめを絶対に見逃さない」仕組みを構築しています。
学校において、いじめの定義、すなわち「どういったことがいじめに該当するか」を、教職員、児童・生徒、保護者が共有することで、重大事態の発生を防いでいると感じました。
いじめ事案は一日のうち何度も起きているとのことですが、それを見過ごさず認知していくことで、重度化の防止や早期対応ができるのだと思いました。
 不登校児童・生徒に対しては、「学びから逃げることなく、学びにつなげたい」についてはオンライン、ICTを活用した「学びの保障」を実践し、わずかであっても学校とのつながりを築いていることに深く感銘を受けました。
中間支援教室も社会参画のきっかけとしての役割が強く、社会性と学習の両面でサポートする体制になっています。
 柏崎市においても「学びの保障」を推進できるよう、参考にしたいと思います。

ご対応いただいた須坂市議会事務局および担当の皆様、ありがとうございました。

2022年8月 9日 (火)

【委員会視察2】埼玉県富士見市「子どもの貧困対策」

8月8~10日、文教厚生常任委員会による行政視察を行いました。
委員会では「子どもを取り巻く環境の充実」をテーマに
●子どもの貧困対策
●いじめ・不登校対策
について、調査・研究を行っています。

8月9日は埼玉県富士見市の子どもの貧困対策について学びました。

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◆富士見市の貧困対策
・前市長時代から「子育てするなら富士見市で」をキャッチフレーズに掲げている。
・平成28年度に貧困に関する実態調査を行い、平成29~令和3年度の5か年計画として、「夢つなぐ富士見プロジェクト⁺(プラス)~富士見市子どもの貧困対策整備計画~」を策定。
・子どもの未来応援センター設置、子ども未来応援ネットワーク会議の立ち上げ、子ども未来応援基金の創設、子どもや若者の居場所づくり支援など、子どもの貧困に対する整備を着実に進めてきた。
・現市長の強い意向もあり、「富士見市に住むすべての子どもが、夢に向かってチャレンジできるよう支援を行い、貧困の連鎖を断ち切る」ことを基本理念として、全市で貧困対策に取り組んでいる。
・令和4年度からは計画の延長版を策定し、これまでの事業内容を継続・拡大・修正し、今後3年間に取り組むべき事業を定めている。
・貧困対策専門のコーディネーターを配置している。

◆子ども未来応援センター
・子どもの総合相談窓口として、社会福祉士や保健師などが妊娠期から子育て期にわたる相談・支援を行っている。
★母子保健関係
妊娠、出産、子育て、子どもの食事、助成制度など
★子どもや若者の相談・支援
子どもの養育や生活等、若者のための学び直し相談、養育費相談、シングルマザー交流会など
・チラシにはあえて「貧困」は明記せず、利用しやすいよう配慮している。

◆貧困への気付き
・妊婦の全数面接により育児環境を確認。母子健康手帳を渡す時、ひとり親、生活困窮、精神疾患、若年など、貧困の要素が強いケースを把握する(気付きのランプ)=スクリーニング。
・出産後の乳幼児健診でも状況を確認。
・自らの貧困状態を気付かれたくない人たちをキャッチするのは難しい。
 ⇒あらゆる機会を見逃さない・・「気づき・つなぐマニュアル」の作成

◆「気づき・つなぐマニュアル」(H29年~)
・貧困の発見ポイント(気付きのサイン)を細かく明記し、支援につなぐ。
行政窓口・相談、子どもが利用する施設、地域、学校、保育園・幼稚園、児童発達支援事業、医療機関など、それぞれの場面で見られる貧困の兆候を紹介。
・具体的に明記したことで必要な視点がイメージしやすくなり、相談・連携につながっている。
・つなぐ先は、行政・関係機関、地域団体、NPO法人、民間・企業⇒連携して支援する。

◆支援内容
・生活困窮家庭に対する物質的、経済的支援を行う。
・生活困難な子どもに対する居場所(子ども食堂・学習・進学等)支援を行う。
・生活困難な家庭の保護者への就労支援等を行う。特に生活困難を抱えることが多い「ひとり親家庭」への支援に重点を置く。
・まずは子どもの貧困状態を理解(情報提供、説明)
⇒地域全体で支援⇒市民運動に広げ、市全体での協力体制を確立。

◆富士見市子どもの未来応援ネットワーク会議
・子どもの貧困対策に正面から向き合おうとする民間企業・NPO・町会などの地域組織や団体、および行政が一体となった『子ども未来応援ネットワーク会議』が発足。
・貧困の連鎖を断ち切り、すべての子どもたちが夢に向かってチャレンジできる社会の構築を目指して、子どもの貧困対策推進に向け活動している。

◆子どもの夢つなぐ市民活動☆ふじみ
・市長を発起人として各業界団体が参画し、市民運動としてサポーターを募集。
・個人・団体がそれぞれ、できることをできるかたちで協力することで、裾野の広い活動が行われている。

サポーター登録申込書の「参加できる活動」リスト
① 物品(食料品・文房具・医療品等)の提供
② 場所(子ども食堂、学習支援、物資倉庫等)の提供
③ 労働力(調理・学習・送迎・見守り等)の手伝い
④ 体験活動(分化・スポーツ・就業体験等)の機会の提供
⑤ 金銭の寄付(募金寄付・その他の募金等)
⑥ 子ども・若者の居場所づくり(子ども食堂、学習支援等スタッフ)
⑦ 広報・PR活動(宣伝・配布等)
⑧ その他の社会貢献活動

◆子ども未来応援基金
・子ども食堂や学習支援等、子どもや若者の居場所づくり活動を行う団体等の事業(準備、運営)に対し助成を行う。

◆今後の方向性・課題
・前計画での新規事業28の達成度は想定以上6、概ね達成21、未達成1
・令和7年度に「子ども・子育て支援事業計画」を更新時に、貧困対策整備計画を統合。それまでの3年間は、延長版として事業内容を見直し、新たな取組を盛り込み、計画を継続する。
・未達成1は生活支援物資供給センター(集積・保管場所)の整備。ただし支援物資のステーションは設置したので物質提供は可能。今後3年内に保管場所を整備したい。
・気づき・つなぐマニュアルの改訂・・現在は貧困に特化しているが、虐待やヤングケアラーの視点も取り入れる。
・子ども食堂はコロナ禍で弁当配布など形を変えて事業を継続しているが、居場所としての運営が難しくなっている。⇒学習支援事業とのコラボレーションにより、お腹だけでなく心も満たす場所を目指す。

◆貧困の連鎖を断ち切るために
・貧困の連鎖は、保護者の収入が少なく十分な教育を受けられない子どもが、進学・就職に不利になり、夢を描けない状態に陥ることで生じる。
⇒学習支援(塾講師を支援員として委託)のほか、高校生(不登校・中退)に対する「学び直し相談」により、高校復帰や再度の進学をすすめる。

◆ひとり親世帯に対して
・富士見市内のひとり親世帯は41.8%。養育費相談に加え、離婚準備段階でのサポート(生活基盤をどう築くか)、教育費の補助等を行う。
・生活困窮に陥る前の段階で支援する。

【質疑応答】

質問1 
富士見市が貧困対策に取り組むきっかけは。
回答1 
平成25年に制定された「子どもの貧困対策に関する法律」における地方公共団体の責務を具体化し、国が策定した「子どもの貧困対策に関する大綱」等を踏まえ、国の動きを見ながら、市長の強い想いも受けて推進してきた。
まずは実態調査の段階で、生活困窮層と一般所得層に分けて調べたところ、生活困窮層は援助を受けてもまだ不足し、一般所得層の中にも生活困難世帯があることがわかった。目に見えるアプローチだけでは不十分であり、整備計画をつくり施策を推進。

質問2
 学び直し相談の詳細は。
回答2
高校を中退もしくは不登校の生徒を支援するNPO代表(塾も経営)が相談員を務める。生徒自らが相談に出向くことは難しく、保護者がお子さんの将来を心配して連れて来るケースが多い。
以前は月1回、夕方~夜にかけて4コマだったが、今年度から平日の夕方2コマ、土曜昼2コマに変更し、相談者が増えている。高校に復帰するケースが多い。
内容は学習支援ではなく、将来の進路を考える上での助言であり、子ども達が自ら再び高校に行けるようにサポートしている。学習機会の喪失を貧困への入り口として捉え、貧困に陥らないよう支える仕組みともいえる。

質問3
実態調査の詳細は
回答3
平成28年7月に0~22歳がいる世帯に対して実施。
生活困窮世帯(公的扶助を受けている世帯)1614件中、回答816件(50.6%)
一般所得世帯 1495件中、回答888件(59.4%)
全体で3109件中1704件(54.8%)が回答

質問4
貧困家庭と学校の連携は。また夢つなぐ市民運動による各種支援により、民業圧迫の問題はないか。
回答4
学校から家庭内のことは見えにくいが、困り事がありそうな場合は子どもの未来応援センターにつないでもらう。
市民運動による物資支援は対象者が児童扶養手当を需給しているひとり親世帯に限定されるので民業圧迫の問題はない。むしろスーパーがフードロス対策も兼ねて期限の近い食品を寄付するなど、民間業者も協力的である。

質問5
民間業者の協力など、全市的に貧困対策に協力しようという気運はどのように醸成されたのか。
回答5
現市長の熱意が大きい。当初は子どもの貧困に対する市民の問題意識は決して高くはなかったが、市民運動準備会で市長が自らプレゼンテーションを行い、必要性を訴え、施策を地道に推進してきたことで、市民運動として広がっていった。ネットワーク会議も機能している。

質問6
いわゆる絶対的貧困と相対的貧困の問題についてはどう認識しているか。
回答6
外見的にわかりにくい貧困に気づき、支援につないでいくという意味で、相対的貧困を視野に入れて施策を推進している。

質問7
コーディネーター配置による効果は。
回答7
子ども未来応援センターは総合相談窓口であり、貧困問題だけに専念できない。コーディネーターを配置するようになり、多業務とのバランスをうまくとれるようになり、個々の貧困対策の取組みが前進した。コーディネーターには教育者、公民館勤務経験者などを配置してきたので、地域と関わるスキルが高い。

質問8
気づき・つなぐマニュアルの策定経緯と今後の強化版の進め方は。
回答8
策定経緯は当時の担当者がいないので不明だが、関係各課から策定委員を選出し、内容を厚くしていったのではないかと推察する。今後の強化版は要保護児童対策地域協議会から意見をいただくが、すでに家庭福祉審議会から意見をいだだくなど、関係者の意識は高い。

質問9
富士見市の子育て支援策の成果として子どもの人口は増えているのか。
回答9
現時点で詳しいデータはないものの、人口はいまだ微増であり子どもの数は減っていない。

質問10
全庁的に子どもの貧困対策のグランドデザインをつくる仕組み、再度の実態調査について。
回答10
庁内での検討機会があり、各課がPDCAサイクルをまわしている。
実態調査は国が示した様式をもとに、令和7年度の「子ども・子育て支援事業計画」への統合を視野に入れ、令和6年度に実施したい。

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【所感】
 富士見市は「子育てするなら富士見市で」を前市長時代からキャッチフレーズとし、充実した子育て・教育施策を行っている。その中でも子どもの貧困対策は、現市長が強い想いを込めて推進しており、実態調査を経て「こどもの未来応援センター」を中心に、非常に細やかな支援体制が確立されていました。「気づき・つなぐマニュアル」などの媒体も素晴らしいと思います。
 また、民間企業・NPO・町会などの地域組織や団体、行政が一体となった「子ども未来応援ネットワーク会議」を中心に、「子どもの夢つなぐ市民運動☆ふじみ」として展開し、市民が「できることをできるかたちで」協力・応援しています。
発足準備会では市長自らプレゼンを行い、貧困対策の必要性を強く訴えたとのことです。
 そして、貧困の連鎖を断ち切るためには「教育」が必要という考えのもと、民間の塾講師等に委託して学習支援事業や「学び直し」事業を行っていることも印象的でした。
 柏崎市においても年度内に貧困の実態調査が行われる。「相対的貧困」と言われる見えにくい貧困や、将来的な貧困につながる教育機会の喪失も視野に入れ、どんな境遇に生まれても、子ども達が将来に夢を持てるような施策の推進を願います。

ご対応いただいた富士見市議会事務局および担当の皆様、ありがとうございました。

 

 

2022年8月 8日 (月)

【委員会視察1】埼玉県入間市「ヤングケアラー支援」

8月8~10日、文教厚生常任委員会による行政視察を行いました。
委員会では「子どもを取り巻く環境の充実」をテーマに
●子どもの貧困対策
●いじめ・不登校対策
について、調査・研究を行っています。

8月8日は埼玉県入間市のヤングケアラー支援について学びました。
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◆ヤングケアラー支援の現状
・入間市では令和4年7月「ヤングケアラー支援条例」が制定された。背景には令和2年10月に就任した杉島市長の公約があり、埼玉県が先行して令和3年3月ケアラー支援条例(介護者全般が対象)を制定したことを受け、ヤングケアラーに特化した条例を制定。
・条例制定にあたり実態把握を行い、周知・啓発を推進し、相談支援体制を確立している。

◆ヤングケアラー実態調査
・ヤングケアラー支援条例制定にあたり、令和3年7月に実態調査を行い、小学生141人(5.7%)、中学生79人(4.1%)、高校生40人(4.8%)のヤングケアラーが存在する結果となった。
・実態調査を行う前に児童・生徒に「お手伝いとケアの違い」解説動画(日本ケアラー連盟のイラストを子ども支援課職員が説明)を見せた。調査はタブレット端末またはスマートフォンによりWebアンケートを無記名で行い、全体の回答率は52.6%だった。
・入間市のヤングケアラーがケアをする対象は「きょうだい」が最多であり、次いで母親、祖父母が多かった。ケアの理由として小学生は自分の意思で、中学生は仕事で忙しい親に代わり必要に迫られて行っている、との傾向が見られた。ケアに費やす時間は平日・休日とも1時間未満が最多だが、休日に2時間以上ケアしている傾向が見られた。
・日常生活への影響は「なし」と回答する児童・生徒が多かったが、一方で「ストレスを感じている」「勉強する時間がない」「睡眠不足」などの回答も多く見られた。
・ヤングケアラーとされる児童・生徒の4割が「相談相手がいない」6割は「相談相手がいる(母親が最多)」との回答だが、相談相手がいても改善・解決に結び付かないと考えられる。
・望むサポートして「特にない」との回答が上位だが、宿題や勉強・学習サポート、自由な時間、相談の場・人を望む回答も多かった。信頼して見守ってくれる、必要とするときに相談・支援してくれる「場所・人材の確保」が求められている。

◆周知・啓発
・実態調査結果を踏まえ、令和4年1月にはパンフレットやリーフレットを配布し、7月(ヤングケアラー支援条例制定後)には、市民向け新聞折り込みチラシを配布した。
・令和4年1~2月には、日本ケアラー連盟から講師を迎え、要保護児童対策地域協議会構成員や一般市民向けにヤングケアラー支援研修会・講演会を実施した。また市HPへの掲載の他、出前講座の実施を予定している。

◆相談・支援体制の整備
・令和3年12月にヤングケアラーに関する相談窓口、18歳以上のケアラー担当として総合相談支援室を設置。
・令和4年4月にはヤングケアラー支援マニュアルを作成。
・令和4年度は小中学校等を相談担当者がまわり、顔の見える関係づくりの強化を推進。
・教育機関、児童福祉、生活支援、高齢者福祉、障害者福祉部局等の関係機関による調整会議を適宜開催。
・既存の学習支援事業の利用ができるようにする。

◆条例制定
・令和4年2~3月に入間市ヤングケアラー支援条例(案)パブリックコメントを募集し、6月議会で提案、可決された。
・条例はヤングケアラーが個人として尊重され、心身の健やかな成長と自立が図られることを目指す。入間市、保護者、学校、地域住民、関係機関の役割を明記し、連携体制・支援体制を整備し、社会全体で子どもの成長を支えることを目的とする。
・第4条「市の責務」では、総合的・計画的な支援施策の推進、保護者・学校・地域住民等の関係機関との連携、実態把握により必要に応じた支援を講じることを義務付けている。
・第5条「保護者の役割」では、子育ての第一義的責任の認識と年齢・発達に応じた養育を努力義務とする一方、家族が抱える困難に応じた支援を求めることができるとしている。
・第6条「学校の役割」では、健康状態や生活環境等の実態を確認し、相談体制を整備するとともに、市や関係機関と連携して適切な支援に努めることとしている。
・第7条「地域住民等の役割」では、支援の必要性への理解、子どもや家族が孤立しないよう配慮し、市が行う支援に積極的に協力するよう努めることとしている。
・第8条「関係機関の役割」では、健康状態や生活環境等の実態を確認し、適切な支援機関に繋ぎ、市が行う支援に積極的に協力するよう努めることとしている。
・第9条「早期発見」では市、学校等が発見しやすい立場を認識し、早期発見に努めることとしている。
・第10条「支援」ではヤングケアラーの負担軽減、教育確保の確保が図られるよう、必要な施策を講じなければならないとし、市が行う学習支援事業の利用ができるようにしている。
・第11条「支援体制の整備」では、相談体制の整備と相談しやすい環境づくりに努め、福祉・医療・教育その他関連分野において連携体制を整備しなければならないとしている。

今後の取り組み(条例制定を受けて)
・市関係連絡会議:12課の課長職による会議を年1回実施
・周知・啓発:市HP掲載、FM放送、チラシ配布など
・講演、講義:ファミリーサポート提供会員、市職員、要保護児童対策地域協議会代表者を対象
・協力依頼:関係機関、事業者・団体、市内高校への訪問
・埼玉県ヤングケアラー支援推進協議会への出席
・ヘルパー派遣事業、ヤングケアラー支援コーディネーター配置の検討

◆取り組む中での課題
・個人情報の取扱い 
・本人・保護者からの相談がない場合や支援拒否への対応
・ヤングケアラーから若者ケアラーに移行した場合の対応

◆おわりに・・(元)ヤングケアラーの声
・ヤングケアラーは大変さを感じる一方で、「家族の中でケアできるのは自分しかない」との想いもある。また支援者はケアしている家族には目がいくものの、ヤングケアラーに対しては目が行かず、「自分もつらいと言えない」「相談しても変わらない」という諦めにつながっていく。
・ヤングケアラーが求めるのは「同じ境遇の人(ピアサポート:共感・情報交換等できる人)」、「同じ年代の仲間(巣の一人の人として過ごせる場所・人)」、「伴走者(見守り、気にかけてくれる大人、家族調整、学習サポート、進路決定や将来の見通し等、ライフステージのサポート)」等の人、支援である。
・ヤングケアラーを「ケアをされる立場にある人」と認識し、一人の人として大切にされる経験ができるよう支援することが求められる。

【質疑応答】

質問1 
ヤングケアラーの存在を市として認識した時期、きっかけは。
回答1 
平成30年頃に市議会議員の一般質問で取り上げられたことを機に、執行部ではじめて認識した。

質問2 
実態調査では「相談相手がいる」との回答が約6割だったが、相談者がいるならヤングケアラーにはならないのではないか。
回答2 
相談相手は母が最多であり、相談しても家族のケアをやめていいわけではなく、解決に結び付かない。

質問3 
ヤングケアラーの捉え方は様々であり、各家庭で手伝いの内容も異なる。ヤングケアラーが周知されることにより、子どもに家の手伝いをさせづらい状況が生まれないか。
回答3 
ヤングケアラーには法的基準がなく、定義があいまいなので区別・理解が難しいところはあるが、「本来大人が担うべきケア」なのかどうかが判断の分かれ目となる。

質問4 
調査回答の中では「日常生活への影響はない」と回答するケースも見られたが、どう解釈しているか。
回答4 
ヤングケアラーは頑張る子が多く、中には無理をしても勉強時間を確保している子もいるので、そのように回答したとも考えられる。必要に応じて働きかける。

質問5 
条例制定後のヤングケアラー認知度向上を踏まえ、今後も実態調査を行うのか。またその場合は記名式にする可能性は。
回答5
しばらく実態調査を行う予定はない。実態調査を記名式にすることも検討したが、教育委員会から記名式にすると実態に即した回答が出ないのではないかと言われ、見送った経緯がある。

質問6 
厚生労働省のヤングケアラー啓発ポスターは、まずヤングケアラー当事者を労った上で、一人で負担を抱えなくてよいとのメッセージを打ち出している。市としての支援策においても同様の考えはあるか。
回答6 
そうした視点はあるが、本人の意向だけ尊重するのではなく支援の必要性がある場合は働きかけていきたい。

質問7 
ヤングケアラーと貧困の関連は。
回答7 
保護者の仕事の状況や公的サービスにつながっていない場合は貧困状態にある場合も想定される。今のところヤングケアラーと貧困が結び付いた相談実績はないが、貧困との関連があることを想定して支援を進める。

質問8 
条例制定時のパブリックコメント(学校がヤングケアラー早期発見に努めるとするならば、教師の負担が増えるので、学校の大改革が必要ではないか)を受け、学校との連携についてどのように期待するか。
回答8 
学校における認知度の向上、情報共有を期待する。またスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー配置を検討していただきたい

質問9 
条例制定を受け、来年度の予算要求は。
回答9 
家事支援ヘルパーの導入(週2回、2時間/回)、ヤングケアラー・コーディネーター配置を予算要求したい。
また充実した周知・啓発媒体(チラシ等)のための予算を確保したい。

質問10 
日本ケアラー連盟のイラストを使う場合の許可、使用料はどうなっているか。
回答10 
日本ケアラー連盟に連絡し、出典として名前を入れる他、©の記号を脇に明記する。

質問11 
実態調査は学校が行い、相談窓口はこども支援課になっている。学校はヤングケアラー相談の第1ゲートではないかと感じるが、相談フローにおける位置付けは。
回答11 
学校は相談窓口にはなれないが、把握・発見したヤングケアラーを相談につなぐ役割を担う。

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【所感】
入間市がヤングケアラー支援の先行自治体であると認識していましたが、ヤングケアラー支援条例を制定したことは視察先で知りました。
条例制定は現市長の公約であり、トップダウンにより施策の推進が迅速化していると感じた。条例制定までの過程において、かなり細やかな相談・支援体制が構築されていました。
特に18歳以上の若者ケアラーに対しても支援対象とし、総合相談窓口につなぐ仕組みを構築したことは高く評価しています。
また学校は相談窓口とせず、「つなぐ」役割であることを明確化しているのも印象的でした。
今後の課題は、無記名の実態調査結果でヤングケアラーだと判断された児童・生徒やその家族を、相談・支援にどうつなげていくかということではないかと思います。
柏崎市においてヤングケアラーと判断されたのは現時点で12人ですが、潜在的にはまだ存在するのではないかと考えます。
引き続き周知・啓発と丁寧な対応をお願いしたいと思います。

ご対応いただいた入間市議会事務局および担当の皆様、ありがとうございました。

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