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2019年7月30日 (火)

行政視察2、三重県桑名市

行政視察2日目は三重県桑名市でした。

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用務:MICEの業務展開について(観光文化課)

場所:三重県桑名市役所(桑名市人口142,274人)

http://www.city.kuwana.lg.jp/

調査項目:
MICE(マイス)とは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称である。

人口減少、社会構造が著しく変化していく中、「桑名市の新しい産業と観光の融和事業」について学び、「柏崎市の新たな稼ぐ仕組み」の構築へと結び付けていきたい。

 

概要:

桑名市は2016年3月、伊勢志摩サミット(志摩市)にあわせて開催の主要各国高校生会議ジュニア・サミット誘致に成功し、桑名市内施設ナガシマ・リゾートが主会場となった。

キックオフイベント「おもてなし力向上研修」にパネリストとして出席したエイベックス(株)社長との出会いが、その後の桑名市インバウンド・MICEに大きく影響。

エイベックス(株)は桑名市内にある社員数400名強のトヨタ系部品製造メーカーで、研修旅行として海外からの視察団(10~30人/回)受け入れを行ってきた。

アジア各国(中国、韓国、マレーシア)を中心に、ドイツ、イタリア、アメリカ、ロシアなど、世界各国から年間2,000人以上が来訪するものの、工場視察後は東京、名古屋、大阪などに移動し、観光や宿泊している状況だった(=桑名市にお金が落ちない)。

桑名市では2016年7月、地方創生加速化交付金事業として、産学官および金融機関による「国際観光まちづくりKUWANA推進協議会」を発足。

エイベックス(株)工場視察団の滞在時間をのばし、宿泊・消費につなげる仕組みをつくり、市内経済活性化をはかる「産業観光」を検討。桑名市内の企業等に協力を呼びかけ、以下の11項目が桑名市で見学できるようにした。

① 保育所、小中学校(私立一貫校)の掃除、片付け、食育を通じてしつけ、自己管理
(*交流は教育委員会の管轄となるため、あくまでも見学のみ)

② トヨタ生産方式を導入した製造業の効率的作業、人材育成

③ 世界シェア4位のベアリング工場における効率的作業(桑名市にマザー工場)

④ 地域を代表する工作機械メーカーの作業工程、人材育成

⑤ 大型商業施設の小売サービス業、物流管理、衛生管理

⑥ 9割の中小企業を支える地方銀行のサービス

⑦ 200年続く醸造メーカーの経営

⑧ 桑名ならではの伝統産業

⑨ 全国の百貨店、大型商業施設で出店している精肉業・総菜業等

⑩ セントラルキッチンの効率的作業

⑪ 市役所の業務、窓口サービス等

 

2016年9月~産業観光テストツアーを15回実施し、以下のことがわかった。

●世界各国の企業経営者の視察における視点

①製造過程での業務改善

②顧客満足度を高める活動 

③従業員の指導など人材育成


●産業観光自走化への課題

①宿泊先確保 

②参加企業を増やす(メリット創出)

③市内での消費喚起の仕組み

 

課題解決のため、産(市内企業)、官(市)、学(大学コーディネーター)で地域の消費喚起のための組織づくりを行い、地方創生につなげる方向性が固まった。

2017年、官民一体での運営母体「桑名市産業観光まちづくり協議会」(9団体)を発足。

事務局を桑名市に置きエイベックス(株)に運営委託。30回ツアーを実施し参加者632人。

消費額計:約900万円、ひとり約1.4万円、事業の純利益は50万円弱。

2018年には協議会は12団体に増え、ツアー28回実施、参加者644人。

消費額計:約900万円、ひとり約1.4万円、事業純利益は120万円強に増加。

視察はすべて有料で、ひとり2時間5万円。協力企業に1.5万円、協議会に3.5万円入る仕組みにしている。(協議会が自走できるよう運営資金を確保)

協力企業は「桑名市グローバルカンパニー」として市が認証する。

消費額は宿泊と買い物によるところが大きい。視察の自由時間にドラッグストア等、視察団のニーズに沿った桑名市内の買い物場所に誘導している。

2018年度には産業観光の海外販路拡大事業、学生を対象とした人材確保事業(企業見学バスツアー)を実施。

2019年度には産業観光と観光事業との融和の取り組みとして、産業観光エージェント(通訳も兼ねたツアーコンサルタント)による市内の観光ツアーを実施。企業視察とあわせてゴルフプレー、宿泊、食事、市内観光散策などをプロデュースした。

こうした取り組みが評価され、第11回「産業観光まちづくり大賞」では金賞を受賞し、東洋経済ONLINE記事でも紹介された。

MICE誘致事業としては、市内でMICEを開催した場合、宿泊補助(1,000円/人)、バス及びポスター補助を出している。2018年4月には2件の国際会議が桑名市内で開かれ、高い経済波及効果をもたらした。

今後も産官学連携の産業観光、インバウンドにより地域活性化を推進していく。

 

所感:
桑名市インバウンド・MICEの特徴は、ターゲットを企業視察に来る層に定め、日本人の勤勉な働き方、きめ細かいサービス、企業努力など、「日々の仕事」を観光資源にしていることである。

保育園や小中学校が見学対象になっているのは、「真面目に働く日本人がどのように育てられるのか」という人材育成の視点からであり、幼少期に自己管理、清潔保持、公共心などが育まれているのを知り、非常に驚かれているという(海外では学校の掃除は外部委託が多い)。

先に経営者が視察したあと、社員教育として従業員が来訪するケース、他での評判を聞いて申し込むケース(いわゆる口コミ)など、連続性・波及効果が見られる。

一過性イベントによる観光誘致は、事業利益をそれほど期待できないことから、重視していないとのこと(継続性と確実な消費行動を重視)。

市(市民)・産業界・旅行者・エージェントそれぞれwin-winとなるよう試行錯誤が重ねられ、非常に戦略性の高い産業観光・インバウンドだと感じた。

柏崎市でも今ある産業、観光資源、これまでの人脈・取り組みを活用しながら、継続と消費につながるインバウンドを推進できるとよいと思う。

 

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