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2010年3月

2010年3月22日 (月)

「第三セクターについて」

ステップ1第13回勉強会 「第三セクターについて」

日時)平成22年3月12日 19時~

場所)ワークプラザ柏崎

講師)元柏崎市観光レクリエーション振興公社  事務局長 石黒信行様 柏崎観光レクリエーション振興公社HP→http://www.kanreku.jp/

<第三セクターとは?>

国および地方公共団体が経営する公企業を第一セクター、私企業を第二セクターとし、それらとは異なる第三の方式による法人という意味である。略して三セク(さんせく)とも言う。第三の方式という意味にも、

1、NPO・市民団体などの非営利団体。(日本では第4セクターとされる場合もある)

2、国や地方公共団体と民間が合同で出資・経営する企業。 という2通りの使われ方がある。

<石黒氏>公社の前身より30年間、観光分野、事業系分野に携わってきた。財団法人柏崎市観光公社は、平成12年3月31日付けをもって解散した財団法人柏崎市体育施設管理公社、財団法人柏崎市文化協会と統合し、その事業を継承するとともに財団の名称を「財団法人柏崎市観光レクリエーショ ン振興公社」と変更した。観光公社そのものは昭和52年「痴児の家」から。小林治助元市長の時代に米山山麓を開発したいという気持ちから 500万円からはじめた財団。うち300万円が市の資本。50%以上なのでほとんど公。厳密には決まってないが20%以上になると経営状況を報告する義務が生じる。その後「とんちん館」「こどもの時代館」などが出来た。

ぶどう村については観光公社では醸造免許が取れない株式会社を別途つくった。つまり第三セクターだった。全部で16回、オープンに立ち会った。

観光公社のトップは市長だが、小林治助市長の配慮で商工会議所の会頭から理事長に。資本金は50%市だが、初代は高橋源治さんが理事・・長らく勤められる。

その後は西川勉さん(高橋さん) → 植木馨さんが16年間理事長を勤める。いわゆる「宛職」・・高橋さん、植木さんともに無報酬。平成11年から多少は報酬。

市と公社は表裏一体で物事を進める。現場としては市の要請に従いながら行う。断ったのは鵜川のスキー場、じょんのび村くらい。基本的にはやれることはやってきた。

柏崎ぶどう村は平成6年夏、鯖石ぶどう園が管理者の高齢化と採算性の悪さにより、市に寄付してやめたいという申し出があった。市から8月頃、相談を持ちかけられた・・会議のあと、市からワイナリー運営を要請。農業団体でなく観光としてやりたいとのこと。市から委託があればやらざるを得ない。植木さんは荷が重いとして断るが、鯖石のぶどうを残したいという西川市長、地元の要望に応えるために受けることに。また越後ワインの醸造に関わっていた技術者・長尾氏が柏崎に住むから、彼に任せるという話しがあって引受ける。栽培担当の片桐も一緒にやるとのこと。これ以前にシーユースも公社で引受けている。教科書付きで乗り込んで来たので、それを実行すればよいと考えていた。

だが途中から長尾氏が来ないという話が浮上。越後ワイン(越後ワイナリー)の別プランが持ち上がり、そちらに行ってしまったらしい。教科書・・チャートができていたので疑いもせず実行してきた。だが実際にやってみると非常に難しかった。ワインについて知らない者同士が集まって試行錯誤。或る程度、量があればできるとされていた。だがいつまでたっても教科書通りの生産量にならなかった。ぶどうの樹そのものが10年程度では力が出てこない。ヨーロッパでも20年以上。 20年未満はセカンドラベル。岩の原ワインも100年経ってようやく成果が出てきた。気候が合わない・・・秋雨の湿度によりいくら生産量が上ってもワインに適した葡萄にならない。ようやくわかりはじめてきたのが5~6年。世界的な品物・・経費の問題もある。

それでも7~8年経って、ようやく職員も馴れてきた。国税局に提出して鑑定・・・仮免許・・3年連続で通れば永久免許。それでもきちんとしたものを作れるだけの技術はできてきた。だが中々生産量が上らない。最初の頃はオーストラリアから果汁を原料輸入。7月に販売。個性の強いぶどうだったので酸味が強い。・・半年~1年寝かせればよいワインになったのだが、そういうこともわからない。

株式会社ぶどう村・・・二千万円の会社。市、公から50%以上ないと補助金が受けられない。8割以上の補助金で施設をつくりあげた。最初は100キロリットルの果汁ができれば回収できると「教科書」にはあった。その通りにやったが現実は追い付かない。それでも矢島君という若い指導員のもと技術力は上っていったが、生産量が追い付かなかった。

昨日の一般質問(H.22.3.10 五十嵐直樹議員の一般質問のこと)でぶどう村について聞かれ、会田市長は「初期投資が問題、計画が達成不可能。」と答弁。だがそれをすべて会社の責任にされている。私どもは与えられた教科書通りにやってきたのであって、プランそのものが間違っていたのに会社に責任を負わせるのは筋が違う。あくまで市が鯖石ぶどう園の歴史を残したいという意思によって行ってきた。経営に会社が責任ないとはいわないが、すべて会社のせいにするのは話しが違う。

最終的には17年の暮れ、なんとかしたいと思っていたが、元々植木さんは社長としては宛職なのだから替えてほしい・・と申し入れるが、会社の借金の保証人になっていたことから植木さんが社長を続投(本当は80歳になった段階で引退)。まさかそうした幕引きとは・・。

初期投資を軽くすれば何とかなるのでは?市も一時8000万円の増収といったものの、実現しなかった。

在庫の思い違い・・経営は壊滅的。水増し評価していた部分もある。元々原料としてカリフォルニアから買ったぶどうがカビていた・・カビ臭がとれなかったのだが、捨てるわけにもいかず在庫として置きながら他のワインに少しずつ混ぜていた。会計の段階で在庫分に評価額を加えた。

結局、すべて会社の責任にされて幕引き。数字について植木さんは聴いていなかった。

市長として「やめる」という判断はあっても仕方ない。だが止め方がひどすぎた。市に関係ないというのはおかしい。今の市長は自分が開始時に関わっていないとはいえ、市が頼んで始めたのは事実。市は自己破産を要請。整理してほしい。自己破産すれば五百万は用意しなければならない。本当は少しでも借金を返して、金融機関への借金だけを残して居れば・・市が相談に応じてくれれば・・。だが市はまったく協力せず。

結局、植木さん他2名が借金を払う。市は調廷に応じない。本来なら応じるのが当たり前。だが全くバックアップすることもない。市は協力せず、自分には関係ないというスタンスを貫いている。あとは裁判しかない。だがどうして裁判をしなければならないのか?

元々は市が一緒にやろうと持ちかけた仕事。それなら市が一緒に協力して後片付けをするのが筋ではないか?それをまず裁判所に持って行こうというスタンスがおかしい。 行政が判断してつくろうとしたもの・・それを裁判所に持っていこうとするのは納得できることではない。

昨年12月28日、この件について市に植木さんと一緒に話しに行くと、市は「石黒を公社から外せ」と・・。 調廷の文章・・・観光公社は市とは別組織と書いてある。

指定管理者制度の導入・・・今まで第三セクターが関わっていたことはすべて入札制に。頼まれて引受けてきたものが、いきなり入札制に・・。

最終段階で「公社といえど、一業者」と言われる。 30歳以上は給料15%カット、以下は10%カットにしてなんとか委託を受けたが、 一昨年の10月・・また市がやるから理事は変えると言われた。信義のかけらもない。自分達の都合によって使い分けている。受け手がないと言われて取ってみれば、出て行けと言われる。他にやり様があったかもしれないが、二の足を踏んだぶどう村を無理やり引受けたからには責任はとりたかった。今は公社を辞めたのでサッパリしているが・・

第三セクターは生かし方次第。給料云々ではない職員が集まってできた組織・・博物館やりたい、体育をやりたい、という意思が原動力になっている。行政からは放しておいた方がいいのかもしれない。

第三セクターはどうするか、公社をどうするか・・行政がきちんと判断しなければ魅力ないものになってしまう。 これまでは仕事を楽しみたいと思ってやってきた。そういう話がなかなか通用しなくなってきている。だが役所の職員とは違う。一生の仕事として生かしたいと思ってやってきた職員達。専門性を生かした流れがある。それをどうやって生かすかを考えるべき。 行政が同じ物差しでやれる仕事ではない。そうした部分を理解し、育て上げるのが施設の長の役割。

第三セクターには色々ある。どこまで市が関与しているかわからないが、今の体勢から考えると、市はパートナーとして信頼に足りる相手ではない。 それまでの市と公社とは信頼関係があった。掌をかえすような扱いを受け、なぜこのような・・という思い最後まであった。

第三セクターが生き延びるには・・あまり大きな組織になってしまうと意思が通じなくなっていく。行政だけではできないものが沢山ある。第三セクターのよいところは損得にあまり関係ない。・・利益を追及しなくていい?ニュアンスは違うと思う。儲かるところは儲けてよい。

民間との違い・・・公社は利益配分をしない。ボーナスを下げたことはあったが(雷音など)・・。そのためにはどうやってやればロスがなくなるか、お客さんが来るか・・公社は結果だけが楽しみ。とんちん館が駄目になり、こどもの時代館を立ち上げた。そのときは石黒の趣味だと言われたが、それでもお客さんの気持ち・・何を望み何を見たがっているのか考えたときに、あれができた。世代的には月光仮面だがウルトラマンについて勉強。怪獣の名前を覚え、円谷プロダクションに頭を下げ・・やがてお客さんに入ってもらう。そうした成果が働く甲斐になる。

ピーク時にはとんちん館・・・88万人 こどもの時代館・・・25万人が来場

今、コレビレ3館の運営が厳しい。見せたい側の論理だけでは興味を引かない→見る側の論理が必要。だめになりはじめると、悪循環。 市が鳴り物入りでつくったからには、きちんと結果を出す責任はとるべき。ぶどう村は野ざらしで捨て置かれている。

観光協会・・市の予算にコレビレ3館へのお金が入っていない。と嘆いている。「つくったら終り」では困る。財団が終るとき残余財産は類似の団体に寄付もしくは地方公共団体に寄付。残余財産はプラスだけでなくマイナスの場合もある。赤字を出したらそれも市が引受けなければならない。 つくったときにはワーワー言って、終るときに見向きもしないのではいけない。

公益法人の改革・・観レク、茶道美術館 は公益法人化準備しているが、コレビレ3館は年間収入300万円以下・・対象にならない。

公益法人のメリット・・・寄付が非課税で受けられる(寄付した側に課税なくなる)寄付が受けられる財団・・ヨーロッパはそれで成り立っている。欧米では寄付がステイタス、日本にはそれがないが、なんとか公益法人にしたいと考えている。 県立美術館が流れてしまったのは残念。

木村茶道美術館は公益法人。博物館施設として登録。だがこれも厳しい。年間1万人来ているが、なかなか儲けはない。職員にはバス代程度。それでも10年もった。今後どうやってバトンタッチしていくか?今のところ観レク公社に協力してもらっているが、運営面では厳しい。寄付によって成り立つ組織になってくれれば・・と思うが、景気を考えると多額の寄付を得られる状況ではない。

質疑応答

<出席者A>市との決着ついているか?

<石黒氏>ついていない。

<出A>ぶどう村を見ていて駄目になると感じていた。今まで3つのキーポイントがあると思っていたが、話しを聴いてもうひとつあると思った。

キーポイントとは ① ぶどうの専門家がいなかった。・・ぶどう棚に雪が積り壊れていた。また高齢化に伴い作業が難しい。農業高校0Bに頼むとか。

② つくり方に問題。発酵工学を学んだような専門性を持っている職員がいなかった。

③ 職員・・経営に対するハングリー精神がなかった。食品としてのぶどうか、ワインとしてのぶどうか・・。

④ いったん破産・・いくら植木さんが一生懸命にやっても工業相手と自然相手では、経営手法が異なる。そこに市の対応。自治体は約束を継続しなければならない。第三セクターのいちばん悪い面。市は金を出しても経営に絡んではいけない。所詮、役人は役人。親身にならない。

第三セクターの現状はどこも厳しい。ほくほく線だってこれから北陸新幹線が通れば破産するだろう。

<石黒氏>生殖用のぶどうを1/3 残した。ワイナリーとワイン工場を一緒にしたことも失敗。足を運んでもらうには遠すぎる。雪の問題も・・除雪は植木さんに頼んでやってもらった。

<出A>市に言いたいことは、「文化財は利益にならない。」ぶどう村・・秋しか活用しなかった。林道を利用してモトクロス場にしたり、管理棟脇をキャンプ場にしたり、アイディアは色々あったはず。

<石黒氏>プラスアルファもやりたかったが、貧すれば鈍する。設備投資できない。

<出A>それが役人的な発想。もっと若い人達を入れれば・・・。

<出席者B>そもそも第三セクターとはなんぞや?第三セクターはこの地域にとても大切だが、行政が経営できない。それを別組織として運営していく。うまくいかない理由・・行政は発案するものの、経営できない。今うまくいっているのはカシックスくらい。いっそ連結決算すべきでは?発案は行政なのだから最終的には責任をとるべき。

<石黒氏>調廷は不成立。市長は「法的責任はない」と言ったが、同義的責任はないのか?

<出B>むしろそちらを追及すべき。

<出席者C>第三セクターが危なくなってくる仕組み。行政が手を差し伸べてつくっているだけに競争がない、利益もない、分配の原理があってはじめて働く。市民から見ると「給料とり」せめて元金を返してはじめて成り立つ。民間としては当然。事業をやりたい人が集まってお手伝い?と思ったが、市から頼まれてということか・・。

<石黒氏>指定管理者制度により変った。掌を引っ繰り返した時点で見直すべきだった。いったんご破算・・自立できる組織としてつくり替えるべきだった。公社は民間とは違う。首根っこを押さえられているようなもの。実績評価しかない。

<出C>入札・・税金投入されているところが参加するのはおかしい。助成金もらいながら入札に参加するのはフェアではない。線引きはきちんとしておかないと、尻拭いの時点でおかしくなる。

<石黒氏>それを判断するのが市長。

<出C>それを監視するのが議会・議員では?

<出B>公金を入れて助成してもらいながら入札に参加すれば勝つに決まっている。

<出席者D>ぶどう村に残っているもので再活用できるものはないか?

<石黒氏>機材は農林中金の担保になっている。建物から出さなければできない。ぶどうの樹はまったくない。土地は市の土地。建物だけが担保になっている。

<出D>市の土地となると市が再開発するつもりはあるのか?

<石黒氏>あると言われているが、よくわからない。鯖石ぶどう園を残した意図は無視された。一年間放置したらダメになる。 ぶどう村の借金は9000万円。植木さんが持っている。借財には色々あった。農林中金の借金など。 1600万円返すことができれば、きれいに終ることができた。

<出席者E>他の第三セクターについて。木村茶道美術館は素晴らしいと思う。柏崎の文化として誇れるもの・・行政がもっと理解あるべき。文化財関係の仕事をさせていただいたことがあるが、修復作業代という項目はない。部品の購入に名前を替えなければならない。行政の現場にいる人が3年ごとに変ることも問題。部署、部署に伝わる「常識」がそれぞれ異なり対応がその都度違う。

<石黒氏>当局がきちんと覚えていれば市長が何と言おうと「約束事」を守ることができる。裁判好きな市長は困る。

<出席者F>ぶどう村の責任者は誰か?

<石黒氏>観光交流課長が窓口。三つの財団が合併したので予算は縦割り。初期の増資が多すぎた。初期投資の8000万円、元利が高すぎた。

<出席者G>指導役をなぜ新しくしなかったのか。なぜ市はいつも市外にスタッフを求めるのか。市内にも優秀な人材がいるのではないか?と思う。

<出席者H>指定管理者制度(財政の問題)市も自分達も利益があるという仕組みに変えられないか?

<石黒>組織の整理をすればよいのだが、それは行政の判断を仰がなければならない。公社の基本財産は市のもの。止めるときはすべてを市に返さなければならないが、そこまでできるかどうか。

<出H>理事と会長の話し合いではできないか?

<石黒>したくてもできない。理事は全部替えた。給料の問題もある。行政経費を下げることを主とするなら、観レクはいったん引き下がるべき。

<出席者I>じょんのび村工事・・9000万円のところ、3億円。結局、他でも市は無駄な金の使い方をしている。まだまだ色々な問題がある。

<ステップ1>様々な意見が出たが会に持ち帰って討議。ぶどう村については行政側の話を聞く機会を持ちたい。次回の移動市長室にてこの問題を取り上げたいと思う。

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第三セクターの様々な問題が浮き彫りにされた勉強会でした。

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