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2021年12月 9日 (木)

令和3年12月一般質問「1,これからの介護を守るために」

令和3年12月9日、一般質問を行いました。以下はその記録です。

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1.これからの介護を守るために
(1)戦略的な人材確保の取組  

 厚生労働省は第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、各都道府県の介護職員の必要数を公表しました。2019年度と比較して、2023年には全国で約22万人、新潟県で1480人、2025年には全国で約32万人、新潟県では2551人の介護人材が不足する見込みです。
 「2025年問題」が指摘される4年後には、柏崎市の75歳以上人口は現在より約2千人増え、1万6千人を超える見通しとなり、要介護者の増加も予想されます。

 これまでは介護人材不足の為に特別養護老人ホームを新設できず、入所したくてもできない多くの待機者のことが問題視されてきました。ですが今後は、デイサービスやショートステイ、訪問介護など、在宅で暮らす方々が利用する介護保険事業も、十分提供できなくなる可能性があります。
 そうなれば家族介護者の負担が増え、高齢者だけでなく、社会を担う現役世代・若い世代にも影響を及ぼします。市民の皆さんが安心して働き、暮らしていく為に、これからの数年間で、1人でも多くの介護人材を確保しなければなりません。

 さて現在、柏崎市では、介護資格取得支援補助金、介護夜勤対応者臨時補助金、介護職員就職支援事業などを用意していますが、これらの利用実績と、市内の介護人材不足がどの程度解消されたか、ということの相関関係が見えにくいと感じます。
ハローワーク柏崎には常に100人を超える介護関係の求人が出ていますが、施策の効果を検証するには、介護人材の必要総数や入職・離職の動向のデータを、市として抑えておくべきではないかと考えます。

 また介護人材確保を行うのは第一義的には介護保険サービス事業者であり、本市ではこれまで事業者の努力を引き出す施策に注力し、良い事例の共有により、全体の底上げを図ってきたと思います。
 しかし柏崎市の介護保険事業を守るためには、官民および全庁的な連携のもと、戦略を立てて、介護人材確保に取り組むべきと考えます。

 例えば、兵庫県伊丹市では、介護人材の確保策を調査・検討・実践する組織として、平成28年9月に「伊丹市介護人材確保検討委員会」を発足しました。
 この委員会は条例によらない任意の組織であり、市内の介護保険サービス事業所で働く職員有志と市の介護保険課職員等で構成され、発足当時は26人、令和3年度現在は17人が加入しています。
 平成28年には介護人材の確保に関する現状及び課題の抽出、原因の分析並びに解決策を考案し、平成29年には具体的な方法について議論を重ねた上で、各事業の詳細な企画・立案作業を行ったそうです。それをもとに伊丹市では、ハローワークと連携してマッチングを行う介護コンシェルジュの配置、介護現場におけるハラスメント防止など、現場に即した取組を行っています。

 そこで質問ですが・・後期高齢者人口が激増するこれからの時代に備え、柏崎市においても介護人材確保のための、官民連携プロジェクトチームをつくってはどうかと考えます。そして、必要とされる介護職員の総数を把握し、新規獲得や職場定着の課題、現場が真に求める施策について検証し、戦略的な人材確保の取組につなげていただきたいと思いますが、見解を伺います。

福祉保健部長

 介護サービスのニーズは今後も増加する見込みであり、これに伴って介護職員の必要人数も増え、人材が一層不足するとの推計がなされていることは、議員からお話があった通りでございます。
また人口減少・少子高齢化が進む中で、人材不足は介護現場だけでなく、医療・子育てなど色々な分野で厳しい状況にあることは、議員もご承知のところと思います。

 市としましても、それぞれの分野で人材を確保するために、様々な支援に取り組んでおりますが、介護分野においては事業所意向調査や事業所より直接聞き取るなど、実態を把握した上で、人材確保・育成策の検討を重ね、実施してまいりました。

 夜勤対応者補助金や資格取得支援補助金は、令和元(22019)年度から新しい支援策として取り組んでおり、事業者からは夜勤帯での勤務を希望する職員が増えた、スキルアップに役立っているとのお話を伺っております。

 さらに今年度からは障害者施設も含めて、採用に関するHPの作成や合同説明会に参加するための補助を新たに創設し、求職者の増加につながるよう支援を行っています。

 不足する職員数については事業所調査や聞き取りなどにより、把握に努めているところであり、その中で職員不足から入居者を受け入れられずにいた特別養護老人ホームの空きベッド数も、昨年同時期の約50床から約20床へと30床ほど、解消されていることを確認しております。このことは介護事業所のご努力はもちろんのこと、人材確保の取組の効果の表れと受け止めております。

 議員からは官民連携のプロジェクトチームをつくって戦略的に取り組んではどうか、とのご提案ですが、これまでも現場の声を様々な機会をとらえてお聞きする中で、その課題を解決またはその支援となる施策を検討し、すでに附属機関として設置しています介護保険運営協議会でご意見をお聞きするなどしながら、実施してきております。

 戦略的に取り組むことは重要ですが、介護現場の職員の皆様の負担を考えると、プロジェクトチームではなく現在の対応の中で、より多くの事業者の意見を丁寧に聞きながら、施策に反映することで効果的な人材確保の取組を進めていきたいと考えております。

近藤
 今ご答弁をいただき、つまるところは現状維持のままやっていくことを伺いました。ですが今後、要介護者が増えていくという非常に厳しい状況についてもお考えいただいた上で、もし民=事業者から人を呼べないというのであれば、庁内の連携を深めて、これまでよりも厳しい状況になるという危機感を持っていただきたいと思います。

次の質問は
(2)介護従事者へのエールをかたちに です。

 11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」では、看護、介護、保育などの現場で働く方々の収入引上げを含め、全ての職員を対象に公的価格の在り方を抜本的に見直す方針を打ち出しました。
 介護・福祉施設職員については、収入の約3%にあたる月額 9,000 円引き上げるための措置を、来年2月から前倒しで実施するとしていますが、介護従事者全般が等しく対象になるかどうかは不明です。

 介護現場は、直接、利用者の身の回りの世話をする介護員の他、看護師、介護支援専門員、生活相談員、機能訓練員、事務員、栄養士、調理員、運転員等、多くの職種によって支えられています。
 それぞれ必要な介護人材として、専門性を持って利用者に関わっていますが、支援策の対象となる職種は限定的です。
 柏崎市では、介護人材への支援策の対象となるのは、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士、初任者研修修了者、実務者研修修了者です。また看護師が介護施設に就職すれば、看護師就職助成金の対象となりますが、それ以外の職種は支援の対象から外れます。

 例えば介護施設で働く調理員は、早朝からほぼノンストップで働き、衛生面・安全面に配慮しながら、嚥下食など繊細かつ複雑な技術を要する食事を毎日作ります。利用者の喜びと延命につながる重要な仕事ですが、労働対価は低く、待遇も良いとは言えず、支援策の対象にもなりません。
 その他の専門職も大抵ギリギリの人数で現場をまわしている状況であり、新型コロナウイルス感染症対策も加わり、かなり疲弊しています。

 そこで質問ですが、こうした実態を踏まえ、介護従事者全般に対する「エール=応援」を形にする施策展開を行ってはどうかと考えます。
具体策として「介護従事者パスポート制度(仮)」の創設を提案します。これは県が行う「にいがた消防団員サポート制度」や本市の「柏崎ファンクラブ」会員特典のように、柏崎市内の介護施設・事業所で働く職員にパスポートを発行し、協力店舗や施設を募り、利用時にパスポートを提示すれば、割引サービスや優遇措置を受けられるものです。

 職種を問わずに対象とすれば、これまで公的支援が届かなかった方々にも光が当たります。また協力店舗等はステッカー掲示、市のHP掲載により利用促進が期待できます。特に高柳じょんのび村は仕事の疲れを癒せる、優れた保養施設であり、ぜひ協力施設となっていただきたいところです。そしてパスポートを「通し番号」で管理すれば、市内の介護従事者人数を把握できます。

 このように「介護従事者を応援するまち・柏崎」として、介護現場で働く方々の離職防止やモチベーションアップを図っていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。

市長
 まずエールをかたちに、ということで、言葉は形ではないわけでございますが、日頃から近藤議員がばんたび介護従事者の立場に立ってご質問いただいておりますこと、また介護従事者の方々がコロナ禍で今まで以上にご苦労をされて、入所されている方、またそのご家族の方へのお気遣い、体力的な消耗も含めてご尽力いただいていることに、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 新型コロナウイルス感染症に細心の注意を払いながら、日夜介護の現場で頑張っていただいている皆様であります。近藤議員からは、感謝の気持ちを言葉だけでなくて、仮称・介護従事者パスポート制度という形で表してはどうかとのご提案でございます。

 色々な形で感謝の気持ちを表すことはできると思いますが、議員からお話がありましたように、介護現場では様々な職種の方が、異なる勤務形態でお勤めいただいており、利用者の皆さんを支援していただいていることは承知しております。

 そうした方々のいずれが欠けても、その運営に支障を来すことになるわけですから、事業所としてもこうした様々な人材の確保に、ご尽力いただいておるところでございます。

 市が行っております支援策のうち、就職支援事業補助金はご本人への直接補助でございますけれど、夜勤対応者の補助金や資格取得支援補助金は、事業者に対する補助をしております。補助対象となる職種は限定されますけれども、それぞれの支援を行うことで、間接的に事業者全体の支援にもつながるという風に考えております。

 先ほど福祉保健部長の方からご答弁申し上げましたように、例えば夜勤対応の補助金をやらせていただいたということを含めて、特別養護老人ホームで、(ベッドが)余っているんだけれども入れない、という方々を少しでも改善したいということで、先ほどご紹介させていただきました。

 1年ほど前、50床ほど余っていた特養のベッド数が、20床から30床になった、つまり30人~20人の方々が新たに特別養護老人ホームにお入りいただくことができた、もちろん特養に入ることがご本人にとっていいことなのかどうか、ということはわかりません。

 しかし、いつも申し上げることですけれども、ご家族にとってみれば一定のご負担を軽減することになるんだろうと思っておりますので、特養の空いているベッド数が減ったということは、行政としてはいいことだと思っています。

 そういったことも含めて、今まで私どももいくつかの事業を行いながら、介護に関わる方々を応援してきたつもりでございます。

 今、近藤議員からご提案いただいたパスポート制度でございますけれど、公的な支援が届かない方々にも光が当たるというお話がございましたけれども、光が当たらない、もしくは光を当てなければならない分野というのは、介護に関わらず、医療の分野や子育ての分野など多岐に渡っています。例えば保育士の方からも非常にお声をいただいております。医療に関してもそうですし、学校の現場からもお声がかかっているところでございます。

 それぞれの分野で市として色々な支援をさせていただいており、特に先ほど申し上げましたように、介護の分野では事業峻別で捻出した財源を充てて、夜勤対応者補助金など、約5000万円余りを一般財源として投じているということは、他の自治体にはない、かなりの規模の応援・支援だとご理解賜りたいと思っております。

 こうしたことから、介護従事者パスポート制度は、市内施設の利用促進につながる点も含めて、貴重なご意見としてお伺いしますけれども、現時点ではこういった制度を創設することよりも、より直接的に介護に関わる事業者の方々に対して、応援をさせていただくこと、また何よりも不足している人材を確保する、そういったことにお手伝いさせていただくことが、いちばんのエールであると考えるところでございます。

近藤
 今、市内の介護人材の採用状況も伺い、特別養護老人ホームについては改善されているということですが、根本的に人が足りているわけではなく、また、このまま行けば確実に、介護を必要とする方が、必要なサービスを受けられない時代がやって来ます。そこを何とかしたいということで、今回提案させていただきましたが、これがダメだったとしても、また様々な調査・研究をしながら、あきらめずに提案していきたいと思います。

さて、本項目の最後に、私がこれまで行ってきた介護人材育成に関する一般質問の答弁も踏まえ、

(3)介護学習とキャリア教育の連動  について伺います。

 令和元年9月の一般質問で「教育現場における理解促進、人材育成について」伺った際、教育長からは「キャリア教育や総合的な学習の時間等において、介護の仕事や高齢者への理解促進を図っている」とのご答弁をいただきました。また学習指導要領の改訂に伴い、今年度にあたる令和3年度から中学・高校の技術家庭の授業で、「介護など高齢者との関わり方」を学ぶことにも言及されています。

 中学校学習指導要領の解説では、【高齢者は視力や体力、筋力が低下していることを踏まえて関わる必要があると理解し、介護については立ち上がりや歩行などの介助について学ぶこと】、また【中学校での学習内容を、高等学校家庭科で学ぶ高齢者の介護につなげること】が目標とされています。

 また指導にあたっては、【介護の基礎に関する体験的な活動を通して、実感しながら理解を深める。例えば生徒同士がペアを組み、立ち上がりや歩行の介助を体験し、介助される側の気持ちや必要な配慮について話し合う活動や、高齢者介護の専門家から話を聞く活動、さらに、他教科等の学習における体験と関連付けることも考えられる】としています。

 昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大により、当初目指していた指導方法は難しいかもしれなませんが、高齢者の特徴や介護の手法を授業で学ぶことは、将来の介護人材育成のための第一歩となります。

 また令和2年2月定例会議では「若い力を介護現場へ」という一般質問を行い、市長からは「若手介護職員が小・中学校へ出向いて講話をする機会を設けるなど、新しい試みも今後行いたい」とのご答弁をいただきました。しかしこちらもその後のコロナ禍により、中々そういった機会を持てなかったのではないかと思います。

 そこで質問ですが、コロナ禍の影響もある中で、柏崎市内の中学校ではどのように「介護など高齢者との関わり方」を指導していくか。また従来のキャリア教育等とも連動し、講師として市内の現職・介護職員を活用する予定・実績があるか、お聞かせください

教育長

 コロナ禍にございました昨年度と今年度は、高齢者との関わりから学ぶ職場体験や講演会を、中止せざるを得ない状況もございました。非常に(中止が)多かったと思います。いわゆる学校以外の方々との接触が非常に難しい状況でした。
 そのような中でも学習指導要領の改訂を受け、高齢者疑似体験セットや、車いすなどを借用して、高齢者の身体的特徴を、実感を伴って理解をしたり、必要な介助について考え、実践したりする学習を行った中学校が、11校中6校ございました。

 また介護施設で職場体験を実施した学校が1校、こういった中でもございました。現職の介護職員から直接お話を伺って、学んだ学校が7校ありました。そのうち1校で実施されたものは、介護高齢課が提案した高齢者の人生に寄り添う支援や、介護職のイメージアップを目的とした出前授業を取り入れたものでございます。

 尚、鏡ヶ沖中学校が、新潟県中学校教育研究会(中教研)で2年間の技術家庭科指定研究を受けまして、高齢者との関わりをテーマに、実践を積み重ねております。
 指定研究1年目の今年度は、去る11月18日にこの授業を行いました。そこでは柏崎市社会福祉協議会や、新潟工科大学、企業等々と連携し、高齢者の身体状況を踏まえた介助の方法の学習に加え、総合的な学習とも関連させ、安全安心な住居を考える学習も行いました。この学習は高齢者との関りを多角的に考えたものです。

 これらの取組を他の中学校にも発信し、介護学習とキャリア教育を効果的に連動させ、高齢者との関りについて、生徒の学びの充実につなげてまいりたいと考えております。

近藤

 今ご答弁いただき、コロナ禍の中でも、学習指導要領とキャリア教育の連動をしながら、少しずつでも市内の中学校でそういった取組がされたことをお聞きして、安心したところです。ご答弁にもありましたように、この先も他の中学校にも広げていただきたいと思います。

 中学生は進路選択が具体化する時期であり、そこでの働きかけは将来に大きく影響します。今後は高校との連動なども視野に入れながら、若い方々から介護の仕事を知っていただく機会、高齢者のことを理解していただく機会を、さらに広めていただきたいと思います。

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