4月5日、柏崎市子ども未来部・子どもの発達支援課が運営する「ふれあいルーム」を、議員有志で見学させていただきました。
ふれあいルームは、柏崎市役所分館3Fに相談室、2Fに学習室があり、休学や不登校が続くお子さんを対象に、学校復帰や集団生活への適応、社会生活での自立を支援しています。
以下は課長さん、および指導員さんから伺った内容です。
●小中学生は皆で関わる時間を大切にしている。半日単位で午前中の利用のうち、前半は個別で、後半は皆で過ごす。
●高校生は午後からの半日利用が主となる。高校生は個別対応が望ましい場合が多い。
●学習時間・・基本的には自主学習だが、学習教材の選択が難しい子が多い。基本的には自分で学習するが、わからないままでは良くないことから、声掛けをして、わからないところはスタッフが一緒にやるスタンスをとっている。
●令和3年度は中学3年生=受験生が3名いたが、勉強する様子を小中学生の子達が見ていて、その姿を励みに自分達も頑張ろうとの意欲を持つようになった。
●ふれあいルームを利用する高校生は、今の環境に馴染めず、他の高校に行きたいとの希望を持つ子が大半。全日制、通信制、単位制など、様々な高校のパンフレットを集めて、その子に合う進路選択をサポートしている。
●公立高校の資料はダウンロードできる。私立高校は資料請求する他、直接募集担当者が出向いて、学校やふれあいルーム指導員に対して学校の詳細を説明することもある。
●ふれあいルームでは受験の面接練習をしている。中学3年生に対して行っていたが、他の学校に編入・入学したい高校生に対しても、本人の希望を聞いた上で行うことがある。本人が納得するまで模擬練習をして、自信がつくまで行う。
●令和3年度は3人の中学3年生に対して面接模擬練習を行った。3人並んで集団面接の練習をすることで相乗効果があり、それぞれの自信につながった。
●学校のテストをふれあいルームで受けることも可能。その場合は2Fにある学習室で行う。
●学校復帰のタイミングはそれぞれだが、学校側と連携し、令和3年度の利用児童・生徒14人中12人は部分登校するようになった。
●学習指導は学校側と補いあい、子ども達が不利にならないよう配慮している。
●不登校になる子は、社会のエアポケットに陥り、近況がわからなくなる恐れがある。支援の網の目から漏れないように、学校と相互に連携していくことが必要。
●高校生の不登校は、コロナ禍の影響もあるが、多くは自分に向いていない学校を選んでしまい、早期(1年1学期)にドロップアウトしてしまうケースが多い。入学式に出たあと不登校になる子もいる。
●令和3年度は14人が利用し12人が学校復帰したが、小学生1人、高校生1人が継続利用で見守り中。
●不登校になる子は自己肯定感が低い子が多い。ふれあいルームにつながる子は動機付けがしやすく、学校復帰率が高いが、ふれあいルームに来られない子もいる。
●ふれあいルームを利用する児童・生徒は発達障害がある傾向が強く、入院歴や合併症を持っている子が約半数いる。特別支援学級にいた子も含まれる。生きづらさを抱え、HSC(繊細さん)など鋭すぎる感受性により、学校に行けなくなっている子もいる。それ以外の単純不登校の方が少ない。
●タブレット活用は進んでいる。ふれあいルーム利用時は通信は行わず、みらいシートを活用して学習する。
●高校生は元籍校の復帰は望まず、学校を変える。他校に進学後も追跡はしており、保護者の希望があれば情報共有もするが、実際はほとんど希望がない状態。令和3年度は新規利用が多かった。
●長期間関わる子もいる。ある利用児童はヤングケアラーで、高校生の時にカウンセリング利用を通して、ふれあいルームに通うようになった。その後アルバイトを経て社会人となった。
●ふれあいルームの周知が進んでいないことは課題と認識している。小中学生15人、高校生10人まで受け入れ可能。
●現在の場所・位置は人の往来が少なく、利用しやすい環境。ただしトイレが古く、洋式トイレが2Fにしかない。
●ふれあいルームは最後の砦。利用児童の10倍は不登校の児童・生徒がいる。長期の休学や不登校は保護者にとっても切ない状態。
●不登校児童・生徒への支援メニューは増えてきた。学校でも適応指導教室、スクールカウンセラーや市のカウンセラーとの連携もある。
●フリースクールが市外にあることや、市内に私塾やフリースペースがあることは担当課として認識しているが、連携はしていない。柏崎市内の私塾やフリースペースは行っても登校扱いにならない。
●不登校に対する社会の認識が変わり、「不登校はひとつの選択肢」「多様な選択肢の中で不登校を選ぶ自由がある」とされている。
●不登校児童・生徒への学習保障は、自己差別を減ずることが大きな目的だと考える。
●家庭に踏み込んだ支援には家庭児童相談員、福祉課との連携が必要だが、ケース会議等をやらない限り、先生方との情報共有が難しい。いかにして学校とのパイプを太くするか、課題である。
●学校においても担任、教頭、校長それぞれの考え方や意識に差があるケースが多い。子どもにとっての利益が何か、学校側と本人・保護者側の意見相違も・・。(ふれあいルームは本人・保護者の視点に立った支援をする)
●潜在的な力がある子は、ふれあいルームを卒業し、学校に戻る。その一方でふれあいルームに見学に来たあと来ない子もいる。
●社会参加・社会復帰のためには、発達に応じた誘導や刺激が必要であり、社会参加に向かう気持ちは、自然発生的には育たない。ふれあいルームは、大人が子ども達に対して適切なアプローチをする場であると考える。
帰りにふれあいルーム利用児童が行った「絵しりとり」のホワイトボードなどを見せていただきました。子ども達の創意工夫しながら楽しく取り組む様子が伝わってきました。
ふれあいルームは、「学校に行きたいけれど行けない」気持ちを持つお子さんや親御さんをサポートし、子ども達の自己肯定感を高めて、社会生活を営めるよう後押しする事業であることが理解できました。
尚、あまり市民の皆さんに知られていないことが課題、とのことですので、こちらにもチラシを掲載させていただきます。
必要とするお子さん達に、この事業がつながるよう願います。
お忙しい中ご対応いただいた担当課長およびスタッフの皆さん、ありがとうございました。
ふれあいルーム案内(小中学生用)PDF
ふれあいルーム案内(高校生用)PDF
お問い合わせ先
柏崎市子ども未来部 子どもの発達支援課 相談支援係 電話0257-32-2397
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