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2017年9月

2017年9月30日 (土)

原子力発電に未来はあるか?

今日は「くらしをみつめる・・柏桃の輪」勉強会でした。
講師は竹内 純子先生。
「原子力発電に未来はあるか?」というテーマでご講演いただきました。

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原発については、反対する声や否定的な意見の方が報じられる傾向にあると思います。

また選挙のたびに「原発ゼロ」を掲げる候補や政党が現れるなど、常に政争の具になっている側面もあります。

ですが原発導入の背景には、本来「エネルギーはなくて当たり前」の日本が「当たり前のようにエネルギーがある」状態にする為に重ねてきた、先人達からの苦労や努力があることも、認識しなければなりません。

また原発が稼働しなくても電力が安定供給されている裏側には、化石燃料を海外から調達するリスク、再生可能エネルギー賦課金による負担、火力発電によるCO2排出と地球温暖化・異常気象への影響・・等々、私たちの生活に関わる諸問題があるのです。

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参加者の中には、以前に竹内先生の講演を聞いたことを機に、ご自宅の電気料金推移をずっと記録してきた方がいらっしゃいました。
原発がまったく稼働しなかったこの数年間で、電気料金は1.4倍まで上がっているそうです。

竹内先生のお話でも、電気料金高騰により、生活弱者の受けるダメージや、電力消費量の多い中小企業の経営が脅かされている過酷な事例の紹介がありました。

その他、原子力発電所の地域貢献について、発電量に応じて地域に税収がもたらされ、それを地域の災害対策に充ててはどうか、とのご提案もありました。

福島の痛ましい事故を教訓に、発電所は安全性を高めていますが、住民もまた防災力向上のための自助努力が必要ではないかと感じました。

様々な角度から、原子力発電を取り巻く諸問題を検証され、わかりやすく誠実にお話しいただいた素晴らしいご講演でした。

原子力発電、そして日本のエネルギーに未来があるかどうかは、私たち国民・住民の考え方や選択、そして行動によるところが大きいと感じます。

日本人として、また立地地域住民として、きちんと向き合っていきたいものです。

竹内先生、本当にありがとうございました。
 

2017年9月10日 (日)

犬猫譲渡会

今日は刈羽で犬猫譲渡会(実際はほとんどが猫)がありました。

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昨年度の新潟県の猫殺処分数は933頭。
前年度よりも226頭減ったそうですが、まだまだ少ないとは言えません。

新潟県では、野良猫の不妊手術に助成金が出ているものの、「捕まえる前に申請する」という条件付き。
なので不妊手術は、保護した人が自己負担することが少なくないようです。
(動物愛護団体の補助を受けられる場合もあるそうですが・・)

譲渡先については
○完全室内飼育であること
○終生飼い続けること
○不妊手術を施すこと

以上をクリアーした上で、1週間の試行期間を経て、正式な飼い主となるそうです。

譲渡会に出ていた猫達は、個人の善意で保護されているケースがほとんどでした。

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中には保護猫が10匹に達し、個人で飼うことに限界を感じて、譲渡会に参加したという方も。
子猫だけでなく成猫も多く、それぞれ保護者さんから大切に飼われているのがわかる可愛らしさでした。
子猫の方が人気があるけれど、飼いやすいのは成猫だそうです。

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私自身、動物を飼うことができる環境ではない為、とても心苦しく、せめてもの気持ちとして、グッズを購入しました。

一匹でも多くの猫に、良い貰い手が見つかりますように。

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2017年9月 9日 (土)

地層処分の仕組み・技術的背景・そして日本の地下環境について

「くらしを見つめる・・・柏桃の輪」勉強会にて、高レベル放射性廃棄物の地層処分について学びました。

講師は名古屋大学博物館教授・吉田英一先生。
具体的事例を交えながらの、とてもわかりやすいご講演でした。

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昨秋にも別の会でお話を伺っていたのですが、

http://step-one.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-fd00.html

今回は日本各地の地質環境が地層処分に好ましいかどうか示した「科学的特性マップ」が出されたこともあり、興味深く拝聴しました。

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主な内容は以下の通りです。

○原子力発電に対するスタンスに関係なく、放射性廃棄物の処分は必要。

○放射性物質には半減期があり、何十万年~の長いスパンではあるが減っていく。

○様々な方法が検討されてきたが、(宇宙処分、氷床処分、海洋処分、海溝処分など)もっとも現実的で安全性が高いのが地層処分。

○地層処分の発想の原点は、アフリカ・ガボン共和国の「オクロ天然原子炉」。
自然の状態で、地下で核分裂反応が生じた跡(化石)。
今から20億年前に発生し、地層に閉じ込められていた。

○地層処分は、高レベル放射性廃棄物(放射性物質をガラスに閉じ込めたガラス固化体)を、金属容器に封入し(オーバーパック)、その周りを締め固めた粘土で覆い(緩衝材)、地下深くで保管する方法。

○ガラス、オーバーパック用の鉄、粘土、そして地層それぞれに放射性物質を閉じ込める性質がある(多重バリア)。

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○地下の岩石・地質には状態を維持する働きがある。

○日本の地質環境は、その土地により性質が異なる。

○科学的特性マップには、政治的な配慮はなされず、あくまでも地球的・地層的な点から地層処分に好ましいかどうかを示してある。

○火山・火成活動、断層活動、隆起・浸食などがある地域は、地下深部の長期安定性から見て好ましくないとされている。

○鉱物資源が存在する地域も、将来それを取り出す可能性を考え、好ましくはないとされる。

○上記に該当せず、長期安定性が見込める地域は、「好ましい特性があると確認される可能性が相対的に高い地域」として示されている。

○「輸送面でも好ましい地域」は、長期安定性に加え、海岸から20㎞程度を目安とした範囲。

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○瑞浪、幌延にある地層処分の研究施設は、地上~地下環境を乱さず掘削する方法を探り、地下岩盤の調査手法を確立することが大きな目的。
(日本は石油、石炭採掘などで地下に穴を掘ってきたが、地質を調べることはなかった)

○瑞浪、幌延の施設はあくまでも借地であり、このまま処分地にはならない(科学的特性マップ上でも、好ましくはない地域)。

5~8年後には返還時期が来るが、地層処分が現実的に進展するまでは、教育・研究施設として維持すべきでは?と考える。

○マップが出たからといって、すぐに処分場が決まることにはならない。これを機に国民の関心か高まり、議論がなされることが大切。

○地層処分が現実的に進むまで、まだまだ長い年月を要する。
それまでの間、地下環境に関する知見の蓄積、技術の高度化と継承、そして持続的な人材育成が必要。

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将来への責任として、私たちの世代で処分問題を前進させたいものです。

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