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2021年8月25日 (水)

文教厚生常任委員協議会 子育て短期支援事業における不適切な対応について

8月13日の新潟日報に以下の記事が掲載されました。

210813

これを受け、8月20日に文教厚生常任委員協議会が開催されました。

ーーーーーーーー

(報告資料)

子育て短期支援事業における児童への不適切な対応について(報告)

この度、新潟日報に令和3(2021)年8月13日付けで記事が掲載された上記の件について、ご報告させていただきます。

1 子育て短期支援事業について

平成30年度から実施している宿泊を伴う子どもの預かり事業です。
家庭において、保護者の病気や出産・育児疲れなどで一時的に養育することができなくなった際に、市が委託している施設またはご家庭で、お子様を一時的にお預かりする事業です。

2 概要

令和3(2021)年7月22日(木)から23日(金)に、市の子育て短期支援事業をご利用いただいた際、お預かりしたご家庭において不適切な行動事案が発生しました。
具体的には児童を寝かしつけようとした際、なかなか寝ないので児童の両足を持ち、寝ていた布団から畳の上を引きずってしまったということです。
その際、児童が擦過傷(長さ約3cm 幅約5mm)を負ったという申し出が7月25日(日)に保護者からあったものです。

3 経緯

7 月 25 日(日)
保護者から市に、子育て短期支援事業を利用した際に、子どもが怪我をしたと連絡があり、保健師2名で自宅を訪問し、傷を確認の上、謝罪した。
その後、預かり事業を行った家庭に電話で聞き取りを行う。

7 月 30 日(金)
子どもの心のケアについて市の臨床心理士が、元気館にて保護者と面談した。その際に子育て支援課長が、保護者に謝罪した。

8月 3 日(火)
預かり事業を行った方に、元気館に来館いただき聞き取りを行った。

8月 12 日(木)
市長名の文書を、子ども未来部部長が保護者にお渡しし謝罪した。

4 今後の対応
(1)子育て短期支援事業は、一旦中止とする。
(2)再発防止に向けて、事業受託者に研修会を実施する。
(3)お子様を安全にお預かりするよう研修と併せ、注意喚起を行う。

ーーーーーーーーー

子ども未来部長

本来であれば議会に対して速やかに報告すべきところ、遅れてしまい申し訳ない。
補足としては、7/22の23時頃、はじめは左右にゆらゆら動かし寝るよう動かし、寝なかったので引きずった。
預かった方によれば、このとき声をあげることがなかったが、左肩下あたり擦過傷ができたのはこの時の可能性がある。
市の事業によってこのような不適切な事案が発生し、まことに申し訳ない。
預かり先の方に謝罪の意向はあったが、保護者の方に会うことができなかった。
お子さんの心のケアに努めたい。

【質疑応答】

A委員
新聞報道があったのは8/13で協議会が8/20、あまりにも遅い。報告が遅れた理由は何か。すぐに議会に報告すべき案件ではないか。

こども未来部
新潟日報記事が出たのは8/13だが、その前日の8/12に謝罪文書を出している。
どのように報告すべきか内部で検討。お盆時期でもあり、当初は文書も考えたが詳しい説明を行うため本日に至った。

A委員
対応は評価するものの報告が遅すぎる。
事業を一時中断し、再開に向けた研修を行うとのことだが、これを契機にどんなことをするのか。今後どう事業に対応するのか。

こども未来部
研修はこれまで独自に行ってこなかった。今回のことを契機に研修。
講師選定の最中だが外部の小児科医等を検討。内容はもう少し詰めなければならない。お子様を安全に預かるための研修としたい。
本事業は利用者にとってありがたいとの声をいただいている。まず研修を行い再開に向けて取り組みたい。

A委員
今まで研修を行ってこなかったのは大問題。
ロングラン(中学生以上の預かり先)、里親など子どもさんを安全に預かることは心得ていたと思うが、市の対応が不十分だったと思う。

B委員
これまで産後ケア等での利用先として、市民からの問い合わせに対し紹介してきた。やはり報告があまりにも遅いと感じる。
3点質問するが、
①事業再開の目途は立っているのか。
②お子さんの治療費負担はどうするのか。
③新聞記事によれば被害届も検討とのことだが、状況は。

こども未来部
①再開の目途:研修担当の講師選任の段階であり事業自体が再検討の必要性がり、再開の目途立っていない。
②治療費:診断書を確認していない。治療の程度どれくらいか内容確認し、誠実な対応をしたい。
③被害届の状況:現時点では確認とれない。

C委員
再発防止の研修を行うとのことだが、これまで安全に事業が行える状況だったのか。
事業利用時に子どもさんがどのように過ごしたか、変わった出来事等なかったか、ということを親御さんや市に報告する仕組みはどうなっているのか。

こども未来部
預かり先が事業終了後にペーパーを利用者に渡すことになっており、市にも報告があるはずだが一部届いていないなど、利用についての詳細が把握しきれていない。今後は徹底したい。
 
C委員
研修も大事かもしれないが、安全に利用するためのルール徹底やマニュアルを見直し、利用状況を詳しく報告する仕組みをつくるなど、事業のやり方を見直すべきではないか。

こども未来部
現時点では研修で対応するが、いただいたご意見も参考にして改善のために取り組みたい。

C委員
「利用者にとってありがたい事業」とのことだが、事業の一時停止により困る方々がいらっしゃるのではないか。
再会の目途も立たない中で、一時停止期間中に利用依頼があった場合、市としてどう対応するか。

こども未来部
事業中断の期間中には利用申し込みがあっても受付をお断りする。
児童相談所に関連する緊急的な事例が発生した場合は、そちらにも相談しながら対応したい。

C委員
事業中断により市民の皆さんにもご迷惑をおかけすることになる。早急な改善対応を求めたい。

D委員
新潟日報記事が8/13に出てから時間がかかりすぎている。
本市は子育て支援に力を入れているのにこうしたことがあっては市民の信頼を損なう。
お子さんの心の傷も払拭できないし、市民も怒りを感じている。
今回の事案は極めて遺憾でありもう少し責任を持ってやるべきだ。

こども未来部
報告遅れはあらためて謝罪したい。まずは第一報を入れて報告すべきだった。今後すみやかな報告に努めたい。
子育て支援に力を入れている自治体として、今後いっそう安全・安心を前提に、利用しやすいようきちんと説明し、さらなる子育て支援策の充実をはかりたい。
子育て短期支援事業については事業内容、研修についても再度検討したい。

E委員
利用にあたって安心できるものになっていなければならない。
どんな立場の方が預かりを行っているのか。マニュアルや規約、規則は。

こども未来部
マニュアルや規則は独自では作っていない。
預かりを行う方々は県の里親制度での研修を受け、経験もあることから市独自で研修を行ってこなかった。
県の研修や個々の経験・実績に甘えていた。

*8/25訂正→この事業についてマニュアルはないものの、新潟県柏崎市子育て短期支援事業実施要項がある。

E委員
本県はまだ解決していないのだろうが、信頼関係なければ事業は成り立たない。
預けるときの信頼構築はどうやっているのか。

こども未来部
最初に面談を行い、それ以降、同じ方にお願いする場合はそのまま利用となる。

E委員
保護者、預かった方、双方がショックを受けていることと思う。
自分の子であればそれくらいするかもしれないが、他人の子をそうするのか?
県の里親研修受けている人なのに、そんなことをするのが信じられない。特別な理由あったのか?

こども未来部
ご利用者と預かる方の関係性は、複数回の利用の中で、信頼関係ができていたはず。
自分の子ならそういったところはあるかもしれないとしても、不適切な事案として受け止める。
時代にあわせた安心・安全をはかる研修をしていきたい。

F委員
①委託されている預かり先は何人か。
②マッチングによる交代もあるのか。
③はじめての利用なのか複数回の利用の中での事案か。

こども未来部
①市内5名の里親経験ある方に委託している。
②相性悪ければ別の人に変更可能。
③今回の初回ではなく複数回の利用がある。

D委員
市のHPを見ると中止になっているが、他の周知方法は。

こども未来部
すくすくネットでも周知している。
中断は急な決定だが、もともと利用者が少なく限定されていることから、申込時に説明したい。

A委員
利用者と預かり先の相性が合う・合わないを見極め調整するコーディネーターはいるのか。

こども未来部
把握できていないが、面談設定はある。ロングランが窓口となっている。

*8/25訂正→利用者から初回申込があった場合は、市の担当保健師、委託先の社会福祉法人ロングラン担当者がコーディネートし、利用者と預かり先を含めた4社で面談している。

A委員
市にマニュアルなく預かり先の報告も不十分。事業への関わり方として市が責任とれるようにしていただきたい。

こども未来部
不明な点があり申し訳ない。事業を再度検討し改善をはかりたい。

C委員
今回の事業は市が直接行うのでなく市民の方にお願いしているだけに、利用者・保護者それぞれの安全が守られなければならない。
本事業と同様、市民同士で行う子育て支援事業としてファミリーサポートセンターがあり、保険加入していると聞いているが、本事業はどうか。
また今回の事案では保護者の方、預かり先それぞれつらい思いをされていることと思うが、どのように支援していくのか。

こども未来部
子育て短期支援事業でも保険加入し、事故、ケガ等が発生した場合は保証する。
保護者に対してはご本人の意向もお聞きしながら、お子様のケアも含めて対応していきたい。
預かり先側もケアが必要な状態であり、フォローしていきたい。

C委員
保護者~預かり先といった関係性が発生する市民の方同士の信頼関係はもちろんだが、それぞれ市に対する信頼がなければこうした事業は成立しない。市としてその点を自覚して信頼回復に努めていただきたい。

*******

協議会を通して、お子さんを安全に預かるための対策、事故や不適切事案が起こった場合の対応、議会(=市民)に対する説明責任・・それぞれ不備があり、危機管理意識の薄さが露呈されたと感じました。

しかしながら子育て短期支援事業そのものは必要とされていますし、産後ケアの充実をはかる上でも重要です。

今回の報告内容は途中経過であり、決着・改善の段階で再度の報告を求めることで、委員会として合意しました。

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