令和3年6月一般質問「2、外国人介護人材の活躍推進」
続いて、「2,外国人介護人材の活躍推進」「(1)外国人介護技能実習生への理解促進」について伺います。
介護人材の確保は「豊かな高齢化社会の実現」を目指す本市の重要施策であり、私自身も何度も議会で取り上げてきました。
外国人介護人材の活用については令和元年9月にも一般質問しましたが、市長の答弁は「すでに市内介護事業者に呼び掛けたものの、反応が悪かった」というものでした。
ですが今年1月から、柏崎市内でもインドネシア出身の介護技能実習生7人が介護現場を担っており、実習生を受け入れた市内法人の管理者様から詳しくお話を伺いました。
外国人技能実習制度は国際貢献を目的に、海外の方々を日本で一定期間受け入れ、母国で習得困難な技能を、職場での業務を通じて身に着け、本国に持ち帰っていただくものです。
介護職種が本制度に追加された平成29年11月以降ニーズが高まり、現在2万人を超える介護技能実習生の受け入れ申請が行われています。
この制度の特徴として、実習生は入国前に一定の日本語力を身に着け、介護と同種の業務を経験していることが要件になっています。
そのため介護技能実習生は、基礎的な日本語力、介護に関連する知識・技術を持ち、即戦力となり得る人材、だと言えます。
現在、柏崎市内で働く7人の介護技能実習生は、それぞれ看護師や助産師などの資格・経験を持ち、高い意欲を持って業務に徹し、日本語でのコミュニケーションも円滑だそうです。
また温かい接遇と真摯な姿勢は、利用者はもとより他の職員にも好評で、人員確保だけでなく、介護の質の向上にもつながっているようです。私も実際に技能実習生の皆さん(20代女性7人)にお会いして、「こういう方々だったら、利用者さんは安心して介護を受けられるだろうな」と実感しました。
尚この法人では群馬県の管理団体経由で実習生を受け入れましたが、本国インドネシアにはまだまだ良い人材がいて、今は海外からの入国制限があるものの、アフターコロナ期には全国的にニーズが高まると予想されています。
そこで質問ですが・・・外国人介護技能実習制度は、即戦力となる介護人材を確保し、なおかつ介護現場の質の向上にも有効であると考えますが、まだまだ柏崎市内の介護関係者の間では理解が進んでいないのではないかと思います。
そこで実例をもとに市内介護事業者・法人に対し、外国人介護技能実習制度の勉強会を行うなど理解促進を図り、技能実習生の受入推進をあらためて呼びかけてはどうかと考えますが、見解をお聞かせください。
市長
平成29(2017)年度、国の制度である在留資格・介護の創設、技能実習制度への介護職種の追加など、外国人介護人材の受け入れに関する制度改正がされました。
直後、柏崎市内の特別養護老人ホームを運営する3法人の理事長、事務局長に対し、外国人介護技能実習生について意見交換をさせていただきました。その場に外国の方も同席していただきましたが、当時(4年前)はいずれの法人も積極的に取り組む様子ではありませんでした。
しかし4年経った今、1法人はインドネシアの技能実習生が7人、また別の法人では8人のミャンマー人の技能実習生を雇用されています。つまり合計15人の技能実習生に市内の介護施設・事業所で働いています。
裏を返せば4年前にはまだ・・という意識だった事業所の方々も、もうそんなことは言っていられない、できたら日本の方がという想いはありながらも、いま介護人材が不足していて、サービスを中々提供できないという状況の中にあって、外国の方の力もお借りするという状況に至ったと認識しています。
また別の法人では今年4月から留学生6人が介護福祉士の資格取得を目指して、専門学校(2年制)に通学しながら、法人の運営する事業所にアルバイトで勤務しています。資格を取得した後、在留資格・介護を取得し、令和5年には当該法人が正職員として採用する予定と聞いています。
市としても不足する介護人材確保のため、県内初の夜勤手当の補助など各種施策を実施していますが、各法人のご尽力により外国人の方を介護現場の貴重な戦力として雇用していただいていることは、大変望ましいことだと考えております。
一方、外国人の人材確保を検討していても中々受入に踏み切れない法人もあります。それは、ご家族・ご当人含めて「外国の方は・・?」という想いをまだ抱いている方もいるのかもしれません。
日本語や習慣を教育する時間、またその財源、対応・指導する人材の不足、あるいは住宅確保や生活支援などに対する不安をお聞きしているころです。
こうした点について、今ご提案いただいたように、すでに受入を行っている法人の担当者から実際に話を聞くことは、制度の理解促進や受入の検討を深めるために、有効であると考えております。
そういったことから、受入を既にしていただいている法人の方から、これから検討している法人の皆さんに対して、実際の取組を話すことは可能であるとのありがたいお申し出をすでに頂戴しています。
市もその仲立ちをさせていただき、今後一層、外国人の介護人材確保に向けて支援を進めてまいりたいと考えているところです。
近藤
ご答弁を伺い、率直に申し上げて嬉しく感じております。
人が足りないから誰でもいい、という発想ではなく、介護技能実習生の皆さんは、日本の介護は自立支援型の素晴らしいケアなのだと考えて、海を渡って、志を持って働くわけです。そういう方を受け入れるということは、介護現場の質が高まるということと共に、あらためて介護という仕事の誇りや魅力につながるものだと思います。ぜひ勉強会を進めていただきたいと思います。
次に「(2)第8期介護保険事業計画の具体化」について伺います。
今年4月からの3か年計画となる柏崎市第8期介護保険事業計画では、「外国人の活用を進める」趣旨の文言が入っております。ですが計画上では具体的にどう進めるのか盛り込まれていないと感じます。
外国人介護人材から活躍していただくためには、地域住民や介護サービス利用者への理解促進、そして人権への配慮や日常生活への支援も必要だと思います。
今回、外国人介護技能実習生の受入を行った法人では、実習生の住居や足の確保などもサポートしていらっしゃるかと思いますが、そこがネックとなり、受入に消極的な介護事業者もいると思います。
そこで質問ですが・・・柏崎市第8期介護保険事業計画における「外国人介護人材を受け入れる事業者への対応への支援」を具体化し、確実な介護人材確保につなげるべきと考えます。今後、市内介護技能実習生の事例も参考に、本市で外国人介護人材を受け入れるために必要な環境整備や、市民向けの啓発を進めていく考えがあるか、お聞かせください。
市長
今ほど申し上げたように、法人の中にはまだ外国人人材の受入に踏み切れないところもあり、理由は先ほど申し上げた通りです。しかしこういった法人にも、新潟県では受け入れる法人に対して、留学生奨学金等支援や、受入施設の環境整備に関わる費用について補助を行っています。
柏崎市としても県のこうした事業の情報提供させていただきたいと思いますし、先行している市内の法人から、躊躇している法人に対して、先行事例をお聞かせいただくことも、大切なステップだとご理解賜りたいと思います。
そのことが、第8期介護保険事業計画における「外国人介護人材を受け入れる事業者への対応」の、具体的な取り組みのひとつだと考えていただければありがたいと思います。
実際に、第8期計画は当初は施設の設置を考えておりました。しかし人材が足りないことから、今期は施設の設置を見送り、とにかく人材を確保することを目標にスタートしたところです。そういった人材の確保の中には、外国人人材も含まれているということです。
また市民の皆さんの中には、まだ「外国の方はどうかな?」という考えをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、段々とそういう意識はなくなりつつあると認識しておりますので、特別な啓発活動は考えておりません。市民の皆さんから口コミで、うちのおばあちゃん、おじいちゃんを世話していただいてる方はインドネシアの方なんですよ、ミャンマーの方なんですよ、というような話が徐々に広まっておりますので、そういった部分を私たちもサポートしていきたいと思っています。
近藤
いま口コミが大事という話を伺いました。先日お話を聞きに伺ったインドネシアの実習生の方は、利用者さんと仲良くされていて、イスラム圏の方(ムスリム)なので、ケープ(ヒジャブ)をしているんですが、利用者さんが「今日は何色なんだね」と喜ばれているという、そんな話もお聞きしました。気持ちがあれば国境を超えるんだな・・と。グローバル社会が当たり前になってきましたので、実習生が受け入れられるよう、引き続きご支援お願いします。
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