高柳じょんのび村 再生再建への道
10月25日、産業建設常任委員協議会にて高柳の「じょんのび村」新代表取締役・吉村英治氏による経営改善計画の説明があり、傍聴出席しました。
吉村代表取締役は鹿児島県出身。観光・旅行業22年間携わり、豊富な経験と実績を持っていらっしゃいます。
(株)じょんのび村協会「社長」の募集を巡っては再募集した経緯 もあり、「2年半で黒字化する」という過酷なミッションを背負って144人の中から選ばれた吉村社長に対しては、非常に大きな期待が寄せられています。
以下は協議会の内容です。
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株式会社じょんのび村協会 経営改善計画
1,経営方針
(1)事業理念
顧客のために~。お客様の役に立つことを考えよう
地域のために~。交流・連携して、活性化へ
未来のために~。持続可能な事業に取り組もう
(2)ありたき姿
「また来たい もっといたい」+「行ってみたい 誘ってみたい」
収支の健全化~2024年3月期における黒字化~
地域観光の牽引~柏崎市周辺地区への観光促進~
後継者・従業員の育成~未来、子どもたち、働く方に残す事業継続~
2,本年度の収支見込と取り組み概要
(1)上半期の業績
(3)巻き返しに向けた下半期の取り組み
2021年11月~2022年3月《実施予定事項》
【A】営業・プロモーション
①販路拡大
◆旅行会社への販売促進営業強化
・旅行代理店→料金表を提案
HIS、JTB、農協観光・B2C販売(企業~一般消費者)
ツアー・ウェブ(新潟県・東北中心)B2B販売(企業~企業)
・オンライン旅行代理店→追加接続(Expedia Bookingu.Com)
・旅行関係者割引料金の設定→視察に繋げる
売上 当初予算940万円→目標予算1250万円
客室占有率 当初33%→目標45%(13部屋中5.8部屋を埋める)
宿泊収入:300万円up
宿泊利益:60万円up
飲食収入:90万円up
飲食利益:27万円up
◆ホームページリニューアルによる直販率向上
・現状予約比率→自社予約:他社予約=5:5
・直販率向上後→自社予約:他社予約=7:3
②物販事業強化
◆オンラインツアー×物販
地域の特産品をご自宅に郵送し、オンラインにて自宅にいながら味わう体験ツアー!
【物販例】酒・米・がんもどき・こんにゃくetc.
催行日数:12~3月→各月2本=>計8本
単価:5,000円
最小催行人数:10名
5,000円×10名×8本=計40万円
売店収入:40万円up
売店利益:12万円up(利益率:30%)
③コンテンツ開発(11月)
◆おみやげ処「やませみ庵」再開
【現状】
人手不足により閉鎖
入口横にて3分の1スペースで土産物販売
↓
【11月以降】
・販売面積1.5倍
・品数増加
・非接種無人レジの導入(人手不足解消)
*コロナ助成金申請を検討
売上:1.2倍を想定!=>250万円
*12月以降のイベント等でも売店売上が積みあがる想定
売店収入:250万円up
売店利益:50万円up(利益率:20%)
◆つり橋イルミネーション&クリスマスマーケット開催
*話題性のあるイベントを計画、マスメディア・SNSによって拡散し、集客につなげる
12/1イルミネーション点灯式を予定
露店にて飲食販売!
(例)ホットワイン、ホットサンド等
クリスマスマーケット
開催日:12月土日+23~26日
10日間開催(12/4,5,11,12,18,19,23~26)
1日当たり売上5万円=>10日間で50万円
売店収入:50万円up
売店利益:15万円up
*別途、入館料収入・宿泊収入・飲食収入も比例して伸びる想定
③コンテンツ開発
(1月)
◆農村体験ができるオプショナルツアーを造成
じょんのび村の特徴ある施設を活かしたオプショナルツアーを造成し、売上アップを目指す。
【手作り体験】
豆腐/がんもどき/油揚げ/こんにゃく/どぶろく
(春に向けた準備:田植え/畑/米粉)
1月の閑散期に、商品造成者やターゲットとなる家族連れに対してモニター体験を実施し、オプショナルツアーの改良を試みる。
クラウドファンディング実施
2022年春以降の囲炉裏レストラン「銀兵衛」再オープンを目指し、1月よりクラウドファンディングを開始。
資金集めを行い、開店に向けた工事に取り掛かる。
(2月)
◆雪祭りイベントの開催&参画
・自社開催イベントの運営
(仮)気球から見下ろす白銀の世界
【日付】2月11日(金)・12日(土)・13日(日)
【場所】じょんのび村
【詳細】大人2,000円/子供1.000円
8人乗り 10:00~16:00(6時間)
12000円×3回×6h×3日間=648,000円
・地域イベントへの積極的な参画
高柳雪まつり「YOU・悠・遊」
【日付】2月26日(土)・27日(日)
【場所】じょんのび村
売店収入:65万円up+屋台売上
売店利益:6~7万円up(利益率10%)+屋台利益
*別途、入館料収入・宿泊収入・飲食収入も比例して伸びる想定
(3月)
◆縁側カフェOPEN
春休みの集客に向けて、お食事処横の空きスペースに、3月から「縁側カフェ」をオープン。
*降雪・積雪状況を見て、開始時期を判断
土日:5テーブル=10名×3回転=30名
平日:30名×3割=9名
→1週間:30×2(土日)+9×3(月木金)=87名
→1か月:348名
集客人数予想:約350名/1か月
単価:500円
飲食収入:17万円up
飲食利益:5万円up(利益率:30%)
【B】管理・整備
①クリーン作戦 5S実施
整理:不要なものを捨てる
整頓:使いやすく並べてわかりやすく表示する
清掃:掃除とあわせて点検する
清潔:きれいな状態を維持する
しつけ:きれいに使うよう習慣づける
②アンケート実施
お客様の声を聞き、活用できるように、Webアンケートを作成。
データ化しやすいベースを整え、今後の運営に活かす。
例
アンケートに答えて海外旅行を当てよう!キャンペーン
→当選者は「じょんのび村」公式Instagramにて随時発表(フォローを募る)
(4)下半期・年間の業績見込み
3,令和6(2024)年3月末までの取り組み概要と収支目標
(1)令和6(2024)年3月末までの取り組み概要
例
・RVパーク:泊まって安心!くるま旅の中継スポット
・グランピング:森の中のドーム型テントに滞在
・屋外フードコート:日本酒や地産地消のグルメを楽しむ
・テント式サウナ
・稲作体験エリアor農作体験エリア
マーケティングや、過去のイベント内容などを精査し、狙うべきターゲットを選定
■春夏秋冬1年中人が集まる場所へ
■話題性創出
■新たな顧客層の創出
■各世代からの口コミやSNSを利用した拡散
周遊型ランドパッケージの造成
①周辺施設との連携による、商品造成販売
(例:じょんのび村×こども自然王国)
地域全体で集客を実施し、立ち寄りにおいても収益をあげられ、補完しあえるような観光地連携を実現する。
②施設内外においてのアクティビティの仕入
(例:アユールヴェーダ、森林セラピー体験)
+αの商材により、若年層やインバウンドの新規顧客層の取り込みを図る。
③周遊型ランドパッケージの造成・販売やリテール業の展開(*旅行業の取得)
個人旅行者だけでなく、旅行会社や海外エージェントなどに販売する。
⇒将来的に、インバウンド集客へとつながる。
地域創生事業
「柏崎市観光ビジョン」にのっとり、地域創生に加わり、先導するような役割を担う存在へ。
■ワーケーション
■観光誘客の実施
<実施事例>
■愛媛県 今治・しまなみワーケーション
■香川県 観光誘客キャンペーンイベント
じょんのび村の今後
1,柏崎観光協会をDMOとしての体制確立に協力
2,じょんのび村がDMCとしての役割を果たしていくこと
*DMO:観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人。
*DMC:地方や地域の観光資源の活用を促進するため、各関係機関と連携し、旅行客にとっての目的地を顧客視点で満足実現に向けて、経営・資源開発を行う地域に特化した旅行会社。
SDGsへの取り組み~子供旅行~
SDGsへの取り組み~フードロス対策~
新潟県R10プロジェクト
【質疑応答】
S委員
じょんのび村は市町合併前に整備し、豪雪・過疎地域での活性化策であり、地域人材、地元資源を活用してきた。
経営方針「地域のために」は地域資源の活用、初期の考え方は。方針転換あるのか。
代表取締役
じょんのび村構想の中には、地域資源と交流の他、都心・県外から多くの方が訪れて交流し、資源を最大限活用することも含まれる。
今どちらかといえば地元6~8割、県外客多くない。
地元客を今まで通り大切にしながら、県外客へのサービスに付加価値をつけ、地元の農産物などに経済的に潤いをもたらす。
地元を大切に事業に取り組みたい。
Ⅿ委員
3期で全体を向上との計画だが入口として事業理念が掲げられている。
これまで「じょんのび村構想」は注目されるまちづくりだった。
これまでの何が問題か。具体的に何が前と違うのか、分析と対応は。
また事業理念の詳細を文書化すべきでは。
代表取締役
じょんのび村は毎期ごとにスローガンを掲げてきた。それらすべて直結していることから集約し、わかりやすく置き換えている。
「よそ者」が入ったからといって、これまでの構想を新たに変えるつもりはない。
今までの構想、想いを継続し、手段として前に出て経営・運営をしていく。文書化も含めて表記は検討したい。
Ⅿ委員
地元との関わり、スタッフに対してはどういう取り組みを行うか。
客層はどこをターゲットにするのか。
3期で取り戻すには時間軸が必要(もっとかかる)。
スタッフのサービスに対する関わり、自主的に動けるようにするには。
代表取締役
経営のキーポイントは人、スタッフ。
正社員4名+1名、パート入れて30名。
自分が加入したことにより警戒心持っている。
辞めさせられるのではないかとの声も聴く。
今までスタッフはやりたくても人員が限られ、あきらめの気持ちになっていた。
変えたい、愛する気持ちは持っている。
まずは私と外部非常勤、お手伝いスタッフがチームを組み、新たな計画。
自ら進むことで、お客の笑顔、ニーズを感じ取り、自ら動いてもらいたい。
プライドを尊重し、自発的に動いていただけるよう取り組みたい。
Ⅿ委員
コンテンツ開発の定義は5セットありテーマパーク的。
今後の開発は継続的に行う努力が必要だがどう捉えるか。
代表取締役
テーマパーク、長崎ハウステンボスでの経営改善に係る。
タイミング、内容、色々と変化をもたせる必要あり。
マーケティングしながら、つながり・関係性あるイベントを模索。
A委員
5Sについて、今は7~8S。従業員カチカチになるのでは。
せめて7S、セーフティ、スマイル入れては。
従業員の笑顔がなければ人が寄らない。
明るい職場づくりをしてほしい。
またつり橋イルミネーションは、渡った先で何かあるのか。
ログハウスもあるが、仕掛け(魔女がチョコを配るなど)も必要では。
集客、TVでのPRもやりやすいのでは。
現場の雰囲気盛り上げていただきたい。
代表取締役
7Sは勉強したい。
入った段階で笑顔、元気、挨拶はなかった。
お客様にも「ありがとうございました」✕
→「ありがとうございます。」〇今後に続く。
冬期は安全性の問題もあるので、下半期でお金を稼いで新たな展開につなげたい。
K委員
HIS出身で大企業バックにある背景に期待は大きいのでは。
代表取締役
前職HIS協会で中四国部の地域創生を担当。
鳥取、島根も過疎地域を盛り上げてきた。
地域創生の分野に興味関心がある。
人とのつながりは大切にしてきた。
HIS役員からも応援されている。
退職の挨拶時、互いに頑張ろうとの励ましの言葉。
東北・北海道事業部長からも契約を結ぼうとの言葉ある。
前職のつながり、フルに使って、じょんのび村・柏崎市のために培った関係性を活用したい。
Ⅿ委員
地元人材の育成とカンフル剤的な外部人材が課題だと考える。
外部人材はどれくらいいるのか、また外部人材による新たなアイディアをどう活用するのか。
代表取締役
外部人材、やめる際にスタッフ一緒にやりたい4~5名。
プロモーション、広告、施設周辺に強い人を1名(11月~)
遠隔、リモートで個人事業主スタッフも東京に置く。
取締役、非常勤もインバウンド、レストランなど経営。
地元の若い方々の登用も必要。
外部からやってきて、ダメになったら出て行くと思われたくない。
若い社員が入社したいと思えるよう、着眼してやっていきたい。
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吉村代表取締役は非常にクレバーかつ人間力の高いリーダーであり、経験・実績・知見・人脈等々、申し分ないと感じました。
また今回はじめて現実的な「改善への道筋」が可視化されたのではないでしょうか。
これからのリアルタイムでの「再生再建への道」に注視しながら、市民のひとり、議会の一員として協力していきたいと思います。
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