殺処分ゼロに向けて
新潟動物愛護ネットワーク(NDN)さん主催の講演会に参加しました。
講師は女優の杉本彩さん。
一般財団法人動物環境・福祉協会EVAの理事長として、動物愛護に関わる啓発活動や政策提言を行っていらっしゃいます。
そしてご自身も多くの不幸な犬や猫を保護され、深い愛情を注いでいられます。
講演では動物の命を売買する、ペットビジネスの闇について触れられました。
ペットショップに並ぶ動物たちの多くが、小さい方が可愛いから(売れるから)と、まだ乳離れもしていない幼いうちに親と引き離され、狭いケージに閉じ込められ、高値をつけられます。
やがて成長して大きくなるのに従い値下げされ、しばらくすると別の小さい動物と入れ替わっています。
売れ残った動物たちは、「引き取り屋」という業者に売り渡され、劣悪な環境下で飼い殺しにされ、生ゴミとして処分されていくのです。
悪質な繁殖業者により、ボロボロになるまで子供を産まされた挙げ句、保健所に持ち込まれたり、引き取り屋に渡される高齢の犬猫もたくさんいるそうです。
2013年の動物愛護法改正によって、保健所等行政施設での引き取りは拒否できるようになり、殺処分数は減りました。
でもそれは、講演を主催するNDNさんのような民間の動物保護団体や、個人で保護して飼い主を探す方々(すべてボランティア)の努力によって成り立っています。
そしてその裏では山や川に遺棄されたり、「引き取り屋」により闇に葬られる、多くの命があるのです。
また法の上で動物たちは「器物」すなわちモノなので、虐待に対しても器物破損程度の罰則しかありません。
つまり日本の動物愛護は世界水準に比べて、ずっと低いのです。
こうした現状を変えるために、杉本さんは来年見直される動物愛護法の厳格化を求め、殺処分をなくすだけでなく、動物福祉の向上が必要だと訴えていられます。
「どうぶつ2020プロジェクト」
http://doubutsu2020.com/
また杉本さんの著書
「それでも命を買いますか?ペットビジネスの闇を支えるのは誰だ」
では、日本の動物達をとりまく諸課題について鋭く追求し、どうすれば改善・向上するか提言されています。
講演後、ほんの少しお話しさせていただきましたが、気さくで優しく美しい方で、神々しさを感じました。
動物という弱い存在を慈しみ、命や尊厳を守る社会は、人にとっても優しい社会だと思います。
そんな社会の実現のために、自分が何をすべきか、考えさせられた貴重な機会でした。
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