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2018年9月21日 (金)

入門編 原子力発電の廃止措置とは?

「くらしをみつめる・・・柏桃の輪」勉強会に参加しました。

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テーマは

「入門編 原子力発電の廃止措置とは?」

講師にNPO法人あすかエネルギーフォーラム理事長・秋庭悦子先生をお迎えして、原子力発電所の廃止措置(=廃炉)の方法や課題について伺いました。

秋庭先生は原子力委員会委員や資源エネルギー庁のクリアランス検討委員等を歴任されていらっしゃいます。

廃止措置とは発電を終えた原子力発電所から、施設を解体するなどして放射性物質を取り除くことです。

現在の日本には57基の原子力発電所があり、福島第一・第二を含む22基の廃止措置が決定または見込まれています。

電力会社は廃止措置計画を作り、国の原子力規制委員会の審査・認可を得ます。

そして計画とルールに沿って安全に作業を進めます。

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大まかな手順は

①燃料の搬出

②汚染の除去

③安全貯蔵(放射性物質の減衰を待つ)

④原子炉などの解体・除染

⑤建屋などの解体・周辺施設の除去

⑥廃棄物の処理・処分

つまり放射性物質を極力取り除いてから解体作業を行うというもので、約30年かかります。(火力発電は1~2年)

また費用は電力会社負担であり、原子炉の大きさに応じて360億円~770億円程度だそうです。

(火力発電は高くても36億円程度)

解体で発生する廃棄物は約15億トン~約50億トンという膨大な量です。

これらの汚染状況を調べ、放射線量に応じた安全確保のもと丁寧に作業を行います。

放射性廃棄物は埋め立てることになっていますが、処分場はまだ決まっていません。

廃棄物のうち、人の健康への影響がほとんどないものをクリアランスレベルと呼び(=0.01ミリシーベルト以下/年)、国の安全確認を経て資源としてできる限りリサイクルします。

これを「クリアランス制度」といいます。

日本ではこれまで約400トンに対して国の確認が行われ、うち230トンが再利用されていますが、まだ発電所内に留まっています。

大量の廃棄物を少しでもリサイクルするためには、クリアランスの適用を拡大し、発電所外の一般物品にも使えるようにすることが必要です。

でも放射性物質に対する拒否反応の強い日本では、理解活動が大きな課題となるでしょう。

こうした廃炉事業による経済効果は不透明であり、原子力発電所の稼働停止に伴う経済的影響を補えるとは限りません。

また従業員の数も、運転時に比べるとかなり少なくなります。

そして廃止措置が開始されれば、これまでの原子力交付金は入りません。

廃炉に対するものは交付期間が10年と定められています。

つまり作業年数30年のうち、残りの20年は交付金なしの状態となるのです。

作業技術も原子炉の運転とはまったく異なるため、新たな人材育成が必要になります。

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日本では現在、電力会社が廃止措置を行っていますが、スペインでは廃止措置の間は別の事業者に所有権を移し、措置完了後に再び更地を電力会社に戻しているそうです。

このように廃炉には多くの課題があり、「廃炉ビジネス」や「原発ゼロ」はそう簡単ではないということが理解できました。

原子力発電所立地地域の住民として、他の方々と知識や意識を共有しながら、地域の将来を考えていきたいものです。

秋庭先生、貴重なお話をありがとうございましたm(__)m

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