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2022年2月

2022年2月24日 (木)

令和4(2022)年度 施政方針演説

2月24日、柏崎市議会本会議でした。雪が思ったより積もらず、助かりました・・

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本会議では前半の補正予算等が可決され、後半は令和4年度の予算編成についての説明がありました。

一般会計 481億円
(前年度475億円=6億円増、+1.3%)

特別会計 193億9919万8千円
(前年度192億9965万円=9954万8千円 +0.5%)

これから3月下旬まで新年度予算を審査することになります。

尚、櫻井市長の施政方針演説は以下になります。30ページに渡る長文ですがご参考までに全文掲載します。

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令和4(2022)年度施政方針  

柏崎市長 櫻井雅浩

はじめに

 令和4(2022)年度当初予算を御審議いただくに当たり、柏崎市民の皆様、市民の代表たる柏崎市議会の皆様に施政方針を申し述べます。
 新型コロナウイルス。2年前、パンデミックという言葉がどこか他人事のように思われておりました。その後の猛威、蔓延。正に世界がパンデミックの渦中にあり、柏崎もその例外ではありません。この間、市民の皆様からいただいた御理解と御協力、医療関係者の懸命なお力添えに心より感謝申し上げます。

 今年、令和4(2022)年は田中角栄首相と周恩来首相による日中国交正常化から50年、小泉純一郎首相と金正日国防委員長との日朝平壌宣言から20年の節目の年であります。それぞれ国家間の問題ではありますが、周首相の郷里淮安市との友好を保ち、また拉致問題の完全解決を求めている柏崎市といたしましても大きな関心を寄せるところであります。

 我が国の経済、国民生活の基盤となるエネルギー問題に関しましても、昨年10月に決定された国の第6次エネルギー基本計画の実質的な初年度となります。原子力発電所再稼働の問題も再度話題となります。

 国際問題、また国家的課題にも関与を余儀なくされる柏崎市でありますが、今、目の前の二つの領域において、強い危機感を抱いております。
 一つは、人口減少であります。平成7(1995)年において合併前の西山町、高柳町の人口を加えた人口は、10万1,427人を数えました。本年、令和4(2022)年1月末における人口は、住民基本台帳に基づきますと80,174人、この3月末には7万人台になると推定されます。出生数は平成12(2000)年に832人であったものが、令和3(2021)年は377人でありました。

 もう一つは、非常に急激な産業構造の変換であります。柏崎の基幹産業は製造業であります。そして、その中心にあったのは自動車内燃機関の部品製造でありました。しかし、ヨーロッパから始まったEV電気自動車へのシフトは、中国、北米へと伝播し、日本もその例外ではありません。
 令和3(2021)年1月、当時の菅義偉首相が施政方針演説で「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と述べました。
 生産台数において世界最大の日本のトップメーカーは昨年12月、数か月前まで掲げていたEV、FCV生産台数目標値200万台を、約1,8倍にし、2030年、EVだけで350万台といたしました。もちろん、発表の前月、11月に開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)や地球温暖化防止対応、キーワード「グリーン」対応であります。水素エンジンという可能性を含めても従来型の取組ではあっという間に取り残されてしまいます。

 人口減少、産業構造の変換、いずれにしても「今までどおり」が通じる時代ではなくなったのです。
 このような時代背景、危機感の下に、まず、本市においては、新型コロナウイルス感染症への対応を最優先としながらも、今年度を初年度とする第五次総合計画後期基本計画を着実に推進するための予算編成としました。

 後期基本計画におけるポイントは、一つ目が、計画の期間を5年間から4年間に変更したこと。二つ目は、重点戦略を2点に絞ったこと。三つ目は、地区別に約30年後までの将来人口予測をお示ししたこと。以上の3点であります。

 後期基本計画での4年間、重点戦略を「子どもを取り巻く環境の充実」、「大変革期を乗り越える産業イノベーションの推進」の二つに絞り、人口が減っても、市民の皆様がより一層の安心や幸せを感じていただけるようなまちを目指してまいります。

 

防災・生活・環境~『頼もしさ』をつなぐまちをめざして~

 昨年1月の柏崎刈羽原子力発電所におけるIDカード不正使用に始まった東京電力ホールディングス株式会社の相次ぐ不祥事の判明により、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働については、先が見通せない状況となりました。自らが掘ったこの深く、大きな穴が墓穴とならぬよう、東京電力の決然たる行動を求めるものです。

 県が行ういわゆる「三つの検証」も誠に遺憾ながらその意義が問われております。繰り返し申し上げてきたことですが、本来的な目的を今一度確認し、合理的な「結論」を迅速に出していただきたいと求めるものであります。「三つの検証」は政争の具ではありません。

 たとえ原子力発電所が停止していても、使用済核燃料の冷却、保管を含め、原発の潜在的危険性は存続しております。万一の際における避難計画のブラッシュアップは不断に行っていかなければなりません。

今年度予算においても、3か年事業の最終年度となる原子力災害時避難円滑化モデル実証事業費などを計上いたしました。国、県が主導する避難訓練も設定する条件を変えながら繰り返し行ってまいります。避難に資するインフラ整備なども文字どおり、原子力防災においてより多くの市民の安全、安心を確保するために、何がまず優先されるべきかという観点から、より実効性の高いものとなるよう、国、県に求めてまいります。

 重要な防災情報通信システムへの更新に3か年にわたり取り組んでまいりました。来る3月11日をもって旧防災行政無線の電波を停止いたします。今後ともコミュニティFM放送を利用した新しい放送が確実に全戸に届くよう、機器の保守・点検をしっかりと行ってまいります。
総じて申し上げるならば、原子力施策において、東京電力も、国も県も、もちろん市も、国民も県民も市民も、原発推進派も容認派も反対派も「今までどおり」とは決別しなければなりません。

 次に、治水対策であります。鵜川治水ダムの早期完成や河川改修事業の一層の促進について、事業主体である県に強く要望してまいります。気候変動による水害の激甚化、頻発化に備え、関係する地域団体と連携し、流域全体で治水に取り組んでまいります。
また、城東・宮場町地内の排水ポンプ施設整備や大日川の河川改修工事を継続して進めるとともに、森林経営管理事業や造林事業を計画的に実施して、森林が持つ保水能力を高めてまいります。

 あわせて、市街地低地部の内水対策として、常盤台地内の鵜川左岸第5雨水調整池本体工事の完成を目指すとともに、柳橋町地内の鵜川右岸第2雨水調整池の実施設計及び用地取得に向けた測量業務に着手します。また、浸水被害が発生している茨目三丁目地内の葦藪(よしやぶ)川10号雨水幹線(両田尻川)について水路拡幅工事を継続するとともに、長峰町地内の横山川4号雨水幹線において、老朽化した県道横断管渠(かんきょ)の改修を進めてまいります。

 ライフライン機能の保全のため、水道事業では、設置から45年が経過した赤坂山浄水場5拡浄水施設の改良に着手するとともに、国道8号柏崎バイパス事業に関連して、田塚三丁目、茨目三丁目地内の6拡系配水管の移設と耐震化を行うなど、主要な水道管の耐震化を着実に進めてまいります。

 下水道事業では、老朽化した自然環境浄化センター汚泥脱水設備や石地アメニティライフセンターの改築更新、門出地区集落排水処理場の機能強化に向けた実施設計を行ってまいります。

 冬期間の除雪については、除雪機械の計画的な更新や除雪オペレーターの育成支援に引き続き取り組みます。DX時代に対応し、除雪車にGPSを設置して除雪作業の一層の効率化に努めます。また、雪下ろし時の転落事故を防止する命綱固定アンカーの設置や屋根雪の処理が要らない家づくりを支援し、冬期間の屋根雪処理の安全確保を図ってまいります。

 都市公園については、都市公園施設長寿命化計画に基づき、老朽化した施設の改築更新を計画的に進めるとともに、赤坂山公園の再整備工事を継続し、公園の魅力向上に取り組んでまいります。

 空き家対策については、専門団体に協力いただき、無料相談会を継続実施し、管理不全の空き家の発生予防と適正な管理について意識啓発に努めてまいります。また、空き家バンク制度の活用や、移住関連事業との情報連携により、空き家の利活用、移住・定住の促進に取り組んでまいります。

 住宅のリフォーム事業については、予算を増額して、定住促進と子育て世帯の支援を引き続き実施してまいります。
また、公営住宅については、公営住宅等長寿命化計画に基づき、施設の長寿命化を図り、良質な住環境の維持に取り組んでまいります。
国土調査法により土地の実態を正確に把握する地籍調査を、柏崎市地籍調査事業全体計画に基づき、西山町浜忠地区を対象として実施してまいります。今年度は、第1計画区では境界立会と現地測量を、第2計画区では境界立会いのための調査図を作成するとともに、土地所有者への説明会を実施してまいります。

 道路や橋りょうを始めとする社会基盤は、市民の日常生活、経済活動を支えるとともに、災害時の住民避難や復旧復興に必要不可欠であります。
 国道8号柏崎バイパスについては、国道353号城東地内から鯨波間において、今年中に開通する見込みであります。残りの国道252号から東側の区間についても、原子力防災に資する観点からも早期の全線開通に向け、引き続き国に強く訴えてまいります。あわせて、国道8号柏崎バイパスへの重要なアクセス道路であります都市計画道路「宝田北斗町線」の用地取得を進め、事業の進捗を図ってまいります。
 また、国道252号田島地内の山根橋のクランク解消、国道352号荒浜バイパスの事業促進、国道353号、国道291号の山間部における冬期間の交通確保など、市内における幹線道路ネットワークの整備促進についても国、県に要望してまいります。

 昨年度開港50周年を迎えた柏崎港については、洋上風力発電を始め再生可能エネルギー事業に関連した新たな利活用の可能性など、港湾管理者である県、国、港湾利用事業者と連携し、検討を進めてまいります。

 消防の分野では、住宅防火対策と事業所等の火災予防及び事故防止対策を推進します。また、高機能消防指令センターの機器更新を行うとともに、聴覚・言語機能に障がいのある方が通報を行えるようNet119緊急通報システムを導入いたします。

 消防団活動については、年額報酬等の処遇改善、小型動力ポンプ付積載車の更新など、消防団員の士気向上及び地域防災力の充実強化を図ってまいります。

 防災意識の啓発が重要であります。中越沖地震メモリアル施設を防災教育の拠点として、小・中学校等への防災教育の充実を図り、生きる力、考える力を育んでまいります。

 また、防災出前講座や地区防災計画作成を通じて自主防災組織の活動を支援します。防災士養成講座を実施し、地域防災リーダーを計画的に育成してまいります。

 犯罪の未然防止のため、地域や防犯関係団体と連携しながら市民の防犯意識の高揚と安心できる地域環境の整備を進め、地域防犯力の向上に努めてまいります。具体的には、防犯メール等による犯罪情報の発信、地域防犯リーダーを育成するとともに、犯罪が起こりやすい箇所を地域自ら点検する地域安全マップづくり活動を行うなど、地域防犯活動を推進します。また、犯罪被害者等が受けた被害からの早期回復及び軽減を図るための見舞金を新たに計上いたしました。

 特殊詐欺や悪質商法の被害から消費者を守るため、消費生活啓発講座、消費生活講演会等を実施し、被害防止の啓発に努めるとともに、消費生活センターの相談窓口を充実させます。このほかにも、被害防止に向けた関係機関との更なるネットワークを構築するため、柏崎市消費者安全確保地域協議会の機能強化を進めてまいります。

 地球温暖化を原因とする気候変動の影響は喫緊の課題であり、温室効果ガスの排出抑制に向けた施策を積極的に推進します。
 具体的には、環境との調和を図りつつ再生可能エネルギーの積極導入を図る促進区域や規制区域の検討、森林が持つ二酸化炭素吸収量を評価する手法の確立など、事業者の参入や市民の行動変容を促進できる環境を整えてまいります。

 あわせて、先進的に取り組んできた創エネ・省エネ設備補助金やEV補助金を更に拡充し、市民や事業者の脱炭素化を支援するとともに、地域エネルギー会社による電力そのものの脱炭素化を進めることで、国や他の地域に先んじたカーボンニュートラルの達成を目指してまいります。

 市民が排出する資源物及びごみの分別数は、24品目と県内で最も進んでおり、引き続き、ごみの減量化や再資源化を推進してまいります。また、海岸清掃の作業日数を拡充し、海岸漂着ごみの円滑な処理に努めてまいります。

 廃棄物処理施設では、適正な機能を維持し、安定した処理を継続するとともに、新たなごみ処理場の建設に向け、建設及び運営に係る事業者選定アドバイザリー業務を委託し、高効率なエネルギー回収を可能とする施設整備を進めてまいります。

 蕨(わらび)野の地内の市有地に放置されている多量の残置物について、昨年度に実施した処理調査業務委託の報告内容を踏まえ、具体的な手法を研究いたします。

 公共交通に関して申し上げます。
 路線バスについては、人口減少の進行、新型コロナウイルス感染症の影響も加わって利用者は激減しております。また、運転士などの人材確保も大きな課題となっています。本市の路線バスの運行維持は、極めて困難な状況にありますが、引き続き、運行事業者と連携して生活交通の維持に努めてまいります。

 郊外地域における地域内交通につきましては、昨年8月、高柳町において運行方法を予約型のドアツードア方式に切り替えました。西山町の地域内交通につきましても、同様に利便性を高め、地域住民の皆様に優しい運行体制の構築を進めてまいります。

 今年度からスタートする新たな地域公共交通計画に基づき、持続可能な交通ネットワークの構築を目指して、中心市街地の公共交通再編に向けた取組を開始します。高齢者や高校生など、真に公共交通を必要とされる方々の視点に立って、現行の運行形態にとらわれず、利用実態に応じた施策を講じてまいります。また、地域内交通の運行維持のための地域協力制度を創設し、地域における公共交通の関わりを強化してまいります。

 鉄道政策では、コロナ禍による減益という理由で運行数が減らされ、利便性が低下しております。ポストコロナを見据えた回復を関係各所に要請してまいります。信越本線と上越新幹線を利用しての柏崎・東京間の利便性と速達性の向上を最重要課題と捉え、東日本旅客鉄道株式会社に繰り返し求めてまいります。同時に、県、県内他自治体などと連携して上越新幹線と北陸新幹線を結ぶ信越本線など鉄道ネットワークを維持し、利便性向上と高速化に地域一丸となって取り組んでまいります。

 

産業・雇用~『豊かさ』をつなぐまちをめざして~

 今年度スタートする第五次総合計画後期基本計画の重点戦略の一つに、「大 変革期を乗り越える産業イノベーションの推進」を掲げました。これは、環境 エネルギー産業を始めとする新たな産業の育成や誘致、事業構造改革やデジタ ル改革による取組の推進、新たな雇用や働き方の創出の3つを柱に持続可能な 産業構造の構築を目指すものであります。時代の潮流を見逃すことなく、スピ ード感を持って産業界をしっかりと後押ししてまいります。

 まず、エネルギー関連産業について申し上げます。
 平成30(2018)年3月に策定した柏崎市地域エネルギービジョンに掲げる低炭素エネルギーによる環境・経済両面で持続可能な社会づくりを目指すため、今年度は、いよいよ地域エネルギー会社の事業を開始いたします。主たる事業に再生可能エネルギーを扱う電力小売事業を据え、市内事業者の競争力 強化に向けたカーボンニュートラルの実現を支えていけるよう、今年度後半に 予定する公共施設への電力供給を皮切りに、市内事業者への再生可能エネルギーの供給を進めてまいります。

 あわせて、太陽光発電の導入拡大に向け、鯨波の旧かしわ荘跡地と北条北小 学校跡地において、国の補助金を得て太陽光発電の設置を進めてまいります。 2か所で1.5メガワット以上を発電させ、地域エネルギー会社にその電力の 扱いを託すことで、未利用状態であった土地に「再エネ電力の地産地消」という新たな役割を担ってもらうこととします。 さらに、未利用市有地や公共施設屋上、営農型などの太陽光発電、また、陸 上風力発電の見極めについては新潟工科大学等とも連携するなど、再エネ導入 可能性調査を進め、地域エネルギー会社の調達電源確保を目指してまいります。

 また、国主導の送電網増強計画と言える系統マスタープランの策定が今年度 に見込まれており、日本海側の海底直流送電線の敷設と、柏崎における揚陸や 10 首都圏向け送電線との接続などの具体化に大きな期待を寄せております。この 海底直流送電に係るプロジェクトは、脱炭素エネルギー、環境産業の供給拠点 化を目指す本市にとって非常に大きな可能性を有したものであります。揚陸か ら送電線接続に至るまでの一連事業を想定し、市としてできる限りの協力をしてまいります。

 あわせて、海底直流送電線の揚陸が本市の脱炭素化に貢献できる仕組みや、 地域事業者の参入を促す事業内容の検討、加えて、現実的な脱炭素電源である 原子力発電の当面の間の活用検討を進めることで、本市のカーボンニュートラ ルの実現と環境・エネルギー産業の発展を目指してまいります。

 本市の基幹産業であるものづくり産業について申し上げます。
 製造業界においても脱炭素社会やカーボンニュートラルへの動きが加速化しております。特に、自動車産業におけるEU諸国、アメリカ、中国などのE Vシフトは顕著であり、急激であります。こうした流れが、本市のものづくり 産業に大きな影響を与えることは必至であります。また、人口減少・少子高齢 化に伴う産業界の人材不足が顕在化しており、これを補完するための一つの手 段として、デジタル化の推進が求められています。

 こうしたことから、これからのものづくり産業におけるキーワードは、一つ は「グリーン、EVシフト」であり、もう一つは「デジタル、産業のDX」で あると言えます。 この大きな潮流に対し、コスト負担増やルールチェンジによるリスクの側面 を意識しつつも、EVシフトやデジタル化への挑戦を成長の機会と捉えて、企 業体質の改善や新規事業への進出などに取り組む製造事業者を強力にサポートしてまいります。

 具体的には、新たな補助金「自動車・環境エネルギー産業等新分野展開支援 補助金」及び新たな基金「製造業戦略的イノベーション推進基金」を創設いたします。国が定める認定経営革新等支援機関や専門家との連携による経営改善 計画の策定を条件として、事業構造改革の実現に向けた設備投資に対して複数 年にわたって支援をしてまいります。事業者の投資スケジュールに柔軟に対応 できるよう、数次にわたる公募機会を設けます。

 また、昨年度に引き続き、ものづくり産業等事業構造強化促進補助金を国の 補助金に上乗せし、グリーン、デジタル分野における新たな成長に向けた投資 を促進してまいります。 加えて製造事業者のデジタル改革については、地方版IoT推進ラボの取組 として、新潟工科大学と柏崎iT・ソフトウェア産業協会の連携の下、相談窓 口の設置や、実証実験などの初期段階を支援してまいります。
そのほか、柏崎市企業振興条例に基づく奨励金の交付や固定資産税の減免により、工場の新増設や機械装置の取得、更新を支援し、生産性の向上に結び付 けます。
 また、知的財産権や国際規格認証の取得、新技術・新製品の研究開発 や販路拡大に向けた見本市への出展等を支援し、企業ブランドの向上や稼ぐ力 の拡大を図ってまいります。

 情報産業については、引き続き情報政策官の助言を受けながら、経営相談や IT商品の開発などを支援するとともに、市内のITベンダーから「産業のD X化」に積極的に関わっていただくことで、情報産業の底上げを図ってまいります。

 廃炉産業に関する調査研究については、昨年度、国、県、新潟工科大学、長 岡技術科学大学、東京電力ホールディングス株式会社、柏崎商工会議所及び市 で構成する勉強会に、市内の5事業者からオブザーバーとして参画を得ました。
 引き続き、廃炉先進地の視察などを通じて現状や課題を把握し、産業創出の可 能性を探っていくとともに、新たな事業者の参画を促進してまいります。

 地域産業の活性化と雇用の場の創出に大きく貢献する企業誘致活動については、その受け皿となる新たな産業団地に関する適地調査を実施してまいります。

 次に新たな雇用や働き方の創出についてであります。
 将来の市内産業を担う優秀な人材を確保するため、高校生や大学生などを対 象とした企業説明会を引き続き実施いたします。インターンシップ事業や企業 見学会を通じて、学生の職業観の醸成と市内企業に対する理解促進を図るとともに、採用活動に対する補助金交付を通じ、若者の地元定着の促進と労働力確 保を図ってまいります。

 一方で、人材確保には、企業の魅力向上が必要になります。男女問わず職業生活と家庭生活との両立、働きやすい職場環境の充実など、国・県の支援制度 や市独自の支援メニューの活用を促しながら、ワーク・ライフ・バランスの啓 発と併せて企業のイメージアップにつながる取組を支援してまいります。

 障がいのある方の雇用率向上は、多様な人材を活用する企業であることのあかしにつながります。国の制度利用に併せ、奨励金給付や障がい者活躍推進ア ドバイザーによる助言などによって、障がい者雇用のきっかけづくりとなる機 会を創出してまいります。

 起業や創業をきっかけに、U・Iターンに結び付くような新たな取組をスタートさせます。具体的には、転入前に創業準備ができるよう柏崎・社長のたまご塾において通信制の講義を導入してまいります。あわせて、これまで以上に 伴走型支援体制の拡充を図り、「創業しやすいまち柏崎」として、特に若者の創 業への意欲を引き出してまいります。

 経営資源の保全については、事業再構築の重要性を普及・啓発するとともに、 企業内起業や第二創業などによって事業承継を行う市内中小企業者等に対し、 必要な経費の一部を補助してまいります。

 ものづくり産業の精密、かつ、高度な技術を継承するため、新潟工科大学、柏崎技術開発振興協会、柏崎地域機械技能士会との連携の下、ものづくりマイ スターカレッジを実施し、技能士の養成を推進してまいります。また、業務に 必要となる国家資格等の受験料や研修受講料を助成し、優れた若手技術者の育 成を後押ししてまいります。

 さらに、デジタル人材育成の取組として、新たに、市内企業の従事者及び市内小・中学校教員を対象に、デジタル知識や技術の習得を目的とする講座を開催し、デジタル化の進展に対応する人材を育成してまいります。

 商業については、インターネット通販への移行、キャッシュレス化への対応、 新たなブランド開発による販路拡大など、この転換期に力を発揮できる人材を 輩出していくことが必要であり、柏崎あきんど協議会が実施する各種事業を通 じて、意欲ある商業者、特に若者が活躍できる環境を整えてまいります。

 市内中小企業の資金調達については、引き続き金融機関と協調しながら市の 制度融資を含め、借入時に係る信用保証料や利子補給などにより、資金需要を 支援してまいります。 観光について申し上げます。

 観光産業は、感染拡大を繰り返す新型コロナウイルス感染症の影響によって、 依然として回復基調に至っていない状況にあります。
 このような状況の中、一昨年策定した柏崎市観光ビジョンにおいて、昨年度 と今年度の2年間を立て直し・再編の期間とし、リーディングプロジェクトを 中心に、「観光を柏崎の力に」することとしています。

 まず、道の駅風の丘米山の再整備であります。少し時間を要しましたが、再 整備に向け、ようやく環境が整いましたので、基本構想をベースに、日本海フ ィッシャーマンズケープエリアの一部を道の駅エリアとして拡張し、現在休止 中のエリアを含め、再整備に着手します。このような整備の考え方に沿って、 併設する民間の商業施設の運営会社と連携しながら、コレクションビレッジを 14 含め、エリア全体の活性化につながる魅力ある道の駅の再整備に取り組みます。

 誘客活動では、昨年から本格的に取り組んでいる三庭園(松雲山荘、史跡飯 塚邸・秋幸苑、貞観園)と食や文化を組み合わせたプレミアムツアーを柱に、 効果的な販売促進活動を展開してまいります。
 なかでも食に関しては、誘客につながる重要な観光素材と位置付けています。 昨年秋、一般社団法人柏崎観光協会が実施いたしました赤坂山紅葉ダイニング は、意欲ある市内料理人が腕を振るう機会として好評でありました。今年度は グリーンシーズンも柏崎の自然や景観等をいかせる場で展開し、「柏崎の食」 への注目度を高めてまいります。

 2年続けて中止となったえんま市、ぎおん柏崎まつり、なかでも海の大花火 大会は、感染症対策を講じた上で、3年分の想いを込めて開催したいと考えて います。

 まず、えんま市であります。今年は、従来の露店の展開に加え、新型コロナ ウイルス感染症で我慢を強いられてきた子どもたちから喜んでもらえるよう な機会として、ミニサーカスの誘致を目指してまいります。

 また、ぎおん柏崎まつり海の大花火大会は、昨年応募いただいたデザイン花 火の打上げや、尺玉100発一斉打上げを2回に増やすなど、市民の皆様や花火ファンを魅了する大会にしたいと考えています。

 柏崎の海は、大切な財産であり、観光資源であります。 かしわざきセントラルビーチや柏崎港観光交流センター夕海は、柏崎観光協会の手腕によって、魅力ある観光資源となりました。今年度は、海洋センター シーユース雷音を拠点とした新たな海洋レクリエーション事業に取り組み、海 の魅力や可能性を一層引き出してまいります。

 柏崎の魅力は、海だけではありません。 米山を始め、刈羽黒姫山、八石山など、柏崎の山々は、観光資源としてポテンシャルが高いと考えています。特に米山は、市民にとって心のよりどころで あり、ランドマークであります。この米山登山口の大型バス駐車場や休憩所機 能を備えたハイキングコースの整備について、専門的な知見を活用し、候補地 を絞り込みたいと考えています。

 高柳じょんのび村は、新社長による、新方針に基づく経営がスタートしてい ます。様々な営業活動やイベント企画によって、県内を始め、各方面からも注 目されていますが、厳しい経営状況には変わりありません。引き続き、抜本的 な経営改善の取組に対し、積極的な支援を行ってまいります。

 柏崎市ブランド米「米山プリンセス」は、4年目の取組となった昨年、認証 者8名、認証量13.6トンと過去最高となりました。米価下落が続く一方で、 全国のブランド米による高価格米市場が形成される中、少しずつではあります が各方面から高い評価をいただいております。生産者のモチベーションと所得 向上につながるだけではなく、良質で多様な米の産地である本市PRにも大きく貢献していることから、引き続き様々な手段を用いてプロモーションしてまいります。

 安定した農業収入を確保するためには、水稲だけでなく園芸作物に取り組む など生産の多様化が求められています。枝豆と玉ねぎを中心とした園芸作物の 生産拡大を図るとともに、少量ながらも地域特有かつ付加価値の高い地場産野 菜づくりを推奨してまいります。

一方で、本市の農業を取り巻く環境は、就業者の高齢化、人材不足が顕著で あります。そのため、AIやIoTを活用したスマート農業の普及や導入に努め、若い人に魅力ある産業として農業を見つめ直していただくことにつなげます。さらに、就農を志すU・Iターン者への情報提供や支援についても継続して実施してまいります。
 また、天候不順や温暖化を原因とした生育不良、需要と供給に左右される市場価格、局所的な災害など、農業者の収益環境は決して安定しておりません。
 このため、あらゆるリスクに対応できる農業収入保険に係る支援制度を県内市町村に先駆けて創設いたします。

 先人達から引き継がれた水田は、言わば私たちの財産であります。次の世代に残していくためにも、中山間地域等直接支払制度及び多面的機能支払交付金事業に、地域の方々と共に取り組み、日本の原風景を守ります。

 地産地消については、第3次地産地消推進計画の策定に取り組みます。地域 農業の大切さを感じられるように消費者の意識の醸成を図ります。また、収穫 された生産物を加工し、付加価値を高めて販売する六次産業化による経営の複合化を推進してまいります。

 有害鳥獣による被害は、農業経営に支障を来すだけでなく、地域の安全をも 脅かす深刻な問題であります。新たに鳥獣被害対策実施隊を設立し、効果的な 被害防止対策を進めます。

 国が示したみどりの食料システム戦略に掲げる環境保全型農業を展開するとともに、環境負荷低減と安全な食糧生産を両立する産業としての農業を築き 上げてまいります。

 農業生産基盤の整備では、栃ヶ原ダムを始めとした農業用水施設を適切に管理し、鯖石川、鵜川及び別山川の各流域の水田において、安定した農業用水の 確保に努めてまいります。 また、農業用水を受益地まで安定して均等に配水する県営かんがい排水事業を継続して実施してまいります。

 ほ場整備事業は、高田南部、畔屋など全10 地区において引き続き事業を推進するとともに、安田、西山中部の2地区で事 業採択に向けた計画を策定するなど、持続可能な農業生産基盤の整備を進めてまいります。あわせて、別俣地区では、中山間地域農業農村総合整備事業の新規事業として、農業水利施設整備及びほ場整備の事業採択に向けた計画策定を実施してまいります。
上条地区では、農村振興総合整備事業により、引き続き集落道改良工事や排水路整備工事などを実施し、農村環境の改善と農業施設の整備を図ってまいります。
 老朽化した農業用たん水防除施設は、機能維持と長寿命化を図るため、吉井、 宮場、西山町長嶺地区において改修工事を実施してまいります。
また、新たに下方、新道排水機場及び新道、軽井川、堀排水路の現地調査と 改修に向けた基本設計を実施してまいります。

 林業においては、森林経営管理事業で昨年度実施した森林所有者の意向調査 を基に、森林経営管理権集積計画を作成いたします。
 林業従事者の新規雇用対策については、一定の効果が見られていることから、 引き続き担い手の確保・育成に向けた取組を支援してまいります。

 また、かしわざ“木”の力発信事業としては、森林親子ウォーキングを企画 いたします。親子で自然観察を行いながら、森林がもたらしてくれている様々な恩恵、森林保全の重要性を知ってもらい、子どもたちに林業やふるさとの森 林に興味を持っていただきたいと考えております。

 市内の漁業者が供給する安全でおいしい柏崎産の水産物は、海の柏崎の特産 品であるばかりでなく、観光にとりましても大切な資源でもあります。春の桜 鯛、夏のアラ、秋の鮭、冬の養殖ヒゲソリダイ等を四季折々に提供できるよう、 漁業者、流通業者、飲食業関係者で協力し、地産地消の推進と消費拡大を図ってまいります。

 ヒゲソリダイの種苗生産は、水産庁の補助事業が昨年度で終了したことを受 け、新たに公益財団法人海洋生物環境研究所の協力の下、新潟漁業協同組合柏 崎支所と共に「育てる漁業」の実現に向けた取組を進めてまいります。

 

健康・福祉~『健やかさ』をつなぐまちをめざして~

 新型コロナウイルス感染症は、市民生活、社会経済活動などあらゆる面に大 きな影響を与え続けています。 これまでも医療従事者の皆様からは、献身的に医療現場を支えていただきつつ、2回のワクチン接種及び3回目の追加接種に全面的に協力いただいております。

 5歳から11歳までの小児への接種については、「努力義務」は適用されておりませんが、希望される方々が安心して接種を受けられるよう、引き続き 医療従事者の皆様に協力いただきながら、全庁を挙げて連携し、取り組んでまいります。

 医療分野における人材不足は、これまでも大きな課題でありましたが、新型 コロナウイルス感染症により、医療の現場の負担は更に大きく厳しさを増しています。加えて、医師の働き方改革により令和6(2024)年4月には勤務 医にも時間外労働時間の上限規制が適用され、医療体制は一層厳しくなること が予想されます。引き続き柏崎の医療を守るためには、これまで以上に人材確 保への取組強化が重要であります。

 医師不足への対応として、新潟県厚生農業協同組合連合会柏崎総合医療センターの臨床研修医確保への支援を行ってまいります。研修期間中に国内外の大 学で学ぶことのできる留学支援により、柏崎総合医療センターでの臨床研修の 魅力を高め、一人でも多くの研修医確保につなげられるよう、病院との連携を 密にしながら取り組んでまいります。

 また、これまで続けてきた看護師就職支援に加え、将来の看護人材確保に向 けた取組として、地域の看護人材を輩出している独立行政法人国立病院機構新 潟病院附属看護学校に進学する学生への支援を新たに開始し、人材確保支援を 強化してまいります。

 同様に、介護・障がいといった福祉分野における人材不足も依然として厳しい状況が続いていることから、人材確保への支援を継続してまいります。

 本市の高齢化率は34%を超えており、誰もが住み慣れた地域で自分らしく 安心して暮らし続けていくためにも、介護予防、地域での支え合いの重要性が 更に高まっています。コツコツ貯筋体操センター、パワーリハビリの実施を継続するとともに、生活支援コーディネーターを増員し、くらしのサポートセン ター等の地域活動への支援を強化してまいります。

 さらに、認知症の高齢者や精神・知的に障がいがある方の増加、家族の在り 方の変化等により、成年後見制度の重要性は、一層高まっていくことが予想されます。権利擁護センターを設置し、権利擁護支援の体制強化や成年後見制度の利用促進等に取り組んでまいります。

 子育て支援施策では、後期基本計画の重点戦略の一つである「子どもを取り 巻く環境の充実」の実現のため、第二期子ども・子育て支援事業計画の基本理 念である「子どもはみんなの宝物~安心して子どもを産み育てられるまち・柏崎~」を目指して事業を展開してまいります。 子育て世代への医療面での支援として、子どもの医療費助成については、通 院助成の対象を高校卒業までに拡充いたします。

 また、妊娠を希望する女性やそのパートナー等で風しんの抗体価が低い又は 陰性と判定された方が安心して出産できるよう、風しん予防接種助成を市単独 事業として継続してまいります。

 あわせて、歯周病検診の無料クーポンの対象に、妊婦とそのパートナーを新たに加え、妊娠中から出産まで、そして、生まれてくる子どもも含めた歯や口 の健康づくりに取り組んでまいります。

 妊娠期から子育て期まで切れ目なくワンストップの相談支援を提供する子育て世代包括支援センターに、メンタルの相談に関する専門職として精神保健 福祉士を配置するとともに、オンライン相談を試行的に開始するなど、相談支援体制の強化を図ってまいります。

 産後うつの予防等を図るため、従来の産後1か月の産婦健康診査に、新たに 産後2週間目の産婦健康診査を加え、それぞれの費用を助成するとともに、産後の初期段階における母親支援を強化します。さらに、産後ケア事業を新設し、 産後うつの予防が必要な産婦に、病院に宿泊しての心身のケアや育児サポートを行い、産後も安心して子育てができる支援体制を構築してまいります。

 保育園では、就園前乳幼児の一時預かりサービスの利用希望が多いため、安定的な受入体制を構築し、引き続きサービスの向上を図ってまいります。
 また、民営化される比角保育園を始め、市内の私立保育園を運営する社会福 祉法人への施設運営委託料及び補助金交付により、健全な保育園運営を支援してまいります。
 今後の保育ニーズを予測し策定した、柏崎市保育園整備基本方針に基づき、 公立・私立保育園の整備・統合を進めてまいります。
 まずは、老朽化した田尻 保育園を隣接地に建設するための工事設計及び土地測量調査を実施し、令和6 (2024)年4月の開園と機能の充実を目指してまいります。

 放課後児童対策では、現在、橋場集会所を借用している東部児童クラブを槇 原小学校の敷地内へ移設する新築工事を実施するほか、荒浜小学校改築に伴い、荒浜児童クラブを学校校舎棟に移設するための設計業務委託料を計上し、放課 後児童クラブをより安全・安心に御利用いただくための施設整備を進めてまいります。

 子どもの発達支援では、職員の専門性をより強化し、家族支援のための取組や障がいのある子どもを保育する保育園・幼稚園への巡回相談を一層充実させてまいります。

 

教育・スポーツ~『たくましさ』をつなぐまちをめざして~

 学校教育では、児童・生徒の基礎学力の向上を図るとともに、新たなこと、 更なる高みに挑戦し、ふるさとを愛する思いやりのある子どもを育てます。

 児童・生徒に今求められている学力を確実に身に付けさせるために、今年度 から、小・中学校における学力向上プロジェクトを推進し、全国及び県平均を上回る学力レベルを目指します。これに向けて、学力向上に特化した指導主事 1名を増員するとともに、学力向上推進員を新たに配置します。

 さらに、指導補助員も増員して、個に応じた教育を充実させ、学力向上を重点とした授業改善に取り組みます。また、特別な支援が必要な児童・生徒の増加に対してきめ 細かな対応を実現するために、特別支援学級介助員も更に増員します。

 教育センターにおける研修事業に、学習用タブレットを含むICT機器を活用した授業づくりのための講座を増設し、教職員の指導力向上に向けた研修機会の充実を図ります。

 教職員の働き方改革を進めるために、各学校における業務の精選・見直しを更に進め、全ての小・中学校において19時30分完全退勤を徹底し、教職員 の心身の健康の保持増進を図ります。

 中学校における休日の学校部活動の地域部活動への移行の第一歩として、軟式野球とソフトテニスで試行実施いたします。指導に携わる人材の育成及び確 保を含めた環境の整備に向け、一般財団法人柏崎市スポーツ協会と連携してまいります。

 出生数の減少、それに伴い児童生徒数は、ここ10年で3割近くも減少して おり、この傾向は今後も続く見通しです。子どもたちにとって望ましい学習環 境を提供することを第一に考え、適正な学校規模や学区を検討し、教育委員会 として考える小・中学校学区再編方針について、広報かしわざき2月号でお知らせしたところです。この統合内容及びスケジュールについては、学区等審議会を設置して審議していただきます。

 大学等への進学を希望する方への支援のため、奨学金制度を引き続き実施します。昨年度から学ぶ意欲のある学生にとって、学びたいときに利用しやすい 制度となるよう、他の奨学金との併給や大学等に在学中の方からの申請も可能 としています。

 児童生徒の泳力向上とプール維持管理費の節減を目的として、昨年度から開始した校外施設を活用した水泳授業運営支援業務委託は、中学校の対象校を拡充して実施します。

 国のGIGAスクール構想により児童生徒に配付したタブレット端末を活用し、個別最適化された学びを実現するため、ICT支援員を引き続き配置し、 教職員へのITリテラシー向上支援や端末機器等の適正な維持管理を行い、 小・中学校のICT環境の充実を図ってまいります。

 今年度の学校施設整備に関してでありますが、小学校では、荒浜小学校の改築に向け、実施設計と現地測量を行います。槇原小学校では、2か年継続事業 最終年の大規模改修工事を行います。また、内郷小学校では体育館天井耐震対 策工事を、柏崎小学校と鯖石小学校では屋上防水と外壁改修工事を、半田小学 校ではグラウンド改修工事を、それぞれ行います。

 中学校では、東中学校改築事業として、2か年継続事業最終年の改築工事を 行うとともに、地中熱利用設備設置工事、太陽光発電設備設置工事を実施し、来年2月の 竣 工を目指します。あわせて、備品購入やグラウンド改修のための設計を行います。また、鏡が沖中学校には、生徒用の駐輪場を整備します。

 要望の多い学校トイレの洋式化について、多目的トイレが未設置の小・中学校への設置と併せて、順次改修を進めてまいります。

 学校給食関係では、学校給食の公会計化により、今年度から市が、小・中学 校における学校給食費の徴収業務を行います。あわせて、給食用食材の購入などに必要な経費を計上いたしました。また、老朽化した中央地区第2学校給食 共同調理場を北部地区学校給食共同調理場に統合するための大規模改修工事 に向けた実施設計を行います。

 生涯学習関係では、今年度は、新たに策定した第四次生涯学習推進計画がス タートする年であり、市民の生涯学習の総合指針としての本計画を着実に進めてまいります。

 図書館では、安全で快適な施設環境を提供するため、老朽化した受変電設備 の改修を行います。また、市民生活と文化・学習活動の充実を支援するため、利用者のニーズに対応した書籍やデジタルメディアを整備し、読書活動の普及を促進してまいります。

 スポーツ関係では、東京2020オリンピックを契機に交流を深めているセ ルビア共和国及びモンテネグロ水球代表チームの第19回FINA世界水泳 選手権2022福岡大会水球競技の事前キャンプ受入れの準備を進めるとと もに、アジア圏との交流拡大に取り組んでまいります。なお、この福岡大会は、 新型コロナウイルスの影響で先般 1 年の延期が決定されました。それにかかる 予算につきましては、後程説明申し上げます。

 コロナ禍でスポーツ、運動をする場や時間が以前より少なくなっていること から、保護者と子どもの両者に対するスポーツ、運動の動機付けとして、年少 児スポーツ体験・能力測定事業に取り組んでまいります。

 施設の改修では、老朽化が顕著な佐藤池野球場スタンド屋根改修工事を実施するほか、計画的に進めているトイレ洋式化については、武道館2階トイレの 一部を改修し、利便性の向上を図ってまいります。

 

魅力・文化~『柏崎らしさ』をつなぐまちをめざして~

 中心市街地の活性化については、昨年度策定した立地適正化計画に基づき、コンパクトで持続可能なまちを目指し、各種施策に取り組んでまいります。なお、立地適正化計画の主要施策の一つであります旧市役所庁舎跡地の利活用については、事業手法を決定し、まちなかの新たな活動と交流を生む中心拠点と なるよう事業を進めてまいります。

 ふるさと納税は、市内返礼品提供事業者の皆様の御協力をいただきながら令 和2(2020)年度まで順調に推移してまいりましたが、本年3月末までの 目標寄附額の達成が厳しい状況にあります。ふるさと納税サイトの拡充なども 視野に入れながら、引き続き、ふるさと納税制度を活用して貴重な財源の確保 に取り組みます。また、今年度からふるさと応縁基金を財源とした事業を明示し、御寄附いただいた方のお気持ちに応えます。

 U・Iターン事業については、第二次柏崎市移住・定住推進行動計画を策定 し、「一人でも多くの方が柏崎に定住することで人口減少の流れを緩やかにする」ことを本市の目指す姿としております。補助制度を一部見直し、支援制度 の強化を図りながら、様々な仕事を通じて人を呼び込み、充実した暮らしをア ピールし、本市への移住・定住の促進に努めてまいります。

 文化・生涯学習関係では、柏崎市美術展覧会第63回以降の全入賞作品について、今後、Web上のアーカイブで御覧いただけるようにいたします。文化 会館アルフォーレでは、劇場広場を利用した音楽イベント野外おんがく堂を引き続き開催するほか、舞台機構設備の更新を行い、新たなにぎわい創出と、市民の皆様の音楽・文化活動を支援いたします。産業文化会館では、照明設備の LED化工事を実施いたします。

 博物館では、企画展やプラネタリウム投影を通じて、本市固有の歴史・文化 資産を活用した学習機会を提供します。
また、国指定重要無形民俗文化財綾子 舞のユネスコ無形文化遺産登録は、本年11月頃に審議される見込みです。登 録に向け、引き続き関係機関と連携していくとともに、その機運をいかし、一 層の保存伝承と後継者育成に努めてまいります。

 

自治経営~多様な主体と共創し共育するまちをめざして~

 次期人権教育・啓発推進計画については、昨年度実施した市民意識調査の結果を基に策定を進め、人権尊重が当たり前のこととして受け入れられる地域社会の実現を目指してまいります。

 日朝平壌宣言から20年目を迎える今年、福井県小浜市、佐渡市及び本市で 組織する拉致被害者関係市連絡会の活動を通じて、国、アメリカ合衆国などと も連携しながら拉致問題の全面解決に向け、主体的に取り組んでまいります。

 令和元(2019)年度から協議を進めてきた、西山地区の4コミュニティ 組織の統合については、本年4月1日から地域の拠点となる西山コミュニティ センターを西山町いきいき館内に設置し、新たな西山コミュニティ協議会がス タートします。

 また、施設の計画的な改修については、剣野コミュニティセンターの大規模 改修のほか、半田コミュニティセンターに太陽光発電設備を設置し、環境に配慮した施設運営を進めてまいります。

 地域おこし協力隊については、3名の隊員が3年間の任期を終えます。地域 おこし協力隊定住定着支援事業により、任期後の本市への定住を促進してまいります。なお、今年度は、新たに二つの地区で地域おこし協力隊の受入れに取り組み、外部人材を活用した地域力の維持・向上を図ってまいります。

 市ホームページを始め、広報かしわざきや昨年9月に開設したLINEなど、 あらゆる手段・媒体を活用してまいります。多くの行政情報を分かりやすく積 極的に発信し、市民生活の安心・安全の向上を図るとともに、市外への本市に 対する認知度向上、興味や関心の喚起の促進に努めてまいります。

 国を挙げて進めるDXの取組は、全ての国民がデジタルによる利便性を享受し、多様な幸せを実現する社会を目指しています。本市においても、国の取組 と連動しながら、市民サービスの向上を最も大切な目標と定め、行政事務の効 率化にもつながるようスピード感を持って進めてまいります。

 市への申請などの手続について、件数の多いものを中心にオンライン申請を 拡充するとともに、手数料等のオンライン決済の実現に向けた具体的な検討を 行ってまいります。また、国が推進する地方税共通納税システムの対象税目拡 大により、令和5(2023)年度から、固定資産税、都市計画税及び軽自動 車税の電子納付を可能とするため、税務システムの改修を進めてまいります。

 マイナンバーカードについては、国は今年度末までに、ほぼ全国民に行き渡 ることを目指しており、マイナンバーカードの普及を更に促進するため、本年 1月からマイナポイント事業第2弾を開始しています。この機を逃さず、自治 体のデジタル化やDX推進の基盤となるマイナンバーカードの更なる普及促進のため、企業及びコミュニティセンター、町内会等の団体へも出向き、引き 続き申請サポートを実施してまいります。

 マイナンバーカードを利用したコンビニエンスストアでの証明書交付は、住 民票の写しや印鑑登録証明書に加え、新たに所得課税証明書など、税関係証明 書の取得ができるようサービスを拡充します。国の動向を踏まえながら、マイ ナンバーカードを利用した新たなサービスの研究や検討を行ってまいります。

 行政事務では、令和5(2023)年10月の稼働を目標に、文書管理・電子決裁システムの構築に着手します。また、若手・中堅職員を対象に、政策立案やデータ活用の研修を継続して行うなど、DX推進のための人材育成に取り 組んでまいります。

 適正な事務処理等の確保並びに組織及び運営の合理化を目的に検討を進めてきた内部統制制度の導入については、契約・出納に関する事務を対象に、本 年10月1日から試行的に実施してまいります。業務の遂行に当たって法的な判断を仰ぐため、業務委託している顧問弁護士を1名から2名に増員し、複雑、 かつ、多様化する行政課題に的確に対応してまいります。

 現在、研究を続けているパブリックサービスについては、行政機能を補完す る第三セクターの在り方に焦点を当て、本市の政策コンサルティング委託事業者の知見を得ながら、具体的な検討を進めてまいります。

 公共施設等のマネジメントにおいては、柏崎市公共施設等総合管理計画に基づき、西山地区において施設の複合化を進めてまいります。また、本市全域に おける公共施設の更新、統廃合、長寿命化及び未利用資産の有効、かつ、効率 的な活用を具体的に進めてまいります。将来にわたり公共施設の適正な管理を 行うことを目的とした公共施設適正管理基金を創設し、計画的に必要な資金を 積み立ててまいります。

 柏崎市土地開発公社からの旧鯨波公園用地の買戻しは、 今年度をもって完了し、その後の利活用を進めるための用地測量と地質調査を 実施します。柏崎市土地開発公社は、令和5(2023)年度末の解散に向け、 手続等を進めてまいります。

 情報開示の視点を持った予算書の見える化すなわち「デジタル予算書」につ いては、今年度で稼働から2年目を迎え、比較可能な過去の予算、決算情報が 蓄積されております。これからも、予算書に加えて必要な財務情報を掲載し、 広く行財政情報を分かりやすく積極的に公開することにより、市民の皆様から 行政への関心を高め、まちづくりに参画をいただけるように努めてまいります。

 続いて、財政の観点から申し述べます。

 冒頭申し上げましたように、新型コロナウイルス感染症への対応を最優先としながらも、本市の最重要課題である人口減少・少子高齢化の同時進行への対応として先導する事業には、引き続き必要な予算を措置いたしました。特に後期基本計画で掲げた「子どもを取り巻く環境の充実」と「大変革期を乗り越える産業イノベーションの推進」の二つの重点戦略に対しては、手厚く予算を配分いたしました。

 次に歳入について、自主財源の根幹となる市税のうち、市民税については、 昨年度の収入見込みを始めとして、国・県税収の増収傾向を踏まえつつ精査を 重ね、個人分、法人分全体で7.7%、約3億1千万円増の約43億5千万円 を見込んでおります。

 また、固定資産税は、新型コロナウイルス感染症による 中小事業者を対象とした軽減措置が昨年度で終了したことから1.0%、約8千万円増の約85億3千万円を見込んでおります。

 本市独自の税でありますところの使用済核燃料税につきましては、令和2(2020)年の税率改定により、令和元(2019)年度比約1億7千万円増の約7億4,700万円を見込んでおります。

 この結果、市税全体では、昨年度の当初予算額と比較して2.6%増となる約147億3千万円を計上いたしました。引き続き、新型コロナウイルス感染症の収束が予測しづらい中ではありますが、市税への影響を十分 に注視してまいります。

 歳入における市税割合は30.6%であり、昨年度を 0.4ポイント上回る水準を確保しております。
 地方交付税について、普通交付税は、その原資となる国税の伸びが堅調であ り、国において昨年度を上回る地方交付税額を確保したことから、地方財政計 画を分析した上で、18億6千万円増の64億1千万円を計上いたしました。
 また、普通交付税の振替財源である臨時財政対策債については、今ほど申し上げたとおり普通交付税が大幅に増額となる見込みであることから、地方債計画 から推計し、約16億8千万円減の約6億円を見込みました。

 これらの一般財源を含めた歳入全体につきましては、財源不足が厳しい状況でありましたが、市民ニーズに的確に対応するために不可欠な事業を着実に展開する必要があることから、財政調整基金19億8千万円、減債基金約1億4 千万円を繰り入れて収支のバランスを図ったところです。

 一方、歳出では、昨年度と比較して、環境・エネルギー産業拠点化推進基金積立金、防災情報通信システム整備事業等の減額、旧石地フィッシングセンター解体事業や白竜公園テニスコート整備事業の終了などによる予算減額はあるものの、再生可能エネルギー発電設備設置事業約7億2千万円、公共施設適正管理基金積立金2億5千万円、製造業戦略的イノベーション推進基金積立金約2億2千万円、東中学校改築事業約25億4千万円などの事業をそれぞれ予算措置いたしました。

 以上申し上げた施策を計上した今年度の当初予算規模は、一般会計が481億円、昨年度比1.3%の増となりました。ただし、市債償還に係る借換債約1億7千万円を除きますと、実質的には約479億3千万円、昨年度比2.1% の増となっております。

また、一般会計に加え、特別会計と企業会計の予算額合計が約344億6千万円、合わせますと総予算額は約825億6千万円、昨年度比では約1.3% の増となりました。

むすび

 柏崎市には、エネルギー施策、環境施策、教育施策等、長年、常に他の自治体に先んじてきたという矜持があります。あらゆることに様々な意見が顕在し、評価が分かれる時代です。
しかし、議論の後、決定がなされなければなりません。そして、そのタイミングは決して猶予を与えてくれるものではなく、躊躇することは許されない時代であります。

 私は、先人が積み重ねてきた歴史・伝統を大切なものとし、かつ、そこにと どまらず、より良いもの、より豊かなものを求める「保守、そして進取」の精 神を忘れることなく、「強く やさしい柏崎」をつくってまいります。お叱りを賜りながらも私が先頭に立ちます。皆様と難儀を共有し、物事を決め、その責任を私が担います。

 むすびに明治の時代より愛唱されてきたイギリスの詩人シェリーの詩の一 節を皆さんと共有したいと思います。

If Winter comes, can Spring be far behind ?
冬来りなば春遠からじ

柏崎市民の皆様、市民の代表たる柏崎市議会の皆様の御理解とお力添えを心よりお願い申し上げ、施政方針といたします。(了)

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Can you see hope from here?

「そうであっても」市民の皆さんが希望を持って安心して暮らせるよう、私は私の立場から働きかけていきたいと思います。

2022年2月22日 (火)

令和4年2月定例会議 一般質問

令和4年3月8~10日は柏崎市議会 一般質問となります。

私は3月8日(火)10時~の登壇(1番目)で、内容は以下になります。( )は要答弁者

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1 中山間地域の未来をどう描くか(市長・教育長)

(1)中山間地域における居住と持続可能なまちづくり
 ア 中山間地域での居住に対する基本的方針
 イ 小・中学校学区再編方針と移住・定住施策
 ウ 将来的な居住誘導の可能性

(2)地域交通を守るために
 ア 地域協力制度への地元理解と今後の展開
 イ 乗客範囲の拡大に向けた取組
 ウ サブスクリプション(定額制サービス)導入の可能性

(3)少子地域の子供を取り巻く環境の充実

2 市民の安心につながる情報の在り方(市長・教育長)

(1)新型コロナウイルス感染症情報の公表範囲

(2)要配慮者への情報保障
 ア 要配慮者への情報保障の現状と課題
 イ 地域支援者による情報伝達サポート

3 認知症と共に生きるまちへ(市長)

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残念ながら新型コロナウイルス禍のため、傍聴はご遠慮いただくことになっています。

当日はFMピッカラ76.3MHz、柏崎市議会インターネット中継(映像配信)でライブ中継されます。

またインターネット中継は3~5日後にアーカイブで視聴可能です。

ぜひ多くの皆様からご確認いただきたいと思います。

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ところで一般質問を行う場合、指定期日内に「通告書」を提出します。

何を質問するのかあらかじめ当局に伝えておき、担当課が答弁書を作成→市長、教育長が内容を把握→当日は答弁書をもとに答弁を行います。(質問によっては市長や教育長でなく、部長が答えることもあります。)

今回からは通告書に記載する内容を、要旨と質問事項それぞれをより具体的に記載することになりました。

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これは当局による事前聞き取り(答弁書を書くための確認)を時間短縮し、なおかつ質問と答弁がズレるのを防ぐためです。

市長は聞き取り内容と質問が異なる場合、答弁の最中にハッキリと指摘してきます。

本来なら通告書を提出する段階で、質問内容が決まっているはずですが、質問が定まらないまま通告書を出し、聞き取り段階で考えがまとまっていないケースもあるようです。

また通告書の表現がわかりずらいと、当局の解釈と質問の意図がずれてしまい、当日の質問と答弁が嚙み合わなくなります。これは過去に私も経験しており、大いに反省しています。

議員の中には先に質問原稿(全文と呼ばれます)を提出する人もいます。

私自身は今年度に入ってからは、全文ではないものの、かなり細かい内容を記載した通告書を提出してきたので、今回もそのようにしました。

また質問を組み立てるにあたり、事前に色々と調査が必要なのですが、議会事務局の皆さんには非常にお世話になっています。

色々と助けていただいたことを、きちんと質問に反映できるよう、頑張りたいと思います。

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*本日はねこの日(2022.2.22)だそうです。写真は実家の老猫。宝物です。

2022年2月19日 (土)

「新型コロナウイルス感染症生活支援事業」その後

多くの皆様からお叱りを受け、私自身にとっても反省すべきこと(2020.12.24ブログ掲載)であった、「新型コロナウイルス感染症生活支援事業」について、以下の新聞記事が掲載されました。

朝日新聞2022.2.15
「陽性者に10万円、濃厚接触者に5万円の現金給付は終了へ 柏崎市」

新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は14日、新型コロナウイルスの陽性者に10万円、濃厚接触者となった同居家族に1人5万円(65歳以上と中学生以下は各5万円加算)を給付する独自支援策を3月限りとし、4月以降は1週間分の食料品など(約7千円相当)を届ける方式に変更する考えを示した。
2022年度当初予算案発表に関する記者会見で明らかにした。現金給付による独自支援は、20年冬に市内の小学校でクラスター(感染者集団)が発生した後に「お見舞いと入院などで生じた経済的負担への援助」を目的に開始。オミクロン株流行で感染者や濃厚接触者が急増した21年度は、この事業の予算額が当初の19倍の1億1400万円に拡大していた。

桜井雅浩市長「批判は甘んじて受ける」

22年度当初予算案に計上された新支援策の事業費は506万円。現金給付に対しては、「感染防止に努力している市民もいる」などと疑問を呈する意見が市議会でも上がっていたが、桜井市長は「ワクチン接種の進展や国・県の支援策の整備など状況が変わってきたが、あの時点の判断としては間違っていなかった。批判は甘んじて受ける」と語った。
同市の一般会計当初予算案は、前年度当初比1・3%増の481億円。EV(電気自動車)シフトに直面する自動車関連産業などを支援するため、2億2200万円の「製造業戦略的イノベーション推進基金」を創設し、補助事業を行うことも盛り込まれた。(戸松康雄)

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<事業スキーム>
新型コロナウイルスの感染者 10万円(中学生以下・65歳以上は15万円)支給

感染者の同居家族(濃厚接触者)5万円(中学生以下・65歳以上10万円)支給

●申請制(案内は保健所からの通知に同封)

●対象は感染判明時に柏崎市内に居住実態がある者 
*濃厚接触者となっても同居家族に感染者がいなければ対象外

<これまでの予算>

◆2020.12.22
 令和2(2020)年度一般会計補正予算第20号 2156万円

*財源は市の一般財源

(*令和2年度決算では850万1311円の不用額=申請者は7割程度

◆2021.3.23
 令和3(2021)年度一般会計当初予算     600万円

*令和3年度当初予算は市の一般財源

◆2021.8.13(専決処分
 令和3(2021)年度一般会計補正予算第11号 1800万円

◆2021.1.21(専決処分
 令和3(2021)年度一般会計補正予算第23号 3000万円

◆2021.2.3(専決処分
 令和3(2021)年度一般会計補正予算第23号 6000万円

令和3年度 補正予算の財源は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金

合計 1億3556万円

今年度に入ってから、この事業に係る補正予算は全て専決処分(議会議決なし)されています。
これは新型コロナウイルス感染症対策に係る議案は専決処分を認めることを、議会が了承している為です。

令和3年(2021年)の決算分科会審査では「今年度末には終了したい」との意向が当局側から示されていましたが、今年に入ってからのオミクロン株による感染拡大により、9000万円の補正予算を組む事態となってしまいました。

もともとは令和2年11月に発生した柏崎市内小学校のクラスターにより、児童生徒の濃厚接触者となった家族(保護者)が出勤できず諸経費もかかり、生活困窮に陥る事例があったことから、救済措置として本事業を考案したとも聞きました。

ですので、その時点で困っている方々のフォローはできたと思いますし、実際に感染者となり苦しい状況に陥った方々には喜ばれたとも聞いています。

しかし、感染拡大が続いた場合の事業費の膨張が危惧されていた他、家族に感染者がいない濃厚接触者や、感染判明時に長期出張等により市外で生活していた方が対象外となること等の課題があり、そこを追求しきれなかったことは一議員として反省しかありません。

ただ令和2年度決算審査の中では、「申請者は該当者の7割程度」ということで、約850万円の不用額が出ています。

現時点でどの程度の申請状況なのか、また見舞金だけではなく、感染に伴い発生する問題の支援・相談受付 がどのような状況なのか、という確認を行う機会が持てていません(専決処分ではこうした疑問点を質す場が持てないのです)。

新年度からは感染者に対する食料支援に切り替えるとのことで、予算は506万円が計上されています。

せめて今後の予算審査等の中では、本事業を検証し、頭と心を冷やして、しっかり質疑していきたいと思います。

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2022年2月18日 (金)

子育て短期支援事業(中止)その後・・

2月18日、文教厚生常任委員協議会で、中止となった「子育て短期支援事業」(2021.8.25ブログ掲載) についての報告が子ども未来部からありました。以下はその内容です。

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子育て短期支援事業における対応と今後の取組について(報告)

1 経緯
(1)(福)ロングランへの報告及び協議

令和3(2021)年9月6日に、(福)ロングランを訪問し、事例対応の経緯について説明を行った。
また、今後、従事者研修会を実施することについて了解をいただいた。

*ロングランは本事業の事務局および中学生以上の預かり先(*実績なし)という位置づけ

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(2)預け先家庭との報告及び協議

預け先家庭には、個別に電話をして事業に対する意見等を聴取した。
また、従事者研修会について説明し了解をいただいた。

(3)子育て短期支援事業にかかわる研修会の調整

小児科医を講師とした、従事者研修会を計画したが、預かり先家庭で、事業登録を辞退する意向を示された方が複数あったため、研修会を延期とした。5名中3名辞退、2名が検討中

(4)委託事業者((福)ロングラン及び預け先家庭)と市との意見交換会

【1 回目】
令和3年11月11日(木) 会場:健康管理センター

・安心して活動できるよう簡単なマニュアル的なものがあるとよい。
・利用者による送迎のため、預かり先家庭との距離感が近すぎる面がある。
・預かり時に起こった、事故等のフォローアップ体制の見直しが必要である。
・預かり先家庭の人材確保が必要である。

【2回目】
令和3年12月23日(木) 会場:健康管理センター

・前回、意見のあったことについて、具体的な様式等を提示し説明した。
・事業再開後の登録について意向確認を行った。
・今後の取組について
体制の変更が必要と思うので、継続検討の場を持つことの提案あり。

2 今後の対応

(1)子育て短期支援事業の中止を継続する。
(2)事業の実施方法について、関係機関と定例的な検討の場を持つ。

<質疑応答>

Q1 預かり先家庭5名のうち、3名が事業登録を辞退したいとした理由は。

A1 子供を安全に預かる自信がない。保証が持てないとのことだった。

Q2 事業中止の間、市民のニーズにどう対応してきたか。また、今後どう対応していくか。

A2 中止後、申込みがあったが丁寧にお断りしている。フォローとしては、児童相談所の一時保護で対応したケースや、保育園の一時保育、ファミリーサポートセンターの利用等で利用者の負担軽減を図っている。

Q3 代替サービスでニーズを満たすのは難しい。事業再開を前提に検討しているのか。また、体制の変更が必要とのことだが、新しい預かり先を見つけていくのか、今までの預かり先に戻ってもらうよう内容を変えていくのか、宿泊可能な預かり施設を新たに見つけていくのか。

A3 他市町村では施設を利用しているところが多い。施設利用も視野に入れて検討している。事業再開を目指して調整を進めていきたい。

Q4 画期的な事業。ぜひ事業は残してもらいたいが、市としてどう考えるか。

A4 一般家庭での宿泊は、子供の安全確保の面で難しい。これまでと同じ形では再開は難しい。新しい形でサービスを提供していくことで検討していきたい。

ーーーーー

子育て短期支援事業は柏崎市のHPには「一時中止」の注釈付きで掲載されていますが、令和4年度はこの事業に予算がついていません。

一定のニーズがあり、児童虐待防止の観点からも重要な事業なので、何とか再開できるとよいのですが、現状では難しいことがわかりました。

預かる側・預けられる側、双方の安全が確保され、なおかつトラブル発生時にも対応できる状況を整えることが課題だと思います。

これはこの事業だけでなく、ファミリーサポートセンターをはじめ、「よその家の子を預かる」子育て支援サービス全般に言えることであり、そういう視点を持って柏崎市の子育て施策を見ていかなければならない、と感じています。

 

2022年2月10日 (木)

子どもを取り巻く環境の充実に関する調査研究について(当局への質疑)

所属する文教厚生常任委員会では「子どもの貧困」と「いじめ・不登校」の2つの問題に焦点を当て調査研究に取り組むこととしています。
2月10日の委員協議会において、本市における現状や問題点を確認するため、当局の担当部局に質疑を行いました。

*当局からは福祉課、子育て支援課、子どもの発達支援課、学校教育課が出席

 

◆子どもの貧困について

1,貧困世帯の実態はどのようなものであるか。生活保護世帯や要保護・準要保護世帯の数・割合、ひとり親家庭の生活実態はどうか。

令和4(2022)年1月現在で、生活保護世帯は471世帯。そのうち、母子世帯が25世帯。割合は5.3%で増加傾向にある。なお、令和3(2021)年度は、これまでに保護開始と廃止がそれぞれ3件であった。

未就学児が19人、小学生が13人、中学生が9人、高校生が12人の計53人が保護世帯にいる。ケースワークや定期訪問で実態を把握し、制度の基準に沿って各保護費の支給を行っている。

 

2,貧困家庭の困りごとをどう捉えているか。把握の方法、主な困りごとの内容等を聞かせてほしい。

相談事業や乳幼児健診の際に経済状況も確認している。児童虐待については、養育相談などの機会で把握している。家庭状況を聞き取りし、困窮している場合には福祉課や学校教育課、社会福祉協議会など関係機関につなぎ、連携して対応している。

困りごとの事例として、出産費用が心配だという相談に対し、福祉課援護係につないで支援につなげた。また、学校の諸費の支払いが滞っている場合は、就学支援制度の紹介を、家計に課題がある場合は、日常生活自立支援制度の紹介を行っている。

①聞き取り以外に家庭状況を把握する方法は。

 民生委員による各地区の会議で情報共有している。

②乳幼児健診に来られない世帯へのフォローは行っているのか。

 電話や訪問によりフォローしている。

③連絡が取れない家庭への対応は。

 健診未受診者の背景を知ることは重要なところで、虐待予防の観点からも強化している。電話連絡が取れない場合は、訪問し、過去の予防接種の接種状況や健診受診状況等を多面的に確認した上で、適切に対応している。訪問を嫌がるケースもあるため、本人の意向に沿って接点を持つようにしている。

④民生委員の活動で困りごとが判明した事例は。

 民生委員・児童委員が家庭を訪問して聞き取りしているわけではない。問題を抱えている世帯について情報を入手する中で、子供の状況を把握する程度。

 

3,市としての貧困家庭への支援策はどのようなものがあるか。また、「子どもは柏崎の宝」という視点での取組はなされているか。

生活保護の中に生活扶助として母子加算などの加算がある。また、教育扶助として、学級費、教材費、交通費、学習支援費等の支給がある。
そのほか、生活困窮者自立支援制度の中で、子供の学習生活支援事業というものがあり、生活保護世帯等の小学校5・6年生及び中学生のいる世帯に対し、訪問型で個別に学習指導を行っており、令和3(2021)年12月時点で、利用者は20名、実施回数は延べ62回行っている。また、学校の長期休暇中に集合型の学習支援を行っており、令和3年の夏休み期間中に利用者11名、実施回数15回、冬休み期間中に利用者13名、実施回数6回行っている。

ひとり親家庭の支援として、高等職業訓練促進給付金といった看護師や介護福祉士の資格取得のための支援や、自立支援教育訓練給付金というその他の資格取得に掛かる費用を助成するなど、安定的な職業への就職につなげる支援を行っている。

①子供の学習生活支援事業による学習支援の成果は。

高校進学を目標としているが、昨年まで全員が希望高校に進学している。

②家庭の貧困と子供たちの学力への影響をどのように捉えているか。また、現在行っている学習支援が有効と認識しているか、まだ十分ではないと考えているか。

訪問することで家庭の実態を把握し、その他の支援につなげることもできる。生活困窮者支援の枠組みの中で申請者に対して支援を行っているところ。子供たちの学力向上については、学校との連携が必要。

③アルバイトで家計を助けている子供の有無と、それによる学力への影響をどのように捉えているか。

家庭の貧困と子供の学力の相関関係は不明。アルバイトも高校生ではいるかもしれないが、把握していない。
貧困だから学力が低いということではないと考えている。生活保護受給の背景は家庭によって異なるため一概には言えない。貧困の連鎖を断ち切るためにも進学を目指すようケースワーカーも働きかけている。アルバイトをしている高校生もいるが、学習に影響を及ぼさないよう指導しているし、アルバイト収入は、本人の将来のために蓄えるよう指導しており、収入認定において、世帯の収入に含まないようにしている。

④ヤングケアラーの実態把握とその対策はどのように進めているのか。

これまで4件ほど把握している。介護等関係機関につないで問題の解消を図った事例がある。今後体制を強化していく必要があると考えている。

 

4,市や地域において「支援の体制」の実態はどのようなものであるか。また、その成果と問題点はどのようなものであるか。

福祉課援護係を窓口に、社会福祉協議会や民生・児童委員が連携して対応している。生活困窮者自立相談支援については、福祉保健部や建築住宅課の公営住宅担当、弁護士などと定期的な会議を行い、情報共有を図り、対象者の生活保護につなげている。

母子手帳の交付時や健診時のヒアリングで支援が必要な方を関係機関につないでいる。また、子ども食堂を自主運営しているところが市内に7箇所あるが、社会福祉協議会がそこで気になるケースがあった場合のバックアップ体制を取っている。

最近は、子ども食堂がコロナ禍の影響で休止しており、支援が届かなくなっているのではと懸念しているところ。 そのほか、子育て応援券による経済的支援にも努めている。

①支援体制における問題点や課題は。

親の精神疾患や育児放棄、高齢者介護など家庭内における様々な問題が増えている。社会福祉協議会との連携により、対応を強化していく必要がある。様々な相談機関が連携し対応していくことが必要と考えている。

②中学校卒業後から18歳までの子供たちへのフォローは、市としてどのように行われているのか。

子育て支援課がケースワークを通じて行っているが、必要に応じて子どもの発達支援課の相談支援につながっている。相談支援を行っている高校生の中にヤングケアラーもいる。中学のときは全欠状態であったため、カウンセリングを続け、通信制高校に入学し、アルバイトをしながら生活再生を目指している事例もある。門さえたたいてくれればチームで対応できる。

③門をたたくことが難しい人もいるのでは。相談に至らない人たちへのアプローチはどのように行っているか。

本日ここにいる子供の支援に関わる部局は、定期的に要保護児童対策協議会はじめ、実務者会議、ケース検討会議、情報交換会議など、様々な局面で情報共有を行っている。ささいな情報であっても全てのケースをリストアップし、重症化に至らないよう情報共有しているので、門をたたかなければ把握できないということではない。
国からITを使った情報連携で、プッシュ型の支援を推進するよう通達があったところ。市としても検討する必要があると考える。

④市や社会福祉協議会と、支援を受ける側との間でトラブル等はよくあるのか。トラブルが生じた場合、どう対応しているのか。

市で解決が困難な相談もある。制度や政策に沿って対応しているが、その対応に不満な人が議員に相談に行くケースがある。情報提供いただければ市の対応について説明したい。 同じ方が複数の窓口に相談するケースが増えている。

 

5,子供の貧困の解消のために担当として取り組むべきことはどんなことだと考えているか。

低所得者の子育て世帯に対する生活支援特別給付金を支給しており、今年度は、765件、1,232人に支給している。
これまで以上にアンテナを高め、対象者の漏れがないように制度支援につなげていきたい。ひとり親の就職支援についても継続的に制度周知を図っていきたい。

 

6,貧困の基準は明確になっているか。その基準の周知は図られているか。

生活保護制度の枠組みの中で世帯ごとに最低生活費を算定し、必要な支給をしている。

 

7,近年の就学支援制度の利用者の数はどうであるか。できれば詳しく、ひとり親何%などといったこともお聞かせ願いたい。

就学援助を受けている児童生徒は、小学校で491人、中学校で288人、世帯数で421世帯となっている。そのうちのひとり親世帯の割合は分からないが、5割くらいと推定される。

①貧困からくるいじめはどのくらいか。

把握はしていない。いじめの相談は、5、6件は家庭の状況をからかわれたというものもあるが、貧困を題材としたいじめは聞いていない。

 

◆いじめ・不登校について

1,近年のいじめ及び不登校児童生徒の実態はどのようなものであるか。小中学生のアマテラスとふれあいルームの利用状況も含めてお聞かせ願いたい。

小中学校におけるいじめの件数は、令和3(2021)年12月末日時点で、小学校が159件、中学校が18件。昨年同月比で、小学校が44件の増、中学校が1件の減であった。小学校の件数増については、いじめを見逃さない意識の高まりによるものと認識している。
不登校は、令和3(2021)年12月末日現在で、小学校が14人、中学校が52人、昨年同月比で、小学校が2人増、中学校が14人増であった。

アマテラスの小中学生利用者はない。ふれあいルームは、今年1月末現在で小学生2人、中学生6人が通っており、担当職員との学習やコミュニケーションを通じて、本人のペースに合わせた学習機会を保障している。

ふれあいルームは、小中高校の在籍者が対象であり、アマテラスは、学校在籍のない者が対象。ふれあいルームには、小中学生のほか、高校生が5名利用している。昨年に比べ、高校生が増えている。これは、高校生も利用できることが認知されてきたことと、コロナ禍における鬱の問題といったことも影響していると認識している。また、義務教育課程で特別支援学級に在籍していた生徒が普通高校に進学したが、適応できないケースもある。

①いじめの定義、基準はあるのか。

文部科学省の定義では、人的関係にある他の児童生徒が行う一定の心理的・物理的な影響を与える行為。具体的には、冷やかしやからかい、悪口、集団による無視、ぶつかったり、たたかれたり、蹴られたり、金品を要求されたりといった事例を基に各学校で判断し、報告を上げることとなっている。

②いじめを発見しづらい状況はないのか。

命にかかわるケースもあり、10年前、20年前に比べて学校現場でも重大な問題として受け止めている。いじめの陰湿化により見えないところで行われることもあり、教職員の人権感覚を高め、ささいなことも見逃さないよう取り組んでいる。

③各学校からの報告は、定められたもので行われているのか。

定められた様式のシートを用いて定期的に報告することとなっている。

 

2,いじめ及び不登校の原因や傾向の推移と分析は行っていると思うが、その原因と分析結果及びそこから導き出した対策はどのようなものであるか。

いじめの原因として、冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われるという項目が、小中学校ともに一番多い。対策としては、未然防止、初期対応、発生した場合の解決のための確かな取組に重点を置いて、いじめの背景を把握することを意識しながら、教職員間、相談機関等とも情報共有しながら丁寧に対応している。

不登校については、小学生においては無気力、不安、親子の関わりが要因として多く、中学生では、無気力、不安、生活リズムの乱れ、親子の関わり、学業不振、いじめ以外の人間関係といった様々な要因が、本人への聞き取りによって挙げられているが、最近はコロナ禍の影響も否めない。
相談機関、関係機関との連携を重視している。学校では、家庭訪問やタブレットによる学習保障など、学校とのつながりを途切れさせないようにしている。

①いじめの解決事例は。

令和2(2020)年度では、小学校でのいじめの認知件数が166件。うち、解消件数が158件、継続指導中が8件。中学校では、認知件数が25件。うち、解消件数が23件、継続指導中が2件となっている。解決までに時間のかかるものもある。

②いじめが原因の不登校もあるのか。

中学校の1件のみ。

②不登校において、担任と合わないことが要因となっているケースはないか。

教職員との関係をめぐる問題を要因としているケースが中学校で2件ある。

③保健室での対応の現状を教えてほしい。

いじめ・不登校対策委員会を各学校に設置し、情報交換し対応することとしているが、養護教員は必ずそのメンバーに入っている。特に不登校については、児童生徒が担任に言えない悩みを保健室に来て話すといったこともあり、養護教員が心のケアのキーパーソンになっている。

 

3,いじめ及び不登校への対応と防止策はどのようなものであるか。SNSのいじめを含めて、児童生徒と保護者に対する取組をお聞かせ願いたい。

いじめについては、初期対応を重視している。不登校は、個々の背景に寄り添い、スクールカウンセラーや心の教室相談員との連携を図りながら、安心して登校できる学校づくりに重点を置いて取り組んでいる。

中学校におけるいじめの原因の中で、「パソコン・携帯電話で誹謗中傷や嫌なことをされる」が、33件中7件と割合が多い。不登校は、スマホによる睡眠不足等が生活リズムの乱れにつながっていることも要因としてある。

SNS等によるいじめなどへの対策としては、子供たちのささいな変化を教職員が察知して対応できるよう取り組んでいる。また、情報教育主事によるSNS等におけるトラブル防ぐための講演会を、子供たちや保護者に対して行っている。

①いじめられた子、いじめた側の子への具体的対応は。

学校教育課長 双方から丁寧に聞き取りし、事実関係を確認した上で、保護者に連絡している。

②いじめた側の心のケアも必要。そうした対応は今まで行っているか。

学校教育課長 いじめた側にも家庭環境など様々な要因がある。多角的な見方をしていかなければならないと考えている。

③教職員と児童生徒との間でのトラブル、担任に相談しづらいということが生じた場合の対応はどのように行っているか。

双方に事実関係を確認し、担任を管理職が適切に指導している。

④関係修復が難しい場合の学級や学校の変更といった事例はあるか。また、そうした対応もあり得るのか。

事例としてはある。原則は管理職が担任に対し指導し、改善に努める。 教育委員会での判断により学区外通学を認めることもある。

⑤不登校が解消したとする判断基準は。

不登校の判断基準は、年間の欠席日数が30日以上。少しの時間でも学校で過ごせるようにするなど、段階的な改善に取り組んでいる。

 

4、子どもたち全員に配付されたタブレットの活用状況と現時点での学習効果はどうであるか。学校の授業時と家庭での活用等についてお聞かせ願いたい。

ほぼ毎日活用している学校は全体の9割以上。学校では、ドリル学習のほか、発表資料の作成、児童生徒間の意見の共有などで活用している。家庭での学習においては、授業の延長としての発表資料の作成や調べ学習など活用の幅を広げている。
持ち帰りの頻度は、週1回持ち帰っている学校が4割。毎日持ち帰っている学校が3割を超えている。長期休暇中の持ち帰りは半数程度。
効果は、情報活用能力の育成につながっている。なりすましなど情報モラルに課題がある。
より多くの考えを共有し、自分の考えを広げることにつながっている。今後も有効活用していきたい。

①なりすましとは具体的にどういうことか。

小学校では、他人のドリルの進捗を覗き見にいった事例があった。中学校では、授業と関係ない写真が送られた事例があった。

②卒業時に自分のこれまでの学習成果を振り返ることができるデータ移行の仕組みを検討しているか。

中学卒業時は、個人情報に配慮しながら、データを持ち帰ることができるよう検討している。小学校卒業時には、引き継げるものがあれば、自分が作成したデータを引き継げるようにしたい。

③長期休暇中に持ち帰る際の不正使用等に対する管理はどのように行っているか。

通信機能を切ってある。管理者が使用状況や不正アクセスを監視できる体制となっている。

④タブレットの活用を小学校3年生以上としていることの弊害はないか。

基礎をしっかり身に着けた上で、小学校3年生からタブレットを活用できるようにというのが市長の考え。特に弊害はない。1、2年生においてもコンピュータ室でコンピュータに触れる機会は設けている。

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本市における現状と取り組みが非常によくわかりました。

質疑は約2時間に渡り、感染症対応などで大変な状況下に時間を割いていただいた当局の皆様には心から感謝申し上げます。

2022年2月 4日 (金)

柏崎市ろうあ協会との意見交換

「手話言語条例の制定を求める陳情」に対する1月6日の文教厚生常任委員協議会を受け、2月4日に柏崎市ろうあ協会との意見交換会を行いました。

(令和3年12月定例会議に提出された柏崎市ろうあ協会の「手話言語条例の制定を求める陳情」を受けて、文教厚生常任委員会が主体となって調査研究を進めることになり、当事者であるろうあ協会の方々からお話を伺うこととなったのでした。) 

夕方6時からのスタートであり、質疑を簡潔に行うため、事前質問と回答を表示しながら、追加・補足の説明・質問を行う形式でした。
ろうあ協会からはN会長、K事務局長、また手話通訳士の方々2名が出席されました。以下はその内容メモです。

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N会長
本日はこのような機会をいただきありがとうございます。今日お話しする目的は何か、それは聞こえない人の人間としての根本、権利の侵害、聞こえる世界・社会にあわせなければならない状況があることを、皆さんに知っていただきたいのです。
私たち聞こえない者たちの苦しいこと、たくさんの悩み事をどのくらいご理解いただけているでしょうか。
根幹的なところを理解していただきたいのです。困っていることの現状を、それぞれ点のように解決すればよいわけではないのです。

意思疎通のためには手話以外にも、UDトークという音声から文字情報に変換するアプリや、筆談といった方法もありますが、聞こえない人が来たらそれで対応すればいいわけではありません。中には読み書きが苦手・できない人もいます。だから手話が必要です。

今日は私たちが手話通訳者2名を依頼しました。一般的には私たちろうあ者がどこかに呼ばれる場合、手話通訳者をこちらから依頼して参加します。でも現状は病院等に行きたい時、福祉課に赴いて、毎回要請を頼まなければなりません。通訳者を「聞こえる方々に準備していただく制度」もあるとよいです。

聞こえないために、様々な苦しみや悩みがあります。これまで依頼しても手話通訳が派遣されない、断られることもあり、あきらめることも多々ありました。いま社会で起こっていることが、手話通訳なしで情報が得られないことが多々あります。

聞こえない子が生まれた場合、その子の親は長岡の聾唖学校幼稚部に通わせるために、仕事を辞めたり休んだりしなければならないのが現状です。でも通学には様々な課題があり、通えない子もいます。

聞こえない人、ひとりひとり悩み事は異なります。ろうあ協会が発足してから70年になりますが、これまでいろいろな苦しみあり、我慢しながら歩んできました。

今日この場で手話言語条例の制定をお願いするのは、手話を使う人とろう者が生き生きと働ける社会、聞こえない人があきらめることなく普通に生活できるまちになってほしいからです。

市外から移住してきた人にとっても、手話言語条例やそれに伴う制度があることは、聞こえない人にもやさしいまちのイメージにつながるのではないでしょうか。
長くなって申し訳ありませんでした。

事前質問1
ろうの皆様にとって困りごとがあった場合、命に関わるような心配事があった場合、今まではどのように解決してきましたか。

事前回答1
筆談・身振り・音声変換ツール(UDトークなど)でコミュニケーションをとっていました。
大事な場面では、手話通訳派遣制度を利用していました。しかし、音声変換ツールは誤変換もあり、筆談、身振りでは伝えられることに限界がありました。
また、市内にはろう学校に通えなかった方や日本語身振りでは伝えられることに限界がありました。また、市内にはろう学校に通えなかった方や日本語の文章が苦手なろう者もいるため、文章でのやりとりが難しい状況もあります。
そのため、大事な場面で手話通訳をお願いしていましたが、日常生活の手話ができるレベルの手話奉仕員が派遣されたことがあり、意思疎通がとれず十分に情報保障がされない場面が多々ありました。
そのために、現在では資格をもっている手話通訳者以上に通訳を依頼することが多いです。

補足・追加
◆回答の中に意思疎通がとれず、十分に情報保障できない場面がたくさんあるというが、その場合はどうしているのか。

⇒筆談、UDトークは時間がかかり、相手に時間を切られてしまう。手話通訳も技術的なばらつきがある。
手話通訳士は全国的、手話通訳者は各県、手話奉仕員は市が認めた資格だと言える。(N会長)

◆資格を持つ手話通訳士を依頼するのか。通訳は依頼通り来てくれるのか。

⇒以前はお願いしても手話奉仕員が来る事例が多かった。以前は市に依頼すると手話協会を通して通訳者に依頼していたが、3年前に市の福祉課が直接依頼することになり、手話通訳士以上の人が派遣されるようになった。大事な会議、病院、命にかかわることは手話通訳士が必要。イベント等は手話奉仕員で代替えすることが多い。
手話通訳士は3名 派遣登録されている手話奉仕員は6名だが、手話奉仕員には事前に話したい内容を文面で伝えなければ伝わらない。手話奉仕員ではうまく通じないことがある。(N会長)

事前質問2
ろうの皆様自身の妊娠から出産に至るまでの困りごと(通常の検診や突発的な病院受診についてなども)、子育てをしていての困りごと(集団乳児検診や子どもの病気への対応、学校との連絡なども)はどういうものがありましたか。その困りごとはどのようにして解決してきましたか。

事前回答2
<困りごと>
・緊急事態で学校や病院に連絡したが手話通訳は確保できず、市外も手話通訳は派遣されなかった。 仕方がなく、筆談で対応した。
・緊急の時に福祉課に手話通訳依頼のファックスを送ったが回答が遅く、仕方なく自分でなんとか筆談した。
・婦人科に男性の通訳者が派遣され不快感を感じたが、我慢して通訳を受けた。そのため、通訳を頼むのをやめて、筆談で対応していた。
・手話通訳には頼れず、家族に同行を頼むという時もありました。
・手話通訳依頼すると派遣制度外と言われ自己負担金が発生するため申し込みをせず、筆談で対応した(市の派遣金いただいてから通訳派遣。市から派遣金がない場合は通訳派遣できない。)

今は電話リレーサービスが普及され、学校や病院の予約は直接連絡をとれるようになりました。
しかし、診察や重病な病気の場合や緊急時、災害時などに電話リレーサービスは使えません。
また、スマホを持っていない人は電話リレーサービスが使えないため、高齢の聴覚障がい者やスマホを持っていない人は FAX するか予約のために自分からわざわざ出向くしかありません。

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補足・追加
◆困りごとの様々なご苦労をされた結果として、問題は解決したのか。

⇒「仕方ない」とあきらめることが多い。(N会長)

⇒コミュニケーションが大事だが、意思疎通できないままのことがある。例えば交通事故に遭った場合、自分ではメールできない。誰かが連絡をとってくれるとありがたいが、私たちが自力で連絡できないと分かる人がいないのが現状。SOSを示す媒体を前もって用意をしておくしかない。突然の事態が発生しても通訳を頼めるわけではない。頼んでも都合がつかない場合も多い。その場合は筆談でやりとりするしかない。(K事務局長)

◆筆談した場合、意思はどこまで伝わるのか。

⇒筆談での情報提供範囲は決まっているので情報量が少なくなる。短い文章で端的に伝わる情報しかやりとりできない。(N会長)

⇒家族内でも筆談だけなら同じことがいえる。身振りで補足するにしても限界がある。(K事務局長)

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事前質問3
長い期間不自由をされ、現在でも不自由を感じている実情を、ろう者の団体の皆様はどのように国や関係機関に支援措置を要望してきたのでしょうか。また、これまで要望等により改善されたことにはどんなことがありますか。

事前回答3
国に対して全日本ろうあ連盟、関係機関及び各県・市町村の聴覚障害者協会は、幾度となく要望を出しています。
実績として、「手話通訳者の公費派遣と養成」「聴覚障碍者の運転免許の取得」「一部政見放送に手話通訳の設置」、「情報保障としてテレビや掲示板に字幕がつく」「手話による教育が受けられる権利(口話教育の廃止)」「医師・薬剤師、バス運転手などの欠格条項の撤廃」などがあります。
柏崎市ろうあ協会としては「手話言語法、手話言語条例の制定」「障害者差別解消法・合理的配慮」「手話通訳派遣制度」「タクシーチケット」などを訴えてきました。
改善されたことにより、タクシーチケットによる補助金ができ、移動しやすくなりました。
また、手話通訳派遣制度の設立により手話通訳派遣がスムーズに使えるようになりました。

追加・補足
◆今回こうして手話言語条例を求める陳情を出された背景には、手話は様々なコミュニケーションツールに勝る意思疎通手段であり、柏崎市に対して求めるのは、スキルの高い手話通訳者を増やしてほしいということになるか。

⇒スキルの高い手話通訳者を増やしてほしい。そして市が開催するイベント等、あらゆる場面に手話通訳者を配置してほしい。聞こえない人たちが、聞こえる人たちと同じように情報が得られ、意思疎通ができる環境を整備してほしいと願っている。(N会長)

事前質問4
ろうの皆様の世代や年齢によっては、困り感や生活におけるニーズ年齢によっては、困り感や生活におけるニーズに、どのような差が生じている現状がありますか。

事前回答4
昔のろう者は義務教育を受けることができずに育った人が多く、文字が書けない・読み取れない・簡単な手話しかできない人がいます。
他に就学した人でも手話による教育が受けられず、発声練習などを中心とした口話教育だったため、十分な教育が受けられず日本語の読み書きが苦手で、学力の差があります。
そのためにろう者の間でもコミュニケーション力に差が生じています。
若いろう者は、一部手話による教育を受けられているので、まだ筆談もでき、スマホを使ってやりとりができます。

追加・補足
◆スマホを使いこなす人は、コミュニケーションの課題を解消できるのか。

⇒スマホやPCの技術が上がっても100%とは言い切れない。文章の読み書きが苦手な若い人達もいる。若い人たちの中にもろう学校に通えなかった人もいる。(N会長)

◆様々なツールあることは確認したが、いちばんは手話通訳か。新しいツールで手話に近いものについての認識は。

⇒スマホで遠隔地から手話通訳する電話リレーサービスもある。(N会長)

⇒人によっては筆談(文字でのコミュニケーション)を拒否する人もいる。「手話が必要なのか」との考え方を持つ人がいるように、「筆談が必要かどうか」との考え方を持つ人もいる。(K事務局長)

事前質問5
ろうの皆様にとって、社会や地域の人たちに理解してほしいこと、一緒に取り組んだりする協働や精神的な触れ合いの在り方についてのお考えをお聞かせください。

事前回答5
ろう者に出会う、訪問される時(病院や家を建てる時の交渉など)に聞こえないことを配慮した上で、筆談ボードやメモ書きを用意したり、手話通訳を手配してくれる環境になってほしいと思います。
また、市内で開催されるイベントにも必ず手話通訳をつけて頂き、市内だけでなく、市外のろう者が参加した時にも自然ときこえる人と触れ合うきっかけがつくれると良いと思います。
学校や公共施設、市役所などで「ろう者と交流してみよう!」や「ろう者はどんな人?」の講演会や体験会を開き、ろう者ときこえる人のつながりをつくるきっかけにもなると思います。

追加・補足
◆柏崎市において、ろう者の皆様に対する市民の理解についてどう感じているか。

⇒理解の定義はまちまちだが、聞こえない人のことをまったくわかっていない人が多い。聞こえない人と会った時に、口でしゃべるだけで筆談もしてくれず、聞こえないことがわかると無視する人もいる。その一方で聞こえないとわかった時に、身振り手振りでなんとか意思疎通をしようとする人もいる。聞こえない人に対する理解を持つ人、持たない人は同じくらい(半々)だと感じる。(N会長)

事前質問6
他の市町村に行った時に、「柏崎市よりも聴覚障がいがある方々への理解・配慮が進んでいる」と感じた経験はありますか。それはどのような時ですか。

事前回答6
・新潟市では、「障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例」というパンフレットがあり、暮らしやすい環境づくりをしているんだなと感じた。
・イベント(講演会、フェスティバルなど)にろう者がいない場合でも手話通訳がいて、いつ、ろう者が参加しても困らないような配慮を感じた。
・市長のあいさつや会見でも手話通訳がついている。
・ハローワークに手話通訳がいる日が月に 2 回あり、行きやすさを感じた。

追加・補足
◆事例はすべて新潟市のことか。

⇒新潟市では手話言語条例ができる前に、「障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例」がまずつくられた。(K事務局長)

⇒新潟市だけではなく、小千谷市、三条市、糸魚川市など、すでに条例制定されているところの事例となる。
小千谷市では条例制定後、手話フェスティバルが開かれている。十日町市では手話コーラスのイベントが開催された。(N会長)

◆手話通訳が市長会見についている事例はどこになるのか。

⇒新潟県知事、新潟市長、三条市長の会見には手話通訳がついている。柏崎市長の会見にも手話通訳がついているとありがたいが、手話言語条例が制定された自治体でも市長会見時に手話通訳がつかない事例が多い。(N会長)

事前質問7
柏崎市内で、手話ができる一般の人(手話通訳士等ではない)と出会ったこと、交流したことはありますか。その場合、意思疎通はスムーズでしたか。

事前回答7
手話サークル、職場、お店、レストランで手話ができる人に出会ったり、交流したことはあります。
ですが、手話レベルにばらつきがあり、意思疎通がスムーズな方とそうでない方がいます。

追加・補足
◆食堂やレストランの注文の仕方はどうしているのか。

⇒身振りで店員を呼び来てもらう。こちらを見てくれない時は立ち上がって大きく手を振る。テーブルに呼び出しベルあれば使うが、壊れていることもある。メニュー表があれば指差しで、壁に貼られていればそこまで行き、指差しをして指示する。目立ってしまうが意思疎通のためには仕方ない。(K事務局長)

全体を通して

◆外見から「聞こえない」とわからないことにも課題があると感じる。聞こえないことを示す印となるバッチ等はあるのか。またSOSを発する行動やサインはあるか。

⇒緊急時のSOSを示すものがないが、Deaf Heart(デフハート)という団体でエコバッグをつくり、聞こえる皆さんがわかるようにしている。そのバックを持っていれば、いざという時にそれを見せて伝えられると思う。(N会長)

⇒SOS手段としてはメールを使うことが多い。困ったら家族や仲間にメールをしている。(K事務局長)

◆2020年に全日本ろうあ連盟が以下の3つを目指すべき課題として掲げている。
 1,手話通訳制度の発展
 2,ろう者等への情報コミュニケーション保障など法制化に取り組む
 3,対面手話通訳と遠隔手話通訳を適切に組み合わせ利用することで諸課題を解決
手話言語条例をつくったことで、市民、一般、市外、行事イベント等の関係者の理解が深まるのは事実だろうが、変化のない自治体もあるようだが、この3項目を踏まえて協議するのが重要なのか。

⇒柏崎市ろうあ協会は全日本ろうあ連盟の下部組織なので、そこに準じる部分はあるが、市町村に応じた内容となる。すべて統一的、画一的にできるわけではない。(N会長)

⇒2の法制化と手話言語条例の制定は別だと考える。手話を獲得する、学ぶためのコミュニケーション保障の法制化は、手話言語条例を制定した後に行うべきことだと思う。そうでなければ混乱してしまう恐れがある。順番からいけば、手話言語条例→コミュニケーション保障法→障害者差別禁止法→合理的配慮への公費使用となるだろうか。段階を踏んでつくるべきであり、その考えからいけばコミュニケーション法の制定は先だと考える。(K事務局長)

ーーーーーーー

今回の意見交換を通して、

●様々なツールが開発されているものの、ろう者の方々にとって、手話は速報性の高い最適なコミュニケーション手段である。

●スキルを持つ手話通訳者が少なく、適時適切な手配や配置ができない現状があり、手話通訳者の質の向上、スキルを持つ手話通訳者の増加をはかる必要がある。

●聴覚障害がある方々の日常や、聞こえない人がどのような困難さに直面しているか、市民の理解促進が必要である。

いうことを確認しました。

また今回はお二人の手話通訳士の方々が交互に通訳をされていましたが、手話のスキルはもちろんのこと、集中力・体力・繊細さを要することが見て取れました。手話通訳士の身分保障や待遇についても課題があるのだと思います。

意見交換を通じて、聞こえない当事者の皆さんが置かれている切実な状況を知りましたが、まだほんの一端に触れたにすぎません。

条例制定を目指す一方で、課題解決のために施策の中でいち早く取り掛かれることを模索していくことも必要だと思います。

帰り際に手話通訳士の方から「ありがとう」を教えていただきました。

「聞こえない世界」への想像力を働かせ、手助けできることを実践していきたいと感じています。

N会長、K事務局長、そして手話通訳士のお二人には貴重を機会をいただきました。ありがとうございました。

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尚、日本財団ジャーナルの良記事聴覚障害者も聴者も、互いに歩み寄る社会を目指して。」 も添付させていただきます。

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