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2021年4月27日 (火)

原子力発電所の安全確保とエネルギー政策に対する意見書

4月27日は柏崎市議会随時会議でした。

●議50号 契約締結について

防災情報通信システム受信設備整備工事 5億710万円
契約先 NECネッツエスアイ・新電気・協同電設特定共同体
(質問・討論なし→可決)

●議51号 浜屋川脇の駐輪場上屋倒壊による車両物損事故に係る和解及び損害賠償額の決定について

・1/7の強風で駅前1丁目駐輪場の屋根が倒壊して吹き飛ばされ、隣接駐車場の車を破損させた。
・和解が成立し損害賠償185万9千円を相手方に支払う。
・地方自治法96条1項の規定で100万円以上の場合は議会の議決が必要。
*費用は加入している「全国市長会総合賠償保障制度保険」により支払われる(質問・討論なし→可決)

●議員発案第1号
「原子力発電所の安全確保とエネルギー政策に対する意見書(案)」

提出者:柄澤均議員(柏崎の風)
賛同者:柏崎の風(8)、公明党(1*議長除く)、自治研究会(2)、柏盛クラブ(2)、民友(3)に所属の16名

 私たち柏崎市議会は、50年余りにわたり原子力政策、原子力発電所と関わり、国のエネルギー安全保障、エネルギー政策の一翼を担い、国の経済を支え、国民生活を支えてきた。

 今、世界の共通課題は、地球気候変動、地球温暖化防止対策及び脱炭素社会の構築である。政府は、昨年10月に2050年カーボンニュートラルを宣言した。再生可能エネルギーの利活用はこれまで以上に積極的に取り組むべきであるが、現在のエネルギー状況を見るときに、日本においては、再生可能エネルギーが安定的・経済的なエネルギー源として確立していない。
国は原子力発電所の稼働を認めているのであれば、その安全性に責任を持ち、立地地域住民や国民に原子力の必要性を説明し、理解を求めるべきである。

 また、原子力規制委員会は、国家行政組織法第3条で規定された独立機関である。原子力規制委員会は、国際原子力機関(IAEA)の総合規制評価サービス(IRRS)の提言・勧告を速やかに実施するとともに、「科学的根拠に基づく公平な審査」を合理的・効率的に実施し、安全審査の経緯、結果を立地地域住民や国民に説明するべきである。

 私たちは、日本のエネルギー政策において、原子力発電の価値、意義を認めるものである。しかしながら、東京電力ホールディングス株式会社のIDカードの不正使用、核防護設備の一部機能喪失等の不祥事は、立地地域のみならず社会的信用を失墜させるものであり、極めて遺憾である。この核物質防護に関わる不祥事において、原子力規制委員会と原子力規制庁との間で、意思疎通、連携が欠けていたことは、遺憾である。

今回の核防護設備の一部機能喪失に関わる核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第43条の3の23第2項に基づく行政処分は、同法第43条の3の6第1項第3号で求められている「技術的能力」の有無が問われるような深刻な事態である。

 国及び関係省庁・規制機関は、原子力発電所の立地地域住民や国民の不安に真摯に向き合い、早急にそれぞれの責任において原子力安全確保、原子力安全文化の構築を実現するよう下記の事項を強く要望する。

 記

1 国は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、次期エネルギー基本計画に原子力の利活用を明記すること。

2 国は、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害に対する対策の強化を図るとともに、実効性ある避難計画を実現させるために財源措置をすること。

3 国は、バックエンド対策、核燃料サイクル帰結への意思を明確に示し、将来の具体的な方向性と展望を明確にすること。

4 原子力規制委員会、原子力規制庁及び原子力事業者は、原子力安全確保、原子力安全文化の構築のために、互いにスパイラルアップできる対等な関係を構築すること。

5 原子力規制委員会及び原子力規制庁は、バックフィット制度の法的根拠を明確にし、コストベネフィット分析及びリスクベネフィット分析に基づく安全目標を設定すること。
特に、テロ対策施設等は、国のテロ対策機関と十分に協議し、バックフィット制度を適用すること。

6 原子力規制委員会及び原子力規制庁は、総合規制評価サービス(IRRS)の提言・勧告を速やかに取り入れ、安全審査の経緯や結果について、立地地域住民や国民に対し、分かりやすく説明するとともに、理解促進に努めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年(2021年)4月27日

柏崎市議会

理由 原子力政策、原子力発電における国の責任を明確にするとともに、原子力規制機関及び原子力事業者による原子力安全確保、原子力安全文化の構築を実現するため

提案理由の説明のあと、質疑がありました。

笠原議員
原発特別委員長(柏崎の風・齋木議員)に相談したのか。

柄澤議員
会派内で相談した。

笠原議員
特別委員会から提出するという話はなかったのか。副委員長として、委員長には(意見書を出さないのかと)再三申し上げた。

柄澤議員
原子力への理解ある会派として提出した。

笠原議員
意思疎通、特別委員会の意義が欠けているのではないか。

柄澤議員
意見書と関係ないので答えない。

笠原議員
残念である。では意見書にある原子力発電所の価値、意義とは何か。

柄澤議員
意見書にある通り、柏崎市議会が誘致している。

笠原議員
これまで市議会では賛否が分かれてきた。市議会として出すなら考えるべきだった。

柄澤議員
柏崎市議会として誘致決議している。

持田議員
原発推進派が信頼失墜というなら、全会一致で意見書を出した県議会のように東電失態を厳しく指摘すべき。
立地議会なのに全会一致にせずに出す意見書の効果どう考えるのか。
議会の共通認識を提言するのが今やるべきことではないか。

柄澤議員
持田議員とは原発に対する立場が違う。
事業者、関係機関への想いは共通すると思うが、国に科学的根拠・公平審査を求めるもの。

持田議員
原子力には様々な想いある。真の安全確保が課題であり、東電が信頼を失墜する中で、規制委員会があえて核燃料移動を封じる行政処分を出している。その立場にたって意見書を出すのが本来のあり方ではないか。
また特別委員会の意味は何なのか。内容も何でも書けばよいというものではない。

柄澤議員
行政処分が決まったタイミングだからこそ意見をぶつけるべき。持田議員とは意見・考えに相違がある。

持田議員
柏崎市は原発サミットの中心。サミットをスタートさせた議会であり、違いはお互いにわかるはず。その中で共通項を見出し、効果的な内容を提言してきた、その歴史を壊しているのではないか。原発サミットの精神を逸脱しているのではないか。

柄澤議員
原発サミットの立ち上げには関わらないが、市民として原発に関わってきた自負はある。意見書を出すことに問題はない。

持田議員
意見書を出す権利はあるが、出すからには効果的なものにすべきと言っている。
内容についてだが、次期エネルギー基本計画に原子力を明記する理由は。

柄澤議員
総理、経産大臣も言及しているが、あらためて申し上げる。

持田議員
国がやるからという理屈はおかしい。原発に夢はあるのか。すでに再生エネルギーへの流れができている。
原発建設費1兆円~ は電気料金への負荷となる。全体をとらえて言っているのか。

柄澤議員
再生エネルギーを否定していない。原子力も必要であり、全体を見て意見書を提出している。

持田議員
要望4のスパイラルアップできる関係とは。

柄澤議員
原子力規制委員会、原子力規制庁は規制の為だけでなく安全確保の機関なので、互いにスパイラルアップすべき。

持田議員
スパイラルアップの意味は相乗効果、好循環。きちんとした規制機関があって成り立つのではないか。

柄澤議員
原子力安全文化の構築のためにスパイラルアップを求めて何が悪い。事業者が言われるがままであってはならない。
事業者の自主的な新技術開発や安全確保を国は認めるべき。

持田議員
IRRS提言を速やかに実施し安全審査に対応と述べているが、審査不十分という意味か。

柄澤議員
13の提言勧告があり規制庁もそれに則っているはずだが、日本学術会議から出ている8つの提言も受けて進んでいただきたい。

持田議員
IRRS提言の実施を求めることは、日本の規制が不十分と感じるという意味に受け取れる。
規制庁のスタッフ能力の上げるべき、現在の規制委員会が不十分だからスキル上げるという意味か。

柄澤議員
不十分という意味ではなく、より良いものにという意味。

持田議員
速やかに取り入れるというのは 不十分ということではないか。安全文化は誰のものか。

柄澤議員
国民、市民のため。

持田議員
IRRS提言は全てにおいて安全が大前提。国民、世界に向けての責任。
意見書には事実がひとつもない。安全文化に対し福島の問題が何も書いてない。出発はそこではないか。

柄澤議員
安全文化は柏崎でのこと。

持田議員
対策の強化をはかるとは。事故を起こすのは原子力事業者。国に強化をはかるのを求めるのはどういうことか。

柄澤議員
事故を起こさないでいただく。

持田議員
事故への罰則、賠償義務の原則を国に提言する、という想いを込めているのではないのか。

柄澤議員
原子力災害特別措置法に基づく安全対策を行う上での財源確保への想いとして書いた。

飯塚議員
原子力発電の価値、意義を具体的に説明してほしい。

柄澤議員
意見書内にも書いてある。エネルギー安全保障、地球温暖化防止、地域経済・雇用など。

飯塚議員
意見書が提出されたとき、議会運営委員会で一致させる努力を問いかけたが応じなかった。
議会は様々な議員が集まり構成。しかし意見の異なる議員の意見は聞かなくてよいという態度はどうなのか。
意見異なる者を排除するのが提案者の姿勢なのか。

柄澤議員
それ以上答えることはない。

飯塚議員
意見書提出の姿勢を問うている。

柄澤議員
議会運営委員会で全会一致を求めたとき、文言修正が多々あると言われ、内容がまったく違うものになる可能性があるなら応じられない、と答えた。「だったら一致できない」という議員もいたから議論が打ち切られている。

飯塚議員
常に排除の論理が働いている。

秋間議員
原子力発電の意義、価値について、東京電力HD(株)に対し追加検査が始まったばかり。 
県議会では東電の適格性について厳しい意見書を出し、タイムリーだと感じる。
本意見書は原子力の課題すべてを網羅していて、タイムリーとは言えない。
全員一致のため議論を交わしながら6月定例会議に出すべきだったのでは。

柄澤議員
県議会の意見書とは性質が異なる。科学的審査に基づく公平な審査をしてもらいたいという内容でありタイミングとしては今が最適。

その後の討論は以下の通りです。

(反対)
・佐藤正典議員(柏崎のみらい)
・持田繁義議員(日本共産党柏崎市議員団)
・星野幸彦議員(社会クラブ)

(賛成)
・布施学議員(自治研究会)
・山本博文議員(柏崎の風)*1議員(個人)として討論
近藤由香里(民友)*1議員(個人)として討論

私は以下のように討論しました。

 議員発案第1号「原子力発電所の安全確保とエネルギー政策に対する意見書」に賛成する立場で討論いたします。

 私たち柏崎市民、そして柏崎市議会は、50年以上に渡って、柏崎刈羽原子力発電所と共生してきました。
 時には市民を二分するような問題と直面しながらも、国策を担う地域として、真摯に議論してきた歴史を持つ市議会でもあります。

 私自身にとって柏崎刈羽原子力発電所は、物心ついた頃から、すでに柏崎・刈羽地域の基幹産業であり、多くの住民の雇用と暮らしを守る存在として認識してきました。

 また日本の中枢部に電気を送ることによって得られる、原子力発電所関連財源は、本市のライフラインや市民サービス維持のために、なくてはならない収入源であると承知しています。

 そして電力需給がひっ迫する日本社会において、電気を安定供給するために、また多発する災害・地球温暖化の原因と言われる二酸化炭素の排出を抑制するために、原子力発電はいまだ必要なエネルギーであり、それが国策であると理解してきました。

 しかしながら、東京電力ホールディングス株式会社によるIDカード不正使用、核防護設備の一部機能喪失等の事案によって、それまで入念に準備が進められてきた柏崎刈羽原子力発電所7号機の再稼働は、見通せないものとなりました。

 このことによって、私たち立地地域住民は相当のダメージを受けることになり、再稼働を目指す他の原子力発電所にとっても、少なからず影響するもの、として受け止めています。
 そして福島の復興・廃炉・補償費用の捻出が困難になることも危惧するところです。

 今回の一連の措置は、第一義的には東京電力ホールディングス株式会社の責任であります。
 ですが同時に、原子力規制委員会および原子力規制庁をはじめとする、これまでの国の動き・関わり方が、原子力事業者の安全性向上や、エネルギー・原子力政策に対する国民の理解に資するものであったのか、という疑問も生じています。

 特に国民理解の点では、首都圏の住民の大半が、柏崎刈羽原子力発電所から電気が送られていることを知らなかった、と報じるマスメディアもあります。もしそうであれば、まさしく国の責務において、電力消費地における理解促進をはかるべきと考えます。

 また国策への協力の前に、まずは住民の安全を確保するのが先、との声があることも承知しています。ですが私たちは柏崎市民・新潟県民であると同時に、日本国民であります。

 国策とは私たち自身の生活に降りかかるものであり、日本という国を成り立たせるためにも、協力すべきところは協力するのが、国民としての役割ではないでしょうか。

 本意見書は長年、原子力発電所と向き合ってきた、私たち柏崎市議会の矜持を形にしたものであり、国の原子力政策に対して問題提起を行い、本質的な改善・解決を求めるものとして、賛同するところであります。

 最後になりますが、このたびの柏崎刈羽原子力発電所に対する措置が、その歩みを止めるものではなく、真に安全文化を構築した上で、国策を担うことにつながるよう願い、賛成の討論といたします。以上です。

最終的に賛成17名、反対8名で可決されました。意見書は国の関係機関すべてに提出されるそうです。

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討論の中でも触れましたが、福島の復興、廃炉、補償費用は約21兆円、そのうち東京電力HD(株)は16兆円を賄うとの試算がされ、今後さらに増えることも予測されています。

その費用を捻出するためにも、原子炉の営業運転=再稼働は必要です。

厳しい行政処分が真の安全文化構築と、原子力行政が抱える根源的な問題の解決・改善につながることを願います。

日本経済新聞2021.4.14 柏崎刈羽原発、再稼働できず テロ対策不備で規制委命令

日本経済新聞2021.4.15 柏崎刈羽の再稼働遅れ、東電経営に打撃 検査に1年以上

 

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