柏崎あい・あーるエナジー株式会社に係る役員選任の経緯について
6月16日、総務常任委員協議会では、9日の一般質問を受けて、以下の説明と質疑がありました。
*******
柏崎あい・あーるエナジー株式会社に係る役員選任の経緯について (電源エネルギー戦略室)
1 役員選任の経緯
柏崎あい・あーるエナジー株式会社は、市の再エネ政策を市とともに実現する会社であるため、会社の方向性の舵取りを行う適任者として櫻井市長が代表取締役に承認された。一方で、市長は電力取引等の事業運営に関する知見に乏しいため、電力取引の事業に関する代表者として、パシフィックパワー株式会社の取締役である大野氏が代表取締役に承認された。
また、出資者のうち、会社に対して市の政策意向を実務的に反映させる目的で西巻副市長が承認され、さらに市とパシフィックパワー株式会社以外の考えを経営に反映させるため、事業参画に強い意向を持つ株式会社 INPEX から戸出氏(後に社内人事異動による選任者変更の申出を受
け山本氏を承認)が取締役に承認された。あわせて監査役については、地域事業者の視点で事業内容を俯瞰できる北陸ガス株式会社柏崎支社の唐橋氏が適任であるとして承認された。
この役員体制決定を受け、電力取引の事業に係る契約等の行為は、代表取締役の大野氏を代表者に行い、他の契約行為等は代表取締役社長の櫻井氏を代表者として行うと整理した。
2 兼業禁止について
地方自治法第142条及び地方自治法施行令第122条により、市長が市の事業を請け負う法人の取締役等になることを禁じているが、市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの二分の一以上を出資している法人は適用を除外するとされている。また、特別職である副市長においては、地方自治法第166条第2項により市長における兼業禁止の規定及び適用除外の規定を準用するとされ、市職員は地方公務員法第38条で兼業を制限されている。これらを受け、以下のとおり整理している。
①柏崎あい・あーるエナジー株式会社は市が 67.66%を出資する会社であるため、市長の取締役就任は問題がないと考えている。
②市長と同様の事由により副市長の取締役就任は問題がないと考えている。
③市職員は地方公務員として営利企業の従事を禁止されているため、会社の任に就かない。
3 利益相反について
利益相反行為については、民法第108条により自己契約及び双方代理、代理人と本人との利益に相反する行為は無権代理とみなすとされている。このうち双方代理については、地方公共団体や株式会社が行う契約行為でも起こり得るため、市は、市長の権限に属する事務の一部を副市長に委任する規則第2条第2項第3号において、双方代理に抵触する契約行為に関する市長権限を副市長に委任すると定め、双方代理による契約を行わないこととしている。
一方、柏崎あい・あーるエナジー株式会社では、共同代表であることや市の権限委任により、双方代理による契約を行うことはないが、市やパシフィックパワー株式会社から取締役を受け入れているため、取締役との利益相反行為を制限する会社法第356条の規定に抵触する。このため、同法に定める株主総会における承認を得ることで、問題なく契約を締結することとしている。
市の再エネ政策を市とともに実現する柏崎あい・あーるエナジー株式会社においては、市や株主事業者との取引において利益相反と解される場合が想定されるが、法に基づく契約や対応を行うこととしており、顧問弁護士にも問題のない行為との見解を確認している。
<質疑応答>
Q1
以前、総務協議会の報告と一般質問答弁が異なると感じた。当時は櫻井社長と西巻副市長の契約だと説明。
契約者の変更は重い。市長は当時は会社、実際は市の側として契約する。説明する考えがあったのか。
A1
3月協議会は設立手前で全貌を報告できなかった。今回、6月下旬に株主総会で決定後に報告を考えていた。
Q2
6月下旬に説明ということは承知した。一般質問の答弁がフライングという認識でいいのか。
A2
一般質問では「予定」と回答。正式には株主総会で決定後となる。
Q3
今後、変更点が生じた場合は、速やかに変更点の説明・報告を求めたい。
A3
できる限り報告したい。
Q4
法的には問題ないということだが、政策を実務的に反映させる副市長、市長が社長、両方に市側がいるのは公正さの面で市民感覚として疑問。
A4
地域エネルギー会社として議論。市の再エネ利活用、カーボンニュートラルの実効的な力は電力での売買。
電気事業法に入っていかないと実行は難しいことで、あい・あーるエナジーが設立。
政策的な実働部隊としてやっていくにあたり、会社のかじ取り・政策と離れた方向に行くのは良くない。
市長、副市長が入り込み、経営者としてもかじ取りを行うのが必要と考えたことが役員改選の経緯である。
Q5
公正な取引ということで、市のトップ、ナンバー2がいることで、匙加減での経営判断が生まれるのではないか。
A5
法的な対応として、市長の権限を副市長に委任する契約もある。その際は市長の契約権限そのものを副市長に委任することになる。その契約に関して市長は口出しできない。副市長は突っぱねることができる。公平・公正は担保されると説明。
Q6
市長、副市長ともに無報酬・無給与なら利益相反に該当しない。その説明が必要ではないか。
A6
設立において会社役員は全員無報酬・無配当。会社の利益から役員・株主がいくことはない。
Q7
チェック機能がどう働くのか。きちんと経営状態など、地方自治法上の調査権を発揮できるのか。社会通念上、市長の会社に対するチェックできるのか。新電力のまずい状況が報道されている。今までなら市長がチェックしてきたところ、この会社については心配。
A7
副市長の権限委任でチェック機能は働くが、心配を払拭できるのかとの観点は理解できる。
これからの会社運営において疑義をもたれないよう説明・情報できるだけ出す姿勢が必要。
Q8
総合企画部長に聞きたい。
このエネルギー会社に関する予算や説明、なんとか議会に可決してもらいたい、との市の意向は感じた。
市への信頼を担保に可決を求められてきたが、内容が変わってきている。
総合企画部では、説明不足がありながら、可決を求めることが多い。
「言えないものもありますが」との言葉を聞きながら審査するのは不本意。そういう傾向あるのではないか。
A8
これまで出せる資料は出し、説明してきた。これからもその都度、資料提供し、説明責任は果たしていきたい。
総合企画部関係は、と言われたが、会社設立の関係で言えないこともあったが、説明責任は果たしてきたと思っている。
意見
契約についての疑問点は残る。西巻副市長が役員に入る説明もなかった。今後の丁寧な説明を求めたい。
以上、法的には問題ないという説明でしたが、質疑は「議会に対する説明」がポイントとなっていました。
利益相反とは、取引の当事者同士が共に利益を得られるのではなく、どちらかが不利益を被ることになる取引のことです。
こちらのサイトがわかりやすいと思います。
**********
尚、同日は2年ぶりとなる「えんま市」最終日でした。
消防団の警備活動に参加しましたが、ものすごい人出でした。
« 令和4年6月一般質問「3,ウィズコロナ時代の防災行政無線の在り方」 | トップページ | さ、ひっくり返そう~柏崎市の放射線教育~ »
「議員・議会活動」カテゴリの記事
- 令和5年度当初予算・文教厚生分科会(2023.03.16)
- 令和5年3月一般質問2 「人口減少時代の市政運営」(2023.03.10)
- 令和5年3月一般質問1「災害停電にどう備えるか」(2023.03.10)
- 旧米山牧場跡地廃タイヤ処理の事業化について(2023.02.09)
- 旧庁舎跡地利活用の事業方針(2023.02.03)
最近のコメント