【会派視察】福島第一発電所・処理水対策
12月3日、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底しての会派視察でした。
行先は福島第一発電所です。
先輩方(相澤宗一議員、佐藤和典議員)は事故以来、ほぼ毎年行かれていますが、私は昨年に引き続き2度目の視察でした。
今回の目的は発電所構内に流れ込んだ雨水や地下水の処理方法を確認することです。
◆廃炉資料館(事前説明)
①シアター上映(地震発生から原子力事故とその対応)
②処理水の説明
◆新事務本館会議室(視察概要説明)
① 1~4号機の状況
② 港湾内外の放射性物質濃度の変化
③ 汚染水と原子炉循環冷却の概念図
④ 「汚染水対策」の3つの基本方針
⑤ 重層的な汚染水対策に伴う汚染水発生量の低減
⑥ 労働環境の改善
⑦ 中長期ロードマップ改訂・中長期実行プランの概要
◆福島第一原子力発電所・構内視察
①既設多核種除去設備(既設ALPS)
②増設多核種除去設備(増設ALPS)
③1~4号機原子炉建屋外観俯瞰エリア
【*バスから降車】
④地下水バイパス設備
⑤サブドレン浄化設備
⑥海側設備
⑦6号機非常用ディーゼル発電機
⑧雑個体廃棄物焼却設備
⑨固体廃棄物貯蔵棟(第9棟)
⑩乾式キャスク仮保管設備
⑪免震重要棟
⑫高性能多核種除去(高性能ALPS)設備
⑬ALPS処理水サンプル
◆汚染水処理について
福島第一発電所の汚染水(燃料デブリの冷却水や発電所に入り込んだ地下水・雨水等、大量の放射性物質を含む水)は各種装置により浄化され、処理水としてタンクに保管されている。
セシウム吸着装置→淡水化装置→多核種除去設備を経て、大部分の放射性物質は除去されるがトリチウムだけは残る。
トリチウムは水と結びつき自然界に広く存在する放射性物質であり、体内に入っても水と同様に排出され、濃度が低ければ人体への影響は低い。
トリチウム水の処理方法は国により水蒸気放出と海洋放出が検討され、特に海洋放出は実績がある確実な方法だが、地元の双葉町・富岡町以外の自治体は風評被害を恐れ「サイト内に留め置くべき」との姿勢が強い。
サイト内の保管容量は2022年に上限に達することから、風評被害の払拭とあわせて処理方法への理解を得ることが課題である。
帰路に「福島県東日本大震災・原子力災害 伝承館」も視察。
今年9月に開館した博物館・情報発信施設であり、東日本大震災と津波に伴う原子力災害を後世に伝えることを目的とし、資料や映像証言などを以下のテーマ別に展示しています。
①プロローグ(導入シアター)
②災害の始まり
③原子力発電所事故直後の対応
④県民の想い
⑤長期化する原子力災害の影響
⑥復興への挑戦
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約1年ぶりの福島第一原子力発電所視察でしたが、前回と比べてかなり作業が進んでいると感じました。
発電所構内では放射線量が年々提言し、現在は96%が一般作業服エリアとなり、1~4号機原子炉建屋外観俯瞰エリアではバスから降車することができました。(菅総理が視察した場所だそうです)
処理水については浄化方法について説明を受け、また実際に浄化装置や透明な処理水サンプル(容器入り)を目視し、確実に安全性が高まっていることが理解できました。
トリチウム水は希釈すれば問題ない物質であり、すでに国内外の原子力施設から海洋放出されていますが、「福島発電所の処理水」ということで敬遠されている状況があります。
ですが風評被害によって廃炉作業が滞ることはあってはならないと思います。
福島復興のためにも処理水への理解促進を図ることが必要だと感じました。
伝承館は映像資料が多くビジュアル面でのインパクトが強く、展示内容にストーリー性を持たせて情に訴える部分が強いと感じました。
特にいったん富岡町の住民避難を受け入れたものの、全村避難となった川内村避難所に残された黒板には、富岡町避難者による感謝の言葉で埋まっていたのが印象的でした。
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