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2019年8月

2019年8月26日 (月)

松浜中学校区 地域懇談会

8月26日、松浜中学校区地域懇談会(高浜地区コミュニティセンター)に参加しました。
この地域は原子力発電所の近接地=PAZ(即時避難地域)にあたります。

市長からは荒浜小学校改修などについてお話しがありました。
地域からのテーマは以下の通りです。

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(1)原発事故に伴う原子力災害時に備えた避難道路の確保について(宮川町内会長)

原子力災害含めて複合災害が起これば地域は孤立する。
中越沖地震のとき、宮川~西山間が一時期不通となった。
津波がおこれば宮川、大湊地区は西山に逃げるしかない。
県道確保は必要。
市の原子力防災課、県の振興局に要望した。(トンネルもしくは今の道路を拡幅)
市も県も財政が厳しいことはわかるが、いちばん原発に近い地域であり、道の確保はどうしても必要。
櫻井市長から県に働きかけ対策をとっていただきたい。

(市長)
ご指摘の道路は県道27号線、状況確認はした。
あらためて県(地域振興局)に対応策を確認。さすがにトンネルは無理だが、道路が荒れた状態なのは確認した。
町内会長立ち合いのもと現場確認する予定。
新潟県は柏崎市以上に財政が厳しい。
たとえば県立アクアパークの壁崩落、スケート場の製氷機破損をすぐに直せない。
この地域は発電所おひざ元であり、少しでも不安を軽減できるよう働きかけは続けたい。
県道の路線番号等、新しい表示に直すよう対応お願いしてある。


(2)ゴミの不法投棄の防止策について(宮川町内会長)

高浜地域全体が海岸近く、とくに土日の外部からの客が多い。
浜茶屋客以外の海水浴客によるゴミの投機に悩まされる。
宮川は通過地点、西山インターに入る途中にあり、ゴミを捨てていく人が多いようだ。
それ以外にも西山~宮川の県道沿いに、タイヤやポータブル便器などが投機されている。
毎年近辺の場所に捨てていく。
町内で不法投棄は通報する旨の貼り紙するなどしている。
ゴミステーションの設置や指定ごみ袋を使えるようにしてもらうなど、何とか対応できないか。

(市長)
平成30年度不法投棄の回収件数・重量は平成29年度から倍増している。
可燃物、汚物ごみなど家庭ごみの投棄が多い。
一方、大規模(大きなもの)な不法投棄は現象している。
行楽シーズン中のゴミは個人のモラルによるところが大きいが、モラル向上が難しい。
不法投棄現場を発覚したら遠慮なく警察、市役所に通報してほしい。
ただし行政対応にも限界がある。
田団体や県などと連携して厳しい目をもつしかない。

今年から石地海水浴場を有料化した(1000円)。
無料時と同じくらい利用客があった。
駐車場代金、当初800円にしようという案もあったが、市内一律1,000円にした。
そのかわりゴミ袋を渡して回収し、指定場所に置いてもらうようにした。


(3)荒浜海岸の飛砂軽減対策について(荒浜町内会長)
荒浜は秋~冬~春にかけて飛砂がひどい。
防砂ネットを貼るか海浜植物で覆ってもらえないか。
荒浜漁港の浚渫を毎年やっていただいているが、あれはもうやめてもよいのではないか(キリがない)

(市長)
トレンチ工法(砂で土手・壁をつくって砂を抑える)による浚渫はもうやめる。
荒浜港だけで半年で数千万円費やしている。
ランニングコストや機能などを調査研究を行い、もっとも効果がある方法をできるだけ早く行いたい。(試験的実施)
砂の処分は農業関係での引き取り希望もある。
経費的なことも調べて検討したい。
回収した砂が荒浜海岸に残らないようにしたい。
海水をまくことでミネラル分により稲が育つ場合も。
タイミングがあわなければ置かせていただきたい。
その場合はあらかじめ協議させていただく。

(会長)
落としどころは?緑化やるとしたらいつから?

(市長)
どの方法でもかなりお金はかかる。
緑化は計画に沿って進めていきたい(予算含め)。
トレンチ工法せず緑化も含めた試験的実施を行う予定。

(荒浜・C氏)
トレンチ工法の山に防砂ネットをかければ全部の砂浜にかけるよりもコストは低い。

(市長)
植樹も含めて検討課題としたい。


(4)国道352号線沿いの荒浜中学校から荒浜2丁目の保安林・公園の下草刈を要望する。(荒浜町内会 S氏)

数年越しにお願いして、やっと動いてもらった。
枯れた松の伐採、枯れ草とりなどをやっていただいたおかげで遊歩道の見晴らしよくなった。
今年はまだ行われていない。
景観、防犯上のことも含めて県に要望をしてほしい。
伐採、風通し良く。予算はないだろうがぜひやっていただきたい。
人が入り込めば草が生えにくくなる。
なるべくきれいな状態で刈っていただきたい。継続をお願いしたい。

(市長)
去年の面積は7ヘクタール。草刈りは賽の河原だが、本格的に草刈りをしたおかげで雑草は少ない。
すでに6月中旬から遊歩道~海岸を整備中。
今後は14ヘクタール
通学路付近の352号線は作業中。歩道沿いの除草も含め、県との連携の上、適正な管理をしたい。

(5)防災訓練の実施と避難道路の確保について(荒浜区長)

ぎおん祭りでの三階節のメロディーは聞きなれなかった。

何度も意見してきたことだが。
荒浜地区の防災、とくに原子力・複合災害の訓練で避難したのは7~8年前の糸魚川だった。
当時のことはほとんど忘れられている。できるだけこまめに訓練した方がよい。

新しい避難計画の説明をお願いしたい。
避難道路 いざ原子力災害がおこれば、渋滞・混乱は免れない。
8号線交差するところに仮のインターチェンジをつくってほしい。

(市長)
三階節チャイムは笛の音、民謡保存会に吹いてもらった。
ぎおん祭りの三階節はいつもと違った。民謡保存会が自発的に判断していた。
民謡保存会にお伝えしたい。
この夏、最後の盆踊りが駅前で行われたが、そのときは野良三階節だった。

避難訓練は県に対して県主催の訓練を申し上げている。
県は広域避難計画もっていなかった(指針のみ)
今年の秋、原子力防災訓練を実施。

今回はバスによる広域避難訓練を行う。
椎谷は船による避難訓練を実施予定。
市との情報連絡訓練実施も検討。

県は来年度以降も訓練実施することを確認。
来年できない地区を優先的に日程調整していきたい。

宮川、大湊、松波、西中通地区のバス避難訓練も実施予定。
県がバス協定との提携を行っている。

スクリーニング場所 発電所より30km圏外に設置。
ただし高浜、荒浜地区はPAZとなるので、スクリーニングせずすぐに避難。


スマートインター含む陳情あるが。
モデル事業は県が事業主体(5億円)市が補助
長岡北インター60億円 市は30億円負担
距離 柏崎~西山インター間は11㎞しかない。

国道353、252号線を除雪の避難退避場所として使えないか?
352の拡幅 歩道確保は進んでいる。
スマートインターが無理な分、避難道路整備を進めたい。

(6)浜辺の一画(荒浜漁港から南側・柏崎寄り)に駐車場、水飲み場・シャワー室・更衣室・トイレ・遊泳監視室のある施設を設けてほしい。
併せて憩い場・東屋がほしい。 (荒浜町内 )

いちど打診されてから断った経緯がある。荒浜には一般海水浴客の場所がない。

公衆トイレ、ゴミ管理などの問題もあり、事業実施をお願いしたい。


(市長)
昨年および長年の懸念事項かと思う。
荒浜海岸には海水浴、釣り等客が訪れていることは承知している。
海岸・施設の維持管理は地元町内会にお願いしている。

施設整備により訪れた方々の満足度が上がることは理解しているが、維持管理を町内で行うことについて再度話し合ってほしい。

もし町内で継続的な維持管理が可能であれば、海岸付近の長期的な事業化を検討する。

まずは継続的な維持管理ができるか、町内で意思確認してほしい。
となればトレンチ工法は関係なくなる。(海岸環境整備)
防砂フェンス 景観よくないが飛砂防止のためとご理解いただきたい。

その他
(大湊町内会長)
再生可能エネルギーの取り組み状況は?
地域エネルギー会社可能性調査の状況は?
大湊・宮川地区に太陽光発電を要望。
出力1メガワット、1000キロワットで企業として採算あう。
建設には2ヘクタール必要。
1メガワット電力量を確保し、電力会社に売電すれば、3億円 企業としての採算になる。

水素発電、燃料電池車などについて方針あきらかに。
燃料電池車は80万台 各市町村割。

水素発電に取り組んでいただきたい。
現在の方法はCO2ガスを発生するが、水分解法であれば化石燃料の消費を抑える。
水素ステーションないのは新潟県のみ。


(市長)
再生エネルギーの見込みは?
原子力は当面必要だが新しい産業も必要。
今年度は地域エネルギー会社の可能性調査をしている最中。
将来的には水素と蓄電池利用の再生可能エネルギーを柏崎に集めて安定化させ、送電線つかって首都圏に送りたい。

再生可能エネも柏崎の産業として本気で取り組みたい。
この先FIT(固定価格買い取り制度)は終わるため、太陽光発電は採算あわなくなる。
国もやめる方向性なので事業として成り立たない。

可能性あるのは洋上風力。東京電力が千葉銚子沖で計画。
村上沖の風力発電→柏崎に送ってほしい。

資源エネ庁に柏崎市職員が出向し、水素発電による蓄電池の研究(水の電気分解)検討しているがコストがあわない。
オーストラリアでは褐炭による水素発電を行い、コスト安いがCO2出る。
FCV用の水素ステーションできたが、まだまだコスト高い。

(K氏)
市道12号線の舗装されていない。
補修工事し忘れて荒れ放題。
昨年まではボランティアがきれいにしてくれたが、今年はそのまま。
要望はせめて舗装してほしい。
自主防災会では避難路と考えているが一部道が細いため除雪機が入らない。
舗装だけでもお願いしたい。

(市長)
今日伺ったので、すぐにやりますとは言えないが今年、宮川に工事が集中。
たしかに津波避難場所との指定があり、あまりにもひどいのであれば、現場確認の上、検討したい。

(荒浜町内より)
荒浜墓地の隣の小屋に枝がかかって切ってほしいとの依頼あった。
農林水産課に見てもらったが、墓地は市のものなのでお願いしたら福祉課担当と言われた。
足場が悪く素人には切れない場所にある。
福祉課は金がないので町内でやれと言われた。
農林課に話して半年たつが対応されていない。

(市長)
担当課に確認させ、市の所有地かどうか確認しながら進める。


(松波・M氏)
352号線沿いを水仙ロードとするため、松波コミセンで水仙を植え続けたが、県の土地で防風林を植えた。
市道沿いに水仙を植え、看板をとりつけたいが可能か?また県道の草刈りはしてもらえるのか。

ボランティア組織設立準備をしており、地域で自主的に通院などを行うことを検討。
アンケートをとったところ高齢者ドライバーの問題が多数(足がない)
免許返納後、市のバスを松波までまわせないか?

(市長)
水仙ロードと看板の件、市有地であれば担当と相談してほしい。県有地であれば県に申し添える。
草刈り(352号線)は7月に行ったが、県の仕事なので要望は出す。
時期の確認も必要。
(*松波町内会も行ってきたので、連携して一緒にやってほしいとの趣旨)

交通手段については、どの地域でも出ている。
ひまわり、かざぐるまなどの循環バス延伸は難しい。
理由は費用とドライバー不足。
出雲崎線を含む3路線を廃止させたいと越後交通より申出あり、引き留めている。
10/1より65歳以上はバス代金を半額にすることで利用者増やす。
従来のバス利用者を増やしてほしい。

タクシー業界も人手不足で厳しい経営状況。
国も小型車に補助出す。
フォンジェのコツコツ貯筋センターにまとまった利用があれば、市のコミュニティバスを無料で出す。

(K氏)
宮川鯨波線の枝おとしを冬までにお願いしたい(刈羽~宮川)
村長にもお願いしてほしい。

(市長)
対応したい。

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住民の皆さんの努力の上に市に対する要望や提案があり、自助の姿勢が強い地域性だと感じました。

2019年8月25日 (日)

家庭、学校、地域との連携・協働 研修大会 2019

8月24日、柏崎・刈羽地域の教育委員会および柏崎市小中学校PTA連合会主催による
「家庭、学校、地域との連携・協働 研修大会 2019」に出席しました。

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内容は以下の通りです。

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第一部講演会「ネットトラブル・ネット依存から子どもを守る」

講師:全国ICTカウンセラー協会 代表理事 安川雅史様

 

近年さまざまなネットトラブルが問題になっている。
特にSNSの問題投稿は後を絶たず、マスコミでたびたび報道されている。
(「すき家」「くら寿司」店員の投稿など)

投稿者はどうなるか?
個人情報が特定され、ネット上で叩かれ、その後の人生は崩壊する。

たとえば「くら寿司」アルバイトが、食材をごみ箱に投げ入れては拾う投稿が拡散された。
この事件で店の損失は約30億円となり、当事者である未成年は書類送検され退学となった。
裁判で負けて多大な賠償金が発生しても、本人に支払えるはずがなく親の負担となる。
子どもだけでなく親の職場も含めて社会的信頼を損なう事態となる。

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数年前に青山学院大学の飲酒サークル投稿が問題となった。
投稿者の女子学生は未成年であり、過去の行状も含めてネット上にさらされ、叩かれ続けた。
親の個人情報もさらされた。
女学生の両親は「このバカ娘を育てた親」として父親の会社なども特定。精神的に追い詰められ、うつ病となり休職。
自宅住所も特定され、母親も近所からの白い目にさらされ、引きこもり状態に。

両親から相談を受け、ネット上での誹謗中傷投稿に削除依頼を出し、なんとか鎮静化。
しかし3年後、この女子学生がアルバイトの面接でことごとく落とされる。
ネット動画や誹謗中傷は残り、それを見た人事担当者は採用しなかった。

今の人事担当者は面接を信用しない。
SNS投稿などから「本性」を見て、企業側にとってリスクが高いと判断したら採用しない。
この女子学生はおそらく就職もできないであろう。

ネット動画は「デジタル・タトゥー」とも呼ばれ、完全に消せない。

多くの投稿者が「友達限定公開なら大丈夫」と思っているが、そもそもSNSだけの「友達」は本当の友達か?
10代のうち9割がネット上の「友達」がいるが、事が起これば会ったことのない「友達」が、叩く側にまわる。

あるYoutuber志望の女子高生たちは、注目を集めるために、地下鉄の線路を降り横断する動画を投稿。
問題となり、投稿者は退学。撮影者も無期停学。

復学しようにもどの学校も受け入れられない(受け入れれば学校側が叩かれる)。
唯一残された道は国の高卒認定だが、高校を卒業しても「社会が受け入れない」。

動画投稿の翌年、彼女たちの高校は定員割れした(それまでは高倍率の人気校)。

子ども達は学校の看板を背負っている。
休日にも動画撮影のため制服で行動する学生がいるが、その態度は学校の評価につながる。

SNSで「死にたい」と書き込んだ若者たち9人が殺害される事件もあった。
本当に死にたかったわけではない子もターゲットとなった。
ネットで相談に乗ってもらい、会いに行って命を奪われた子もいた。

アイドルグループ嵐の熱狂的ファンのある女子中学生は、のめりこみ過ぎて学校で浮いていた。
ネット上で仲間を探そうと、「#(ハッシュタグ)」で共通の嗜好を持つ相手を検索したところ、イケメンの「ネット彼氏」に巡りあう。
ネット依存が進み、親との関係も悪化する中、夏休み初日に男に会いに行った。
現れたのは40代後半の男性。「〇〇ちゃん、息子から頼まれて迎えに来たんだ」と言われ、車の助手席に乗せられる(10代には警戒心がない)。 
男は過去に性犯罪で逮捕歴あり・・逮捕されても性癖は変わらない。
女生徒は首を絞められ、覚せい剤を打たれ強姦された。その後心臓が止まり死亡。男は遺体をトランクに詰めて山中に埋めた。

両親は娘と連絡とれず警察へ。愛知県警の捜査線上に男が浮上した。証拠物みつかり逮捕。自白したものの、遺体は発見されなかった。 
200名体制で捜査したが、ついに遺体は見つからないまま13年が経過。
今も自宅では娘が出て行ったままの状態になっている。親は娘の死を受け止められない。

この女生徒の担任の先生から「教壇に立つのが怖い」と相談があった。

夏休み前に子ども達にきつく言った。

「人と人とのつながりは直接会ってはじめて成立する。人生経験を積んで人を見極められるようになってから、ネットで知り合った人と関わるべき。ネットでしかつながっていない人に会いに行くようなことは、絶対してはいけない」

わかってもらえなかった無念さ・・以来その学校には13年間講演に通っている。
保護者である両親も参加し、生徒たちは講演会後に話し合う。
皆が「自分のこと」として考えるようになり、学校は変わった。

2年前、山形県の小学4年生の女子が任天堂DSオンラインゲームを通じて仲良くなった「友達」に拉致監禁される事件があった。
小学生が性犯罪に巻き込まれるのは、大半が任天堂DS。
小児性愛者はスマホアプリは使わず、小学生になりすましてオンラインゲームの世界に入り込む。
少女はネットで知り合った男性に会いに行き、保護されたのは9時間後。
犯人は逮捕され、少女は車の中で茫然自失の状態で発見された。当然すでに性的被害を受けていた。

NHKの取材が入り、コメンテーターとして出演を求められたが、山形の11人しかいない学校となればすぐに特定される。
本人のトラウマだけでなく、被害者は「性的被害を受けた子」として知れ渡る。
NHKに話して詳細報道はやめてもらい、今のところ本人は落ち着いているとのこと。

 

LINEの年齢制限フィルターは「犯罪、罠から子どもを守るもの」

●年齢制限をかけるとLINEが使えない?
→子どもが無断ではできない=保護者の同意が必要ということ。
使えなくなるのはLINE掲示板。
LINE掲示板は実質出会い系サイト。
子ども達は友達が簡単にできる掲示板と思い込んでいるが、大人が子どもになりすまして入り込む。
かわいい画像、イケメン画像を見て多くの子ども達が罠にはまる。

●年齢制限により音楽、動画のダウンロードできない?
→できる。ただし国が「子ども達が見てはいけないもの」と判断したものや、不正アップロード、著作権に違反している場合はダウンロードできない。

*「友達が見ているからいいでしょ?」という理屈は「友達が万引きしているから僕もしていいでしょ」と同じ。ダメなものはダメ。

●年齢制限するとクーポンがとれない?
→とれる。とれないのは成人向けのみ。

●アプリゲーム、SNSが利用できない
→できる。ただし同意が必要。

親が子供と携帯ショップに行くと店員は子ども達について歩き、学割や家族プランをすすめて持たせようとする。

ある家庭で子供にせがまれスマホを買い与え、年齢制限を外したところ、明細書を見たら子どものゲーム課金42万円。
激怒して高い違約金を払って解約・・こんな無責任な親にならないように。子どもは課金システムがわからない。

何のためにフィルタリング?子供の命を守るため(使いにくくするためではない)。

 

自分が13歳の子供にに戻ったとしたら?

「誰のお金で買ってもらってると思ってるの?自分で働いて稼いでから買いなさい」という言い方では、子供の反発を買うだけ。

「スマホはとても便利なの。あなたのことは信じてる。でもあなたを狙う大人は信じられない。
たとえあなたに嫌われても、あなたを守るためにはフィルタリングを外すわけにはいかないの。」という言い方をすれば。伝わるのではないか。

外でWi-Fiを使えばフィルタリングを外さなくても利用できる。

どんな子に育てたい?「見ていなければ何をやってもいい子」ではなく、「誰も見ていなくても、ダメなことはやらない子」ではないか?

親自身もスマホ依存になっていないか?ママ友同志がLINEで他のママ友悪口を言い合う →子ども達のいじめと変わらない。

 

ある父子家庭のケース。
息子が小学生の頃、母親が癌で亡くなり、父親がひとりで育ててきた。
中2の時に子供がネットゲームにはまった。
今のゲーム、アプリは依存しやすいようにつくられている。途中でやめられない。
食事ができたのにゲームをしていて息子が部屋から出てこなかったことから、父親が子供を殴ってしまう。
それ以来、親子関係に亀裂が入り、息子は父を避けるようになる。口をきかないまま数年が経つ。

息子は学力が低下し、レベルの低い高校に入ってできた仲間はいちばんの問題児。その仲間が校則を破って休学処分となる。
腹いせに教師を挑発して怒る姿をこっそり撮影、切り取って動画を投稿し大問題にすることを頼まれ、実行。

案の定、大事件となるが、教師の日頃の態度から、生徒にはめられたと判断。
校長は全校生徒を集めて、警察の捜査が入る前に名乗り出るよう話すが、誰も名乗り出なかった。
そのため学校は警察に相談し、刑事事件となる。
刑事事件になるとネット動画の投稿者は開示請求できる。
特定され息子は無期限停学、反省文30枚の提出など厳しい処分が下された。

息子にしてみたら「言われてやっただけなのに」。
しかし「人から言われたから」人を殺してよいのか?どんな状況でもやってはならないことはある。

一方で父親は、毎日息子に手紙を書いたが朝にはゴミ箱に捨てられていた。
ショートメッセージだけは既読されていたが、あるとき既読にならず、帰宅すると息子は遺書を残して自殺していた。
遺書には学校への恨みと、父親にあてた「ありがとう、ごめんね」
学校は謝罪会見を開く事態となった。

父親からその後相談を受けた。
亡き妻からは「あなたはカッとしやすいから心配。あの子は話せばわかる子。あの子が大人になるのを見たかった」と言われていたのに、つい感情的になってしまった。
それでもいつか息子は自分の気持ちをわかってくれると思っていた。
だからずっと頑張ってきたのに、息子は死んでしまった。自分も死にたいと・・。

翌日、父と面談。息子の遺書を持参。
「最後の思い出は、あいつを殴ったことだけ。一回でいいから時間を戻したい。一緒にご飯を食べたかった。」

自分(安川先生)も年に1回、実家に戻る。
ずっと親と疎遠だったこともあり、仕事をはじめてからは年末年始しか帰れない。

ある年、父が脳梗塞で倒れて緊急搬送されたが母は伝えず、年末の帰省まで知らなかった。
「私達はあなたが講演で人に希望を与えることを喜びとしている。だから何かあっても伝えるのは大晦日だけ」
それ以後、両親と一緒にいるときはスマホは使わない。

自分は猫を4匹飼っている。ある日1匹が変な鳴き方をしていた。
ネットで緊急の動物病院を探し、通院すると尿毒症にかかっていたことが判明。
医師は「限界に近い状態でよく生きていた。でも生きていたかったんでしょうね」
サインを逃してはダメ。(猫は今は回復)

親はスマホにはまって、サインを見逃していないか?
運転中にスマホを見ていて、事故を起こせば取り返しがつかないのと同様。
赤ちゃんの頃は些細な変化も見逃していながったはず。今も同じように見ているか?

神奈川県の中高一貫校でいじめが発生。
ひとりの女子中学生がターゲットとなる。
20人のグループLINEで彼女のコメントは全員が「既読スルー」
周りに誰もいなくなり、ひとりぼっちの彼女は、トイレに駆け込むようになる。
しかし同級生はトイレまで追いかけてきて「トイレはあんたの部屋じゃない」

いじめはエスカレートし、彼女の動画や写真を盗撮しては、アプリで加工し、裏LINEで共有。
授業等でグループ分けしても、どこにも入れてもらえない。
体育の時間、創作ダンスもひとりで踊った。その姿を撮影し、面白おかしく加工しYoutubeにUP。

ある日ついに本人に見せたところ、過呼吸で早退。
母親が相談の電話をかけてきた最中、娘は服毒自殺をはかっていた。
家の中の薬をすべて飲み、救急搬送されたが植物人間に。

学校での捜査により、担任が把握していなかったいじめの事実が発覚。
依頼を受け全校生徒および、別室でいじめの加害者19名に話をした。
19名はまともな精神状態ではなかった。この先一生後悔の連続であろう。

「自分がやられて嫌なことは人にはしない」
AIの時代、頭脳は代替がきく。しかし心は人間のみ。

彼女はなぜ家族に言えなかった?両親に心配かけたくなかった。
私立の中高一貫校入学に母は反対していたが、どうしても行きたいと頼んで入った学校だった。
学費が高く家計に負担がかかり、両親の言い争う姿を見て、自分が迷惑をかけていると感じるようになった。
だから聞かれても「大丈夫、学校は楽しい」としか言えなかった。

子ども達は本当に大丈夫? 言葉だけでなく表情で読み取ることが必要。
親自身がスマホ依存から抜けなければ子ども達の異変に気付けない。
人生経験を積んでいない子ども達にとって、「こんな些細なことで?」と思えることが致命的になる。
すべて「表情」に出る。「顔色をうかがう力」誰にでもある。

スマホが与える学力への影響・・スマホ使用により集中力を削がれ、学力が低下するとのデータもある。

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子ども達は1日のうちどれだけスマホを使っている?
親が子どもと一緒に過ごせるのは小中学校の頃だけ。

スマホ依存中にワーワー言っても聞かない。大げんかで終わり。
話すタイミングがある。例えばアプリをきっかけに会話をふくらまし、決まり事、ルールをつくる。

LINEの友達自動追加機能をOFFにする。
未成年使用スマホはお下がりのことが多い。
以前の使用者のつながりが残り、自動検索によって見知らぬ他人とつながってしまう。
多くのトラブルがこの機能が原因。

LINEは知らない人とつながる道具ではない。あくまでも知人との連絡手段として使うことが重要。

 

第2部:パネルディスカッション

「子どもを守るために、保護者・学校・地域ができること」

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登壇者:安川雅史氏、枇杷島小学校PTA会長、瑞穂中学校PTA副会長、NPO法人 柏崎まちづくりネットあいさスタッフ

コーディネーター:柏崎市立教育センター副所長。

 

●今回のような啓発活動をPTAとして行うには、どのようなやり方が効果的か?

入学式、父兄参観日などと合わせて半強制的に参加の機会をつくるとよい。

●ネットでの個人情報特定はどのように行われる?

SNSプロフィールの学校名や住まい、投稿写真のGPS機能等から簡単に特定される。

●スマホ使用のルール決めはどのように進めればよいか?

まず自分がイライラしているときは言わない。リラックスして心にゆとりを持ってから話す。
 なんのためにルールを決めるのか、子供を思う気持ちを伝えるようにする。
 
●外国のスマホ使用状況と違いはあるのか?

LINE本元の韓国ではほとんど使われていない。
 文字間のケンカは日本がいちばん多い。
 感情的になっている時は書き込みはせず、ノート等に綴ってみるとよい。
 投稿ひとつで長年築いてきた友情や信頼関係が一瞬で終わることに注意。

●第三者的な地域の大人として何をすべきか?

地域の人達が集まる場で話し合いをすると他人事から自分事へ変わる。

●ネットと上手につきあうには?

子供自身の様子をよく見て、1日5分でよいから子どもと向き合う時間をつくる。
 使わない・使わせないのでなく、危険性を知った上で便利な部分は利用する。包丁と同じ。

●平成28年に柏崎・刈羽地区中学生で「メディア共同宣言」を出したが、どうすれば守れるか?

感情的にならずに具体的な事実を示しながら伝えていくとよい。
 ある女子高生はYoutube投稿が注目され、AbemaTVスカウトにより月に160万円稼ぐまでになった。
 周囲にもマネする学生が増え、その学校では学力低下、「勉強することに意味がない」という風潮に。
 彼女はブラジル人とのハーフで、低賃金の仕事に就いている親が彼女の収入をアテにするようになった。
 しかし数か月後にあきられ、アクセス数は激減。焦って過激な投稿を繰り返すように。
 その後、学校からの依頼で講演し、平常な状態に戻った。
 ネットでの注目は永遠ではない。

●インスタグラムはじめ、子供が夢中になるネットの日々の変化について行けない。

子供と一緒に勉強会を開き、子供は使い方を、親は危険性を伝え合うとよい。
 地域の子供と大人の勉強会、高校生が中学生に危険を教える機会をつくるなど、「教える」ことが良い効果を生む。

●子供の友達が危険な使い方をしているのを見つけた場合、どうアプローチすべきか?

第一義はその子の親。親が子を守るべき。保護者に危険性を伝える。
 難しい場合はその子に直接言うしかないが、その場合も「危険から守りたい」との思いを伝える。

●子供がいじめを受けた時どうすればよいか?

親が子供の表情を見逃さない。日頃から「なんでも話せる関係」をつくり、もし「いじめを受けている」と言ってきたら寄り添いながら対処する。「やめて」と言えないタイプの子であれば、親子の関係において自分の気持ちを話せるようトレーニングする。

 

●LINEオープンチャットが新機能として追加され、子供が誘われているがどうすればよいか?

チャット機能を使うほどの緊急性が高いことはおそらくない。極力使わず、「明日、学校で話そう」・・顔をあわせて話をするように。

―――――――――――――

会場にはときどき涙を拭う父兄の方も見受けられました。

今回の講演で、子供たちをネットの危険から守るには、まずは親や大人がネットの危険性を知り、依存しないことが必要だと感じたところです。

 

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