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2018年3月

2018年3月17日 (土)

看護の明るい未来に向けて

新潟市にて行われた新潟県看護連盟さん主催の看護セミナーに出席。

看護師出身・石田昌宏 参議院議員の講演「看護の明るい未来に向けて」を拝聴しました。
http://www.masahiro-ishida.com/

以下は主な内容メモです。

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〇議員になってから純粋な休日は年に数日。余暇は趣味である金魚の世話が中心。
 (金魚はプロ並み。らんちゅうなどを育てて品評会に出すほど)

〇議員としてのやりがいは「使命を果たす」こと。与えられた仕事を120%で返すようにしている。100%は当たり前。120%やってはじめて喜ばれる。

〇これからの医療はすべての患者をケアできない。優先順位をどうつけるか、今が考え時。

〇夢はすべての国民が看護師になること。
人をいたわり手助けする、ケガや病気を予防し、応急処置法を知ること=看護道

その方法を学ぶことで昇級→国家試験パスすれば「黒帯」→スキルアップするたびに「名人」に近付く。

*これまでの仕組みではケアしきれない分を、国民の自助力・共助力向上によりカバー

〇医療費とセットで増え続けてきた看護師が、今後はともに増やせなくなる。

「人が増えれば良い看護ができる」から、「人が増えなくても良い看護をするには?」という発想の転換が必要。

「量より質」・・では看護の質を上げるには?

〇看護師本来の仕事は患者さんに寄り添うこと。でも実際は記録や契約手続き等に時間をとられ、ベッドサイドに行く時間がほとんどとれない。
 ↓
記録の削減(ほとんどの記録は見直さない。医療事故対応としても不十分。不要な記録はしない方向へ)

〇「タスク・シフティング(業務の移管)」から「タスク・シェアリング(業務の共同化)」へ
 ↓
理学療法士、薬剤師、検査技師、管理栄養士など、看護師以外の職種から、もっと病棟に入り、患者さんの援助に関わってもらう。

誰もができる業務は分担。ただしその患者さんにとって、もっとも適切なのはどの職種か、見極めは必要。(例:食事介助など)

〇ひとりひとりの質を上げるためには、「一人前」という考えを捨てること。

一般的には「3年で一人前」・・交代制勤務をすべてできるようになるまで?
でも本来、看護師の仕事は奥深く、一生かけて極めるもの。与えられた業務をこなして一人前なら、そこで成長は止まる。

〇交代制勤務の問題・・夜勤は本当につらいのか?

日勤‐準夜勤‐夜勤の3交代制では次の勤務までの時間が短く、体のリズムが追い付かない=時差ボケ「体がつらい」

交代制でなく、同じ勤務形態を続けた方が(たとえば夜勤を1か月間)体が慣れ、生活のペースが確立される。

夜勤がつらいというのは一種の刷り込み。ある病院で「夜勤専従」に一定の待遇を与えたところ、日勤よりも希望者が多くなった。
夜勤専従にすれば週休3日。4連続日勤と比べて、どちらが厳しいか?
→日勤は実は仕事が大変。

〇急性期病棟の仕事を外来や慢性期病棟へ

これからは外来で治療方針や看護計画(退院後も含む)を作成し、入院前に説明。
急性期病棟の業務が減り、ベッドサイド時間が増やせる。
計画立案能力が高い看護師は外来へ・・適性に応じた配置。

〇科学技術の活用

バイタルサイン測定にICT、AIを活用

アメリカでは24時間バイタルチェックできる機器を装着、急変15分前に感知。
→急変自体は止められないが、準備を万全に整えることができれば救命可能。

*これまでベテランのカンに頼っていたものが、機械によって代替え可能となり、全体
の質の向上につながる。

*未来の看護師が持つのは聴診器とエコーのみ。究極は、患者さんの手を握るためだけ
に看護師が病棟へ行く時代へ・・。

〇ある病院では21時消灯をやめた。
夕食後20時から「水戸黄門」DVDを毎日放映。それを見た患者さんは喜び、しばらくテンションが上がる。
→22時頃に就寝し、夜間ほとんど起きることなく朝まで熟睡。起床時の覚醒状態よく、転倒事故など激減。

このプログラムのもとになったのは「普通に生活していると21時には寝ない」という発想。

その他にも遅番を増やし、夜に入浴できる病院もある。
→患者さんの視点に沿った働き方改革。やりがいにつながっている。

**********

看護と介護は共通する部分が多く、勤務体制や業務の見直しアイディア等、非常に参考になりました。

国民の声を聴き、政策に反映させる努力をするだけでなく、国民に国の現状や将来の展望を知らせ、自助力を高めるための具体的アイディアを提示される石田先生の誠実さに、非常に感銘を受けました。

選挙に勝つために甘いこと・うまいことしか言わないのではなく、現実と向き合い国民(県民、市町村民)とともに良い社会を築くために努力するような政治家が、これからの日本に必要なのだと強く感じました。

石田先生、そして新潟県看護連盟の皆様、ありがとうございました。

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