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2021年7月14日 (水)

【勉強会】貧困の実態と支援策

柏崎市議会1期生は不定期に勉強会を開催しています。

6月30日に「貧困」をテーマに意見交換を行いました。

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その結果を受けて市の福祉課・子育て支援課から「貧困の実態と支援策」について教えていただきました。

(参加:秋間一英議員、星野幸彦議員、田邉優香議員、白川正志議員、近藤)

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1.柏崎市における「貧困」の実態と支援策(福祉課)

●貧困の定義

・独自の定義付けはないが、市の総合計画の中では「生活困窮者」と表現。
・最低限度の生活が維持できないおそれある。
・衣食住の最低条件満たされない。
(一般的な貧困の捉え方)
・施策としては福祉課援護係の管轄。

●支援策

★生活保護(福祉課援護係)
・生活保護=憲法が補償する最低限度の生活を支える制度。生活困窮者の保護。
・申請を受けて速やかな支援スタート

★生活困窮者支援(福祉事務所=社会福祉協議会内)
・自立相談支援:支援プランに沿って生活困窮状態の解消を目指す。
・住居確保給付金、家計改善支援事業、就労準備支援事業、子どもの学習・生活支援事業
・生活困窮者は最低限度の生活ができない恐れがある=貧困。
・生活保護の前段階として位置付ける。

<社協との連携>
・社協の行う生活困窮者支援で生活の立て直しができれば、生活保護には至らない。
・貸付でなく生活保護が適切なケースは社協⇒福祉課に連絡。生活保護の相談につながる。

*貧困状態からの脱却=生活保護からの脱却。
*当座のサポートにより今の生活を安定させた後、生活困窮からの脱却を支援。

●現状と経年推移(コロナ禍前後)

★生活保護 
・R元年度:452世帯、562人
・R2年度:475世帯、579人
(施設入所の保護費が支給されない場合もある)

★生活困窮者自立支援事業
・R元年度:相談者221人(新規139人)終了22人
・R2年度:相談者450人(新規359人)終了11人
・相談内容は「福祉資金」が7倍
 R元年103件→R2年729件

★生活福祉資金(実施主体:市町村社協)
・厚生労働省の要綱にもとづく貸付制度。
・他の貸付制度などが利用できない低所得世帯や障がい者・高齢者世帯の経済的自立と生活安定を目指す。
・借入申込時から貸付・償還が終わるまで、民生委員や市町村社協が窓口となり生活の安定・向上に必要な相談支援活動を行う。
・この資金を活用することにより、生活の安定や立て直しを図ることを目的とする。

★緊急小口資金(130件)
新型コロナウイルス感染症の影響によって休業になったり仕事が減ったことで収入が減少した人に、緊急かつ一時的な生計維持のための生活費を貸し付ける。

★総合支援資金(22件)
新型コロナウイルス感染症の影響によって失業したり仕事が減ったことで収入が減少し、その収入減少が長期にわたることで日常生活の維持が困難な人に、生活の立て直しまでの一定期間(3か月)の生活費を貸し付ける。

(最長3か月の貸付、再貸付あり)

生活困窮者自立支援事業(2019~2020年)

●相談・支援の種別と傾向

・生活保護では医療扶助、生活扶助、住宅扶助が多い。
・生活困窮者自立支援事業では家計改善支援、福祉資金貸付が多い。
・生活保護の相談・最後のセーフティネット。
・前段階の生活困窮状態から解決できるケースもある。
・助言:面接相談員から支援策を紹介する。
・個々の困りごとにあわせてつなぐ。
・生活保護は権利として遠慮なく申請していただく。

●改善・解決事例

・公営住宅に住む方の相談から、減免対象なのに手続きされていないことがわかり、手続きして生活を改善。
・失業保険の手続きが必要な方をハローワークにつなぐ。
・本人だけでなく関係機関から連絡があり相談につながるケースもある。

★基本パターン
・生活保護前段階での対応が重要
・難しければ生活保護申請
⇒貧困状態に陥らせないようにする。

2,子どもの貧困について(子育て支援課)

●実態把握と支援

・母子手帳交付時、乳幼児健診、児童虐待など養育相談、女性相談の時に家庭状況を聞き取り。
・困窮している場合は福祉課や社会福祉協議会につなぐ。
・子ども食堂団体に関係する通知を送付。

★子ども食堂-現在7か所。
・定期的(月1)に活動中-3か所、休止中4か所(うち1か所は8月から再開予定)
・社協のこども食堂は今年3月末に終了。
・活動実績から、貧困対策というよりも「居場所」としての役割が高いのではないか。

相談や支援の事例

・引っ越しを繰り返す世帯に課題を抱えている事例が少なくない傾向がある。

<具体的な支援内容>
・初回相談での聴き取りで関係課につなぐ。
・生活保護申請の意向がある場合は状況に応じて福祉課に同行。
・未成年で出産後のサポートが得られない場合等は、状況に応じて、産後1か月は頻回な訪問を行い、重点的な支援を行う。

★子どもの貧困=親の貧困の解消が重要。

【質疑応答】

Q1)生活保護の却下はなぜ?
A1)生活保護制度が定める生活費を上回る収入があり、生活保護を要しないと判定された場合は却下される。

Q2)就労しながらも生活保護を受給するケースはあるのか。
A2)就労していても国が定める所得(1か月の最低賃金)に満たない場合は受給対象となる。病気で医療費がかかるケースも。

Q3)収入と生活水準のバランスがとれず生活困窮に陥るケースもあるのか。
A3)金銭感覚と生活が釣り合わず(収支バランスがとれずやりくりできない)、家計改善支援事業の対象となるケースもある。

Q4)報道に見られるようにコロナ禍の影響で貧困状態に陥っている人は柏崎市にはいないのか。
A4)社協の福祉資金借りている人は増えている。生活保護申請は一時的に増えたが現在は平年並み。支援につなぐことで貧困に陥るのを防いでいると考える。

Q5)生活保護からの脱却難しいのか。生活改善の努力はしているか。
A5)ケースワーカーが需給中は実態把握する。家計管理に問題あるケースが少なくない。必要に応じて支援・指導・指示、医療機関での適切な受診も。需給開始後に対応をスタートする。

Q6)住宅についての支援内訳は。
A6)アパートの家賃等補助が多い。

Q7)生活保護を受けたいが、ボロボロの住居が固定資産となり、申請しても対象にならないようなケースはどうするのか。
A7)住宅の売却により資金をつくるなどの方法もあるが、行政は介入しない。

Q8)フードバンクは生活困窮者に届いているか。他の自治体では庁舎内で食料品を回収しているが柏崎市の対応は。
A8)社協を通して連絡が行く仕組みになっている。回収は期限の確認や管理の問題などがあり庁舎内では難しい。

Q9)日々の食事に困るケースはないか。
A9)一時的なつなぎとして食糧支援はある。

Q10)医療扶助費の内訳を分析して各課横断的な予防策をとっているか。
A10)医療扶助費の内容は毎年変動があり、・要員分析はしていない。対策としては国が生活保護事業者への健康管理支援として、R2年1月から健康管理と自立をはかるための予防支援を福祉事務所に通達。

Q11)コロナ禍での総合支援資金、小口貸付の返済は。
A11)コロナ要因の特例貸付は猶予期間を置く。償還期間中に生活の立て直しをはかるが免除申請もできることになっている。

ーーーーーー

本市では生活保護や生活困窮者自立支援事業等の支援策につなぐことで、貧困状態に陥ることを防いでいると理解しました。
特に社会的要因で生活困窮に陥った方々については、既存施策によってある程度カバーできているのだろうと思います。
ただし生活困窮に陥る要因が本人の(発達)特性にある場合は、根本的な生活改善が難しく、包括的かつ長期的な支援と考えます。
また「子どもの貧困は親の貧困」とのお話もあり、親と子の社会的な孤立を防ぎ、適切な支援につなげることが重要であると感じました。
今後は、こども食堂やフードバンク等の社会資源を市や社協がどう捉え、連携・役割分担をしていくかという課題もあり、引き続き研究していきたいと思います。

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