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2020年12月10日 (木)

一般質問1「豊かな高齢化社会実現に向けた介護者支援」

12月10日、一般質問では大きく分けて3つのことを取り上げました。内容を1項目ずつ掲載します。

 

1、「豊かな高齢化社会実現に向けた介護者支援」

Kaigo_dukare

(近藤)

桜井市長は2期目の公約(約束イレブン)・約束2の中で豊かな高齢化社会の充実を掲げ、「介護する側の難儀」にも触れながら、介護従事者の確保に力を入れるとしています。

そこで「1)介護者支援の現状と課題」では、今まさに難儀されている介護者に対する市のサポート体制を確認したいと思います。

高齢化の進行に伴い、介護者に関する様々な社会問題が顕在化しています。

介護のために仕事を辞める介護離職、高齢者が高齢者を介護する老々介護、子育てと介護を同時期に担うダブルケア、そして最近では若年層が主要な介護者となり、学業や就職に支障を来すヤングケアラー問題も注目されています。

介護はいちど始まるとはっきりとした終わりが見えず、介護者の心身への負担や社会的な孤立、経済的疲弊を招くことが多々あります。また介護者の疲労やストレスの蓄積が、高齢者虐待の要因となり、時には痛ましい介護殺人に発展することも知られています。

近年では介護者を「ケアラー」と呼び、社会全体で支えていこうという気運が高まりつつあります。

一般社団法人・日本ケアラー連盟では、家族や近親者を無償で介護する人をケアラーとし、無理なく介護を続けられる環境整備や、介護者の社会参加の補償、介護者の経験と、介護者への理解と配慮がともに活かされる社会・地域の構築を目指しています。

この理念を受け、埼玉県は今年3月末に全国初となる「ケアラー支援条例」を制定し、注目を集めています。

また昨年、文教厚生常任委員会で視察した松戸市では、高齢者相談窓口の機能を拡充して、「福祉まるごと相談窓口」を設置し、介護者の難儀に寄り添い、必要なサポートを受けられる体制を整備しています。

柏崎市においても、介護者が心身の健康を保ち、自らの生活・人生と介護を両立できるよう、適切なアドバイスや支援を受けられることが重要だと考えます。

そこで質問ですが・・介護者の社会的孤立や経済的疲弊を防ぎ、心身の負担を軽減するための相談・支援体制の整備状況、また介護者自身のSOSや周囲の気付きを促す啓発について、柏崎市における現状と課題をお聞かせください。

(福祉保健部長)

これまで地域包括センターを中心に介護支援専門員や介護サービス事業所の相談員が支援してきました。

先の質問における3つの重要なキーワード、「老々介護」「ヤングケアラー」「ダブルケア」、中でも高齢者が高齢者を介護する老々介護の場合は、ひとりで介護負担を抱え込まないように、各地域の民生委員が単身世帯や高齢者のみ世帯の家庭訪問し、介護者支援や介護サービスが必要な場合に地域包括センターを紹介し、一緒に訪問させていただくなど、相談対応を行っています。

介護者同士のネットワークは認知症の方とその介護者の集いの場として、市内5か所のオレンジカフェがあります。

介護者家族の負担感を検証し共感することで、精神的な負担の軽減につながり、介護者の社会的孤立防止に大きな役割を果たしている。しかしこのオレンジカフェでも最近ではヤングケアラーに関する相談も実際にいただいている状況です。

介護者への負担は非常に大きくなっており、相談窓口の啓発をこれからますます強化していく必要があります。

市としては介護者が早期に相互相談につながるよう、地域包括センターを中心に各世帯の事情を考慮しながら、介護保険サービスの調整を行い、家族全体を支援することが介護者の負担軽減にもつながっていくと考えています。

また加えて子育てしながら介護者となるダブルケアの場合等には、職場の上司や子育て支援機関に育児・介護休業に基づく制度などについて理解を求め助言することで、介護サービスを利用しながら就業継続できるよう民間企業やハローワーク等と連携し、介護離職防止に向けた取り組みを今後も継続したいと考えます。

さらに非常に重要な点として、このような相談体制をいくら充実しても、それが相談者の満足につながるのかきちんと考えていく必要があります。在宅で介護されている方への定量的な満足度調査も行いながら、相談体制を含めた手厚い介護施策へつなげたいと考えています。

(近藤)
相談支援体制をお聞きして柏崎市においてもヤングケアラーがいらっしゃることに驚いています。

基本的に介護高齢課がこれまでは高齢化や介護の問題を扱ってきたと思いますが、介護者となれば幅広い年齢ということになり、職場だったら商業観光課、子どもさんのことだったら子育て支援課、学校教育課など、各課横断的な支援が必要になると思います。適切につなげていただきたいと思います。

また介護者の中には自分が限界に達していることを自覚できない人や、そもそもどこに助けを求めていいかわからないという人もいるかもしれませんので、SOSを出しやすい雰囲気づくりや窓口の周知を引き続きお願い致します。

 

次の質問「(2)在宅介護にどう備えるか」に移ります。

Kaigo_family
自宅で自立した生活を送ってきた高齢者が、認知症の進行や疾病の後遺症、転倒による骨折などにより、急激に介護を必要とする状態になることは多々あります。

現在、柏崎市では要介護者の約65%が在宅介護サービスを利用しています。
市長も気にかけていられるように、特養など希望する施設に入れない方々もいれば、あえて自宅での生活を選ぶ方々もいると思います。

国は、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けられるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しており、今後も在宅介護が中心になることが予想されます。

誰もがある日突然、介護者になり得るのが高齢化社会の現実であり、まだ親御さんが元気な方々も、早めに介護者となる準備をしておくべきではないかと思います。

その具体策の一案として、柏崎市では認知症サポーター養成講座において、認知症に関する基礎知識の習得、認知症の人やその家族への支援の在り方を学ぶことができますが、これに加えて介護全般的の基礎的な知識や技術を学べる機会を作ってはどうかと考えます。

現在、少なくない自治体で介護者や介護に関心がある人を対象に「家族介護者教室」が開催され、認知症のことに加え、介護保険制度や介護費用、適切な福祉用具・住宅環境、移動や排泄介助、食事や口腔ケアなど、介護の基本的な知識・技術を習得する機会となっています。

また教室を通して、介護者同士が同じ悩みを共有しながらアドバイスし合い、これから介護を担うであろう方々は、介護者との交流によって、介護に対する具体的なイメージを持つことができます。

こうした機会を柏崎市でも持つことができれば、市民ひとりひとりの介護力が上がり、自らが介護者となったときにも、余裕を持って対応できるのではないでしょうか。

そこで質問ですが・・在宅介護への備えとして、「家族介護者教室」の開催などを通して、介護についての基本的な知識や技術の普及、介護サービス利用への理解促進を図ってはどうかと考えますが、見解をお聞かせください。

(福祉保健部長)

在宅介護は必ず通らなければならない問題であり、その備えとして、本市においては認知症サポーター養成講座を各町内会や市内小中学校、大学、企業等で実施し、受講者は1万人を超えています。

また各家庭に対する個別支援として、大々的に宣伝はしていないものの、要望に応じて、市の理学療法士が身体介護の知識や技術を指導するため個別に訪問したり、介護保険サービスを最初に利用するとき、担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)が、ご本人の介護状態にあわせて家屋等の環境にあわせた介護の手法を個別に指導したりすることもあります。

今後は地域包括センターを中心に、若い世代に向けた普及啓発を実施することで、早めに支援の手が差し伸べられ、介護保険サービスにつながるよう、広く相談窓口を周知啓発していきたいと考えます。

そして、こうしたバラバラの取り組みを一つに有機的に結びつけ、情報交換会といったものを開催し、それぞれの悩みを話し合えるような場もつくっていくことも必要だと考えています。

(近藤)
市の状況を伺い一言でいえば「対症療法」だと感じました。それはもちろん大事ですが、介護が始まってしまいますと、介護者となる方がそこから生活を組み立てるのが非常に難しいのではないかと感じます。
本当は個々が「自分がもし介護者になったら」とシミュレーションできればいいのでしょうが。

そういった気運をつくる意味でも、まだ介護に縁遠いけれど、親御さんが高齢でこの先介護を必要とするかもしれない、という方々に対するアプローチをしていただきたいと思いますし、介護技術や知識の普及は、介護に対する抵抗感をなくすという意味で、介護の人材確保につながるのではないかと思います。ぜひご検討お願いします。

さて、介護者の負担軽減のためには、介護サービスを担う人材、介護従事者の確保が不可欠です。そこで「(3)介護人材確保策の新たな展開」について伺います。

Kaigo_sougei

柏崎市はこれまで介護従事者確保のために、様々な施策を講じてきました。
夜勤手当の増額を補助する「介護夜勤対応者臨時補助金」は継続の方向が示され、介護現場の方々に喜ばれていることと思います。私も感謝しております。

この他にも、有資格者が介護事業所に勤めることを支援する「介護職員就職支援事業補助金」、介護事業所に就職した人の資格取得を支援する「介護職就業奨励補助金」、「介護資格取得支援補助金」などがあります。

これらは介護従事者の資質向上や即戦力の確保には非常に有効だと思いますが、残念ながら決算状況等を見ますと、予定した人数の利用には至っていません。

その背景には介護事業所が人手不足のため職員を研修に出す余裕がない場合や、柏崎市内での資格取得機会が少ない、といったことも関係しているのではないかと思います。

また介護職としてのキャリアを持つ人達が、いったん勤めても、資格を得ると、その資格を生かすのにさらに条件のよい職場を求めて、他の事業所に移るケースが多々あることも聞いています。

今後ますます増えていく要介護者および介護者となるご家族を支えるためにも、介護業界に新たな人材を呼び、介護職全体を増やしていくことが必要ではないかと考えます。

そこで質問ですが・・介護従事者を確実に増やすためには、未経験者でも介護の仕事に就きやすい環境整備が必要だと考えます。

具体的には、就職前の資格取得を支援することや、柏崎市内での資格取得機会の拡充、就職前に介護の仕事を体験できるようなお試し期間の設定、マッチングの強化などがあると思います。こうした新たな施策展開を検討する考えがあるかお聞かせください。

(市長)

ダブルケア、ヤングケアラーなど新しい言葉が出てきます。

ヤングケアラーという言葉が聞くようになりましたが、若くしてお年寄りの介護も含まれていると認識していなかったし、ダブルケアは夫婦でそれぞれの親御さんを介護する状態のことだと思っていましたが、子育てと介護で汗をかくことだと知り、新しい言葉に伴い新たな課題も生まれていると感じています。

介護の問題はどなたにも訪れる課題であると自分自身の経験も踏まえ、強く認識しています。

そしてそのために何が必要かといえば、施設も制度も必要ですが、何といっても介護人材確保がいちばん求められている、というのが今の段階の結論です。

そのために何をするのかといえば、すでに事業峻別で捻出した予算を一定程度、夜勤対応者の補助金に振り分けましたが、十分な成果が得られたとは言えません。

つまりこうした制度によって介護従事者が増えたかといえば、残念ながらそうではないのが現状です。

また新たに介護事業所に就職した職員への資格取得支援も、めざましい人材獲得につながる結果にはありません。

就職前の支援まではまだ至ってはいませんが、裾野を広げていきたいものの、就職につながるかどうか不確実な部分にまで限りある財源を振り分けることは難しいと考えます。

しかし結論を申せば、もしかしたらダメかもしれないと思うようなことも含め、色々なことにチャレンジしていかなければならないと質問を通して感じました。

他の分野からの新たな介護人材の獲得は、介護の仕事を志す人材が先細りしている中で、非常に重要なことであるものの、他の分野・領域でも人材不足の産業ばかりです。

やはり介護の仕事を選んでいただくには、介護の仕事そのもののやりがい・魅力を理解していただかなければならないと、就労・その後の定着にはつながらないと思います。

それぞれの事業所で取り組んでいる、やりがいや介護の魅力を伝える好事例を、他の事業所と共有できるような支援を行ってまいります。

広報かしわざきでも介護の仕事に携わる方々のやりがい、魅力、誇りをご紹介してきましたが、そういったことに加えてさらに市民の皆様に、介護に従事することの魅力をお伝えし、選ばれる職場づくりを進めてまいります。

現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、資格取得や介護体験が制限される状況が続いていますが、その中でも介護事業者の意向を聞きながら、どういった支援が効果を上げられるのか、補助金をはじめとする施策の見直しを行い、限られた財源を有効に振り分けます。

繰り返しになりますが、ご提案を含め、ダメかもしれない、しかし色々なことにチャレンジさせていただき、何としても介護人材を一人でも多く獲得していきたいと思いますし、いま携わっていらっしゃる方々の誇りにも、もう一度スポットライトをあてさせていただきながら、継続してお勤めしていただけるような雰囲気づくりに心掛けてまいります。

(近藤)
「好事例の共有」は大事だと思います。努力している事業者さんはたくさんありますし、そういったところの事例を参考にしながら、他の事業所も後追いしていく流れは必要と感じます。

またダブルケアについては、複合的な問題を抱えている方々がいらっしゃいます。市長がおっしゃるように夫婦が双方の親を介護する場合もあれば、病気になって治療しなければならない状態でお子さんを育てて、親御さんの介護もしなければならない、という方もいらっしゃいます。

介護者支援のために、介護人材の確保は本当に大切だと思います。私もその気持ちは共有していますので、市長とともにあらゆる策を講じられるよう、引き続き様々な提案をしたいと思います。

ーーーーーー

現場に光を当てた介護人材の確保」を公約に掲げて選挙に挑戦し、当選以来ずっと訴えてきたことが、市長の2期目の重点政策と合致しました。

介護を必要とする方々が、安心して最期の日を迎えられるように

介護者である方々が、優しい気持ちでご家族を見守り見送れるように

そして介護現場を担う方々が、誇りを持って働き続けられるように

困難な課題ではありますが、今後も地道に取り組みたいと思います。

 

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