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2021年9月 9日 (木)

令和3年9月一般質問「1,脱炭素のまち・柏崎の災害レジリエンス」

9月9日(木)10時~一般質問を行いました。以下はその内容です。

R39

 

1.脱炭素のまち・柏崎の災害レジリエンス

近藤

深刻化する気候変動・多発する気象災害により、今年も全国各地で被害が発生しています。
原因とされる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を実現し、災害発生を抑制することは世界共通の目標であり、本市が平成30年に策定した「柏崎市地域エネルギービジョン」でも、目指す将来像として「脱炭素のまち・柏崎」を掲げています。
その一方で日常化した災害への対応力・回復力を意味する「災害レジリエンス」を強化することも、重要課題と考えます。
そこで本質問では柏崎市における脱炭素化、そして災害レジリエンス強化について、順次伺いたいと思います。
 
(1)柏崎市地域エネルギー会社の方向性 

昨年12月定例会議で桜井市長は、国が掲げる2050年カーボンニュートラルに先駆け、「2035年脱炭素のまち・柏崎市のスタートを目指す」と表明されました。また地域エネルギービジョン実現の中核として位置付けられた、柏崎市地域エネルギー会社の設立準備も、大詰めを迎えていることと思います。
地域エネルギー会社の事業開始初期は、小売供給先を柏崎市内の公共施設に絞り、再生可能エネルギー導入施策と連携した自社電源・提携電源開発を進め、収益・経営基盤を構築することが示されています。

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一方、国は今年6月に「地域脱炭素ロードマップ」を公表し、2030年度までにカーボンニュートラルの「先行地域」を全国に100以上設ける方針を決定しました。その後(7月)に公表された「再エネの更なる導入に向けた環境省の取組方針」では、【公共部門における太陽光発電の率先導入を進め、2030年度までに国・地方公共団体が保有する設置可能な建築物屋根等の約50%に太陽光発電を導入することを目指す】としています。

 

柏崎市地域エネルギー会社は、今年3月に示された事業計画書(案)では、発電場所と電力の供給先は別々だと解釈できますが、国策では公共施設の屋根等を活用した自家発電と余剰電力活用によって、脱炭素化を進めようとする意向が読み取れます。
また設立当初のビジネスモデルには、市内の太陽光発電・風力発電の図が示されますが、現在、報じられている西山地域の風力発電、松波地域の太陽光発電が、地域エネルギー会社の電力調達先となるのか、注目されていると思います。
そして地域エネルギー会社設立によって、市内の企業や事業者への発注が増えるのかということも、市民の皆さんの関心は高いのではないでしょうか。

そこで質問ですが・・柏崎市地域エネルギー会社の初期事業に、国が示す「公共施設の屋根等への太陽光発電率先導入」を反映させる考えはあるか、また西山の風力発電・松波の太陽光発電が参入する可能性はあるのか、そして地元企業や事業者がどのように関わっていくことになるのか、現時点での方向性を伺います。

市長

3月に公表した事業計画書(案)は基本的な考え方に変わりはありません。ただ今年度に入り、柏崎市内の経済界・産業界の方々の認識・状況が変わってきたと実感しています。具体的には世界的な潮流、国の大きな動きを視野に入れながら、低炭素電力を使った事業運営が柏崎の企業にも求められているということを実感されてきたのではないか、つまり再生可能エネルギーのニーズが高まってきたと実感しています。

屋根置きの太陽光発電は設置所有者の理解と要望が必要ですが、この数か月で設置所有者の理解を得られる状況になってきました。現在の庁舎の上にも若干の太陽光パネルが設置されていますが、それも含めて理解が得られる状況になってきたところです。

こういったことから、ご提案の屋根置きをはじめ、施設に設置する太陽光は有効に機能する電源として事業計画に位置付けることと致しました。施設や事業所などの駐車場の有効活用にも取り組むこととし、カーポート型の太陽光発電を検討しているところです。耐雪・耐震の観点から、屋根置きよりもカーポート型の方が柏崎に適している面もございます。ご承知のように屋根置きは大雪時に屋根に上がってメンテナンスをしなければならないため、そういったことも含めて柏崎ではカーポート型が適していると考えるところです。
これらを公共施設にも民間事業所にも取り入れる事業計画となるよう、ご提案を含め引き続き前向きに進めていきたいと考えるところです。

一方、野立ての太陽光発電は不要かといえばそうではなく、地域に低炭素エネルギーを供給する目的を持つ地域エネルギー会社にとって、広く活用できる電源も大変重要なものであります。こちらも変わらず導入を促進してまいりたいと考えます。
ただし民間事業者による西山地域、松波地域の太陽光発電は、事業計画段階ではいずれもFIT制度により一般送配電事業者にすべての電力を売る事業だと認識しています。私どもが考える地域エネルギー会社は、FITに頼らず発電事業者と自社間とで卸売契約を結んで行う事業であり、現状で西山・松波の事業者と連携する考えはありません

そして地元企業や事業者への波及効果は、地域エネルギー会社を通して再生可能エネルギー由来の低炭素電力を使えるようになること、これがもっとも大きな効果と考えています。

冒頭に申し上げたように柏崎市の企業を含めて日本の企業、世界中の企業が、低炭素エネルギーを求めております。市内にも低炭素エネルギーでなければだめだという企業もございます。そういった意味で再生可能エネルギーの争奪戦が予測されるわけで、地域に向けた低炭素電力の供給を行う企業そのものが、あらゆる産業の競争力を押し上げていく力になると考えます。

当然、発電所の建設といった局面で地元・柏崎の地域産業への受発注もあることと思いますが、それ以上の効果を期待して環境エネルギーの発展を目指すものだと申し上げます。

つまり最終的にカーボンニュートラル電源を安価で安定的に柏崎でつくる、もしくは柏崎に運んでくる、そして安定化させ、カーボンニュートラル電源を安価で安定的に使うことができる環境を目指していくことになります。
それによって地元・柏崎の産業の育成や、新たな企業誘致を目指したいと考えるところです。

近藤

今のご答弁について再質問ですが、最初の説明にあった屋根置き型、カーポート型太陽光発電設置における「施設所有者」とは市内の企業という意味合いでよろしかったでしょうか。

市長

基本的には柏崎市内の企業を設定しています。ただし電気を仕入れることに関しては、市外事業者からも想定しています。

近藤
また議会にも正式な事業計画は示していただけるかと思いますが、国の動きにも目を向けて、柔軟に進めていただきたいと思います。
さて、環境省ではカーボンニュートラルに取り組む地方自治体を継続的に支援する交付金を新設するとして、令和4年度当初予算概算要求に、新たに200億円を盛り込みました。
また現時点でも様々な補助事業を用意しています。そこで

(2)脱炭素化と災害レジリエンスの同時実現

では、国の補助事業を活用した避難所の電力確保について伺います。

柏崎市地域エネルギービジョンでは、基本方針のひとつとして【多様なエネルギーを地産地消で利用していくことで、災害時にもエネルギー自給が可能である強靱なまちづくりを目指すとともに、エネルギーの選択肢を複数持つことによる将来の変化への対応力を強化する施策を行う。】としています。
この冬は大寒波により電力需給がひっ迫しましたが、経済産業省は令和4年度以降も猛暑や寒波が発生すれば、安定供給に必要な電力確保ができない恐れがある・・としており、大規模停電に備えた電力確保と同時に、日常的な温室効果ガス排出抑制も必要と考えます。

全国的には国の補助事業を活用して、防災拠点となる公共施設に平常時でも稼働する再生可能エネルギーを導入し、災害レジリエンスを強化する事例が見られます。
群馬県吾妻郡では、公立病院や学校、保健福祉センターなどに太陽光発電と蓄電池を導入し、停電時でも使える電源施設を備えました。AIにより電力の使用状況を最適化するエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入して、余剰電力の効率的な活用を実現し、日常的な節電につなげています。
また千葉県木更津市では、令和2年度補正予算と令和3年度の国の補助事業により、災害時に避難所となる小中学校に太陽光発電設備と蓄電池を導入し、保守管理を地元電気事業者に任せるそうです。
木更津市が活用するのは、環境省の「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する避難施設等への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」であり、実施期間は令和3年度~7年度。感染症対策を推進しつつ災害・停電時にも避難施設等へのエネルギー供給が可能な再生可能エネルギー設備等の導入を支援するものです。

そこで質問ですが・・本市では「環境・エネルギー産業拠点化推進基金」を創設したものの、まずは国の補助事業を積極的に活用し、柏崎市地域エネルギー会社の事業を進めてはどうかと考えます。
その一環として、脱炭素技術を導入して避難所となる公共施設の電力を確保し、災害レジリエンス強化を図ることについて、見解をお聞かせください。

市長

再生可能エネルギーのような分散電源と災害レジリエンス強化は、そもそも相性が良いものと考えます。停電時を想定するならば建物単位で自立した電源があれば、停電を回避することができるわけですし、太陽光発電のような自然エネルギーは他の発電に比べて安全性は高く、生活環境のすぐ近くに置く電源に適しています。屋根置き型やカーポート型の太陽光発電は災害レジリエンスを強化する自立電源の機能を備えるものであり、災害レジリエンス、すなわち回復・復元する力を有しているものとして考えております。

実際に原子力災害時等を見据えて、防災拠点、柏崎ではPAZのコミセンから手始めに、蓄電池を配置することで、自家発電による低炭素な災害レジリエンス強化に既に取り組みはじめているところです。ご承知のように昨年度から内閣府の原子力災害時避難モデル事業に柏崎市は採択され、今ほど申し上げた災害拠点の蓄電池の使用、国道に接続する市道の監視カメラなど、夜間や降雪時の避難のための整備も含めて、蓄電池配備もすでに進めているところです。

しかしながら脱炭素化を目指すにおいて、すべての建物・施設で自立電源を持つことは現実的ではないとご理解いただけると思います。地域エネルギー会社のように面的に、広くエネルギー供給を行うという考え方も必要になってまいります。
災害時を想定した自立電源の設置と、面的な電力供給の仕組み、また低炭素化でも災害レジリエンスの面でも相反するものではなく、バランスよく進めるべきものと考えております。
ご指摘のあった環境省の事業も、私どもが懇意にさせていただいている経済産業省の事業も、また今ご紹介した内閣府の事業も含めて、国の事業を組み合わせ、バランスよくいろんな力をお借りしながら、議員ご指摘の災害レジリエンス強化に努めていきたいと思います。

近藤
今ほど国の補助事業を、様々なものを組み合わせながら進めるとご答弁いただきました。
国の事業を行うということは、国策を担うことにもつながりますので、そのことによって柏崎市の価値も上がっていくと思います。今後も国の動向を見ながら進めていただきたいと思います。

さて、本市は柏崎市公共施設等総合管理計画に基づき、2016年からの40年間で延床面積2割の縮減を目指しており、公共施設への再エネ導入にも影響すると思われます。また災害レジリエンスは避難所の運用と密接に関わることから、本項目最後の質問

(3)時代に即した指定避難所の在り方

に移ります。

 現在、多くの地域で町内会の集会所(公会堂)が避難所として指定されています。
指定にあたっては市と自主防災会が「避難所開設運営に関する協定書」を締結し、災害発生時に市から要請があった場合、避難所として指定され、避難所の運営は自主防災会が主体となって行うことになっています。
ですが現実として、災害発生時に優先開設避難所として職員が派遣されるのは公共施設であり、町内会集会所が避難所となる可能性はそう高くはないと考えます。
また地域によっては世帯数の減少により町内会の財政力が落ち、市の補助金を使っても集会所を避難所として整備するのは難しく、災害時に自主防災会で避難所運営することが困難なケースもあるのではないでしょうか。

 

もうひとつの課題として、統廃合の対象となるコミセン等が優先開設避難所である場合の取扱いをどうするのか、ということがあります。来年度統合する西山地区の4コミセンが、まさしく検討の渦中にあるかと思います。
そしてこれから学区適正化が検討される各地域の小中学校の体育館は、優先開設避難所とされているため、今後、統廃合の対象となった場合も避難所として活用するのか、その場合の維持管理や運営は誰が行うのか、という問題もあります。

多様な災害から住民が身を守るため、避難場所の分散化は必要ではあるものの、生活の場となる避難所は、地域の実情にあわせて集約化した上で強靭化することも、検討すべき時期に来ているのではないかと考えます。

そこで質問ですが・・現在、指定避難所とされている町内会集会所が、実際に災害が発生した場合に避難所として適切か、自主防災会との協定も含めて確認し、場合によっては見直す考えはあるか。また、現在優先開設避難所とされている公共施設が、統廃合の対象となった場合、どのような考え方のもとで取り扱うのか、見解をお聞かせください。

市長

ご指摘の通り、公共施設以外の町内会の施設を今後どう自主防災会で維持・運営していくかは、地域のマンパワーや財政的な問題から困難なケースが出てくることは予想されます。それぞれの地域固有の課題もあることと考えます。市と各自主防災会で締結した災害協定の中で、施設の統廃合等も含めて、一緒になって考えてまいりますので、個別にご相談いただければ応じるところです。

次に優先開設避難所が統廃合になった場合の取扱いでございますが、公共施設の統廃合がある場合においては、それぞれの地域事情を鑑みて避難所を検討する必要があり、一律で対応するものではないと考えております。ご指摘・ご理解いただいているように、避難場所ではなく、避難所を検討するにあたってのことです。尚、西山地区ではコミセンの統廃合が進んでおりますが、石地、中川、別山コミセンの体育施設は地元で活用することとなり、引き続き優先開設避難所として、当面の間、残す方向で調整しているところです。

近藤
今、西山地区の状況も伺いました。地域の皆さんはハザードマップに指定避難所が載っているのを見ても、やはり元々は協定を結んで指定されたということを認識していない方もいらっしゃると思います。その点も含めて、指定避難所とは何なのかということも周知していただければと思います。
脱炭素化による環境への配慮、災害に強いまちづくりを推進し、地元の産業振興と自主防災の向上につながることを期待しています。

 

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コメント

災害時の避難所に関する諸問題は「衣食住」の確保が出来るかが基本です。「衣」は災害時には救援物資を断るほど十二分に確保できます。「食」も原材料には不足することは当柏崎市においては有りません。「住」が所謂「避難所」になり、柏崎市防災ガイドブックにも「優先開設避難場所」として我が町内の避難所は「二田コミュニティセンター、西山中学校、二田小学校」があり、避難場所として「二田ふれあい交流館」が有ります。何故か、二田地区には「西山町いきいき館」が無く、中川地区避難所として整理されています。この課題は置くとして、「住」の運営諸課題ですが、県の災害対策本部員6年間の経験と県消防学校講師の経験等基本問題と2004年の7月豪雨、中越地震対応及び2007年の中越沖地震被災体験・災害対応経験から2003年に新築した「二田ふれあい交流館」での対応に結びつきます。「衣食」はそれぞれの家庭から持ち寄り、「住」としての避難所管理は「水=二田川の水を利用、炊事水は一旦熱湯にしてから利用」「燃料=周囲の落ち葉・流木でかまど炊き」でした。要は普段の地域活動が原点です。

吉野様、コメントありがとうございます。
豊かな経験と知識に基づくご助言、大変参考になります。
二田ふれあい交流館には素晴らしい避難所機能が備わっているのですね。
避難場所の指定は平成26年頃に各自主防災会と協定を結んだと聞いております。
地元の皆さんのお考えにもよりますが、「住」の視点からの見直し(追加)があってもよいのかもしれませんね・・。

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