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2020年1月28日 (火)

福井視察(3)小浜市・食のまちづくり

1/28は福井県小浜市での行政視察でした。

小浜市は2001年、全国ではじめて「小浜市食のまちづくり条例」を制定し、食を核とした産業や観光の振興、環境保全、食の安全・安心の確保、福祉および健康づくり、食育の推進など、先進的な取り組みを進めてきました。

視察会場となった「御食国(みけつくに)若狭おばま食文化館」は、小浜市の食のまちづくり拠点施設であり、キッチンスタジオ、食のミュージアム、若狭工房(展示、体験ブース)、入浴施設、地場産食材レストランで構成されています。

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今回の視察では生涯食育と地域資源の活用を中心に、以下のことを学びました。

●長年に渡る生涯食育の推進により、健康の維持・増進、医療費・介護保険料の抑制につながっているか?

→健康の維持・増進にはつながっていると考えられるが、明確なデータがない。改訂版の小浜市元気食育推進計画ではメタボ予防・改善対策や健診受診率、虫歯のない児童生徒の割合など目標値を設定し、健康状態の「見える化」「感じられる化」をはかる。

 

●キッズキッチン(義務食育)のプログラムはどのように決められているか。また教育効果、家庭(親世代)への浸透状況について

→プログラムは食のまちづくり課 課長が担当。全ての保育園・幼稚園児~中3を対象に料理を通して自己肯定感や自立心を育む。

年長園児が包丁を持ち小6家庭科レベルの実習を行うが、保護者は手出し口出しせず見守る。子どもが変われば大人(親)も変わる。

食育を経て成長した子供たちの意識調査を目的に、成人式の案内と一緒にアンケートを送付したところ約100人が回答を返信。

設問は幼い頃の食育の記憶、地域に育てられたとの感覚、小浜市で子育てしたいか等で現在集計中。エビデンスとして活用したい。

今後は教育産業との連携も視野に入れたプログラムを検討。

●病院、高齢者施設などの給食における食材の地産地消はなされているか。

→学校給食では地産地消に取り組む(自校方式を採用・食材調達は校区内を優先、食材生産者を昼食時の校内放送で読み上げる)。

病院や高齢者施設の給食に対し市は関与せず、地産地消は難しい状況とのこと。高齢者(在宅)対象の食育プログラムはある。

 

●食育の担い手育成・確保や世代交代はどのように行われているか。

→食文化館の調理スタジオを運営するグループ・マーメイド(約50名)、キッズキッチンを担当するキッズ・サポーター(約20名)、食文化館の環境整備ボランティアのかけはしサポーター(約10名)が食育の担い手として活躍(市民協働の運営)。

ユーザーからスタッフになるケースもある。学校給食調理員の不足が報道されているが、何とか乗り切りたい。

 

●栄養士会との連携はされているか

→食育の担い手は栄養士が多く、栄養士会の研修や講座で食文化館の利用がある。

 

●食のまちづくり推進による若い世代の地元定着、産業振興への効果について

→IOTやドローンを活用した未来型農業の推進により新規就農者を育成、鯖の養殖(酒粕を餌とする「酔っ払いサバ」)など漁業にも力を入れ、第一次産業活性化をはかっている。

今年度より地域おこし協力隊制度を活用した「御食国 食の学校」事業を実施。食文化館や小浜市内の飲食店で1~2週間の講座、実習により料理人を育成している。

 

●食育ツーリズムの具体的な内容、進め方、利用状況

→食文化館での料理教室や若狭塗り箸研ぎ出し体験、漁業体験施設「ブルーパーク阿納」(魚を釣る・さばく・食べる体験ができる)での観光漁業などのメニューがあり、市外からの教育旅行者が増えている。

立命館大学の「食マネジメント部」とは連携を結び、毎年新入生が小浜市内での多様な食体験「小浜スタディ」に参加している。

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●「農泊 食文化海外発信地域(SAVOR JAPAN)」認定によるインバウンド推進状況

→地域の食と農林水産業でインバウンド推進をはかる「 SAVOR JAPAN」認定(農林水産省)を受けた。

申請時は欧米をターゲットに設定していたが実際は台湾、香港からの観光客が大半を占める(ホテルせくみ屋が営業に尽力)。

行政、若狭小浜観光協会、民間企業が連携し「(株)まちづくり小浜 おばま観光局」を設立。

市内全体で受入整備(無料Wi-Fi、キャッシュレス、多言語対応、町屋ステイ=古民家宿泊など)を進めている。

情報発信は近隣地域や福井県との広域連携が鍵となっている。

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<所感>

人口約2.9万人の小浜市が、歴史や地域資源を生かして「食のまちづくり」を「強み」とし、新たなチャレンジを続けていることに感銘を受けました。

全世代にわたる生涯食育の実践により、健康づくり、教育(人づくり)、食文化の継承、産業の活性化をはかっています。

独自性の強い取り組みを発信し、SAVOR JAPANのような認定制度や地域おこし協力隊など、国の事業を活用し、市外大学との連携により学生の滞在機会を確保するなど、かなり戦略性が高いとも感じました。

柏崎市でも食に関する様々な取り組みが行われていますが、目的や成果を整理し、「強み」として市全体で共有できるよう働きかけていきたいと思います。

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