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2016年10月

2016年10月15日 (土)

高レベル放射性廃棄物の地層処分

先日、エネルギーの勉強会で、高レベル放射性廃棄物の地層処分について学びました。

講師は名古屋大学博物館・大学院環境学研究科教授の、吉田英一先生。
地質学の見地から、地層処分の科学的根拠について詳しく伺いました。

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原子力発電の大きな問題のひとつが、廃棄物の処理です。

資源の乏しい日本では、いちどエネルギー生産に使った燃料=使用済核燃料を、再処理してウランやプルトニウムを取り出し、有効に利用することにしています。

再処理したあとに残る放射線量が高い物質は、液状にして分離します。
この廃液をガラス原料と高温で溶かし合わせ、ステンレス製容器(キャニスター)の中で冷やし固めます。(=ガラス固化体)

このガラス固化体を「高レベル放射性廃棄物」といいます。

今の日本には2500本近くのガラス固化体があり、ほとんどが青森の六ヶ所村再処理施設内で貯蔵されています。

一方、再処理前の使用済核燃料は、原子力発電所の建屋内に保管され、ガラス固化体にすれば2万~2万5000本に相当します。

たとえ日本が原子力発電をやめても、廃棄物は残るのです。
これこそ次世代に残してはいけない、大きな課題です。

ではどうすれば?
解決策として考えられているのが「地層処分」です。

これは、ガラス固化体を地下300m以深の地層に埋めて、人間の生活環境から隔離する方法です。

放射性物質には、時間の経過とともに他の元素に変わり、放射線量が減るという性質があります。
ガラス固化体も、作られた当初は放射線量が高いですが、1000年後は9割以下となります。
つまり長い年月、隔離し続けることが重要です。

隔離方法としては、氷床処分、海洋底処分、宇宙処分、海溝処分など、様々な方法が検討されてきましたが、現在、世界的に進められているのは「地層処分」です。

約40年前、アフリカのオクロでウラン鉱床発掘中に、地下400m地点で原子炉反応の化石が発見されました。

調査の結果、20億年前に自然状態で核分裂反応が起こり、放射性物質は地層に閉じ込められていたことがわかりました。

このオクロ天然原子炉をもとに、自然の特性を生かし、地下深くに放射性物質を隔離する「地層処分」が考え出されたそうです。

地層処分は、ガラス固化体とそれを覆うオーバーパック・緩衝材による人口バリアと、地下の岩石や粘土などによる天然バリアを組み合わせた「多重バリア」によって、放射性物質を閉じ込めます。

ガラスというと脆いイメージですが、水に溶けにくく化学的に安定しているので、放射性物質を閉じ込めるのに適しています。

実際にガラス固化体のサンプルや、200年前のウランガラス、オーバーパックの原料になる鉄で作られた古代のくぎ等を触らせていただき、自然素材の安定性を感じました。

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現在、日本では瑞浪、幌延の地層研究所で、様々な調査研究が行われています。

近々、日本の地質特性を根拠とした科学的有望地が、エリアマップとして公表されるそうです。
これを機に国民が地層処分に関心を持つことを期待したい・・とのお話でした。

吉田先生のお話は、大変わかりやすく面白く、地層処分が自然や物質の特性を生かした方法であることが、よく理解できました。

原子力の賛否に関わらず、放射性廃棄物の処分は、私たちの世代で進めていかなければいけないと、強く感じた講義でした。

2016年10月14日 (金)

新庁舎ワークショップ3回目

昨日は臨時の新庁舎ワークショップ。
新庁舎に付随する「市民交流スペース」について市民の意見を聞く、という趣旨で行われています。

内容は、前回のグループワークで話し合った結果の発表&質疑応答でした。

...

私の班では「平日の使い道」について意見が集中。
というのも、そもそも市役所には用がなければ行かないので、「行ったついでにこんなものがあれば」以上の発想にならないのですよ😰

あとは電車やバスの待ち時間に利用するとか・・。
だから駅側入口付近に情報スペースを設けて、観光情報だけでなく、市内の生活情報をわかるようにしたらどうか?という提案も。

駅からの移動通路に屋根が欲しい!という意見も出ました。

平常時以外の使い方としては、アルフォーレイベント時に臨時ブースを出展できるようにしたらどうか?とか、休日に限って外側にストリートミュージシャンが集えるようにしておく、とか・・。

他グループは休日の使い道も含め、色々と考えていて、
「床をガラス張りにして、内側に水槽を入れ鯛を泳がせる」
「庁舎全体にイルミネーションを」
「産大・工科大のサテライト・スペースに」等々。

市民交流スペースに留まらない、夢あるアイディアがたくさん発表されました。

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質疑応答も活発で、思いのほか盛り上がったのですが、総括として設計屋さんから言われたことは・・

「皆さんのアイディアは素晴らしいが、費用や設計上の問題もあり、新庁舎にすべて取り入れることはできない。
最後となる次回には、皆さんの共通項である『やさしさ』『柏崎らしさ』『防災』をもとに、市民交流スペースを加えた設計図を提示する。
新庁舎に反映できなかった部分は、まちづくりの一環として、5街区(民間土地)に生かしてほしい。」

・・最終的には、ほぼ原案通りになるんでしょうね😥

参加した皆さんのモチベーションが高く、斬新な発想も出されただけに、勿体ないなあと感じました。

やはりワークショップは設計前に行い、「市民交流スペースは必要か?」ということも、十分検討すべきだったと思います。

せめて現庁舎跡地利用については、早めにワークショップを行い、市民のパワーやアイディアをまちづくりに繋げてほしいものです。

2016年10月 4日 (火)

新庁舎ワークショップ2回目

新庁舎ワークショップ2回目に参加しました。
今回は市民交流スペースについて、5グループに分かれて話し合いました。

現時点での構想だと、1Fフロアーの執務空間外側を、市民交流スペースにする予定だそうです。
それぞれアイディアを出し合い、班ごとに具体的なイメージをまとめました。

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・・が、各班の発表時間が足りないとのことで、3回コースが急遽4回に( ・_・;)

ワークショップ自体は色々な人の意見が聞けるからいいんですが、
「とりあえずスペース空けといて、中に入れるものは後から市民の意見聞いて決める」
という進め方はいかがなものかと💧

そもそも新庁舎は「合併特例債を使う為に平成32年に完成させる」という計画だそうです。
(合併特例債を使える期限が平成32年)

が、合併特例債は庁舎全体には使えないから、市民交流スペースに使う・・と、市の説明会で聴きました。

そして市民交流スペースには、市民の声を反映させるということで、ワークショップが開催されているようです。

でも市民交流スペースって絶対に市役所に必要なものではないから、無理にそこでお金使わなくてもいいんじゃないかなあ?
(合併特例債って所詮は借金だし)

むしろアルフォーレ等の既存施設を有効活用すれば、市民交流スペースの機能は果たせると思うのですが。

それに建設予定地には土壌汚染の問題もあるし。

現庁舎だってあと何年使えるか調査してないというし、跡地の活用法も決まっていないし。

合併特例債=市民交流スペースにこだわらなければ、平成32年に完成させる必要はないと思います。

ならば早急に現庁舎の耐久年数を調べて、その分まで移転を先に伸ばし、各種の問題をクリアーにした方がいいのでは・・。

東京都の豊洲市場の報道を見るたびに、柏崎も立ち止まる勇気が必要じゃないかなあ?と思う今日この頃です。

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