ウイルスの次にやってくるもの
日本赤十字社の動画「ウイルスの次にやってくるもの」を文字起こししてみました。
敵はウイルスであり、今起こっていることや自分の気持ちを、少し客観的に見つめ直すことが大切だとあらためて感じられる内容です。
「ウイルスの次にやってくるもの」
ウイルスから身を守るためには?
でも、心の中にひそんでいて、流れていかないものがある。
そいつは、お腹をすかせているみたいで、
暗いニュースや間違った情報を、
たくさん食べて、
どんどん育って、
そして、ささやく。
先の見えない状況を、
「もうみんな助からない」と。
誰にもまだ分からないことを、
「誰かが隠しているのだ」と。
そいつは、人から人へと、広まっていく。
「あの人が病気になったのは、誰のせい?」
「ウイルスが広まったのは、あいつのせいだ!」
「世界がこうなったのは、あいつのせいだ!」
そいつは、まわりに攻撃をはじめる。
人と人とが傷つけあい、分団が始まる。
そいつは脅かす。
「もしも感染していたらどうする?」
「あんな風に言われたらどうする?」
みんな、熱があっても、隠すようになる。
具合が悪くても、元気なふりをするようになる。
もう誰が感染しているか分からない。
ウイルスがどんどん広がっていく。
鏡を見ると、そこに、もう、あなたは、いない。
そいつの名前は、恐怖
ウイルスの次にやってくるもの。
もしかしたら、ウイルスよりも恐ろしいもの。
「わたしたちが恐怖に飲み込まれる前にできること」
恐怖に餌を与えない。
ときにはパソコンやスマホを消して、
暗いニュースばかりを見すぎるのはやめよう。
不確かな情報を、うのみにしないで、
立ち止まって考えよう。
恐怖のささやきに耳を貸さない。
恐怖は、話を大げさにして、おびえさせる。
誰にもまだ分からないことは、
誰にもまだ分からないことでしかない。
そのままを受け止めよう。
恐怖から距離を取る。
非難や差別の根っこに、
自分の過剰な防衛本能があることに気づこう。
冷静に、客観的に、恐怖を知り、見つめれば、
恐怖はうすれていくはずだ。
恐怖が嫌がることをする。
恐怖が苦手なものは、笑顔と日常だ。
家族や友人と電話して、笑おう。
いつものように、きちんと食べて、眠ろう。
恐怖は逃げていくだろう。
恐怖は、誰の心の中にもいる。
だから 励ましあおう。応援しあおう。
人は、団結すれば、恐怖よりも強く、賢い。
恐怖に振り回されずに、
正しく知り、正しく恐れて、
今日、わたしたちにできることを、
それぞれの場所で。
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