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2022年1月 6日 (木)

「柏崎市手話言語条例の制定を求める陳情」の説明

令和3年12月定例会議において「柏崎市手話言語条例の制定に関する陳情」が柏崎市ろうあ協会から提出されました。
当初は手話言語条例の制定を求める請願として提出される予定でしたが、過去の一般質問において、市長から「手話言語条例は理念条例(あるべき姿を定めるもの)であり、議会で制定することが望ましい(つまり柏崎市としては制定する考えはない)」と答弁があったことを受け、請願でなく陳情として提出していただきました。

これを受けて、1月6日に文教厚生常任委員協議会にて当該陳情の趣旨や背景、本市のろう者の現状について、オブザーバーとして参加した関係議員から説明を受けたあと、質疑応答が行われました。

【説明】
・今回の陳情は、手話言語条例の制定により、聾者の生活の向上を図りたい、市民の理解を得たいという願いから出されたもの。

・ろうあ協会の加盟者は、先天的に耳が聞こえない方で、言葉を発することもできないため、意思疎通に困っている。そのため、聾者は、日常生活で様々な難儀をしている。

・例えば、具合が悪くなったとき、病院に行っても症状を上手く伝えることができない。手話通訳の手配には時間がかかり、急に呼ぶことができない。職場においても、情報セキュリティの関係から手話通訳者を入れることができない。また、災害時や地域におけるコミュニケーションにも不安を抱えている。

・こうした現状を社会的に認識してもらい、生活が等しくできるようにしてほしいというのが、ろう者の思い。

・手話言語条例とあるが、手話だけでなく様々なコミュニケーションツールの活用や、ろう者以外の他の障害のある方も含め、コミュニケーションが取りやすい環境をつくることの重要性も理解いただいている。

・本市における聾者の現状については、福祉課から回答いただいたものを本日の資料として配らせてもらった。

・市内のろう者の人数は69人となっているが市が把握しきれていない方もいる。手話奉仕員の人数についても把握しきれていないのが実態。

・公共施設では筆談やアプリで対応しているとのことだった。

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質疑応答(◆は委員、⇒オブザーバー議員)

◆手話言語条例という名前でなくても、この理念や考え方を盛り込んで、障害のある方のコミュニケーションの改善を推進してほしいという願いだと思うが、参考となる他市の事例モデルはあるか。

⇒県内だと上越市や胎内市。最近制定されたものは、手話言語プラス他 障害のコミュニケーションも含めた多様なコミュニケーション手段の利用をうたっているものが多い。

◆両市の条例は議員発案だったのか。

⇒いずれも行政側が作成したものだ。

◆議員発案で制定することが望ましいと考えるか。

⇒委員会で調査研究し、条例まで持っていっていただくのが望ましいと考 える。

◆条例制定によってどういう効果が期待できるか。

⇒胎内市では、定期的に手話奉仕員養成講座が行われるようになった。上 越市では、講演会の開催やリーフレットで条例制定を周知し、市民の理解や取組の促進を図っている。
条例がなくても解決できる課題はあると思う。条例は、市民や社会を巻き込んで推進を図るものとして、具体的な事業の改善や今後の取組については、予算審査などにおいてチェックし、その促進を図ってもらいたい。
議会でつくる条例は予算を伴わない理念条例のため、具体的な施策等とは分けて考えてもらいたい。

⇒条例を制定している阿賀野市や小千谷市では、自治体として市民にろう者がどのような立場に置かれているかについて理解を図る啓発事業を計画的に行っている。また、意思疎通支援者の養成を計画的に行っている自治体が多い。本市では、資格を有し、本当に手話通訳ができる人は3名しかいない。しかも、講演など長時間の場合、15分ごとに交代する必要があるため2名の派遣をお願いしなければならない。日常生活において通訳を必要とする場面が様々あるが、とても足りない。手話通訳者を増やしてほしいというのが、一番の願い。税金を使って養成する以上、市民・社会の理解が必要。

◆手話通訳士、手話通訳者は専業か。

⇒3名とも仕事を持っている。ちなみに、手話奉仕員100名のうち、派 遣登録者は6名。

◆通訳はほぼボランティア的に行っているのが現状か。手話奉仕員のスキルアップにつなげる手段の現状は。

⇒奉仕員は、家族が聾者の方が研修を受けてという人が多い。手話通訳を 依頼して受けてくれるケースは少ない。市内の通訳士、通訳者で間に合わない場合は、県に通訳者の派遣を依頼することが多い。

◆主に手話でやり取りしている方の年代は分かるか。手話通訳士、通訳者及び派遣登録者の年代もあわせて分かれば教えてほしい。

⇒65歳以上の方が多い。ただし、ろう学校に通っている方は把握できていない。また、通訳士・通訳者については、30代が1名、50代が1名、60代が1名。奉仕員については、年代的には高い。

◆ろう者のコミュニケーションツールについて最新の情報を教えてほしい。

⇒最新かどうか分からないが、プラスボイスという聾者限定の音声を文字に変換するアプリがある。問題は、健常者の意思はアプリで伝えられるが、ろう者の意思が伝えられないこと。

◆手話が言語としてスタンダードだった時代から、コミュニケーション手 段の選択肢も増え、手話を使う人の割合も減っていくのでは。上越市などのような多様なコミュニケーション手段の利用も含めた条例も選択肢としてあるか。

⇒それは当事者にぜひ確認していただきたい。聾者の意思を伝える手段がなかなか無い。筆談を苦手にしている人も多い。小さい子供でも手話でコミュニケーションを取っている。ろう者にとって手話は重要。

⇒障害者基本法が改正され、手話が言語と位置付けられ、意思疎通の手段の選択の機会確保が規定された。見た目では分かりにくいろう者への対応は後回しになりがち。手話ができるか否かにかかわらず、聾者に配慮ができる市民が育つことは本市の価値を高めることにつながる。

◆条例を制定している他自治体の制定後の変化など事例について聞かせてほしい。

⇒小千谷市では、手話通訳士の資格取得や通訳派遣にかかる費用を補助するなど予算に反映されている。

◆ろう者の教育環境の実態は。手話だけでなく他のコミュニケーション手段も教えているのか。

⇒ほとんどが長岡聾学校に通学している。

⇒幼稚園から聾学校へ通っている。保護者は送迎しなければならないので仕事にも影響。地元の保育園との交流保育も行われている。小中学校では特別支援学級で基礎学力をつける体制もあるが、対応できる教員も不足している。

◆議会として一致して条例制定に取り組むべきとの考えか。
⇒ぜひ委員会で進めていってもらいたい。議会として条例制定を目指して お願いしたい。

◆現状を理解しないと条例をつくっても上滑りなものとなる。ろう者の日常生活の中で困っていることや理不尽な扱いを受けていることを理解した上で進める必要がある。

⇒高齢者施設で上手くコミュニケーションが取れず、退去せざるを得ないろう者もいる。当事者の声を聞き、現実を知った上で、よりよいものを研究してもらいたい。

⇒ろう者の、コミュニケーションが取れない大変さ、意思疎通ができないという障害の特性を理解しながら進めていってもらいたい。

ーーーーーー

オブザーバー退席後、今後柏崎市ろうあ協会の方と意見交換すべきかについて協議しました。
委員の中には「柏崎市ろうあ協会の意見を聞いた上で、条例制定するかどうか判断すべきではないか」「文教厚生常任委員会ではなく、議会全体で進めるべきではないか」という意見もありました。

ですが私からは「ろうあ協会の方々には請願から陳情に変えていただいた経緯があり、意見交換会を行うのであれば、『条例制定を目指したい』という議会の姿勢をお見せした上で行うべきではないか。」「議会全体として進めるとなると、どこが主体か曖昧になる。福祉保健部が所管となる文教厚生常任委員会が主体となって進めるのが適切ではないか。」と意見させていただきました。

結論としては、通訳を介してろうあ協会の方から意見を聞く場を設けることとし、当局にも声がけをするという方向で進めていくことになりました。また条例制定を目指して、本委員会に所属しない会派の意見も吸い上げながら、調査研究を進めていくことなりました。

今は障害者差別解消法のもと、障がいを持つ方々への合理的配慮が求められていることも、きちんと認識した上で、当事者の方々の不自由さを少しでも取り除けるよう、自分自身も勉強し、理解を深めたいと思います。

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