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2019年8月25日 (日)

家庭、学校、地域との連携・協働 研修大会 2019

8月24日、柏崎・刈羽地域の教育委員会および柏崎市小中学校PTA連合会主催による
「家庭、学校、地域との連携・協働 研修大会 2019」に出席しました。

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内容は以下の通りです。

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第一部講演会「ネットトラブル・ネット依存から子どもを守る」

講師:全国ICTカウンセラー協会 代表理事 安川雅史様

 

近年さまざまなネットトラブルが問題になっている。
特にSNSの問題投稿は後を絶たず、マスコミでたびたび報道されている。
(「すき家」「くら寿司」店員の投稿など)

投稿者はどうなるか?
個人情報が特定され、ネット上で叩かれ、その後の人生は崩壊する。

たとえば「くら寿司」アルバイトが、食材をごみ箱に投げ入れては拾う投稿が拡散された。
この事件で店の損失は約30億円となり、当事者である未成年は書類送検され退学となった。
裁判で負けて多大な賠償金が発生しても、本人に支払えるはずがなく親の負担となる。
子どもだけでなく親の職場も含めて社会的信頼を損なう事態となる。

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数年前に青山学院大学の飲酒サークル投稿が問題となった。
投稿者の女子学生は未成年であり、過去の行状も含めてネット上にさらされ、叩かれ続けた。
親の個人情報もさらされた。
女学生の両親は「このバカ娘を育てた親」として父親の会社なども特定。精神的に追い詰められ、うつ病となり休職。
自宅住所も特定され、母親も近所からの白い目にさらされ、引きこもり状態に。

両親から相談を受け、ネット上での誹謗中傷投稿に削除依頼を出し、なんとか鎮静化。
しかし3年後、この女子学生がアルバイトの面接でことごとく落とされる。
ネット動画や誹謗中傷は残り、それを見た人事担当者は採用しなかった。

今の人事担当者は面接を信用しない。
SNS投稿などから「本性」を見て、企業側にとってリスクが高いと判断したら採用しない。
この女子学生はおそらく就職もできないであろう。

ネット動画は「デジタル・タトゥー」とも呼ばれ、完全に消せない。

多くの投稿者が「友達限定公開なら大丈夫」と思っているが、そもそもSNSだけの「友達」は本当の友達か?
10代のうち9割がネット上の「友達」がいるが、事が起これば会ったことのない「友達」が、叩く側にまわる。

あるYoutuber志望の女子高生たちは、注目を集めるために、地下鉄の線路を降り横断する動画を投稿。
問題となり、投稿者は退学。撮影者も無期停学。

復学しようにもどの学校も受け入れられない(受け入れれば学校側が叩かれる)。
唯一残された道は国の高卒認定だが、高校を卒業しても「社会が受け入れない」。

動画投稿の翌年、彼女たちの高校は定員割れした(それまでは高倍率の人気校)。

子ども達は学校の看板を背負っている。
休日にも動画撮影のため制服で行動する学生がいるが、その態度は学校の評価につながる。

SNSで「死にたい」と書き込んだ若者たち9人が殺害される事件もあった。
本当に死にたかったわけではない子もターゲットとなった。
ネットで相談に乗ってもらい、会いに行って命を奪われた子もいた。

アイドルグループ嵐の熱狂的ファンのある女子中学生は、のめりこみ過ぎて学校で浮いていた。
ネット上で仲間を探そうと、「#(ハッシュタグ)」で共通の嗜好を持つ相手を検索したところ、イケメンの「ネット彼氏」に巡りあう。
ネット依存が進み、親との関係も悪化する中、夏休み初日に男に会いに行った。
現れたのは40代後半の男性。「〇〇ちゃん、息子から頼まれて迎えに来たんだ」と言われ、車の助手席に乗せられる(10代には警戒心がない)。 
男は過去に性犯罪で逮捕歴あり・・逮捕されても性癖は変わらない。
女生徒は首を絞められ、覚せい剤を打たれ強姦された。その後心臓が止まり死亡。男は遺体をトランクに詰めて山中に埋めた。

両親は娘と連絡とれず警察へ。愛知県警の捜査線上に男が浮上した。証拠物みつかり逮捕。自白したものの、遺体は発見されなかった。 
200名体制で捜査したが、ついに遺体は見つからないまま13年が経過。
今も自宅では娘が出て行ったままの状態になっている。親は娘の死を受け止められない。

この女生徒の担任の先生から「教壇に立つのが怖い」と相談があった。

夏休み前に子ども達にきつく言った。

「人と人とのつながりは直接会ってはじめて成立する。人生経験を積んで人を見極められるようになってから、ネットで知り合った人と関わるべき。ネットでしかつながっていない人に会いに行くようなことは、絶対してはいけない」

わかってもらえなかった無念さ・・以来その学校には13年間講演に通っている。
保護者である両親も参加し、生徒たちは講演会後に話し合う。
皆が「自分のこと」として考えるようになり、学校は変わった。

2年前、山形県の小学4年生の女子が任天堂DSオンラインゲームを通じて仲良くなった「友達」に拉致監禁される事件があった。
小学生が性犯罪に巻き込まれるのは、大半が任天堂DS。
小児性愛者はスマホアプリは使わず、小学生になりすましてオンラインゲームの世界に入り込む。
少女はネットで知り合った男性に会いに行き、保護されたのは9時間後。
犯人は逮捕され、少女は車の中で茫然自失の状態で発見された。当然すでに性的被害を受けていた。

NHKの取材が入り、コメンテーターとして出演を求められたが、山形の11人しかいない学校となればすぐに特定される。
本人のトラウマだけでなく、被害者は「性的被害を受けた子」として知れ渡る。
NHKに話して詳細報道はやめてもらい、今のところ本人は落ち着いているとのこと。

 

LINEの年齢制限フィルターは「犯罪、罠から子どもを守るもの」

●年齢制限をかけるとLINEが使えない?
→子どもが無断ではできない=保護者の同意が必要ということ。
使えなくなるのはLINE掲示板。
LINE掲示板は実質出会い系サイト。
子ども達は友達が簡単にできる掲示板と思い込んでいるが、大人が子どもになりすまして入り込む。
かわいい画像、イケメン画像を見て多くの子ども達が罠にはまる。

●年齢制限により音楽、動画のダウンロードできない?
→できる。ただし国が「子ども達が見てはいけないもの」と判断したものや、不正アップロード、著作権に違反している場合はダウンロードできない。

*「友達が見ているからいいでしょ?」という理屈は「友達が万引きしているから僕もしていいでしょ」と同じ。ダメなものはダメ。

●年齢制限するとクーポンがとれない?
→とれる。とれないのは成人向けのみ。

●アプリゲーム、SNSが利用できない
→できる。ただし同意が必要。

親が子供と携帯ショップに行くと店員は子ども達について歩き、学割や家族プランをすすめて持たせようとする。

ある家庭で子供にせがまれスマホを買い与え、年齢制限を外したところ、明細書を見たら子どものゲーム課金42万円。
激怒して高い違約金を払って解約・・こんな無責任な親にならないように。子どもは課金システムがわからない。

何のためにフィルタリング?子供の命を守るため(使いにくくするためではない)。

 

自分が13歳の子供にに戻ったとしたら?

「誰のお金で買ってもらってると思ってるの?自分で働いて稼いでから買いなさい」という言い方では、子供の反発を買うだけ。

「スマホはとても便利なの。あなたのことは信じてる。でもあなたを狙う大人は信じられない。
たとえあなたに嫌われても、あなたを守るためにはフィルタリングを外すわけにはいかないの。」という言い方をすれば。伝わるのではないか。

外でWi-Fiを使えばフィルタリングを外さなくても利用できる。

どんな子に育てたい?「見ていなければ何をやってもいい子」ではなく、「誰も見ていなくても、ダメなことはやらない子」ではないか?

親自身もスマホ依存になっていないか?ママ友同志がLINEで他のママ友悪口を言い合う →子ども達のいじめと変わらない。

 

ある父子家庭のケース。
息子が小学生の頃、母親が癌で亡くなり、父親がひとりで育ててきた。
中2の時に子供がネットゲームにはまった。
今のゲーム、アプリは依存しやすいようにつくられている。途中でやめられない。
食事ができたのにゲームをしていて息子が部屋から出てこなかったことから、父親が子供を殴ってしまう。
それ以来、親子関係に亀裂が入り、息子は父を避けるようになる。口をきかないまま数年が経つ。

息子は学力が低下し、レベルの低い高校に入ってできた仲間はいちばんの問題児。その仲間が校則を破って休学処分となる。
腹いせに教師を挑発して怒る姿をこっそり撮影、切り取って動画を投稿し大問題にすることを頼まれ、実行。

案の定、大事件となるが、教師の日頃の態度から、生徒にはめられたと判断。
校長は全校生徒を集めて、警察の捜査が入る前に名乗り出るよう話すが、誰も名乗り出なかった。
そのため学校は警察に相談し、刑事事件となる。
刑事事件になるとネット動画の投稿者は開示請求できる。
特定され息子は無期限停学、反省文30枚の提出など厳しい処分が下された。

息子にしてみたら「言われてやっただけなのに」。
しかし「人から言われたから」人を殺してよいのか?どんな状況でもやってはならないことはある。

一方で父親は、毎日息子に手紙を書いたが朝にはゴミ箱に捨てられていた。
ショートメッセージだけは既読されていたが、あるとき既読にならず、帰宅すると息子は遺書を残して自殺していた。
遺書には学校への恨みと、父親にあてた「ありがとう、ごめんね」
学校は謝罪会見を開く事態となった。

父親からその後相談を受けた。
亡き妻からは「あなたはカッとしやすいから心配。あの子は話せばわかる子。あの子が大人になるのを見たかった」と言われていたのに、つい感情的になってしまった。
それでもいつか息子は自分の気持ちをわかってくれると思っていた。
だからずっと頑張ってきたのに、息子は死んでしまった。自分も死にたいと・・。

翌日、父と面談。息子の遺書を持参。
「最後の思い出は、あいつを殴ったことだけ。一回でいいから時間を戻したい。一緒にご飯を食べたかった。」

自分(安川先生)も年に1回、実家に戻る。
ずっと親と疎遠だったこともあり、仕事をはじめてからは年末年始しか帰れない。

ある年、父が脳梗塞で倒れて緊急搬送されたが母は伝えず、年末の帰省まで知らなかった。
「私達はあなたが講演で人に希望を与えることを喜びとしている。だから何かあっても伝えるのは大晦日だけ」
それ以後、両親と一緒にいるときはスマホは使わない。

自分は猫を4匹飼っている。ある日1匹が変な鳴き方をしていた。
ネットで緊急の動物病院を探し、通院すると尿毒症にかかっていたことが判明。
医師は「限界に近い状態でよく生きていた。でも生きていたかったんでしょうね」
サインを逃してはダメ。(猫は今は回復)

親はスマホにはまって、サインを見逃していないか?
運転中にスマホを見ていて、事故を起こせば取り返しがつかないのと同様。
赤ちゃんの頃は些細な変化も見逃していながったはず。今も同じように見ているか?

神奈川県の中高一貫校でいじめが発生。
ひとりの女子中学生がターゲットとなる。
20人のグループLINEで彼女のコメントは全員が「既読スルー」
周りに誰もいなくなり、ひとりぼっちの彼女は、トイレに駆け込むようになる。
しかし同級生はトイレまで追いかけてきて「トイレはあんたの部屋じゃない」

いじめはエスカレートし、彼女の動画や写真を盗撮しては、アプリで加工し、裏LINEで共有。
授業等でグループ分けしても、どこにも入れてもらえない。
体育の時間、創作ダンスもひとりで踊った。その姿を撮影し、面白おかしく加工しYoutubeにUP。

ある日ついに本人に見せたところ、過呼吸で早退。
母親が相談の電話をかけてきた最中、娘は服毒自殺をはかっていた。
家の中の薬をすべて飲み、救急搬送されたが植物人間に。

学校での捜査により、担任が把握していなかったいじめの事実が発覚。
依頼を受け全校生徒および、別室でいじめの加害者19名に話をした。
19名はまともな精神状態ではなかった。この先一生後悔の連続であろう。

「自分がやられて嫌なことは人にはしない」
AIの時代、頭脳は代替がきく。しかし心は人間のみ。

彼女はなぜ家族に言えなかった?両親に心配かけたくなかった。
私立の中高一貫校入学に母は反対していたが、どうしても行きたいと頼んで入った学校だった。
学費が高く家計に負担がかかり、両親の言い争う姿を見て、自分が迷惑をかけていると感じるようになった。
だから聞かれても「大丈夫、学校は楽しい」としか言えなかった。

子ども達は本当に大丈夫? 言葉だけでなく表情で読み取ることが必要。
親自身がスマホ依存から抜けなければ子ども達の異変に気付けない。
人生経験を積んでいない子ども達にとって、「こんな些細なことで?」と思えることが致命的になる。
すべて「表情」に出る。「顔色をうかがう力」誰にでもある。

スマホが与える学力への影響・・スマホ使用により集中力を削がれ、学力が低下するとのデータもある。

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子ども達は1日のうちどれだけスマホを使っている?
親が子どもと一緒に過ごせるのは小中学校の頃だけ。

スマホ依存中にワーワー言っても聞かない。大げんかで終わり。
話すタイミングがある。例えばアプリをきっかけに会話をふくらまし、決まり事、ルールをつくる。

LINEの友達自動追加機能をOFFにする。
未成年使用スマホはお下がりのことが多い。
以前の使用者のつながりが残り、自動検索によって見知らぬ他人とつながってしまう。
多くのトラブルがこの機能が原因。

LINEは知らない人とつながる道具ではない。あくまでも知人との連絡手段として使うことが重要。

 

第2部:パネルディスカッション

「子どもを守るために、保護者・学校・地域ができること」

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登壇者:安川雅史氏、枇杷島小学校PTA会長、瑞穂中学校PTA副会長、NPO法人 柏崎まちづくりネットあいさスタッフ

コーディネーター:柏崎市立教育センター副所長。

 

●今回のような啓発活動をPTAとして行うには、どのようなやり方が効果的か?

入学式、父兄参観日などと合わせて半強制的に参加の機会をつくるとよい。

●ネットでの個人情報特定はどのように行われる?

SNSプロフィールの学校名や住まい、投稿写真のGPS機能等から簡単に特定される。

●スマホ使用のルール決めはどのように進めればよいか?

まず自分がイライラしているときは言わない。リラックスして心にゆとりを持ってから話す。
 なんのためにルールを決めるのか、子供を思う気持ちを伝えるようにする。
 
●外国のスマホ使用状況と違いはあるのか?

LINE本元の韓国ではほとんど使われていない。
 文字間のケンカは日本がいちばん多い。
 感情的になっている時は書き込みはせず、ノート等に綴ってみるとよい。
 投稿ひとつで長年築いてきた友情や信頼関係が一瞬で終わることに注意。

●第三者的な地域の大人として何をすべきか?

地域の人達が集まる場で話し合いをすると他人事から自分事へ変わる。

●ネットと上手につきあうには?

子供自身の様子をよく見て、1日5分でよいから子どもと向き合う時間をつくる。
 使わない・使わせないのでなく、危険性を知った上で便利な部分は利用する。包丁と同じ。

●平成28年に柏崎・刈羽地区中学生で「メディア共同宣言」を出したが、どうすれば守れるか?

感情的にならずに具体的な事実を示しながら伝えていくとよい。
 ある女子高生はYoutube投稿が注目され、AbemaTVスカウトにより月に160万円稼ぐまでになった。
 周囲にもマネする学生が増え、その学校では学力低下、「勉強することに意味がない」という風潮に。
 彼女はブラジル人とのハーフで、低賃金の仕事に就いている親が彼女の収入をアテにするようになった。
 しかし数か月後にあきられ、アクセス数は激減。焦って過激な投稿を繰り返すように。
 その後、学校からの依頼で講演し、平常な状態に戻った。
 ネットでの注目は永遠ではない。

●インスタグラムはじめ、子供が夢中になるネットの日々の変化について行けない。

子供と一緒に勉強会を開き、子供は使い方を、親は危険性を伝え合うとよい。
 地域の子供と大人の勉強会、高校生が中学生に危険を教える機会をつくるなど、「教える」ことが良い効果を生む。

●子供の友達が危険な使い方をしているのを見つけた場合、どうアプローチすべきか?

第一義はその子の親。親が子を守るべき。保護者に危険性を伝える。
 難しい場合はその子に直接言うしかないが、その場合も「危険から守りたい」との思いを伝える。

●子供がいじめを受けた時どうすればよいか?

親が子供の表情を見逃さない。日頃から「なんでも話せる関係」をつくり、もし「いじめを受けている」と言ってきたら寄り添いながら対処する。「やめて」と言えないタイプの子であれば、親子の関係において自分の気持ちを話せるようトレーニングする。

 

●LINEオープンチャットが新機能として追加され、子供が誘われているがどうすればよいか?

チャット機能を使うほどの緊急性が高いことはおそらくない。極力使わず、「明日、学校で話そう」・・顔をあわせて話をするように。

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会場にはときどき涙を拭う父兄の方も見受けられました。

今回の講演で、子供たちをネットの危険から守るには、まずは親や大人がネットの危険性を知り、依存しないことが必要だと感じたところです。

 

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