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2021年12月

2021年12月21日 (火)

12月定例会議 最終日

12/21は令和3年12月定例会議最終日でした。

議案一覧

内容としては新型コロナウイルス対策を盛り込んだ補正予算、条例の変更、市の最上位計画である第五次総合計画・後期基本計画などでした。

6月から継続的な審査をしてきた議58号 財産の減額貸付けに係る貸付金額の変更について(土地) は、退席1名、賛成23名で可決されました。

また最終日当日に「一般会計補正予算第22号」が提出されました。

社会保障税番号制度事業 206万7千円

*令和4年1月1日から実施される国の「マイナポイント第2弾」に必要なマイキーID設定

住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金給付事業  9490万5400円

*世帯全員の住民税均等割が非課税である世帯と、新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変し、今ほどの非課税世帯と同様の事情にあると認められる世帯に対し、一世帯当たり10万円を臨時特別の一時金として給付する。世帯数は9300人を見込む。

生活困窮者生活支援金給付事業  204万4千円

*新型コロナウイルス感染症の長期化により、厳しい生活環境にある方に対し、一世帯当たり5000円の生活支援金を給付したい。
*生活保護受給世帯、住居確保給付金受給世帯及び新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金受給世帯の400世帯を見込む。
*対象者に対して今後送付する申請書を返信いただき、原則、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金とあわせて支給する。

子育て世帯への臨時特別給付金給付事業 5億6800万円

*18歳以下の児童ひとり10万円を支給。当初は先行して現金5万円、後からクーポン5万円分の予定だったが、国が現金10万円の一括支給を認める方針を示したことを受け、残りの5万円分を追加措置したい。
*支給日は、当初、先行の5万円分を12/27に支給する予定だったが、前倒しして12/24に10万円を一括支給する。

Q1)12/24に支給することができる実人数および実世帯数は?
A1)児童手当支給世帯は児童数8245人・4287世帯。申請が必要な児童(9月以降に出生または16歳以上)がいる場合を除き、約8割が支給可能となる。

Q2)申請が必要な世帯の現時点での申請数および審査状況は?
A2)申請が必要な世帯からはまだ全て返信されていない。審査もあることから随時確認となる。

Q3)支給対象となる児童数・世帯数、支給対象とならない児童数・世帯数はそれぞれ把握しているか。
A3)対象とならない世帯として特例給付388人、この他に高校生以上にも対象外が見込まれることから約400人超と考える。

Q4)当初は12/27に支給予定が12/24に早まり、3日後には支給開始となるため、かなりのパワー注力が必要だと想像する。本業務における庁内体制、すなわち担当課だけで行っているのか、他の部署からの応援もあるのか、何人体制で行っているのか、といったことについて教えていただきたい。
A4)子育て支援課が担当課だが、子ども未来部全体で業務に当たっている。

学校管理運営費
小学校費 1624万1千円、中学校費  334万4千円

*小中学校におけるICT環境を充実させるために順次整備してきた電子黒板を、普通教室及び理科室における不足分を早急に整備するため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、必要な経費を措置する。

Q1)学校管理運営費について、小中学校の電子黒板を整備するということだが、実際に何台購入しどの学校に整備する予定か。
A1)普通教室:小学校8校、20台。(柏崎小1台、比角小4台、枇杷島小3台、半田小2台、剣野小3台、日吉小1台、田尻小5台、北条小1台)*中学校はなし(全校整備済)
  理科教室:小学校13校、14台(柏崎小2台、比角小1台、枇杷島小1台、半田小1台,大洲小1台、剣野小1台、槇原小1台、日吉小1台、田尻小1台,北鯖石小1台、中通小1台、北条小1台、内郷小1台)
  中学校5校、7台(一中1台、二中2台、鏡ヶ沖中1台、瑞穂中1台、東中2台)

Q2)本予算をもって市内の小中学校の電子黒板整備は完了するのか、今後も増やしていくのか。
A2)普通教室への整備は完了する。理科教室は先行、特別教室への要望もあるが全体を見ながら判断したい。

全会一致で可決しました。

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議会終了後はソフィアセンターの「柏崎刈羽小中学生美術展」に行きました。

学年を追うごとに作品にも成長が現れていて、とても楽しく鑑賞しました。

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また夕方からは2年ぶりとなる当局幹部と市議会の懇親会があり、感染症対策に配慮したスタイルでした。

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明日以降もまだ議会の委員会等がありますが、ひとまず一区切りという感じでした。

 

2021年12月18日 (土)

柏崎総合医療センターへの支援

今回の12月定例会議において、柏崎総合医療センターへの支援に係る一般会計補正予算案が提出されました。

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【一般会計補正予算第20号】

新型コロナウイルス感染拡大防止事業 9680万円

柏崎総合医療センターは8/31より新型コロナウイルス感染症の中等症患者受入機関として、新潟県から指定された。

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40床の病棟を中等症患者受入病棟(17床)として対応している。

本予算は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、ナースコールシステム、モバイル端末、電話交換機システムの更新や導入を行うもの。

<改善後の状況>
ナースコール更新
・現在のナースコールシステムは患者ネームプレートが手書き表示であり、入院個人情報保護対応に労力を費やしている。
・設備更新により、病室入口の表示板が液晶表示となり、患者名非表示等プライバシーに配慮した運用が可能となる。

モバイル端末の導入(既存ではPHS)
・現在のPHSでは患者からコール(呼出)があった際、病室入口に設置している「呼び出し表示」が点滅することで廊下から確認できるが、看護師すべてのPHSが鳴ることで、複数の看護師が廊下に出て確認を行っている。
・コロナ患者の場合、様態急変時の対応が特に重要であるが、前述の「呼び出し表示」での確認では対応が遅れてしまう。
・モバイル端末導入により、コール(呼出)した患者の担当看護師が携帯する端末に表示させることが可能となり、医師・看護師が迅速に患者対応することができる。
・コロナ患者受入病棟では、コールによる看護師の病室で入りや廊下の行き来が不要となり、院内の感染防止策がさらに強化される。
・端末のテレビ会話機能を利用し、医師が病室に入らなくても診察指示が行えるため、コロナ患者受入病棟においては、病室訪問回数が減り、院内の感染防止策がさらに強化される。

電話交換機
・ナースコールシステム更新、モバイル端末導入の際、現在の電話交換機では互換性がないため更新が不可欠。
・既存機器はメーカー保守期限が過ぎ、修理部品等の供給がないため、故障時には院内の電話環境が麻痺する。

<設備整備による効果>
費用負担面
 新型コロナウイルス感染防止対策であるため、全額国の交付金対象となる。

院内感染防止策
 病室・患者特定のための廊下の行き来の削減により、院内感染の防止対策が強化される。

医療サービスの質の向上
 ナースコールシステムと連携するモバイル端末を導入することで、患者情報がリアルタイムで確認可能となり、医療サービスの質の向上が期待できる。

医師・看護師の業務効率の向上と負担軽減
 電子カルテや生態監視モニタと端末の情報連携が可能となり、業務効率が向上し、医師・看護師の業務負担軽減に貢献できる。

<委員会での質疑より>
・本設備整備に関する柏崎総合医療センターとの協議時期は今年11月初旬。例年の聞き取りの中で要望として上がった。
・他の病院から同様の要望はなかった。
・設備導入は令和4年4月~を予定。
・電子カルテとの連動は現時点では技術的に難しいが、将来的な運用を目指したい。

【一般会計補正予算第21号】

公的病院運営支援事業 2660万5千円

・柏崎総合医療センターへの支援拡充分となる。
・もともと9月定例会議で一般会計補正予算に計上されたが、市の手続きに不備があり特別交付税が入らない見込みとなり、取り消した。
・議会では「早急な追加支援と手続き不備の再発防止」を盛り込み附帯決議とともに可決した議案。
・減額の補正予算上程後に、県市町村課から今回の事態を懸念しているとの連絡を受け、財政管理課長が改めて経緯を説明していた。
・12月3日付で交付決定された国の特別交付税において、申請しなかった分も含めての交付があったことから、「復活」となった。

<委員会質疑より>
・この支援により柏崎総合医療センターの小児科病床、救急病床の拡充などが図られる。

以上は所属する文教厚生分科会の中で審査し、可決されるべきものとされました。

今後12/20の予算決算常任委員会、12/21の本会議を経て可決すれば、予算成立となります。

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今回の質疑を経て、柏崎総合医療センターがコロナ患者の受入機関として、非常に難儀されていること、また設備整備の更新・導入により、医療従事者の皆さんの業務改善や負担軽減が見込めること等を理解し、地域医療を守ることが市民の皆さんを守ることにつながると確信し、賛成しました。

またナースコールシステムやモバイル端末の整備内容を確認し、「DX推進は人の為、市民福祉の向上につながってこそ意味があるのだ」と実感する機会にもなりました。

ちなみに柏崎総合医療センターにはつい先日まで身内が入院していましたが、感染防止対策は厳重になっていたものの、とても温かい雰囲気で、親切に対応していただいただきました。

本当にありがとうございました。

2021年12月 9日 (木)

令和3年12月一般質問「3,性的少数者に配慮した行政対応」

令和3年12月9日の一般質問の記録です。

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最後の質問は、
3,性的少数者に配慮した行政対応 です。

 今年の5月、戸籍上は男性であるものの、性同一性障害の為、女性として働く経済産業省職員による、職場のトイレ使用をめぐる裁判の結果が報 じられました。
 性同一性障害とは心の性と体の性が一致しない状態のことであり、性的少数者を表すLGBTQのT:トランスジェンダーとも呼ばれます。
 この職員は自分の部署のフロアでは女性用トイレの使用が認められず、2階以上離れたトイレを使うよう制限されたことを、不当な差別として国を訴えました。1審の東京地裁は国の措置を違法としましたが、2審の東京高裁の判決はトイレの使用制限は違法ではないというものでした。ただし上司がこの職員に「男性に戻ったらどうか」などと発言したそうで、これに対しては違法とし、国に11万円の賠償を命じています。この職員は2審の判決を不服とし、最高裁に上告しているそうです。

 この報道を受け、柏崎市役所ではどうなのだろう、との疑問を持ちました。
 近年は男女共用の表示がされた多機能トイレを見かけますが、本庁舎各階の多機能トイレには、車いす、ベビーシート、オスメイトといった表示はあるものの、男女共用を表すものはありません。

 担当課に問い合わせたところ、多機能トイレは障碍者、高齢者、小さなお子さん連れの方等が使えるよう設置し、性同一性障害の方の利用は想定しなかったが、判決を受け課題として認識している。性同一性障害の来庁者が男女どちらのトイレも使いにくいようなら、多機能トイレを使っていただくことになるが、周知については検討が必要。また性同一性障害の職員が入庁した場合は、本人と相談し、同僚の理解も得て、適切なトイレ使用を検討したいとの見解をいただきました。

 さて、性同一性障害の方も含め、日本の性的少数者は人口の3~10パーセントと言われ、市役所への来庁者や公共施設の利用者、そして市職員の中に含まれる可能性は十分あると思います。

 性的少数者の支援団体の報告によれば、当事者が直面する行政に絡む困難事例は、【公的書類の性別と外見の性別が異なることを理由に、本人確認してもらえずサービスを受けられなかった】、【生活支援を受ける際、担当職員に理解があるか不安で、相談をためらったり、本当のことを話せなかったりした】、【災害時に避難所のトイレや衣類のことで苦労した】等々、非常に切実です。自治体によっては、性的少数者に配慮した行政対応のガイドラインを策定しているところもあります。

 そこで質問ですが・・柏崎市における性的少数者に配慮した行政対応、例えば窓口や電話での応対、公的書類の性別欄、公共施設のトイレや更衣室の利用、災害時の対応・・といった指針は明確になっているのか、また性的少数者の職員が庁舎で働く場合の対応も含め、現状や課題、今後の取組についてお聞かせください。

市長

 平成30(2018)年3月に策定致しました「柏崎市人権教育・啓発推進計画」の中で、様々な人権課題の一つとして、性的嗜好と性自認に悩む人の人権について明記しておりますが、近藤議員ご指摘の通り、当市において性的少数者、LGBT、今お話しいただいたQですとかXという言葉も出てきておりますけれども、そういった性的少数者の人権や、そのことに対する配慮の重要性は、これまで以上に高まっているものと認識しています。

 こうした中、今年5月に柏崎市人権教育・啓発推進協議会を立ち上げ、計画の改定に向けた協議を開始しており、今後、性的少数者(LGBTQ、LGBTX)に関する人権課題もさらに議論を深め、方向性と施策として計画の中に適格に反映させていきたいと考えております。

 また行政的配慮や職員を含めた認識・対応に対するガイドラインの策定に関しましては、昨年度、令和2年度から準備をしてきており、本年10月に当事者団体である一般社団法人LGBTにいがたから監修をいただいた上で、先月11月末に「多様な性を理解し、行動するための職員ガイドブック」を完成させ、各職場に周知したところでございます。

 この中には性を構成する要素など、性の多様性に対する説明、LGBTについて理解し行動するための職員の窓口や電話対応、公的証明書類などの性別欄の取り扱い、更衣室など公共施設での対応、災害時における対応・・といった具体的な市民の皆様への対処方法、および職員採用を含めた対応などが記載されております。

 今後はこのガイドブックを活用した職員向けEラーニングの研修や、当事者を講師に迎えた研修などの開催を企画していきたいと考えております。いずれにしましても、今ほど今日的な課題であるところを近藤議員からご提案いただきましたが、ご提案を生かし、今まで以上に個人の特性について多様性が認められるよう知識や理解を深め、偏見や差別をなくすために、まず職員ガイドブックが有効に活用されるよう、努めてまいります。ガイドブックは近藤議員の方にも、お届けしたいと思っております。

近藤

 ガイドブックを策定していただいたということで、良かったなあと感じております。ガイドブックは私の方にもいただけるということですけれど、できればHPで公表するなどして、そういったものがあるということを示していただきたいと思います。

 と言いますのも、先ほどご紹介したお声のように、性的少数者である方は、市役所の職員が果たして自分のことをわかってくれるだろうかと不安を抱えて、相談をためらうケースもあると聞いております。職員の中でもきちんとガイドラインを持ってやっていると示していただくことが、性的少数者の方々にとっても、また例えば障害があるような方々にとっても、心強いことだと思います。本市の多様性を進めていただきたいと思います。

 以上で今回の一般質問は終わりといたしますが、今後も私なりの視点を持って、課題の解決・改善につながる質問や提案をしていきたいと思います。ありがとうございました。

令和3年12月一般質問「2,一票を生かす選挙管理の在り方」

令和3年12月一般質問の記録です。

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2、一票を生かす選挙管理の在り方 

(1)選挙事務の適正な管理執行 

 選挙は、有権者が政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、選挙事務の適正な管理執行、投票しやすい環境づくり、政治への関心を高める取り組みを進めることが必要と考えます。

 特に投開票事務は多くの市職員が関わり、正確かつ迅速な作業が求められますが、人間が処理する以上、ミスが生じる可能性はゼロではありません。またトラブルや不測の事態が発生することもあると思います。

 今年10月に行われた衆議院議員選挙では、市外・県外の自治体において、投票用紙の交付ミスや開票時のミス等が相次いで報じられました。柏崎市においても、今回初の投票所となった、ここ市役所本庁舎において通信トラブルが発生し、投票日の当日、受付等の手続きに支障を来したことが報じられています。
 また昨年の柏崎市長選挙においては、投票者数に不在者投票分が二重集計され、開票作業が予定よりも約1時間半遅れる事態となりました。
過去には平成25年の参議院選挙で、香川県高松市で開票作業における不正行為が発覚し、のちに市職員6人が逮捕され、大きな社会問題になりましたが、発端となったのは単純な集計ミスだったそうです。


 選挙は民主主義の根幹を成すものであり、1票差によって当落が分かれることもあります。よって、その取扱いには慎重を期すべきであり、いかにミスや不正行為を防ぎ、トラブル発生時どのように対処するか、という点が重要だと考えます。そして選挙事務は市職員の重要な職務であり、適正な事務を遂行できるよう、意識啓発やスキルアップも必要ではないかと思うところです。

 そこで質問です。本市では選挙事務業務の重要性をどのように認識し、ミスや不正の防止策、またトラブル発生時の対策はどのように行っているのでしょうか。また選挙事務を正確かつ効率よく行うための取組や、過去の事例を踏まえた改善策等もあわせて伺います。

選挙管理委員会委員長

 ご承知のように選挙事務は厳格であり、法に基づき忠実に執行されなければならず、公正・中立・適格性を要求されるものだと認識しています。ご質問にありますように、今回の第49回衆議院議員総選挙の選挙期間中において、県内で8件の管理執行上の問題がありました。問題となったものの多くが、確認ミスや思い込みによるミスであり、防ぐことが可能なものであると、今までの経験によりましてもそういう風に理解させていただいております。

 尚、今回はありませんでしたが、当市においても確か7年前の衆議院議員選挙で、投票用紙の二重交付ミスがあったことがございました。この対策としては、最初の投票用紙交付場所では入場券を回収しないで、有権者がそのまま入場券を所持して次の投票用紙交付場所において、その入場券と引き換えに投票用紙を交付するよう、選挙事務を改善し、現在に至っているところであります。

 選挙管理委員会では、選挙の都度、投票管理者、職務代理者を対象とした説明会を開催するとともに、職員グループウェアを利用して、事務従事者全員に注意喚起を行うようにさせていただいております。

 地道ではありますけれども、このような取組が選挙事務に対する職員の意識醸成につながり、ミスが起きにくくなる投票所運営がなされるものと考えております。

 尚、投票所において交付ミス等があった場合は、ただちに選挙管理委員会事務局にご連絡いただき、指示を仰ぐことを徹底させていただいております。選挙管理委員会では、過去の判例等を参考に、ミスに対する対処を行うとともに、必要によりましては県選挙管理委員会に報告をし、指示を仰ぐこともあるというのが現状でございます。

近藤

 今ご答弁を伺い、そういれば昔の選挙のやり方と比べ、投票所の趣が変わってきたなと、私自身も感じるところもありました。またグループウェアを活用して注意喚起をされるなど、色々と努力されていると思います。

 一点だけ確認させていただきたいのですが、選挙事務業務に従事した職員とやり取りする中で、逆に改善点や反省点が上がってきて、それを次の選挙に生かすという取組はなされているのでしょうか。

選挙管理委員会委員長

 当然、疑問に思われた点、改善を要する点は事務局に上がってまいりますので、それをさらに選挙管理委員会で検討して、またフィードバックさせながら次の改良点に結びつけていくということで、当然そういう指摘があった場合は検討させていただいているということでございました。

今のお言葉を聞いて安心したところで、次の質問

(2)投票しやすい環境づくり に移ります。

 柏崎市では当日投票所の見直し・集約が進められ、今年6月には柄澤均議員が中央地区、9月には樋口良子議員が西山地区の投票所について、一般質問されています。そこで私は今回、

ア 移動期日前投票所の成果と今後の運用 について伺いたいと思います。

 本市では、期日前投票所を市役所、高柳町事務所、西山町事務所で開設することに加え、令和元年の参議院議員選挙から、移動期日前投票所を開設しています。

 今回の衆議院選挙では、新潟産業大学付属高校内に移動期日前投票所を開設し、県内初となる高校・校舎内での投票が、注目を集めました。
柏崎市HPに掲載された期日前投票者数を見ますと、今回の衆議院議員選挙では14,360人で、前回の平成29年よりも434人増え、全投票者数の32.5%、ほぼ3人に1人が期日前に投票していることになるかと思います。
 一方、投票者総数は44,119人で前回よりも3334人減り、投票率も63.47%で、前回よりも1.48ポイント下回っています。
 この結果から、期日前投票制度への理解および環境整備が進み、投票意思があって動ける人は積極的に期日前投票を利用していたことが推察できます。

 さて、移動期日前投票所は、当日投票所が遠い地域の方々にとって、投票機会の拡充となり、選挙立会人を出すことが難しい地域にとっても、メリットがあると思います。
 また、新潟産業大学付属高校での開設は、報道によれば以前から市選挙管理委員会職員の講義を受けたり、模擬投票を行ったりしてきた経緯があり、主権者教育の一環としての側面が強いのかな、と感じるところです。

 そこで質問ですが・・本市が開設する移動期日前投票所は、先進的な取組として注目されていますが、過疎地域での投票や高校生の主権者教育と、どのように関連するでしょうか。また今後さらに開設箇所や対象範囲を拡充する考えがあるか、ということも含め、成果および将来的な運用について、見解をお聞かせください。

選挙管理委員会委員長

 ご質問にありますように、移動期日前投票は令和元(2019)年7月の参議院議員選挙から始め、今回の選挙で3回目になるわけであります。実績については初年度が3か所で32人、昨年は7か所で79人、本年の衆議院議員選挙では9か所で97人となっております。

 移動期日前投票所の投票者数は、有権者の都合、選挙の種別などにより増減はありますが、地域にとって投票機会の確保がはかられているものと考えております。いずれの地域の方からも、来てもらって助かるという声がほとんどであります。今後も選挙種別で異なる選挙期間等を考慮しながら、さらに充実をはかりながら継続して開設したいという風に考えております。

 また今回の衆議院議員総選挙において、新潟産業大学附属高校に移動期日前投票所を初めて設置をさせていただきました。同校にありましては市内の他の高校と比べ、期日前投票所の会場となる市役所から離れていることから、短時間ではありましたけれども、投票機会の確保をはかったものであります。

 開設にあたっては、主権者教育として小・中・高校での選挙に関する講義と模擬投票も行っておりますが、その延長線上にあったものと考えております。18歳になる高校生にとって、有権者となり初めての選挙で、実際の投票を経験してもらいたいこと、および今後の政治や選挙に関心を持ってもらいたいことを目的としたものです。

 この取組によって投票を行った生徒はもちろんですが、周りの生徒に与えた影響も大きいものであったのではないかと確信しているところです。尚、高校を会場にした移動期日前投票所は、選挙の執行時期により対象となる生徒数が大きく増減するわけでありますので、学校と相談しながら実施していきたいと考えるところです。

近藤
 ご答弁をお聞きして、高校での施行は内心、他の(産業大学附属高校以外)高校でもやるのかな、と思ったんですけれど、やはり色々な事情があることと、時期的にもおそらく、18歳の学生ができるだけ多い時期にやられるのかな、と感じました。

 今回のお話を伺って、高校でやられたように、必ずしも投票所が遠い地方に行くだけでなく、様々な運用ができると思うのですが、それについて次の質問とも絡むことなので再質問させていただきます。

 柏崎市内には障害者支援施設や、障害者、高齢者が生活されるグループホームが多数ありますが、これらは次の質問で言及する不在者投票の指定施設ではなく、入居者の中には投票に行くのが困難な方も多数いらっしゃると思います。今後の移動期日前投票所を拡充する場合、こういった例えばグループホームなども対象としていくようなお考えはありますでしょうか。

選挙管理委員会委員長

 只今の質問でありますが、いわゆる不在者投票指定施設以外で一定の投票者数が望める施設で、場所もあると思いますし、ただ事前協議が非常に重要となると思います。今回の選挙期間中の一つの例ですが、社会福祉法人代表の方と少し協議をさせていただきました。障害者施設を不在者投票指定施設にできないか、ということも含めてでしたが、これは今の法律上、無理があるということで、期日前投票所の開設で対応するという考え方に合っているのであります。

 期日前投票所の開設の条件は、障害の程度にもよりますけれども、障害者としてでなく、不特定多数が集う場所として開設してはどうかという提案を、させていただいたところでございます。早急に開設するということではなく、何回か出前授業を行い、障害者に投票の基本を覚えていただくということも含めて、対応する職員側の訓練も必要かと考えております。出前授業で習得していただきたいとするところです。結果としては、急ぐことなく2~3年後の開設を目指しながら、今後も協議を継続させていただくということになりました。現状としては以上です。

近藤

今かなり詳しくお聞きしまして、障がいのある方々や高齢の方々の投票機会をどうするかということは、大きな課題だと感じたところです。

そこで次の質問では、投票所に出向くのが難しい方々への配慮として

イ 不在者投票と投票への意思 について伺います。

 今回の衆議院選挙の結果では、期日前投票が増えた半面、当日の投票者数および投票率が下がっています。もともと選挙に関心がない、あるいは投票の意思がない、という人達もいるのでしょうが、その一方で、投票に行きたくても行けないという人が増えたのではないかと懸念しています。

 投票所に行けなくても、一定の要件を満たす場合は不在者投票制度の対象となります。
 例えば仕事や旅行などにより、選挙期間中に市外に滞在している人は市外の選挙管理委員会で、県指定の病院や施設に入院・入所している人は、その病院や施設内で投票することできるとされています。
 また要介護5の人、もしくは身体障害者手帳や傷病者手帳を保持し、一定の要件を満たす人は、郵便等による不在者投票を利用し、自宅で投票用紙を記載でき、その中でも上肢・視覚に障害がある人は代理記載制度の対象となります。

 ただし不在者投票制度は申告が必要であり、在宅で生活する要介護4以下や療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の保持者等は、郵便等による不在者投票の対象にはなりません。

 要介護4以下であっても、投票所に行くのが難しい方々はいらっしゃると思いますし、認知症の進行や障害の特性によっては、投票所の雰囲気・環境になじめないというケースもあると思います。

 つまり、本人に投票の意思があっても、制度のすき間からこぼれて選挙に行けない方々がいたのではないか、その方々をフォローする仕組みが必要ではないか、と感じるところです。

 そこで質問ですが、この度の衆議院議員選挙において、不在者投票の利用はどの程度あったのか、また有権者の投票への意思は反映されたと考えるか、そして現行の選挙制度に対する課題認識について伺います。

選挙管理委員会委員長

 今回の衆議院議員総選挙において、不在者投票者数は374人となっております。詳細につきましては、大学生や専門学校生、仕事の都合により単身赴任等、市外に居住している人の利用するものが60人、市内外の施設入所者が利用するものとして292人、在宅郵便投票として22人となっております。

 不在者投票等の周知としては、選挙人名簿に登録されている有権者のうち、入場券を市外へ発送するものについては、不在者投票の案内を同封させていただいております。また不在者投票ができる指定施設の入所者については、施設を通じて周知していただいているところであります。

 在宅郵便投票は個別に案内等はしておりませんが、選挙時に全世帯に配布する選挙の特集号において周知をはかっており、個別の問い合わせに対応させていただいているところであります。今回の選挙時において新たに5名登録があり、現在28名の方が利用されております。

 また今回の衆議院議員総選挙においては、新型コロナウイルス感染症の感染に伴う外出禁止により投票ができない有権者に対応すべく、国による特例郵便投票制度の創設がありましたが、当市において利用実績はありませんでした。
 以上のことから有権者の投票意思は反映されているものと考えております。

 尚、ご質問にもありましたが、現行の選挙制度に対する課題認識として、在宅郵便投票者の緩和があるのではないかと認識しているところであります。これは国においても認識されているところでございまして、対象者の等級を要介護5から要介護3まで拡大する方向で、現在国において審議されていると理解しております。

近藤
 有権者の投票意思は反映されただろうと、また国の方でも在宅での選挙がしやすいよう要介護度の見直しが行われるということで、少し安心したところですが、様々な課題がある中で、今後も本市における投票しやすい環境づくりを進めていただきたいと思います。

本項目、最後の質問

3)一票の重みを生かすために では「無効票」の問題について取り上げたいと思います。

 毎回選挙のたびに多くの無効票が発生しています。令和元年の参議院議員選挙では私自身が開票立会人を務めましたが、判別が難しい投票用紙が多いことに衝撃を受けました。

 公職選挙法では無効票になるものとして、

●所定の用紙を用いない
●1枚の用紙に複数の候補者名を記載 
●白紙投票・単なる雑記・記号等 
●どの候補者への投票か確認し難い

等々が挙げられます。

 ですが開票作業では「どの候補者への投票か確認し難いもの」を、何とか判別しようと協議を重ねました。そのために作業全体が遅れ、全てが終了して開票会場を出たのは、朝4時だったと記憶しています。 

 投票用紙の中には、震える手で必死に書かれたと思われるものもあれば、遊び半分で書いたのではないか、と感じるものもありました。それでも投票した方の意思を無駄にしないよう、ギリギリまで努力していたのです。おそらく、どの選挙においても共通する姿勢であり、これこそが民主主義の根幹を成す「一票の重み」だと感じるところです。

 無効票が生まれる背景のひとつとして、国政選挙では複数の種類の投票用紙に、異なる記載をしなければならないこともあると思います。
衆議院議員選挙では、小選挙区と比例区の選挙に加えて、最高裁判所裁判官国民審査も行い、小選挙区では候補者名、比例区では政党名しか記載できません。けれど参議院選挙では選挙区、比例区どちらも候補者名を記載できます。このような状況ですと、例えば衆議院選挙で間違って、比例区に候補者名を記載してしまうこともあると推察するところです。

 さて、これまで選挙管理委員会は、投票率向上のために様々な取組を重ねて来られましたし、議会においても主権者教育や政治への関心を高める取組について、数多くの質問がなされてきました。しかし、どれだけ投票率が上がっても、最後にその一票が無効票になれば意味がないと思います。

 そこで質問ですが、一票の重みを生かすためには、主権者教育や投票率の向上とあわせて、無効票をなくす・減らすことに注力すべきと考えます。今回の衆議院選挙における無効票の傾向と見解、そして無効票をなくす・減らすための取組や今後の対策について、お聞かせください。

選挙管理委員会委員長

 まず今回の選挙における無効票者数とその率ですが、衆議院小選挙区選出議員選挙の無効投票は1225票であり、投票総数に対する無効投票率は2.78%となっております。比例代表選出議員選挙の無効投票は1365票であり、投票総数に対する無効投票率は3.09%となります。今回の選挙に限らず無効票につきましては、投票総数の1%前後から3%前後となっており、10年前と変わらない割合となっております。

 この無効票のうち、候補者等に何ら関係ないもの・・白紙投票や雑事、記号、符号などの他事記載が9割近くを占めております。残りの1割強が候補者等に何らかの関りがある無効票となっているのが現実でございます。

 この候補者等に何らかの関りがある票=疑問票につきましては、ご質問にもありましたように、有権者の意思を無駄にしないよう、時間をかけさせていただきますが、判断をしてもらっているところであります。当然のことながら投票所に設置してある記載台には、候補者等の氏名が掲示されております。投票用紙に記載する際に、この候補者等の掲示を確認し、記載をしていただくことにより、疑問票や無効票を減らすことにつながれば、という風に考えております。

 尚、主権者教育、出前授業においては、無効となる票としての説明の中で、他事記載や記号、符号の例、また記載については、漢字ではなく平仮名でもよいことを説明させてもらっているところです。

 いずれにいたしましても、ご質問にありますよう、開票時間の短縮の観点から、無効票・疑問票を減らす、また疑問票の審査時における審査方法の工夫について、常に担当者との協議を行いながら、今後も短縮に向けての取組を行いたいと考えるところであります。

近藤
 ありがとうございました。本質問を通して時代に即した、先進的な選挙管理の取組について確認させていただきました。
 選挙管理委員会の皆さんの、たゆまぬ努力に敬意を払いつつ、私自身も1票の積み重ねによって、ここに立つことが許されていると自覚しながら、活動していきたいと思います。

令和3年12月一般質問「1,これからの介護を守るために」

令和3年12月9日、一般質問を行いました。以下はその記録です。

211209

1.これからの介護を守るために
(1)戦略的な人材確保の取組  

 厚生労働省は第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、各都道府県の介護職員の必要数を公表しました。2019年度と比較して、2023年には全国で約22万人、新潟県で1480人、2025年には全国で約32万人、新潟県では2551人の介護人材が不足する見込みです。
 「2025年問題」が指摘される4年後には、柏崎市の75歳以上人口は現在より約2千人増え、1万6千人を超える見通しとなり、要介護者の増加も予想されます。

 これまでは介護人材不足の為に特別養護老人ホームを新設できず、入所したくてもできない多くの待機者のことが問題視されてきました。ですが今後は、デイサービスやショートステイ、訪問介護など、在宅で暮らす方々が利用する介護保険事業も、十分提供できなくなる可能性があります。
 そうなれば家族介護者の負担が増え、高齢者だけでなく、社会を担う現役世代・若い世代にも影響を及ぼします。市民の皆さんが安心して働き、暮らしていく為に、これからの数年間で、1人でも多くの介護人材を確保しなければなりません。

 さて現在、柏崎市では、介護資格取得支援補助金、介護夜勤対応者臨時補助金、介護職員就職支援事業などを用意していますが、これらの利用実績と、市内の介護人材不足がどの程度解消されたか、ということの相関関係が見えにくいと感じます。
ハローワーク柏崎には常に100人を超える介護関係の求人が出ていますが、施策の効果を検証するには、介護人材の必要総数や入職・離職の動向のデータを、市として抑えておくべきではないかと考えます。

 また介護人材確保を行うのは第一義的には介護保険サービス事業者であり、本市ではこれまで事業者の努力を引き出す施策に注力し、良い事例の共有により、全体の底上げを図ってきたと思います。
 しかし柏崎市の介護保険事業を守るためには、官民および全庁的な連携のもと、戦略を立てて、介護人材確保に取り組むべきと考えます。

 例えば、兵庫県伊丹市では、介護人材の確保策を調査・検討・実践する組織として、平成28年9月に「伊丹市介護人材確保検討委員会」を発足しました。
 この委員会は条例によらない任意の組織であり、市内の介護保険サービス事業所で働く職員有志と市の介護保険課職員等で構成され、発足当時は26人、令和3年度現在は17人が加入しています。
 平成28年には介護人材の確保に関する現状及び課題の抽出、原因の分析並びに解決策を考案し、平成29年には具体的な方法について議論を重ねた上で、各事業の詳細な企画・立案作業を行ったそうです。それをもとに伊丹市では、ハローワークと連携してマッチングを行う介護コンシェルジュの配置、介護現場におけるハラスメント防止など、現場に即した取組を行っています。

 そこで質問ですが・・後期高齢者人口が激増するこれからの時代に備え、柏崎市においても介護人材確保のための、官民連携プロジェクトチームをつくってはどうかと考えます。そして、必要とされる介護職員の総数を把握し、新規獲得や職場定着の課題、現場が真に求める施策について検証し、戦略的な人材確保の取組につなげていただきたいと思いますが、見解を伺います。

福祉保健部長

 介護サービスのニーズは今後も増加する見込みであり、これに伴って介護職員の必要人数も増え、人材が一層不足するとの推計がなされていることは、議員からお話があった通りでございます。
また人口減少・少子高齢化が進む中で、人材不足は介護現場だけでなく、医療・子育てなど色々な分野で厳しい状況にあることは、議員もご承知のところと思います。

 市としましても、それぞれの分野で人材を確保するために、様々な支援に取り組んでおりますが、介護分野においては事業所意向調査や事業所より直接聞き取るなど、実態を把握した上で、人材確保・育成策の検討を重ね、実施してまいりました。

 夜勤対応者補助金や資格取得支援補助金は、令和元(22019)年度から新しい支援策として取り組んでおり、事業者からは夜勤帯での勤務を希望する職員が増えた、スキルアップに役立っているとのお話を伺っております。

 さらに今年度からは障害者施設も含めて、採用に関するHPの作成や合同説明会に参加するための補助を新たに創設し、求職者の増加につながるよう支援を行っています。

 不足する職員数については事業所調査や聞き取りなどにより、把握に努めているところであり、その中で職員不足から入居者を受け入れられずにいた特別養護老人ホームの空きベッド数も、昨年同時期の約50床から約20床へと30床ほど、解消されていることを確認しております。このことは介護事業所のご努力はもちろんのこと、人材確保の取組の効果の表れと受け止めております。

 議員からは官民連携のプロジェクトチームをつくって戦略的に取り組んではどうか、とのご提案ですが、これまでも現場の声を様々な機会をとらえてお聞きする中で、その課題を解決またはその支援となる施策を検討し、すでに附属機関として設置しています介護保険運営協議会でご意見をお聞きするなどしながら、実施してきております。

 戦略的に取り組むことは重要ですが、介護現場の職員の皆様の負担を考えると、プロジェクトチームではなく現在の対応の中で、より多くの事業者の意見を丁寧に聞きながら、施策に反映することで効果的な人材確保の取組を進めていきたいと考えております。

近藤
 今ご答弁をいただき、つまるところは現状維持のままやっていくことを伺いました。ですが今後、要介護者が増えていくという非常に厳しい状況についてもお考えいただいた上で、もし民=事業者から人を呼べないというのであれば、庁内の連携を深めて、これまでよりも厳しい状況になるという危機感を持っていただきたいと思います。

次の質問は
(2)介護従事者へのエールをかたちに です。

 11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」では、看護、介護、保育などの現場で働く方々の収入引上げを含め、全ての職員を対象に公的価格の在り方を抜本的に見直す方針を打ち出しました。
 介護・福祉施設職員については、収入の約3%にあたる月額 9,000 円引き上げるための措置を、来年2月から前倒しで実施するとしていますが、介護従事者全般が等しく対象になるかどうかは不明です。

 介護現場は、直接、利用者の身の回りの世話をする介護員の他、看護師、介護支援専門員、生活相談員、機能訓練員、事務員、栄養士、調理員、運転員等、多くの職種によって支えられています。
 それぞれ必要な介護人材として、専門性を持って利用者に関わっていますが、支援策の対象となる職種は限定的です。
 柏崎市では、介護人材への支援策の対象となるのは、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士、初任者研修修了者、実務者研修修了者です。また看護師が介護施設に就職すれば、看護師就職助成金の対象となりますが、それ以外の職種は支援の対象から外れます。

 例えば介護施設で働く調理員は、早朝からほぼノンストップで働き、衛生面・安全面に配慮しながら、嚥下食など繊細かつ複雑な技術を要する食事を毎日作ります。利用者の喜びと延命につながる重要な仕事ですが、労働対価は低く、待遇も良いとは言えず、支援策の対象にもなりません。
 その他の専門職も大抵ギリギリの人数で現場をまわしている状況であり、新型コロナウイルス感染症対策も加わり、かなり疲弊しています。

 そこで質問ですが、こうした実態を踏まえ、介護従事者全般に対する「エール=応援」を形にする施策展開を行ってはどうかと考えます。
具体策として「介護従事者パスポート制度(仮)」の創設を提案します。これは県が行う「にいがた消防団員サポート制度」や本市の「柏崎ファンクラブ」会員特典のように、柏崎市内の介護施設・事業所で働く職員にパスポートを発行し、協力店舗や施設を募り、利用時にパスポートを提示すれば、割引サービスや優遇措置を受けられるものです。

 職種を問わずに対象とすれば、これまで公的支援が届かなかった方々にも光が当たります。また協力店舗等はステッカー掲示、市のHP掲載により利用促進が期待できます。特に高柳じょんのび村は仕事の疲れを癒せる、優れた保養施設であり、ぜひ協力施設となっていただきたいところです。そしてパスポートを「通し番号」で管理すれば、市内の介護従事者人数を把握できます。

 このように「介護従事者を応援するまち・柏崎」として、介護現場で働く方々の離職防止やモチベーションアップを図っていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。

市長
 まずエールをかたちに、ということで、言葉は形ではないわけでございますが、日頃から近藤議員がばんたび介護従事者の立場に立ってご質問いただいておりますこと、また介護従事者の方々がコロナ禍で今まで以上にご苦労をされて、入所されている方、またそのご家族の方へのお気遣い、体力的な消耗も含めてご尽力いただいていることに、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 新型コロナウイルス感染症に細心の注意を払いながら、日夜介護の現場で頑張っていただいている皆様であります。近藤議員からは、感謝の気持ちを言葉だけでなくて、仮称・介護従事者パスポート制度という形で表してはどうかとのご提案でございます。

 色々な形で感謝の気持ちを表すことはできると思いますが、議員からお話がありましたように、介護現場では様々な職種の方が、異なる勤務形態でお勤めいただいており、利用者の皆さんを支援していただいていることは承知しております。

 そうした方々のいずれが欠けても、その運営に支障を来すことになるわけですから、事業所としてもこうした様々な人材の確保に、ご尽力いただいておるところでございます。

 市が行っております支援策のうち、就職支援事業補助金はご本人への直接補助でございますけれど、夜勤対応者の補助金や資格取得支援補助金は、事業者に対する補助をしております。補助対象となる職種は限定されますけれども、それぞれの支援を行うことで、間接的に事業者全体の支援にもつながるという風に考えております。

 先ほど福祉保健部長の方からご答弁申し上げましたように、例えば夜勤対応の補助金をやらせていただいたということを含めて、特別養護老人ホームで、(ベッドが)余っているんだけれども入れない、という方々を少しでも改善したいということで、先ほどご紹介させていただきました。

 1年ほど前、50床ほど余っていた特養のベッド数が、20床から30床になった、つまり30人~20人の方々が新たに特別養護老人ホームにお入りいただくことができた、もちろん特養に入ることがご本人にとっていいことなのかどうか、ということはわかりません。

 しかし、いつも申し上げることですけれども、ご家族にとってみれば一定のご負担を軽減することになるんだろうと思っておりますので、特養の空いているベッド数が減ったということは、行政としてはいいことだと思っています。

 そういったことも含めて、今まで私どももいくつかの事業を行いながら、介護に関わる方々を応援してきたつもりでございます。

 今、近藤議員からご提案いただいたパスポート制度でございますけれど、公的な支援が届かない方々にも光が当たるというお話がございましたけれども、光が当たらない、もしくは光を当てなければならない分野というのは、介護に関わらず、医療の分野や子育ての分野など多岐に渡っています。例えば保育士の方からも非常にお声をいただいております。医療に関してもそうですし、学校の現場からもお声がかかっているところでございます。

 それぞれの分野で市として色々な支援をさせていただいており、特に先ほど申し上げましたように、介護の分野では事業峻別で捻出した財源を充てて、夜勤対応者補助金など、約5000万円余りを一般財源として投じているということは、他の自治体にはない、かなりの規模の応援・支援だとご理解賜りたいと思っております。

 こうしたことから、介護従事者パスポート制度は、市内施設の利用促進につながる点も含めて、貴重なご意見としてお伺いしますけれども、現時点ではこういった制度を創設することよりも、より直接的に介護に関わる事業者の方々に対して、応援をさせていただくこと、また何よりも不足している人材を確保する、そういったことにお手伝いさせていただくことが、いちばんのエールであると考えるところでございます。

近藤
 今、市内の介護人材の採用状況も伺い、特別養護老人ホームについては改善されているということですが、根本的に人が足りているわけではなく、また、このまま行けば確実に、介護を必要とする方が、必要なサービスを受けられない時代がやって来ます。そこを何とかしたいということで、今回提案させていただきましたが、これがダメだったとしても、また様々な調査・研究をしながら、あきらめずに提案していきたいと思います。

さて、本項目の最後に、私がこれまで行ってきた介護人材育成に関する一般質問の答弁も踏まえ、

(3)介護学習とキャリア教育の連動  について伺います。

 令和元年9月の一般質問で「教育現場における理解促進、人材育成について」伺った際、教育長からは「キャリア教育や総合的な学習の時間等において、介護の仕事や高齢者への理解促進を図っている」とのご答弁をいただきました。また学習指導要領の改訂に伴い、今年度にあたる令和3年度から中学・高校の技術家庭の授業で、「介護など高齢者との関わり方」を学ぶことにも言及されています。

 中学校学習指導要領の解説では、【高齢者は視力や体力、筋力が低下していることを踏まえて関わる必要があると理解し、介護については立ち上がりや歩行などの介助について学ぶこと】、また【中学校での学習内容を、高等学校家庭科で学ぶ高齢者の介護につなげること】が目標とされています。

 また指導にあたっては、【介護の基礎に関する体験的な活動を通して、実感しながら理解を深める。例えば生徒同士がペアを組み、立ち上がりや歩行の介助を体験し、介助される側の気持ちや必要な配慮について話し合う活動や、高齢者介護の専門家から話を聞く活動、さらに、他教科等の学習における体験と関連付けることも考えられる】としています。

 昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大により、当初目指していた指導方法は難しいかもしれなませんが、高齢者の特徴や介護の手法を授業で学ぶことは、将来の介護人材育成のための第一歩となります。

 また令和2年2月定例会議では「若い力を介護現場へ」という一般質問を行い、市長からは「若手介護職員が小・中学校へ出向いて講話をする機会を設けるなど、新しい試みも今後行いたい」とのご答弁をいただきました。しかしこちらもその後のコロナ禍により、中々そういった機会を持てなかったのではないかと思います。

 そこで質問ですが、コロナ禍の影響もある中で、柏崎市内の中学校ではどのように「介護など高齢者との関わり方」を指導していくか。また従来のキャリア教育等とも連動し、講師として市内の現職・介護職員を活用する予定・実績があるか、お聞かせください

教育長

 コロナ禍にございました昨年度と今年度は、高齢者との関わりから学ぶ職場体験や講演会を、中止せざるを得ない状況もございました。非常に(中止が)多かったと思います。いわゆる学校以外の方々との接触が非常に難しい状況でした。
 そのような中でも学習指導要領の改訂を受け、高齢者疑似体験セットや、車いすなどを借用して、高齢者の身体的特徴を、実感を伴って理解をしたり、必要な介助について考え、実践したりする学習を行った中学校が、11校中6校ございました。

 また介護施設で職場体験を実施した学校が1校、こういった中でもございました。現職の介護職員から直接お話を伺って、学んだ学校が7校ありました。そのうち1校で実施されたものは、介護高齢課が提案した高齢者の人生に寄り添う支援や、介護職のイメージアップを目的とした出前授業を取り入れたものでございます。

 尚、鏡ヶ沖中学校が、新潟県中学校教育研究会(中教研)で2年間の技術家庭科指定研究を受けまして、高齢者との関わりをテーマに、実践を積み重ねております。
 指定研究1年目の今年度は、去る11月18日にこの授業を行いました。そこでは柏崎市社会福祉協議会や、新潟工科大学、企業等々と連携し、高齢者の身体状況を踏まえた介助の方法の学習に加え、総合的な学習とも関連させ、安全安心な住居を考える学習も行いました。この学習は高齢者との関りを多角的に考えたものです。

 これらの取組を他の中学校にも発信し、介護学習とキャリア教育を効果的に連動させ、高齢者との関りについて、生徒の学びの充実につなげてまいりたいと考えております。

近藤

 今ご答弁いただき、コロナ禍の中でも、学習指導要領とキャリア教育の連動をしながら、少しずつでも市内の中学校でそういった取組がされたことをお聞きして、安心したところです。ご答弁にもありましたように、この先も他の中学校にも広げていただきたいと思います。

 中学生は進路選択が具体化する時期であり、そこでの働きかけは将来に大きく影響します。今後は高校との連動なども視野に入れながら、若い方々から介護の仕事を知っていただく機会、高齢者のことを理解していただく機会を、さらに広めていただきたいと思います。

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2021年12月 6日 (月)

令和3年12月定例会議スタート

12月6日~柏崎市議会令和3年12月定例会議が始まりました。

先月、新しい会派に異動 した為、議席番号9番となりました(以前は6番)。

今回、市長当局から附託された議案は以下のものです。

■令和3(2021)年度一般会計補正予算(第19号)
■犯罪被害者等支援条例
■国民健康保険条例の一部を改正する条例
■市立保育所条例の一部を改正する条例
■特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
■企業振興条例の全部を改正する条例
■手数料条例の一部を改正する条例
■令和3(2021)年度一般会計補正予算(第20号)
■令和3(2021)年度国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)
■令和3(2021)年度介護保険特別会計補正予算(第3号)
■令和3(2021)年度下水道事業会計補正予算(第3号)
■柏崎市第五次総合計画基本構想及び基本計画の施策の体系の変更について
■柏崎市過疎地域持続的発展計画の制定について
■公の施設の指定管理者の指定について(新潟県立こども自然王国)
■公の施設の指定管理者の指定について(文化会館アルフォーレ)
■公の施設の指定管理者の指定について(海洋センター)
■公の施設の指定管理者の指定について(家族旅行村)
■財産の譲与について(建物)
■字の変更について(五日市・内方地区)
■市道路線の認定について

令和3(2021)年度一般会計補正予算(第19号)だけは委員会に附託せず即日採決でした。

子育て世帯への臨時特別給付金給付事業 574,821,000円(全額国補助金)
・子育て世帯への臨時特別給付金給付事業費 568,000,000円
・子育て世帯への臨時特別給付金給付事務費 6,821,000円
(説明)
国が令和3年11月19日に閣議決定したコロナ克服・新時代開拓のための経済対策として、0歳から高校3年生までの給付対象者一人当たり5万円を臨時特別の一時金として給付するために必要な給付費と事務費を措置いたしたいもの。
給付対象者は、11,360人を見込むが、給付対象者のうち児童手当受給世帯は、児童手当の仕組みを活用して申請を不要とすることにより、12月27日から支給を開始する予定。
また、申請が必要となる高校生などの世帯については、資格審査を行ったうえで、随時、支給手続を行う予定でありますが、申請手続を12月中旬から開始する予定であり、支給は1月になる見込み。

Q1、今年10月末の18歳以下人口は11,040人、3月末までに生まれた子どもを含むと解釈。世帯主の所得制限960万円以上は対象とならないとされているが本市において対象児童の状況はどうか。
A1、現時点で中学生以下9260人 高校生以下2100人。中学生以下の人数に安全率1.1倍を掛け児童数を算出。対象外人数の算出は行っていない。これから資格審査を行う。

Q2、15歳以下は児童手当の仕組を使い、16~18歳は申請とのことだが、15歳以下と16~18歳児童が重複する家庭に対する支給はどのように行うか。
A2、中学生以下と高校生がいる世帯については、システム改修を行い児童手当の仕組みを用いて支給。高校生のみは申請、資格審査を経て支給する。

Q3、DV等により別居している家庭に対する配慮は。
A3、デリケートな問題だが児童の看護者に対して支給する。

(討論はなく全会一致で可決)

これ以外の議案は常任委員会に附託されます。

また今回は星野正仁議員及び若井恵子議員によって提出された

平成30(2018)年3月6日付け議員倫理審査請求に係る倫理審査会の審査結果に対する名誉回復措置願い

に係る協議結果の報告がなされました。

荒城彦一議員が反対討論を行いましたが、その後の採決では賛成多数により2議員の名誉回復措置が決定しました。

本会議終了後は常任委員会作業部会、午後からは原発特別委員会の中間報告が行われました。

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