多機能トイレの役割
昨日、このようなニュースが報じられました。
性同一性障害の経産省職員 女性用トイレ使用 2審は認めず
(NHKニュース2021年5月27日 18時34分 )
性同一性障害の経済産業省の職員が、職場の女性用トイレの使用が制限されているのは不当な差別だと国を訴えた裁判で、2審の東京高等裁判所は1審とは逆に、トイレの使用の制限は違法ではないとする判決を言い渡しました。
性同一性障害と診断され、女性として生活している経済産業省の50代の職員は、自分の部署のフロアでは女性用トイレの使用が認められず、2階以上離れたトイレを使うよう制限されているのは不当な差別だと国を訴えました。
1審の東京地裁は国の措置は違法だとしてトイレの自由な使用を認め、130万円余りの賠償を命じていました。
27日の2審の判決で東京高等裁判所の北澤純一裁判長は「経済産業省にはほかの職員の性的羞恥心や性的不安を考慮し、すべての職員にとって適切な職場環境にする責任があった」として、1審とは逆に、トイレの使用の制限は違法ではないと判断しました。
一方、職場の上司が「性転換手術を受けないのなら男に戻ってはどうか」などと発言したのは違法だとして、国に対して11万円の賠償を命じました。
このところ性的マイノリティーの訴えに対して権利を認める司法判断が増えてきていますが、今回の判決では認められませんでした。
訴えた経済産業省の職員は判決後の会見で「1審の緻密な判決と比べてずさんな判決だと思った。いまさらこんな判決が出るのかと驚いている」と話していました。
原告の代理人弁護士「非常に憤りを感じている」
原告の代理人の山下敏雅弁護士は「日本だけでなく世界的にも性的マイノリティーの権利を保障するためにどうすればいいのか、議論が進んでいる中で、人権保障の砦である裁判官がこんな極めて雑な判決を書いていいのかと、非常に憤りを感じている。きちんと最高裁で是正し、社会に正しいメッセージを出してほしい」と述べました。
経産省コメント「判決精査し適切に対応」
経済産業省は「国の主張が一部認められ、一部認められなかったと承知している。今後については判決の内容を十分に精査したうえで、関係の省庁と協議して、適切に対応したい」とするコメントを出しました。
この件を受けて会派内で「性同一性障害の来庁者が市役所のトイレを使いたい場合はどうなるのか?」という話になりました。
柏崎市役所の新庁舎には1~4Fに「多機能トイレ」が設置されています。
トイレの扉にはピクトグラムが表示されています。文字にすると
●車いす
●ベビーシート(オムツ交換台)
●フィッティングシート(着替え台)
●車いす
●オスメイト(人工肛門)
●大型シート
●左:フィッティングシート(実物)
●右:大型シート(実物)
しかし男女共用のピクトグラムは表示されていませんでした。
担当課に問い合わせたところ、以下の見解をいただきました。
●市役所新庁舎の多機能トイレは障がい者、高齢者、小さなお子さん連れの方等が使えるように設置している。
●当初の設定では性同一性障害を持つ方の利用は想定していなかったが、判決報道を受けて課題だと認識している。
●男子トイレ・女子トイレ双方に入るのが難しい事情を持つ来庁者がいた場合は、多機能トイレを使っていただくことになる。ただしそのことをはっきりと周知するかどうかは検討が必要。
●今後もし性同一性障害を持つ職員が入庁した場合は、本人と相談の上、同僚の理解も得て適切なトイレ利用を検討したい。
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多様性への配慮について考えさせられるトイレ問題です・・
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