令和3年度 代表質問
3月3日、代表質問が行われました。
これは新年度の施政方針や予算に対し、各会派の代表が問うものです。
私たちの会派・民友は相澤宗一議員(会派長)が行いました。以下はその内容です。
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1.経常収支比率の更なる改善を目指して
経常収支比率は財政の自由度を担保するために、70~80%が理想とされる。
柏崎市の令和元年度・経常収支比率は93.7%とわずかに前年度よりも改善を見せたが、コロナ禍による市税収入の悪化と扶助費の増大により、厳しさが予想される。
令和3年度予算編成は、市長が目指す経常収支比率の目標とその目標実現のための予算編成でのポイントについて伺いたい。
市長
令和3年度予算は新型コロナ対策や新たな日常に資する事業を最優先に編成、歳入は市税が―5.3%、9.1億円の減少が見込まれる厳しい予算編成となった。
経常収支比率はすべての財源充当先が確定する決算時に算出されるが、令和3(2021)年度は令和元年度の93.7%よりも上昇することが予想される。
ただし経常収支比率の計算に含まない原子力発電所関連財源、使用済核燃料税は他の自治体にはない本市の強みであり、仮に含めて計算した場合は85.5%となる。
このことも踏まえ、堅実な財政運営を図りながら市民ニーズに応えたい。
2.財政調整基金の健全化を図るためには
財政調整基金は市町村の場合、標準財政規模の10~20%程度を目安にすることが妥当とされる。
令和3年度一般会計予算規模は475億円であるが、財政調整基金31億5千万円、減債基金約1億6千万円の取り崩しにより、前年度当初比29.7%、16億9千万円減となり、残高は41億円になる。
一方で新しい基金として「環境・エネルギー産業拠点化推進基金」に20億円が積み立てられる。
貯金、未来への投資、そして現状の施策展開への予算配分の妥当性(バランス感覚)について見解を伺いたい。
市長
令和3年度予算には財政調整基金31億5千万円を繰り入れた。歳出で地域エネルギー会社への出資金5千万円、環境エネルギー産業拠点化推進基金への積立金20億円、旧鯨波公園買戻し4億円。
これら合計24億5千万円を財政調整基金繰入金31億5千万円から差し引いた7億円が通常の財源不足額であるが、財政調整基金41億円は適正な残高を維持できているものと考える。
第5次総合計画前期基本計画における見込み残高は約22億6千万円であり、18億4千万円多い。要因はガス事業売却益、防災ラジオ部分の補助金、新潟県の核燃料税の配分、ふるさと応援基金、使用済核燃料税の税率アップなどの財源確保。
財政調整基金の基準財政規模240億円の10%=24億円、20%=48憶円であり、適正な規模に収まっていると考える。
今後も必要な財政調整基金に確保しながら、必要な事業に充てていきたい。
3,原子力発電所の明日への挑戦
柏崎刈羽原子力発電所および関連企業で働く者たちは安全最優先の考え方のもと、日々努力している。
原子力関連産業で働く柏崎市民は3,000人を超え、家族を合わせれば約1万人。それぞれが自らの職場生活、家庭生活、地域生活におきまして、自分を律しながら、柏崎市内で生活している。
原子力発電所の安心の向上のためには、発電所や関連企業で働く多くの柏崎市民が、安全文化を担う一員として、モチベーションを保てるような機運の醸成も必要と考えるが、市長の見解を伺いたい。
市長
1月下旬に問題が発覚してから1か月足らず、まずは厳しく反省・検証し、どのような策を組み立てるべきか考えていただく時期と考える。
もちろん構内で働く3000人の市民およびご家族の大切さは、8万2千人の市民に対するものと変わらない。しかし今のタイミングでは趣旨に沿う回答はできない。
尚、私の原子力発電所および再稼働に対する考え方は施政方針で申し述べた通りである。
4,挑戦し続ける活力ある観光産業
令和2年度はコロナ禍により、宿泊・飲食業をはじめとする観光産業は大きなダメージを受けている。
そんな状況下で策定された「柏崎市観光ビジョン」では、柏崎市内のイベントと資源を組み合わせて、相互の魅力を高める展開を推奨し、松雲山荘・秋幸苑・貞観園の三つの庭園巡りと食や文化のコラボレーション等の展開例が示されている。
この理念をもとに、近隣自治体と連携した広域観光への展開(類似イベントの同時開催)など、新たなアイディアと泥臭い挑戦を続けることが、観光産業の高度化、柏崎市の活性化につながると考えるが、見解を伺いたい。
市長
「柏崎市観光ビジョン」は、三庭園プレミアムツアーをはじめあらゆる角度から可能性を追求し、様々な魅力ある資源や食・文化などの組み合わせ、連携による取り組みを開発し、展開していくこととしている。具体化のために柏崎観光協会と連携を密にする。
広域観光は大切な視点であり、越路の紅葉園、弥彦の紅葉谷と松雲山荘を連携させ、越後三大紅葉ライトアップという取り組みもすでに実施。将来的には近隣自治体とそれぞれの資源・ポテンシャルを組み合わせ、今まで以上に連携したいと思う。
まずは質を重視した柏崎市独自の取り組みを組み立て、近隣とも連携しながら観光産業の高度化につなげたい。
5,希望あふれる学校教育とするために
令和2年度は新型コロナウイルスの影響で学校現場では児童生徒も先生方も大変苦労してきたが、その一方でコロナ禍であるからこそ出来たこと、気付けたこともあったのではないかと思う。(例えばGIGAスクール構想という形で、デジタル化が大きく進んだことなど)
この一年間、学校教育現場は新型コロナウイルス感染症の影響をどう乗り越えてきたのか。
また、施政方針では、子供たちの学びの充実や教職員の多忙化解消のために数々の施策が示されているが、子どもや教員にとって希望あふれる学校とするために、今後どのように取り組んでいくか。
市長
令和2年度は4月20日~11日間の臨時休業から始まり、学習進度の遅れを取り戻すために夏休みを短縮した。
その後も三密対策をとり、感染防止に配慮しながら、予定されていた学校行事はできるだけ実施したいと望んでいたが、残念ながらできなかったところも多かった。基本的に実施は各学校判断にゆだねた。地域の皆様からもご協力いただいたことに感謝する。
教職員一体となって消毒等の作業にあたり、児童生徒の個別面談を何度も実施するなど丁寧な対応にも努めてきた。
コロナ禍によるいじめ、不登校、心の病などが心配されたが、2月末日現在、例年と大きな変化はない。また年度内に各教科の履修は完了する見込み。
新年度もウィズコロナの時代になるが、これまで通り三密を回避し、社会情勢や感染状況を見ながらできる限り実施する観点で行事等を見直したい。
教職員、児童が知恵を出し合い、時には保護者・地域の皆様のお力添えいただきたい。
卒業式において心ばかりのプレゼントを市から卒業学年にお渡ししたいと考えている。
デジタルだけでなくアナログな部分も大切にして、教育活動を進めたい。
6. withコロナ 未来に向けた人材投資
令和3年度予算編成においては前年度に引き続き、各種分野における人材の育成・確保対策に重点配分しているが、人材をどこから得るかという課題がある。
ウィズコロナ時代の地方回帰の気運をチャンスとし、移住・定住者やコロナ禍による離職者を人材として捉えた施策展開が重要だと考える。
潜在的な地方移住希望者を柏崎市に目を向けさせる。或いは、柏崎市に移住定住に踏み切らせるため、どのようなアプローチを行っていくか伺いたい。
市長
コロナ禍でのオンライン化の進展により会議・商談、情報交換等が大都市・大企業でなく地方・中小企業・本市のような8万人都市でも相当程度可能になったと実感している。
2020年の新潟県の人口移動は全国6番目となる5771人の転出超過。一方で東京では昨年7月~7か月連続で転出者が転入者を上回る状態が続く。
また大手就職情報サイトによる大学生対象のU・Iターン意向調査では、オンライン化により働く場所が自由である際の勤務地は、地方希望が5割前後で1位となった。
コロナ禍により首都圏からの移住・定住促進、人材を獲得するチャンスであると捉えているが、移住希望者から柏崎に目を向けていただくのは難しいと実感している。手を変え、品を変え、デジタルおよび人と人とのつながりを大切にしたアナログな手法で、地道なアプローチを続けていきたい。
移住定住推進行動計画に基づき、若者や女性から柏崎が選ばれるよう移住施策に力を入れるとともに、市民の皆様が豊かさを実感できる定住施策を充実させながら、柏崎の魅力を積極的かつ効果的に発信していく。また年度途中であっても施策を随時見直しながら、改善を重ねて効果を上げたい。
(最後に)
コロナ禍を乗り越えるために、これから様々な施策展開がなされることと思うが、市長の施政方針の結びにあるように、真ん中の広い道を進んでいけるような、そして8万1千人の市民が笑顔で暮らせるような柏崎であることを願い、代表質問を終わりとする。
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新議場で初の質問&答弁でしたが、最後の5分前に予鈴が鳴るというアクシデントも・・。
相澤議員、お疲れ様でした!
ちなみに3月3日なので、久しぶりに動物おにぎりを作ってみました。シロクマ風。
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