2026年1月16日 (金)

1月随時会議(物価高騰対策、児童クラブの委託先変更)

1月15日、随時会議があり、物価高騰対策等を含む補正予算について審査しました。

 

令和7(2025)年度一般会計補正予算(第15号)

<概要>
国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用し、エネルギー・食料品価格等の物価高騰に直面する市民の皆様及び事業者の皆様を支援するための経費として、総額 9億6,708万3千円 を追加し、あわせて繰越明許費の設定及び債務負担行為を追加する。

<主な歳出>

◆職員人件費
一般職において、報酬26万9千円、職員手当346万4千円をそれぞれ増額し、総額373万3千円の増額

◆エネルギー・食料品等物価高騰支援金給付事業
・給付事業費3億5,000万円
・事務費4,171万円

エネルギー及び食料品等の物価高騰の影響を受ける市民に対し、1世帯当たり1万円の支援金を給付するための経費

◆生活交通対策事業(路線バス等確保事業)2,532万1,000円

公共交通事業者に対し、運行車両に応じて支援単価を定め、燃料価格の高騰に対する支援を行うほか、地域に不可欠な交通手段の確保を図るため、タクシーの効率的な配車を行うシステム導入費を補助

◆市民活動センター管理運営費 9万7千円

指定管理者に対し、施設の光熱水費等について、令和7(2025)年度下半期分を令和3(2021)年度と比較し、高騰した部分を追加措置(以下、指定管理料の追加は同様の計算)

◆灯油購入費助成事業
・助成事業費4,500万円
・事務費825万1,000円

令和7年度分の住民税均等割非課税世帯等を対象に、灯油購入費用として1世帯当たり5,000円を給付するための経費

◆原油価格・物価高騰等緊急対策事業 1,368万2千円

障害福祉サービス事業所及び救護施設に対し、物価高騰への支援

◆原油価格・物価高騰等緊急対策事業 5,108万円

介護サービス事業者等に対し、施設に応じた支援単価を定め、物価高騰への支援

◆総合福祉センター管理運営費 68万6千円
◆高齢者生活支援施設管理運営費 61万8千円
◆県立こども自然王国管理運営費 138万1千円

指定管理料の追加措置

◆私立保育園・認定こども園等への支援
・私立保育園運営経費1,164万2千円
・私立認定こども園等運営経費270万円
・小規模保育事業運営経費14万6千円

園児約1,300人分の給食材料費の物価高騰相当額、電気・燃料費等について令和7(2025)年度と令和3(2021)年度を月ごとに比較し、増加した分を補助するための経費

◆水道事業会計繰出金 2億5,270万円

水道基本料金負担軽減対策の実施に伴う水道事業会計補正に係るもの

◆物価高騰等対策(病院支援)7,315万円

病院に対し、光熱費等について令和7年度と令和3年度を比較し増額した分の2分の1を補助するための経費

◆物価高騰支援事業 32万5千円

水道基本料金負担軽減の対象とならない未給水区域の世帯に対し、1世帯当たり5,000円の支援金を給付する経費

◆物価高騰支援事業 7万5千円

水道基本料金負担軽減対策事業の対象とならない宮原小規模水道を利用する世帯に対し、一世帯当たり5,000円の支援金を給付する経費

◆漁業者物価高騰支援事業170万円

新潟県漁業協同組合柏崎支所正組合員に対し、魚を出荷する際に使用する魚箱(ぎょばこ)について、令和7(2025)年度と令和3(2021)年度の価格を比較し、高騰分を補助するほか、漁獲物の出荷に係る氷について、令和7(2025)年1月から3月までと令和8(2026)年の同時期の価格を比較し、高騰分を補助するための経費

◆ワークプラザ柏崎管理運営費83万9千円
◆柏崎さけのふるさと公園維持管理事業 18万9千円
◆モーリエ駐車場管理運営事業29万9千円
◆高柳町地域交流観光施設管理費2万7千円
◆コレクションビレッジ管理運営費21万3千円
◆海洋センター管理運営事業の海洋センター管理費55万5千円
◆じょんのび村管理費216万1千円
◆西山自然体験交流施設管理費10万7千円
◆大崎温泉雪割草の湯管理運営費77万9千円
◆西山ふるさと公苑管理費 66万1千円
◆柏崎・夢の森公園施設管理費41万1千円
◆文化会館管理運営費381万7千円
◆産業文化会館管理運営費122万4千円
◆体育施設管理運営経費1,553万7千円

指定管理料を追加措置

◆歳入
・国庫支出金7億5,847万7千円
・県支出金2,000万円
・繰越金1億2,860万6千円を増加し、歳出と均衡を図る

◆繰越明許費
・公共交通効率化推進事業費補助金

事業完了が令和8年度となることから、次年度へ繰り越すもの

・水道事業会計繰出金

令和8年2月検針分から6か月の水道基本料金の減額を行うにあたり、国交付金活用の関係上、令和8年4月検針分から7月検針分に係る必要経費を次年度に繰り越すもの

◆債務負担行為

放課後児童健全育成事業施設運営委託料について、令和8年度に運営業務委託を予定する児童クラブのうち6か所を、公募型プロポーザル方式で事業者公募するため、契約準備行為として債務負担行為を設定するもの

説明資料【子育て支援課】債務負担行為の設定について

物価高騰対策について、私は以下の質疑を行いました。

【近藤】

物価高騰が長期化する中、食料品やエネルギー価格の上昇は市民生活に大きな影響を及ぼしており、市民の皆様からも切実な声が寄せられております。

26896434

年末に国の補正予算が成立して以降、限られた時間の中で本市としても対応方針を決定し、今回、物価高騰対策を中心に約9億円規模の補正予算が提案されたものと承知しております。

緊急対応である一方、これだけの規模の財政出動となる以上、その判断過程や支援内容、期待される効果について、市民の皆様に分かりやすく説明していくことが重要と考えます。そこで、今回の物価高騰対策について、市の考え方を順次伺います。

1点目、財政規模について伺います。今回の補正予算は物価高騰対策を含め約9億円規模の増額となっておりますが、物価高騰に対する市民ニーズをどのように把握・整理した上で今回の規模となったのでしょうか。国交付金のほか、市単独での財政出動についても検討されたのでしょうか。

2点目、支援内容の判断について伺います。物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金は自治体裁量が認められた制度であると認識しております。国の推奨事業メニューでは、お米券や商品券等の現物給付も示されている中で、柏崎市は各世帯に対して1万円の現金給付を行う判断をされましたが、その理由は何でしょうか。

重点支援交付金 推奨メニュー

3点目、事業の開始時期について伺います。緊急対策として、支援金給付はいつ頃から市民に届くスケジュールを想定しているのでしょうか。

4点目、事業効果について伺います。今回の施策により、市民生活や地域経済にどのような効果・実感を期待しているのでしょうか。あわせて、効果検証の考え方についてもお聞かせください。

以上4点です。よろしくお願いいたします。

【市長】

4点ご質問をいただきました。順次お答えいたします。細部につきましては担当部局から答弁させていただきます。

まず1点目、規模と、市民の皆様のニーズをどのように把握したかというご質問でございます。

今回の補正予算は合計で約9億円余りであります。内訳は、国からの交付金が約7億5,000万円余り、市の一般財源が約1億2,800万円ほどであります。

ニーズ把握につきましては、昨年秋以降、市議会各会派から新年度予算に関してご要望をいただいた項目の中で、物価対策をしっかり盛り込んでほしいという要望が多く寄せられました。加えて、事業者からの声もございます。

例えば病院からは、光熱費が高騰する中で経営が厳しいという声、介護サービス施設や障害福祉施設等からも同様に支援要請がございました。

また交通事業者、具体的にはタクシー事業者等からは、燃料費高騰に加え、配車が困難で市民の皆様から「タクシーがつかまらない」といった声もある中で、困っているという声を伺いました。

さらに漁協からは、魚箱(発泡スチロール)の価格が上がっており、補助を検討してほしいとの要望を直接受けております。

加えて、水道基本料金の負担軽減対策を実施しますが、本市には未給水区域が約80世帯あり、水道が通っていない世帯からも「支援が受けられないのか」といった声も耳にしております。

これら、議会からの要望、事業者・関係者から伺った声等を踏まえ、今回約9億円余りの規模としたところでございます。

次に2点目、支援内容の判断についてでございます。

現物給付等の推奨メニューも国から示されておりますが、私どもが第一に重視したのはスピードでございます。現金給付の方が迅速に届けられます。あわせて、事務経費を極力抑えるという観点からも、現金給付を中心としたところでございます。

3点目、いつ頃給付となるかについてでございます。

今回を機に、公金受取口座の登録確認等も含め、できる限り早期に事務作業を終え、遅くとも年度内、すなわち3月下旬までに、1世帯1万円の給付は年度内に給付したいと考えております。灯油購入費助成金等については担当から答弁させていただきます。

4点目、効果についてでございます。

水道料金については、昨年は分割での実施でしたが、今回は連続して6か月分といたしました。実感を得やすくすることも意識したところでございます。

国の交付金と市の一般財源を投入する以上、その効果がどうであったか、どのような効果があったかを、議員ご指摘のとおり、しっかり検証してまいります。以上でございます。

【市民生活部長】

エネルギー・食料品等物価高騰支援金(1世帯1万円)について、スケジュールをお答えします。

マイナンバー口座登録者につきましては、3月下旬までに振り込みを完了する予定です。未登録の方につきましては、4月中旬に申請書を送付し、5月から6月にかけて振り込みを行うスケジュールとしております。

また、1万円の設定理由につきましては、国から交付される交付金を原資に、世帯の状況等を勘案し設定したものでございます。

【福祉保健部長】

灯油購入費助成金についてお答えします。こちらは本年1月1日を基準日として対象者に支給するものであります。対象者の把握や印刷作業等を直ちに進め、2月上旬に案内文書を送付いたします。

過去に給付金を受給した世帯のうち、振込口座を把握できる方につきましては、申請不要のプッシュ型で、2月20日頃までに支給できる見込みです。

口座が不明な方等につきましては、申請を受け次第、順次振り込みを進めます。迅速性と利便性を考慮して事務を進めてまいります。以上であります。

【産業振興部長】

漁業者支援についてお答えします。漁業者につきましては、魚箱等の資材(いわゆる漁箱)と氷について支援を行います。
漁箱につきましては、1箱当たりの高騰分として48円を根拠に補正額を計上しております。

氷につきましては、1kg当たり5円の高騰分を支援し、漁業者の経営安定化につなげたいと考えております。これまでも令和4年度、令和5年度に支援を実施しており、基本的な考え方は同様でございます。以上です。

【近藤】
詳細をご説明いただき、ありがとうございました。確認ですが、1世帯1万円給付の基準日も1月1日でよろしかったでしょうか。
また、今回国の交付金を中心に支援を組み立てているわけですが、市として単費を上乗せして支給額を増やすといった議論が庁内であったかどうか、伺います。
さらに、効果の検証について、現時点でどのような方法で検証していくお考えか、可能な範囲でお示しください。

【市長】

まず、単費の上乗せの議論についてでございます。

先ほど申し上げましたように、国の交付金に対し、市として一般財源を約1億2,800万円加えております。国の交付金だけで構成している自治体もございますが、本市は世帯への給付に加え、施設・事業者への支援等、なるべく公平に、困っている方には手厚くというメリハリをつけるため、市独自財源を加える必要があると判断したものであります。

次に基準日につきましては、1月1日でございます。

効果の検証につきましては、事業者からの聞き取り等も含め、必ず検証を行い、その結果も皆様にお知らせしたいと考えております。以上でございます。

【近藤】
議会からの要望や、市民・事業者の声を踏まえて組み立てられた旨をご答弁いただきました。それも含めて市民への周知にも努めていただきたいと思いますし、我々も取り組んでまいります。ありがとうございました。

 

相澤宗一議員、持田繁義議員からは以下の質疑がありました。

【相澤議員】

債務負担行為に関し3点伺います。

1点目、公募に至った理由。2点目、4月からの委託先変更に伴う準備・引き継ぎ。3点目、委託先の見込みと運営の質についてです。今朝、「1月臨時会議における債務負担行為の設定について」という資料をいただきましたので、それを踏まえ伺います。受託範囲の縮小の可能性に言及があったとの記載がありますが、縮小せざるを得ない理由を伺います。

2点目、4月から新たな受託者が運営する場合、準備期間が限られます。児童・保護者への説明、引き継ぎをどのように進めるのか伺います。

3点目、代替事業者が見つかるとの判断に至ったとありますが、支援員確保に加え、発達特性のある児童への対応など、多様化する運営に必要なスキルが担保されるのか伺います。

【市長】

3点ご質問をいただきました。配布資料に基づき答弁します。

1点目、公募に至った理由についてです。ここ数年、受託団体から児童クラブ運営が厳しいという声は伺っておりました。

端的に言えば、受託すると経費が増え赤字になってしまうこと、また、指導員確保が非常に難しくなってきていること、この2点です。市としても予算面で改善を重ねてきましたが、なお厳しいとの状況を踏まえ、すべてを他にということではありませんが、6か所について他の事業者候補を募り、受託団体の負担軽減も含め、プロポーザルを実施するに至ったものです。

2点目、委託先変更に伴う不安への対応についてです。実績のある事業者を前提に複数の事業者に当たり、プロポーザルに参加いただき、実績に基づき選定したいと考えております。保護者の不安が大きくならないよう、事業者にも十分に検討していただき、信頼できる事業者を選定してまいります。

3点目、運営の質・引き継ぎについてです。多様な児童が利用している実態を踏まえ、その点も含めて引き受けていただくことを選定事業者にしっかり伝え、保護者の不安を招かないよう、確実な引き継ぎをお願いしてまいります。スケジュールはお手元資料のとおりです。

【相沢議員】

引き継ぎの重要性は理解しました。利用者にとって不安が大きくならないよう、「変わらない点」「変わる点」を丁寧に説明することが大切だと思います。

確認ですが、6か所の選定は、社会福祉協議会側からの希望があったのか、それとも人数など基準があって選定したのか、その辺りを伺います。

【子ども未来部長】

6か所の選定について説明します。児童クラブは、平日に比べ土曜日の開所は限定的で、現在も23か所のうち9か所に集約して実施しています。今回公募する箇所についても、土曜の集約を考えながら、地域として一定のまとまりがあるエリアを中心に選定したものです。社会福祉協議会とも協議の上、管理のしやすさ等も踏まえて決定しております。

【相沢議員】

スタッフ変更は利用者の不安材料になりますので、引き継ぎを徹底し、スムーズな移行に努めていただきたいと思います。

 

【持田議員】

まず物価高騰対策について確認します。重点支援地方交付金は前年度より大幅に増え、全体で2兆円規模とも言われています。柏崎市の補正は9億余り、交付金が役7億円、独自で約1億2,800万円という構成です。

国は「できるだけ早く」「2025年以内」といった表現も使っています。市長答弁では「年度内」とのことでしたが、「年内」と「年度内」の使い分けをどう考えるのか伺います。あわせて、今回の交付金は全額活用し、残高はないと確認してよいのか伺います。

【市長】

国の推奨メニュー分として、予算書記載の交付金 7億5,847万7千円(うち食料品特別加算 2億4,401万600万円)を全て活用し、これに一般財源を約1億2,800万円加えたところです。加えた理由は先ほど近藤議員への答弁のとおりです。

【財務部長】

国からは早期から情報提供があり、「年内に予算措置することを望む」との表現でした。執行自体は年度内を基本とし、困難な場合は繰越明許により実施する予定です。

【持田議員】

市民に分かりやすくするため、国のメニューと市独自分を区分した一覧表などで説明するのも有効ではないかと思います。考えを伺います。

【市長】

ご指摘は大変重要です。交付金の一覧表は作成しておりますが、市民向けに、非課税世帯向け、事業者向け等、分かりやすい形で整理した一覧表を早急に作成し、市の税財源を加えて提供したメニューを含め、ホームページ等で提供してまいります。

【持田議員】

次に債務負担行為について、児童クラブは受託継続が困難とされていますが、委託費が少ないのではないか。なぜこの6か所なのか。昨年12月頃に議会報告がなぜなかったのか。経過も含め説明を求めます。

【市長】

児童クラブのみを行う法人ではなく、法人全体として児童クラブ運営が収支上プラスになっていないという状況があります。人材確保のため非常勤を常勤化する必要がある等の課題も、数年にわたり伺ってきました。

委託費についても改善を重ねてきましたが、昨年秋以降も厳しいとの話があり、他の実績ある事業者の可能性を調べ、実績ある複数事業者から参加が見込める状況を確認した上で、今回プロポーザルとしたものです。

【子ども未来部長】

6か所の選定は、エリアとして一体性があることを重視しました。社会福祉協議会とも協議し、管理の仕方等も踏まえ、地域的なまとまりをもつエリアとして選定したものです。

 

質疑は以上となり、本議案は可決されました。

 

令和7年度(2025年度)水道事業会計補正予算(第6号)

<概要>
国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、水道基本料金負担軽減対策事業として、令和8年(2026年)2月検針分から6か月分の水道基本料金を減額するに当たり、2月及び3月検針分の水道基本料金を減額するための予算を措置しようとするもの。
令和8年(2026年)4月検針分から7月検針分までの減額については、2月定例会議に上程する令和8年度水道事業会計予算に計上したい。

水道事業収益 
◆営業収益 9,211万4千円の減額
水道基本料金の減額に伴い給水収益を補正する。

◆営業外収益 8,524万円の増額
水道基本料金減額に係る事務費相当分を一般会計から繰り入れるため、他会計補助金を補正する。

収益的支出
◆水道事業費用 営業費用 150万円の増額
電算処理に係るシステム改修費の補正によるもの。

質疑はなく、可決されました。

ーーーーー

本会議での即日採決ではあるものの、ある程度、細かい点まで確認することができました。今後も市民の皆様への説明責任を果たせるよう、気を抜かずに審査していきたいと思います。

2025年12月24日 (水)

【議員研修会】政治分野におけるハラスメント防止研修

12月22日、柏崎市の顧問弁護士でもある、柏崎しおかぜ法律事務所の近藤千鶴先生を講師にお迎えして、「ハラスメント防止」をテーマとする議員研修会が行われました。

Photo_20251226071501

1. 研修の目的・全体構成

目的:政治分野(議会)で起こりうるハラスメントを、一般論と実例から理解し、防止の意識づけにつなげる。

構成:

①ハラスメントの一般論(定義・なぜ許されないか)

②政治分野における制度・背景(法改正、実態調査、条例制定の動き)

③パワハラ・セクハラの定義(民間法制を参照して整理)

④政治分野の裁判例(川越市議セクハラ・パワハラ事案)

⑤防止のための意識(アンコンシャスバイアス等)

⑥内閣府リーフレットの事例で確認

⑦質疑応答

 

2. ハラスメントの位置づけ(なぜ許されないか)

・ハラスメント=嫌がらせ・いじめ・不快感を与える行為。

・憲法13条(個人の尊重)に根拠を置き、人格権・個人の尊厳を傷つけるため許されない。

・組織(議会・会派)への信用失墜、被害者の心身不調や休職/辞職、加害者側の辞職等、双方に重大な不利益が生じうる。

 

3. 政治分野で想定される“起こり方”(関係類型)

政治分野では次の関係で起こりうる。

・議員→議員

・議員→職員(議会事務局・市職員含む)(川越事案はここ)

・職員→議員(多くは想定しづらいが、条例で対象に含める自治体もある)

・議員→有権者

・有権者→議員(支援者・有権者によるセクハラ/パワハラ、いわゆる“票ハラ”的状況も含む)

※「女性が被害者になりやすい構図」はあるが、男性も被害者・加害者になりうる(同性間も含む)

 

4. 法制度・社会背景(政治分野の流れ)

・政治分野における男女共同参画推進法(2018/平成30):候補者・議員の男女均等を進める趣旨。

・令和3(2021)年の改正:ハラスメント対策を明確化し、研修・相談体制整備などの措置を求める方向へ。

・同年、内閣府が実態調査を行い、1か月で1324件の事例が寄せられた(立法事実として紹介)。

・これらを背景に、議会でのハラスメント防止条例や倫理条例での規定が増加。

*例:糸魚川市議会は「議員間」「議員↔職員」を対象にするなど、自治体で対象範囲は様々

 

5. 法的整理(パワハラ・セクハラの考え方)

※議員は労働法制の「労働者」ではないが、定義・考え方の参照枠として有用

(1)パワハラ(4要素の整理)

・職場(出張先、懇親会等“職場の延長”も含みうる)

・優越的関係を背景にした言動(上司→部下に限らず、同僚間・部下→上司・集団行為もありうる)

・業務上必要かつ相当な範囲を超える

・就業環境が害される

*判断のポイント:「被害者が嫌と言ったら即違法」ではなく、平均的な受け止め方を基準に判断される。

 

(2)セクハラ(対価型・環境型)

・「意に反する性的言動」により、

◆対価型:拒否への不利益(降格等)

◆環境型:職場環境が不快となり能力発揮に悪影響

*こちらも平均的受け止め方を基準としつつ、明確に拒否しているのに継続すれば該当可能性が高まる。

*性的指向・性自認などは外から分からないため、相手の多様性を前提に配慮が必要。

 

6. 裁判例(川越市議:職員へのセクハラ/パワハラ)

<事件の骨子>

・事務局職員の女性が記者会見で被害を公表

・市議が「名誉毀損」で提訴(慰謝料等請求)

・女性側が反訴(セクハラ等の不法行為に基づく損害賠償)

<裁判所の認定>

・懇親会・二次会・視察中の場面等で、身体接触、性的発言、飲酒強要的言動、立場を利用した不利益示唆などが具体的に認定された、という整理。

・認定の根拠として、録音やメッセージ等の客観証拠、供述の信用性判断の説明があった。

・第三者委員会の認定との差が出うるのは、証拠提出状況の違いによる可能性がある。

<結論>

・一部認容(慰謝料の認定)。その後控訴審で訴訟上の和解が成立し、加害側が行為を認め謝罪・金銭支払い等を行った。

 

7. 防止の考え方(研修の“着地点”)

発生要因として

〇アンコンシャスバイアス(男は~、女は~、若者は~、上の言うことを聞くべき等)

世代間ギャップ

「他者は自分と違う」ことを前提にする姿勢が必要。

法的に“違法”とまでは言えなくても、

〇今それを言う必要はあるか

〇何の目的で言うのか

〇相手はどう受け止めるか

を想像し、受け止めやすい注意・指摘の仕方を工夫することが予防になる。

全国では近年、議会におけるハラスメント防止条例の制定が進んでおり、令和7年12月11日時点で155団体・168条例が確認され、新潟県内では、糸魚川市議会がハラスメント防止条例を制定している。

一方、柏崎市議会では、独立したハラスメント防止条例は未制定であり、現在は議員倫理条例の中でハラスメント禁止を位置づけている

倫理条例でも一定の対応は可能だが、

〇議員が加害者・被害者となる場合
〇職員や市民(有権者)が関係する場合

など、多様なケースに専門的に対応するためには、専用条例を設ける考え方もある。

ただし、ハラスメント条例がなくても、倫理条例や民法第79条の不法行為により対応は可能であり、条例がなければ対処できないというものではない。

糸魚川市議会では、「議員間」および「議員と職員間」のハラスメントを条例の対象としているが、他自治体では対象範囲に違いがある。

 

8. 内閣府リーフレットの事例(政治分野らしい典型7類型)

【内閣府】政治分野におけるハラスメント防止のための取組

◆研修では動画教材の登場人物を使い、次の典型を確認。

①有権者→候補者:身体接触、連絡先要求、暴言

②議員→議員:女性にだけお茶くみ要求、性別役割分担・能力否定、接触

③議場のヤジ:容姿いじり、妊娠・出産に関する揶揄

④酒席:飲酒強要、侮辱発言、密着(デュエット等)

⑤支援者→議員:24時間対応要求、執拗連絡、SNSでの誹謗・私生活暴露(“票ハラ/カスハラ的”)

⑥妊娠・出産を理由にした圧力:辞職示唆、欠席規定の利用を非難、出席強要(マタハラ)

⑦会派内いじめ:暴言、恫喝、集団無視、物を投げる等(典型的パワハラ)

【全体版】政治分野におけるハラスメント防止研修教材

 

9. 質疑応答

Q1:一言でセクハラになるのか?

A1:一言で直ちに法的違法になるとは限らない。環境、関係性、反復性、影響の程度などが重要。

ただし、「法的にアウトでない=言ってよい」ではなく、倫理・適切性の観点で自制が必要、という整理。

 

Q2:酒席で覚えていない場合、責任は?

A2:酔っていたことだけで責任が免れるわけではなく、意思能力が否定されるのはよほどの例外的状態。

実際の場では「言動があったこと」の立証(録音、目撃者等)が争点になりうる。

ーーーーー

非常にわかりやすく、整理された内容でした。

ハラスメントは「あってはならないこと」であるものの、実際には中々なくなるものではありません。

数年前に他県の元市議会議員の女性から、「2期目に当選後、他の先輩議員から、議会での発言や提案の否定、役職に就かせないといった妨害、誹謗中傷などの嫌がらせが続き、心身にダメージを受けて3期目の挑戦を断念した」と伺ったことがあります。

その方が良識的で優しい人柄であることは、周りの方々の様子からも伝わってきました。

真面目な女性議員の活動が「生意気な行動」として目をつけられ、議会としての解決策を得られない中、闘う気力・体力もなくなり、政治の世界から身を引かれた現実に、痛ましさとやるせなさを感じました。

なお、高市総理は自由民主党総裁選の公開討論会で、「女性の政治参画を推進し、女性議員を増やすためには、政治活動と家庭生活の両立支援、そして、女性の政治参画の障壁であるハラスメントへの対策が必要」と述べられていました。ご自身のご経験も含めて、非常に現実的な回答だったのだろうと推察します。

ハラスメントの根底には、「やっている側」の無自覚、「このくらいはいいだろう」との解釈、「相手に非があるのだからやって当然」という認識、さらには相手の泣き寝入りを期待する気持ちがあるのではないかと思います。

「自分がされて嫌なことを他人にしてはならない」ということは、幼少期から誰もが教えられてきた人権尊重の基本的な戒めですが、個々の感じ方や価値感が異なる多様な時代において、これだけでは規制・抑制できないのが現実です。

となれば、「感情的・衝動的な他者への行為や態度が、ハラスメントとして認定されたら、やった側にも何らかのダメージがある」ということを、共有し続けるしかないのかもしれません。

いずれにせよ、ハラスメントをなくすには、議会であれ、職場であれ、集団生活を営む中で

・他者への思いやり

・信頼関係の構築

・常に自らの言動を客観的に省みる習慣

・他者の行き過ぎた言動を止める勇気 

といったことが大切であると、あらためて実感しました。

そして、条例の存在だけではなく、このように「襟を正す」機会によって、「ハラスメントのない議会」を形成していく努力が不可欠だと思います。

丁寧かつ的確にご講演いただいた近藤先生、本当にありがとうございました。 

2025年12月23日 (火)

柏崎市第六次総合計画 集中審議

12月19日は「柏崎市第六次総合計画基本構想及び前期基本計画の施策の体系の策定について」の集中審議でした。

R7.12.19柏崎市議会映像配信

以下は私の質疑応答の内容です。

Img_4382

【近藤】
おはようございます。通告に従い質疑してまいりますので、宜しくお願いいたします。
柏崎市第六次総合計画の策定過程においては、柏崎市議会として節目ごとに当局と意見交換を行い、また、議会としての意見も提出してまいりました。そのため、計画の内容そのものについては、一定程度承知しているところであります。
しかしながら、不確実性が高まる時代において、今後8年間の市政運営の根幹を成す本計画の実効性を高めるためには、市民の理解と協力、長期的な安定性、そして着実に推進していくための体制整備が不可欠であると考えます。
そこで、以下、3点について伺います。

1点目は、「継続・転換の要点と市民理解につい」であります。

柏崎市第六次総合計画の基本構想では、基本理念を【「市民とともに育むまちづくり」を推進し、市民の幸福の実現をめざします。】、将来都市像を【笑顔とenergy(エナジー)あふれる未来都市・かしわざき】、と定め、さらに、5分野の施策ごとに「めざすまち」の姿が掲げられています。
これらを実現していくためには、これまで以上に市民力・地域力が求められると思いますが、その前提として、市民の理解と共感を得ることが不可欠であると考えます。

そこで伺います。
本計画は、柏崎市第五次総合計画から継続・延長した施策と、新たに転換した施策が併存していると受け止めておりますが、その中でも、市として特に市民の理解と共感を得たいと考えているポイントはどこにあるのか、また、その理由は何か。
あわせて、第五次総合計画との違いや、継続・転換の意義を、市民にどのように伝えていくのか、現時点での見解をお聞かせください。

 

2点目は、「財政と事業規模の整合性について」であります。

計画の実現には、財政的な裏付けが不可欠でありますが、人口減少・少子高齢化が進行する本市において、必要な施策を実現するための財源確保は、これまで以上に厳しさを増すものと受け止めております。

また、第五次総合計画の期間中には、新型コロナウイルス感染症の流行、世界情勢の不安定化を背景とするエネルギー価格や物価の上昇、気候変動の影響による自然災害や異常気象、さらには柏崎刈羽原子力発電所を取り巻く情勢など、さまざまな事象が財政や施策に少なからず影響を及ぼしてきました。

第六次総合計画においては、こうした不確実な時代にあっても耐えうる、長期的な安定性が求められると考えます。

そこで伺います。
柏崎市第六次総合計画において、今後の財政見通しと、計画に位置付けられた事業規模とは、全体として整合が図られているのか。また、計画期間中に、想定を上回る人口減少や突発的な災害などにより、前提条件が大きく変化した場合においても、事業の優先順位や進め方を柔軟に見直すことができる仕組みとなっているのか、見解をお聞かせください。

 

3点目は、「推進体制と官民連携について」であります。

人口減少・少子高齢化の進行は、あらゆる分野における人材不足を招く一方で、行政が取り組むべき課題は、多様化・複雑化しています。

このような状況下において、柏崎市第六次総合計画を着実に実現していくためには、従来の部局単位の取組に加え、課題に応じたいわゆるタスクフォース型の横断的な体制の構築や、官民連携のさらなる強化が不可欠であると考えます。

そこで伺います。
本計画の推進にあたり、どのような体制を想定しているのか、また、計画のどの段階で、どのように関係主体が関与していくのか。あわせて、こうした連携を実効性のあるものとしていくための工夫について、現時点での見解をお聞かせください。

以上、よろしくお願いいたします。

【市長】
おはようございます。
本日は、柏崎市第六次総合計画基本構想及び基本計画(案)につきまして、皆様からご意見やご質問をいただく機会を賜り、誠にありがとうございます。お時間を頂戴し、心より感謝申し上げます。

先ほどは、トップバッターとして近藤由香里議員から、3点にわたるご質問をいただきました。
1点目は、総合計画策定にあたり、市民の皆様の理解と共感をどのように得ていくのか、また第五次総合計画との違いについて。
2点目は、計画を進める上での財政計画について。
3点目は、計画推進に当たり、官民がどのように連携し、また市役所内部でどのような体制を構築していくのか、という点であると受け止めております。

まず1点目についてでございます。
議員からもご指摘がありましたが、現在は、かつてにも増して不確実性の高い時代に入っております。物事の変化は早く、激しく、将来を見通すことが難しい状況が続いております。このような時代認識は、第五次総合計画策定時とは大きく異なっていると考えております。

こうした不確実で変化の激しい時代の中で、柏崎市がどのように持続し、市民の皆様に少しでも豊かな生活を提供していくのか。その視点から、第六次総合計画を策定したところでございます。

基本構想における将来都市像は、「笑顔とエネルギーあふれる未来都市 柏崎」とし、重点戦略は前回同様、二つに絞りました。
1つ目は「未来につなぐ安心・暮らしやすさの追求」、2つ目は「未来を拓く産業イノベーションへのさらなる挑戦」でございます。

前回との違いについて申し上げますと、まず「安心・暮らしやすさの追求」につきましては、第五次総合計画では主に子どもを対象とした重点戦略としておりましたが、第六次では、子どもに限らず、高齢者、障がいのある方を含め、あらゆる世代・あらゆる市民を対象に、安心と暮らしやすさを追求する点が大きな違いでございます。

また、産業イノベーションにつきましては、ものづくり産業が本市の基幹産業であるという認識は変わりませんが、今回はそれに限らず、農業、漁業、林業、商業など、あらゆる産業分野において付加価値を高めていく必要があると考えております。そのために、これまで以上にイノベーションへの挑戦を重ね、新たな価値を創出していくことを重点戦略として掲げております。これが第五次総合計画との大きな違いでございます。

次に、2点目の財政についてでございます。
人口減少については、国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる社人研の推計を基準としつつ、それよりもさらに厳しい人口減少を想定しております。前回は一定の期待値を含めた推計でありましたが、今回は現実を直視した、より厳しい想定といたしました。

今後は、ごみ焼却場の新設、セントラルガーデン整備、鯨波産業団地整備などの大型事業も控えておりますが、財政調整基金につきましては、標準財政規模の約10%、柏崎市の場合は24~25億円が目安とされております。
今後5年程度の中で、前期基本計画の終盤から後期基本計画の初年度にかけて、財政調整基金はその水準に近づくと見込んでおりますが、現在は20%を超える水準を維持しております。
人口減少を厳しく見込む中にあっても、十分に市民の皆様に安心していただける財政運営が可能であると考えております。

3点目の体制についてでございます。
議員からはタスクフォースという言葉が使われましたが、危機管理に限らず、課題に応じた部局横断的な体制の重要性は、ますます高まっていると認識しております。
これまでも、新型コロナウイルス対応や人口減少対策など、全庁的な体制で取り組んできましたが、今後は、突発的な災害や社会情勢の変化にも柔軟に対応できるよう、必要に応じて部局横断的な組織を構築し、行政需要に対応してまいりたいと考えております。

【近藤】
今、3点についてご答弁をいただきました。
1点目につきましては、重点戦略において、第五次総合計画からの継続と転換の両面があり、それを市民にしっかり伝えていくという点で理解いたしました。
2点目につきましては、財政調整基金の活用と残し方が、今後これまでとは異なる判断を求められるという受け止めをいたしました。

3点目のタスクフォースにつきましては、災害対応のみならず、福祉や産業など、全庁的に取り組むべき課題が増えていく中で、柔軟な組織運営が可能かという点が私の意図でございました。

答弁漏れがあったようなので2点、確認させていただきます。
1点目は、市民への伝え方についてであります。これまで以上に、市民の理解と共感を得るための周知や確認の方法が必要ではないかと考えます。
もう1点は官民連携についてであります。行政だけでは対応が難しい分野が増える中で、民間活力をどう活かしていくのかが、第六次総合計画のキモになると考えます。この2点について、改めてご答弁をお願いいたします。

【市長】
大変申し訳ありません。市民への周知について、先ほど十分にお答えできておりませんでした。
広報かしわざきやホームページでの周知に加え、概要版の作成、若い世代や将来を担う世代にも伝わる広報の工夫を行い、市民の皆様に少しでも理解していただけるよう努めてまいります。

また官民連携につきましては、行政改革の観点からも、行政が担うべき役割、民間が担うべき役割を精査し、効率的で効果的な事業運営を進めていく必要があります。
ぎおん柏崎祭りなどの事例に見られるように、官民が連携しながら地域の魅力を高めていく取り組みは、今後ますます重要になります。官民連携を一層推進し、時代に即した行政運営を行ってまいりたいと考えております。

【近藤】
承知いたしました。人口減少の時代は、見方を変えれば真に必要なものを見極め、誰もが挑戦し、活躍する機会が生まれる時代でもあると考えます。本計画に基づき、時代の変化に対応しながら、市民の幸福の実現を追求し、人口減少に負けない柏崎を共に創っていけるように、との思いを込めて採決に臨みたいと思います。質疑は以上であります。ありがとうございました。

 

この他、持田繁義議員、星野幸彦議員、池野里美議員、相澤宗一議員、真貝維義議員が質疑を行いました。

質疑と答弁内容の要約は以下のようになります。

◆人口

<主な質疑・論点>
・第六次総合計画で、人口減少(自然減・社会減)にどう戦略的に向き合うか。
・20〜30代女性の流出が顕著な中、出生率向上(自然減対策)と転出抑制・移住定住(社会減対策)のどちらに重きを置くか。
・合計特殊出生率 1.30(2030年度)の根拠と実現性。
・第五次の推計と実績の乖離をどう分析し、第六次にどう反映したか。
・社人研推計(2045年 約5.6万人)を踏まえ、計画人口はどの程度「上乗せ」を見込むのか。
・「選ばれるまち」になるために、何を強みにするのか。

<市長答弁の骨子>
・最大の違いは「時代背景」:不確実性が増し変化が速い中で、市民生活を守り豊かさを確保する必要がある。
・若年層流出は「首都圏」だけでなく、実態として 県内(長岡・新潟)への流出が大きいことが分かった。
・定着率の観点から、Iターンよりも Uターン重視で施策を展開したい。
・出生率1.30の根拠は、第五次総合計画後期で拡充した子育て施策(保育料・医療費助成等)や教育環境の取組が効果を出し始める想定。

<追加の指摘・論点(議員側)>
・「選ばれるまち」は単独施策では難しく、暮らしの安心(特に医療)や働く場など複合的な魅力の積み上げが必要。

◆原子力発電所

<主な質疑・論点>
・計画期間(2026〜2034)に再稼働・廃炉検討等の変化が見込まれる中、原発とどう向き合うか。
・動いている原発の方がリスクが高いという認識の下で、リスク低減策(廃炉・集中リスク解消)をどう進めるか。
・原子力防災(避難計画の実効性、避難路整備等)を計画でどこまで踏み込むか。
・複合災害(自然災害+原子力災害)を踏まえた安全確保の具体性。

<市長答弁の骨子>
・当面、原子力発電所は必要で、再稼働は意義があるとの立場。
・一方で、原子力発電所だけに依存し続ける時代ではなく、太陽光・蓄電池・水素など脱炭素の取組も進める。
・1・2号機の廃炉検討は「集中リスク低減」の観点から歓迎。
・安全審査は規制委員会の科学的・法的判断が基礎。
・原子力防災は国が責任を持つべき。避難路など大規模整備は国費で進める方向が示されており、進捗を確認しながら対応。

<追加の指摘・論点(議員側)>
・再稼働の有無にかかわらず避難計画の拡充は必要。国に対し強く求め続けるべき。

◆ 財政

<主な質疑・論点>
・原子力関連財源(税・交付金)の変動、廃炉検討の影響を財政見通しにどう織り込むか。
・電源立地地域対策交付金(特に7号機に係る減少・ゼロ化)をどう乗り切るか。
・固定資産税の中長期見通し:新規開発の増収が、地価下落・既存資産の減価償却減をカバーできる根拠。
・原発の安全対策工事による増収は一時的であり、工事終了後や老朽化をどう織り込むか。
・経常収支比率が高水準(96〜97%)となる局面での硬直化リスクへの考え方。
・原子力財源に依存しすぎない財政運営の基本姿勢。

<市長答弁の骨子>
・1・2号機廃炉は直ちに進むとは限らず、税収への影響も当面は大きくない認識。廃炉は長期(一般に30年)。
・交付金制度の不合理性は認識しており、国へ是正要望を継続。財政計画は一定程度の見込みを置いている。
・原子力関連財源は依然として重要であり、共存しつつ「大切に使う」。
・固定資産税は、原発以外にも(水素発電プラント等)増収要因があり得る。
・特重施設等(6・7号機)は柏崎側に税収として大きく期待しにくい一方、将来の動き(3・4号機等)次第で可能性はある。
・経常収支比率は人件費・公債費等と連動するため、厳しく見つめ健全財政を維持する。

<追加の指摘・論点(議員側)>
・原子力財源を最大限活用しつつも、環境変化を計画へ反映する柔軟性が必要。
・市民所得の上昇が市税増にもつながるため、産業付加価値だけでなく所得向上の道筋を明確にするべき。
・財調が薄くなる年度があるため、計画実行には財政運営の厳格な点検が不可欠。

◆子育て

<主な質疑・論点>
・産後の孤立や産後うつ等、産後の精神的負担への支援をどう強化するか。
・妊娠期〜子育て期の切れ目ない相談体制として、「地域子育て相談機関」をどう整備するか。
・相談ニーズは多様化しており、福祉・医療・教育等との連携をどう確保するか。

<こども未来部長答弁の骨子>
・産後支援は「切れ目ない支援」と「多職種・多機関連携」が重要。
・医療機関と連携し、助産師等の専門職による訪問・継続的な関わりで孤立を防ぐ。
・民生児童委員の赤ちゃん訪問等、地域の支援も活用。産後ケア利用も増加傾向。
・情報発信を工夫し、必要な人に届くようにする。
・地域子育て相談機関は、基幹保育園併設の子育て支援室等に相談機能を持たせ、職員研修も進めて身近な窓口にする。

<追加の指摘・論点(議員側)>
・身近な相談拠点の整備は評価。今後はケースに応じた部局横断連携の実効性が鍵となる。

◆公共施設

<主な質疑・論点>
・人口3割減が見込まれる中、施設規模を維持できない。撤退戦略(統廃合)の基準をどう設計するか。
・老朽化だけでなく、防災優先度やコミュニティ機能、代替手段なども含めた判断が必要。
・市民の反発が大きい領域であり、説明会型ではなく、住民が代替案を検討する 市民参加型プロセスが必要。
・廃止後の跡地が負の遺産にならないよう、跡地活用を事前に描くべき。
・デジタルや複合化(商業施設との一体化等)を公共施設の再編に活かせるか。

<当局答弁の骨子>
・施設再編の基準は基本的に「人口」をベースに、利用者数等も踏まえて判断(人口だけで一律廃止は不可)。
・コミュニティ維持とのバランスを取りつつ、統合などを進めてきた。
・市民参加は重要だが、現状は関心が高くない。関心を持っていただく工夫は続ける。
・既存施設を柔軟に使い、フォンジェのような複合機能化(例:商業+健康保持+子どもの居場所等)も現実的に検討する。

<追加の指摘・論点(議員側)>
・「撤退の基準」を明確化し、市民参加型で合意形成することが今後の核心。
・町内会施設・神社等、地域の維持が難しくなる実感がある中で、公の判断はより客観基準が必要。

ーーーーーーーー

以上のような質疑応答があり、集中審議は終了しました。

12月22日の本会議最終日では、相澤宗一議員、持田繁義議員、真貝維義議員による賛成討論があり、全会一致で可決しました。

R7.12.22柏崎議会映像配信

総合計画の策定には多くの市民の方々が関わり、節目ごとに市議会とも意見交換を行いながら、丁寧に進められてきました。

策定に関わられた皆様、本当にお疲れさまでした。

第六次総合計画策定に向けた市民ワークショップ

柏崎市第六次総合計画策定にかかる審議会

柏崎市第六次総合計画基本構想・前期基本計画の答申を受けました

まさしく官民連携で策定した本市の最上位計画であり、趣旨や内容、まちの将来像(めざす姿)を市民の皆様と共有できるよう、私も働きかけていきたいと思います。

2025年12月14日 (日)

令和7年12月一般質問3「市長と市民の対話機会の充実に向けて」

令和7年12月10日に行った一般質問の続きです。

柏崎市議会 映像配信  2025.12.10

Img_4137

最後の質問 3市長と市民の対話機会の充実に向けて 伺います。

まず(1)令和7(2025)年度地域懇談会の総括 についてです。

地域懇談会は、平成17年の高柳町・西山町との合併を契機に、市長が地域へ直接出向き、市の施策を説明するとともに、地域の実情や課題を住民から伺い、活力ある地域づくりを推進することを目的として実施されてきたものです。

また、本市の最高規範である「市民参加のまちづくり基本条例」が掲げる、市民と行政が協働し、市民の声を市政に反映させるという理念を具体化する取り組みであり、その位置付けは極めて重要です。

これは、私が令和3年6月に一般質問した際のご答弁で示された認識でもあり、改めて地域懇談会は市長と市民が直接対話できる貴重な機会であると理解しています。

今年度は、この地域懇談会の単位を、従来の中学校区から郷単位へ再編し、全6カ所で開催されました。対象地域が広がったことにより、住民の皆さんは自分の地域だけでなく、他地域の課題も共有する機会が生まれたものと思います。

その一方で、ある地域の方々からは「地域特有の課題を深掘りできない」「開催場所まで遠く参加しにくい」といったご意見も伺いました。

また、市長からは全市的な課題や施策の方針が示されたものの、会場によっては参加者の発言が従来どおりの地域要望型にとどまった印象もあるのではないかと感じています。

そこで質問いたします。
令和7(2025)年度地域懇談会の総括として、中学校区から5単位へ再編した意図を改めて伺うとともに、その趣旨がどの程度、市民に理解されていたと認識しているか。
また、参加者の状況(人数・属性・年代)や発言の傾向はどのようなものであったか。
そして、市長が今回の実施を通じて感じた成果と課題、今後の方向性について、現時点での見解をお聞かせください。

【市長】

令和7(2025)年度地域懇談会の総括についてお答えいたします。

中学校区単位から郷単位へ再編した意図は、地域が抱える課題等について意見交換を行い、活力ある地域づくりを推進することを目的とする地域懇談会において、町内会などからの個別要望や陳情が年々多くなってきており、見直しの必要性を感じていたためでございます。

この点については、以前の近藤議員の一般質問においても、「意見交換というより、町内会等の関係者による要望が主になっている」とのご指摘をいただいたところであります。そのため、個別の要望については書面で回答することとし、少し広い視野で本市全体や地域全体に関わる課題等について意見交換を行うため、試行的に開催地域を中学校区単位から郷単位へ変更したものでございます。

参加者の状況ですが、参加者の大半は60歳以上の町内会や各コミュニティセンターの関係者であり、20代・30代の参加者はほとんどおりませんでした。参加者数は、令和6(2024)年度の全体366人から237人へと減少したところでございます。

地域から提案されたテーマでは、地域振興策の提言や不法投棄ごみ対策の強化といった内容が多く、自由懇談では、小中学校の統合や「あいくる」の運行計画など、本市が抱える課題について意見交換や議論を行う場となりました。本市が置かれている厳しい状況を参加者と共有し、より広い視野で議論を深めることができた、有意義な懇談会であったと実感しており、見直しの効果によるものと考えております。

一方で、「地域が広がり、直接市長と対話ができない」「各地域によって課題が違うため、意見を言える機会がなくなってしまう」といったご意見もいただきました。中学校区単位での開催を希望する声と参加者の減少は、課題として認識しております。

議員ご指摘のとおり、地域懇談会は、市長と市民が直接対話できる大切な機会であると認識しております。令和8(2026)年度以降の開催につきましては、今年度の成果と課題を踏まえ、再度検討したいと考えております。

1つの会場数を増やし、例えば次年度は4カ所とすることも含め、本来的にどういった形で、より広い地域が抱える課題を市民の皆さんと情報共有し、意見交換できるのか、形式について引き続き検討を進めてまいります。

【近藤】

今のご答弁から、一定の効果はあったものの、従来のやり方を求める声も根強く、大変悩ましい状況であったことが伝わってまいりました。

令和3年6月当時、私は地域懇談会にもっと幅広い年代・多様な層の方々にも参加していただき、活発な議論の場になることが望ましいと考え、その観点から質問をいたしました。

一方で、今回の集約にあたって、ある方からは「市長が地元まで来てくれて、自分たちの切実な悩みや困りごとを直接聞いてもらえることに魅力を感じている。なぜそこを集約してしまうのか」という声も伺いました。地域懇談会に対する期待やニーズもさまざまであることを改めて実感したところです。

こうしたニーズがあるのであれば、地域懇談会が郷単位に再編されたとしても、住民の受け止めは従来どおりの「地域要望の場」である場合もあり得ると感じています。その意味では、経過措置的に、これまでの認識を持った方々が一定程度いらしても、それはそれでいいのではないかと思います。

とはいえ、市民参加のまちづくりを進めていくためには、幅広い年代が参加し、全市的な課題について活発に議論する場もまた必要だと考えます。そこで、地域懇談会とは別に、より充実した意見交換の場を設けるためのアイデアとして、最後に

(2)柏崎市第六次総合計画に関する市長と市民の対話機会の創設について伺います。

地域懇談会以外の市長と市民の対話の場として、令和6(2024)年3月末から4月初旬にかけて開催された「柏崎刈羽原子力発電所再稼働に関する懇談会」がありました。ここでは、市長と市民の方々が直接意見を交わし、多くの方が参加され、非常に活発な議論が展開されたと記憶しております。

また、小中学校再編に関する説明会でも、これは市長部局主催ではないものの、当事者となる若い世代を中心に多様な市民が参加し、それぞれの意見を述べられています。このことから、市民にとって当事者意識の高いテーマであれば、主体的な意見表明と双方向の対話が成立しやすいことが確認できます。

一方で、今年度の地域懇談会では、市長から柏崎市第六次総合計画の方向性が示されましたが、この総合計画は市の最上位計画であるにもかかわらず、市民の関心や認知度が必ずしも高くないという課題も見えてきました。

中学校区から郷単位への再編により、地域懇談会の開催回数が減った分、この総合計画を市民の暮らしに関わるテーマとして理解していただくこと、そして市民がまちづくりの当事者であるとの意識を高めるための新たな対話機会が必要ではないかと考えます。

そこで、関心を持ちやすい具体的な施策をテーマに、市長と市民が双方向で議論を深める場となる新しい対話機会の創設について質問いたします。
市政に対する市民理解を深め、まちづくりの当事者意識を醸成するために、市長と市民が双方向に議論できる、仮称「柏崎市第六次総合計画タウンミーティング」のような新たな対話の場を設けることについて、見解をお聞かせください。

【市長】

柏崎市第六次総合計画に関する市長と市民の皆様との対話機会の創設についてお答え申し上げます。

近藤議員のおっしゃるとおり、今年度の地域懇談会では、冒頭に今後の市の人口の見通しとともに、第六次総合計画(案)について説明をさせていただき、新たな計画の基本理念や目指す将来都市像、前期基本計画の重点戦略などを示したところでございます。

率直に申し上げますと、住民の方々の関心は残念ながら高いとは言えませんでした。「ああ、そうですか」という程度の受け止めであったと感じております。

次年度からは、新たな総合計画に基づいて各種施策を進めていきますが、総合計画審議会における進行管理などを通じて、市民の皆さんの声を施策の展開に生かしてまいります。市民の皆さんとの対話機会の創出に関しては、近藤議員からご提案があったように、具体的で身近なテーマを設定していくことが一つの方法であると考えます。

ご指摘のあった学校統合の問題や原発の問題は、賛否が分かれるテーマではありますが、その分、議論が生まれやすいテーマでもあります。本市においては、こうした議論を避けることなく、教育委員会も含めて丁寧に行ってきました。原子力発電所に関しても、地域で22カ所、500人以上の方々と、私自身が直接意見交換をさせていただきました。これは国のエネルギー政策を進める上で、住民の方々と直接対話を重ねている自治体として、柏崎市の誇りであると考えています。

かつてプルサーマル計画に関する住民投票の議論があった際、極端な例として「市民税を倍にして高齢者施設を無料にする案」と「市民税を半分にする代わりに高齢者福祉を自己負担とする案」を示し、負担と公的サービスの関係を自分事として考えていただく、という話をしたことがあります。このように、選択肢を示しながら市民に自らの暮らしと市政の関係を考えていただくことも、対話機会の一つの形だと考えます。

今後、いかに市民の皆さんが身近に市政を考えていただけるか、そのためにどのようなテーマを設定すればよいのかを含め、タウンミーティングのような新たな対話機会のあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。

【近藤】

ご答弁の中で、「活発な議論には賛否がつきもの」であるとのお話がありましたが、確かにそのとおりだと感じます。ただ、人口減少が進む時代においては、行政だけでも、市民だけでもなく、市民と行政が一体となって市政を進めていく必要性が、これまで以上に高まっていると考えます。

そうした意味でも、市民の皆様とともに考える機会として、新たなタウンミーティング的な場の創設を、ぜひ前向きに検討していただきたいと申し上げ、今回の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

2025年12月12日 (金)

令和7年12月一般質問2「食物アレルギー対応から見る子どもを取り巻く環境の充実」

令和7年12月10日に行った一般質問の続きです。

柏崎市議会 映像配信 2025.12.10

Img_4137

次の質問2 食物アレルギー対応から見る子どもを取り巻く環境の充実 に移ります。

(1)食物アレルギー対応の実効性確保と支援体制の強化では、まず柏崎市立の小中学校・保育園における対応の実効性と職員支援について伺います。

食物アレルギーとは、免疫が特定の食べ物を誤って敵と認識し、過剰に反応してしまう状態です。特に乳幼児期から学童期に多い即時型アレルギーでは、食後数分から30分ほどでじんましんやかゆみ、呼吸困難、血圧低下、意識の低下などの症状が現れます。症状が全身に広がればアナフィラキシーとなり、命に危険が及びます。

その進行を食い止め、救急につなぐ応急処置が自己注射薬エピペンですが、使用が遅れれば急速に重症化し、後遺症を残すことや、まれに命を落とすこともあります。子どもの多くが集団の場で生活する中、食物アレルギーは重大な安全課題であり、周囲の大人が危険を未然に防ぎ、子どもの命を守るための配慮と責任が求められています。

国では学校や保育現場向けのガイドラインを示し、各自治体がマニュアルを整備していますが、それでも全国では事故が後を絶たず、近年では上越市の小学校や認定こども園でも連続して事故が発生しています。

柏崎市に目を向けると、今年度、食物アレルギーへの配慮を必要とする小中学生は4,792人中117人で、率にして2.44%、そのうち31人がエピペンを所有し、原因食品は20品目以上に上っています。なお、通常給食を食べたり、お弁当を持ってきたりして対応している食物アレルギーを持つ児童生徒も80人以上いると伺っています。一方、市立保育園では594人中26人、4.4%の園児が日常的な管理の対象となっています。

市立小中学校および保育園では、国・県の指針に基づいた詳細な対応マニュアルが整備され、個別の配慮や緊急時の対応まで丁寧にまとめられていることを確認しています。しかし、学校や保育の現場は日々多忙を極めており、マニュアルが細かく厳密になるほど、実際の運用に漏れが生じたり、職員に過度な負担や緊張がかかったりする側面もあります。

特に誤食防止や緊急対応には高度な知識と細心の注意が求められることから、マニュアルを確実に実行し、子どもの安全を守りながらも職員の負担を軽減できる仕組みや、組織的な支援体制の強化が重要だと考えます。

そこで質問いたします。
市立小中学校および市立保育園における食物アレルギー対応マニュアルの遵守状況および現場職員の負担軽減に向けた研修・支援体制の現状と課題についてお聞かせください。

【子ども未来部長】

市立学校・保育園における対応の実効性と職員支援につきまして、お答えいたします。

まず、食物アレルギー対応マニュアルの遵守についてです。小中学校におきましては、学校ごとに研修・訓練を定期的に行い、マニュアルの理解と、いざという時の備えを進めております。保育園では給食提供時に保育士と調理員がマニュアルに沿った確認方法を徹底しており、その対応については保育監が職員とともに実際に園を巡回して確認を行っております。

また、アナフィラキシーショックへの対応としてエピペン注射を使用することに不安の声もあることから、現在、教育委員会と保育課が連携し、学校・保育園などの職員を対象に、医師の実演を交えた研修を行い、マニュアルの遵守に努めているところでございます。

次に、職員支援についてです。現場で対応にあたる職員が大きな責任を担っていることから、過度な負担とならないよう、マニュアルにより職員の役割を明確にするとともに、組織的な対応を行うことで負担の軽減を図っております。

食物アレルギー対応につきましては、アレルゲンが多岐にわたり個人差もあること、また研究が日々進展していることに鑑み、マニュアルの改定や継続した研修会の実施を通じて、現場で対応する職員や関係機関との連携をより一層強化して取り組んでまいりたいと考えております。

【近藤】

今ほどご答弁の中で、マニュアル遵守状況と職員支援について伺いました。この職員の中に、特に学校給食を担う栄養士の方々は含まれているのでしょうか。

実際に学校栄養職員や栄養教諭の方々は、給食管理や食育指導など多岐にわたる業務を担う中で、食物アレルギー対応マニュアルの整備が進むほど対応の重さや確認作業が増え、負担感が大きくなっていると伺っています。また、いつ食物アレルギー事故が起こってもおかしくないような、ギリギリの状況が生じているというお話も伺っています。

教育現場では教員の働き方改革や負担軽減に向けた取り組みが進められていると承知していますが、栄養教諭や学校栄養職員の負担軽減についてはどのようにお考えでしょうか。再質問させていただきます。

【教育長】

それでは、近藤議員からの、食物アレルギー、特にエピペン対応等について、栄養教諭等に過剰な負担がかかっていないかというご質問にお答えいたします。

各学校においては、エピペンを所有するような、重症化しやすいお子さんがいらっしゃる場合、年度初め、原則として学校が始まる前に、かかりつけ医から直接来校いただく、あるいはオンライン等を通じて、管理職、担任、養護教諭、栄養職員を含む全職員を対象とした研修会を必ず行うことになっております。

食物アレルギーへの対応については、子どもたちをお預かりする以上、それ相応の責任をもってあたる必要があると考えております。柏崎市内の職員も、そうした意識で臨んでいるものと考えています。なお、取り扱い等については、しっかりとしたマニュアルにより、学級担任や管理職、養護教諭が不在であっても対応できるよう、役割分担を明確にし、組織として対応できるようにしております。

【近藤】

今ほど、学校の中では負担を特定の職員に集中させることなく、むしろ共有しながら対応しているとのことでした。学校栄養職員や栄養教諭も、子どもを取り巻く環境を支える重要な一員ですので、現場の声にも耳を傾けながら、マニュアル遵守に向けた適切な支援を引き続きお願いいたします。

 

次に、私立幼児教育・保育施設などにおける対応と市の支援のあり方について伺います。

公立の学校や保育園では、発症予防や緊急対応に関するマニュアルが整備され、研修も行われていますが、私立の保育園、ファミリーサポートセンター、放課後児童クラブ、放課後等デイサービスなど、学校外の場では対応のばらつきが生じやすい状況があるのではないかと危惧しています。

また、次年度からは「こども誰でも通園制度」が本格実施されますが、制度の特性上、初回利用や短時間・不定期利用による情報共有の難しさ、アレルギー除去食や代替食の提供に即応するのが難しいといった課題もあるのではないかと懸念しています。

食物アレルギーは発生場所にかかわらず、未然防止策と発症後の適切な初期対応が不可欠です。そのため、市としても学校・公立保育園で蓄積された知見を他の機関と共有し、子どもを守る仕組みを構築することが必要と考えます。

そこで質問いたします。
私立の幼児教育・保育施設、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、ファミリーサポートセンター、また次年度からの「こども誰でも通園制度」における食物アレルギー対応の状況と、市としての関わりについてお聞かせください。

【子ども未来部長】

私立の幼児教育・保育施設における対応と市の支援のあり方につきまして、お答えいたします。

まず、私立保育園においては、公立保育園と同様に食物アレルギー対応マニュアルを整備し、これに基づき対応を行っております。認定こども園・幼稚園につきましては、園が業務委託している民間業者の作業マニュアルに沿って適切に管理されており、市としても国の通知に基づき最新の関連情報を周知するとともに、必要時には個別相談への対応を行っているところでございます。

また、「こども誰でも通園制度」については、一時預かりと同様の対応を行っており、アレルギーのあるお子さんにつきましては、弁当・飲み物およびおやつの持参をお願いしております。

放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、ファミリーサポートセンターにおきましては、利用契約時に保護者から食物アレルギーの有無を確認し、必要な対応については事業者間で協議を行っております。各施設では、それぞれのマニュアルに基づき、おやつの提供時や、一部の放課後等デイサービスでは食事の配膳時に対象者を明確に区分する工夫を行うなど、誤食がないよう細心の注意を払っております。

これに加え、市としても定期的に食物アレルギーに関する研修会を開催し、多くの関係者から参加いただくことで事故防止に努めております。今後も、安全・安心な食事が提供できるよう、引き続き子育て関連施設の実態把握に努め、切れ目なく子どもを守る体制を整えてまいります。

【近藤】

承知いたしました。引き続き、切れ目のない子どもを守る取り組みをお願いいたします。

さて、食物アレルギーに対応した取り組みは、安全面の確保にとどまらず、多様な子どもが排除されることなく学びに参加できる、いわゆるインクルーシブ教育の推進という観点からも重要だと思います。また、子ども自身が自らの体質やアレルギー原因食品を理解し、必要な場面で適切に行動できる力を育むことは、将来の自立にもつながる大切な教育的視点であると考えます。

そこで、(2)食物アレルギー対応を通して育む子どもたちの心の成長について伺います。

食物アレルギーが子どもの集団生活に与える影響として、行事や外食・交流の制限からくる疎外感や孤立感、いじめ・からかい、不安や恐怖、自己肯定感の低下などが、さまざまな調査研究で報告されています。こうした見えにくい困りごとを抱える児童の存在は、食物アレルギー対応が誤食を防ぐ危機管理として重要であると同時に、子どもたちが互いの違いを理解し、思いやりの心を育む教育的な機会であるとも言えます。

例えば、アレルギー事故防止のためにお弁当のおかず交換を禁止するなど、合理的な取り組みを行う学校もあると聞きますが、その背景や意義が十分に共有されていなければ、子どもたちには単なる「禁止」と受け取られかねません。本質である命を守る行動や、互いへの理解と気遣いが正しく伝わり、心の成長につながる対応となっていることが大切だと思います。

また、当事者である食物アレルギーを持つ子どもが、疎外感を抱くことなく、自らの体質を受け止め、安全な食を選択する力を身につけられるよう支援することも大切です。将来の自立につながる自己理解と自己管理の教育という点でも重要な取り組みであると考えます。

そこで質問いたします。
教育現場における食物アレルギー対応が、子どもたちの思いやりの醸成や危機管理意識の育成、さらには当事者の心理的支援や自己理解の促進につながっているのか。見解を伺います。

【教育長】

食物アレルギー対応を通して育む子どもたちの心の成長についてお答えします。

市内の小中学校では、食物アレルギーがある児童生徒について、医師が作成した「学校生活管理指導表」をもとに丁寧にヒアリングを行い、その上で食物アレルギー対応マニュアルに従って事故防止に最善を尽くしております。

また、クラスや関わりのある子どもたちに対しては、当該児童生徒と保護者から了解を得た上で、食物アレルギーへの対応が命を守る重要な取り組みであることと、具体的な対応方法を説明しております。互いの違いを認め合い、思いやりの気持ちを持ちながら、クラス全体で当該児童生徒を支えていくよう指導しているところです。

こうした取り組みの結果、これまで確認できる範囲において、教育委員会に報告されたいじめ事案の中には、食物アレルギーやその対応に起因するものはございません。

一方、食物アレルギーを持つ児童生徒には、常に健康状態についての声かけや確認を行うとともに、自らの体質の受け止めや理解を促し、保護者や教職員、医療・行政機関との情報連携を行うことで、発達段階に応じた自己管理する力を育んでおります。

食物アレルギー対応およびこれに関する教育活動は、その児童生徒の命・安全を守ることが第一であることは言うまでもありませんが、同時に、子どもたちが互いの違いを理解し、思いやりの心を育む大切な機会となっているものと考えております。

【近藤】

今のご答弁から、教育現場においては、食物アレルギーへの対応を思いやりの心を育むことにつなげているとお聞きしました。この「思いやりの心」を地域にも広げていくことが必要だと考えます。

そこで、(3)食物アレルギーへの市民の理解促進と地域展開に向けて伺います。

食物アレルギーを持つ子どもの保護者の方々は、日常の食事管理や誤食への不安に加え、行事や外食などで他の子と同じ経験をさせてあげられないという葛藤を抱えています。また、「少しくらい大丈夫でしょう」といった周囲の無理解や軽視によって、深く傷つくことも少なくありません。

こうした実態を踏まえ、学校や保育園だけではなく、地域全体に食物アレルギーへの理解が広がることが、子どもの安全確保や保護者の心の負担軽減につながると考えます。

現在、重篤化しやすい卵、乳(牛乳・乳製品)、小麦、えび、かに、そば、落花生、くるみの8つの食材は「特定原材料」として加工食品での表示が義務付けられているほか、アーモンド、オレンジ、キウイなど20品目の表示も推奨されています。

市内には飲食を伴うイベントや子ども食堂がありますが、こういった場でアレルギー表示を行うことで、食物アレルギーの子どもが参加しやすくなり、保護者にとっても「配慮されている」という安心感が生まれるのではないかと思います。

さらに、平常時から成分表示やアレルゲン表示が一般化していれば、災害時の炊き出しなどの食支援にも応用できるため、有事における安全な食の提供体制の強化にもつながると考えます。

しかし、必要な情報はインターネット等で調べられても、関心がなければその情報に触れないままの市民も少なくありません。だからこそ、行政によるわかりやすい周知は極めて有効だと考えます。正しい知識や対応方法、当事者の苦労を市民全体で共有できれば、飲食イベントや地域活動の中で小さな協力や配慮が自然と生まれていき、その積み重ねこそが子どもを取り巻く環境の充実につながる地域づくりではないかと思います。

そこで質問いたします。
食物アレルギーやその対応策について市民への啓発を進めるとともに、地域での協力体制や配慮の普及を進めることについて、見解をお聞かせください。

【福祉保健部長】

食物アレルギーへの市民の理解促進などについてのご質問にお答えいたします。

当事者やご家族が安心して日常生活を送れるよう、食物アレルギーに関する理解を促進することは大変重要であり、地域の中で互いに思いやりをもって行動していくことが必要であると認識しております。

一方で、食物アレルギーの原因となるアレルゲンは多岐にわたり、また症状や重症度にも個人差があることから、地域における飲食を伴うイベント等で正確な食品表示を統一的に行っていくことは、現段階では難しいと考えております。誤った表示や不十分な情報が、かえって安全性を損なう可能性もあるため、慎重な対応が必要であると考えます。

なお、市が実施する「歯の健康展」での試食提供では食品表示を行い、口頭でアレルゲンの有無の確認をしております。

また、糖尿病予防教室で食事を提供する際には、事前に書面でアレルゲンの有無を確認し、安全な食の提供に配慮しているところであります。

現時点では、地域行事等における積極的な標準表示の導入を直ちに進めることは困難ではありますが、食物アレルギーについての地域の理解を深めていくことは重要であると考えております。一人ひとりが安心して食に関わることができる地域社会を目指し、まずは関係者の食物アレルギーへの理解促進に取り組んでまいりたいと考えております。

【近藤】

今ほど、表示の一律導入は難しいとのお話でしたが、私の意図としましては、あくまでも自然発生的な取り組みのきっかけとして、まずは啓発、つまり食物アレルギーに対する正しい理解や対応方法が市民の皆さんに広がっていくことが重要だと考えています。

また、災害時との関わりで申し上げたように、備蓄食品としてアレルギー対応食を揃えていても、アレルゲンの種類が多様化する中ですべてに対応することは難しく、アレルギー対応食品だけでまかなうことにも限界があります。炊き出しの場面で「何が入っているか」「何が入っていないか」という表示が一つあるだけでも、当事者が自分で判断し、「これなら食べられるかもしれない」と選択できる助けになります。

そうした意味でも、まずは啓発が大事だと思いますので、正しい知識を市民の皆さんと共有していただきたいとお願いし、次の質問に移らせていただきます。

 

令和7年12月一般質問1「持続可能な医療提供体制を守る戦略的な取組」

令和7年12月10日、一般質問を行いました。

柏崎市議会 映像配信 2025.12.10

以下はその内容です。

Img_4137

【近藤】

おはようございます。会派「明日への希望」の近藤由香里です。
今回の定例会議は、桜井市長が三期目を担われてから一年を迎え、柏崎市第五次総合計画の総括と第六次総合計画の開始に向けた最終局面を迎える重要な時期にあります。市長の公約、そして総合計画が描く本市の将来像を視野に入れ、通告に従い順次質問してまいります。

最初の質問1持続可能な医療提供体制を守る戦略的な取組 について伺います。

医療は人々の命と健康を守る基盤であり、地域の安全・安心を支える最重要の社会インフラであることから、自治体として最優先でその安定確保に取り組むべき分野であると考えます。しかし昨年来、本市医療の中核である柏崎総合医療センターの持続可能性が大きく揺らぐ事態に直面しています。

一年前の12月一般質問では、柏崎総合医療センターの存続に向けた支援のあり方について伺いましたので、その後追いの意味も含めて、まずは(1)柏崎総合医療センター支援の成果と展望についてお聞きします。

柏崎総合医療センターは、母体であるJA新潟厚生連の経営悪化、医療従事者確保の深刻化などにより、厳しい環境に置かれています。
桜井市長は三期目公約の柱として、柏崎総合医療センターを守り、医療をさらに充実させることを掲げ、柏崎市としての財政支援を恒常的・緊急的に行うとともに、医師確保やアクセス改善などの側面的支援も実施してこられました。

令和7(2025)年度は財政支援に加え、新潟大学の寄附講座を活用した産婦人科医師の常勤体制を確保したほか、AI新交通「あいくる」拡充に伴うアクセス改善なども進めています。
その一方で、柏崎市単独で多額の一般財源を投じ続けることには限界があり、国・新潟県への支援拡充要請も行ってきたと承知しています。しかし、新潟県立病院の深刻な赤字が報じられる中で、県による支援がどこまで見込めるのかは不透明です。また、国の2025年度補正予算においては医療分野への大規模な緊急支援を行うとしていますが、持続可能性の観点からは引き続き市の関与が不可欠だと認識しています。

そこで質問いたします。
桜井市長が三期目の筆頭公約として進めてきた柏崎総合医療センターへの経済的支援、側面的支援について、この一年弱の成果と課題をどう評価されているのか。
また、同病院が今後も本市に必要な医療機能を継続的に提供できる見通しはあるのか。
そして、新年度予算を踏まえた柏崎市としての支援の方向性、すなわち継続、拡充、新規の支援といったそのあり方について、見解をお聞かせください。

【市長】

柏崎総合医療センターへの支援についてお答え申し上げます。

本市では今年度、緊急医療や周産期医療、がん治療などを継続するために、1億2,000万円の緊急支援を行い、必要な医療提供体制を維持していただいているところでございます。
また、寄附講座の開設により、新潟大学から産婦人科医師の派遣を受け、現在は充実した人員のもとで診療・分娩に対応していただいております。
さらに、柏崎総合医療センターと新潟大学との連携により「女性ウェルネス外来」が開設され、市内でより専門的な診療を受けられる体制が整ったところでございます。

一方、柏崎総合医療センターの運営母体でありますJA新潟厚生連の経営改善が喫緊の課題であります。議員からご指摘をいただいた通り、就任直後から今日に至るまで、この問題の健全化に取り組んできたところであります。同時に、新潟県と連携をとるべく、JA新潟厚生連の六つの病院を有する市、柏崎市を含む六市と連携しながら、県に対して支援を求めてきたところであります。

当然のことながら、JA新潟厚生連自身に一番大きな責任があるわけでございますので、その経営改善に対しても、しっかりと取り組むよう求めてきたところであります。
昨年、JA新潟厚生連は緊急的な経営改革を進め、令和7(2025)年度から令和9(2027)年度までの中期経営計画を策定し、県や市の財政支援を得て、今年度の資金ショートは回避したところであります。

しかしながら依然として経営状況は厳しく、地域医療連携推進協議会を構成する六市では、令和9(2027)年度までは協調した支援が必要であるとの認識で一致しております。
新潟県に対しても、令和9(2027)年度までは継続して支援していただけるよう、現在、地域医療連携推進協議会で交渉をしているところでございます。これは現在進行形であり、県からなかなか確約をいただけない状況でございます。

また、持続可能な医療提供体制を整備するためには、医療需要の変化に応じた病院の機能分化や集約を早急に進めることが求められます。新潟県が現在、中越圏域の医療需要実態を調査分析しており、その結果に基づき病院再編協議が進むものと考えております。その上で、柏崎総合医療センターが市民に必要な医療機能を維持できるよう、県と連携しながら必要な支援を行ってまいります。

最後になりますが、新年度予算では、今年度と同様の緊急支援を引き続き行い、地域医療提供体制を維持してまいりたいと考えております。

【近藤】

ご答弁の中で、支援については今後も継続、次年度も継続の方向性であると伺いました。その成果について、少し深掘りさせていただきたいと思います。2点伺います。

まず1点目は分娩に関することです。もともと柏崎総合医療センターを守っていくという中で、お産ができる環境を守ることが大きな意味合いを持っていました。分娩をやめる医療機関は十日町などでも見られる中で、産婦人科の診療が継続できる意義は大きいと考えます。そこで、今回の支援を行ったことにより、出産数の変化があったのかどうか、これが1点目です。

もう1点は、病院側の自助努力についてです。経営改善だけではなく、接遇面での改善なども行ってきたと伺っていますが、その点についてどのように把握されているのか。市民の反応として「総合医療センターが変わったね」という声が聞かれているのか。この2点についてお願いいたします。

【市長】

再質問をいただきました。順にお答えいたします。

まず1点目でございますが、残念ながら分娩数は昨年に比べ、今年10月末現在、11月現在でさらに減っております。つまり、体制が整ったからといって分娩数が増えたという実態はないところでございます。これは事実であり、残念に思っております。

ただ一方で、新潟県内には20の市がありますが、そのうち、自分の市で赤ちゃんを産むことができない市が7〜8市あるはずでございます。そうした中で、人口7万5,000人の柏崎市において、自分の市、まちで赤ちゃんを産むことができる体制を維持していることは、大きな意義があると考えております。

2点目のご質問ですが、これは厚生連全体の話であり、柏崎総合医療センターだけの問題ではありませんが、人件費を抑えるべく、具体的には賞与、いわゆるボーナスの見直しを行っているところであります。新潟県立病院における人件費の問題も課題となっているようですが、厚生連はまさに身を切る改革を行っているところでございます。

その結果、市民の皆さんから「厚生連、柏崎総合医療センターは頑張っているね」という声がどれほど届いているかについては、私自身、はっきりと自信を持ってお答えできる状況ではありません。しかし、実際に病院側が努力していること、そして議会の理解をいただきながら、多額の公費を柏崎市として大事な病院のために投じ、分娩体制のみならず柏崎の中核的な医療拠点を守るという政策展開を行っていることは、ご理解いただいているものと思います。

【近藤】

今ほど成果という点でお聞きしました。
柏崎総合医療センターは医療の中核としての役割に加え、災害医療の要としての役割も担っています。現在、新潟県議会において柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する議論が本格化しており、一昨日12月8日の青森県沖の地震をはじめ、各地で災害が相次いでいます。こうした状況を踏まえ、災害時であっても本市の医療提供体制を確実に維持できるのか、その備えを改めて共有する必要があると思います。

そこで、(2)災害医療体制の現状と展望 について伺います。

新潟県地域防災計画並びに柏崎市地域防災計画において、柏崎総合医療センターは新潟県指定の「災害拠点病院」、また原子力防災における「原子力災害医療協力機関」として位置付けられています。災害拠点病院は一般災害時の緊急医療の中核を担い、原子力災害医療協力機関は、被ばく者の初期医療、除染、放射線影響の評価など、高度かつ専門的な役割を果たすものと認識しています。

また、同病院の災害派遣医療チーム、通称「柏崎DMAT」は、平成24年の発足以来、柏崎市消防本部との緊密な連携のもと、市内外の災害医療に大きく貢献してきました。同病院のホームページでは、平成30年北海道胆振東部地震、令和6年能登半島地震での被災地支援の様子が紹介されています。さらに、同病院の公式インスタグラムでは、今年10月に実施された新潟県原子力防災訓練に際し、院内に対策本部を設置したこと、また被ばく患者受け入れを想定して救急外来や除染室の養生を行ったことなどが発信されており、平時からの備えが着実に進められていることがうかがえます。

しかしその一方で、先ほど市長もご答弁されたように、近年の経営改善による人件費削減等が、同病院の災害対応機能に影響を及ぼすのではないかと懸念しています。頻発する災害に加え、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が現実味を帯びる中で、柏崎総合医療センターを軸とした災害医療体制の一層の強化は喫緊の課題であると考えます。

そこで質問いたします。
柏崎市地域防災計画に基づく災害時の医療体制の現状と課題をどのように認識しているか。
また、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を見据え、柏崎総合医療センターの原子力災害対応機能の維持・強化を今後どのように進めていくのか。
さらには、複合災害に対応可能な医療拠点としての機能確保、広域的な医療支援の充実に向けて、国・県に対してどのように働きかけていくのか。見解をお聞かせください。

【市長】

災害医療体制の現状と展望についてお答え申し上げます。

柏崎総合医療センターは、自然災害時には24時間体制で傷病者の受け入れを行う災害医療救護の拠点となり、原子力災害時には被ばく傷病者の初期診療および緊急診療を行う協力機関となっております。

柏崎総合医療センターでは防災委員会を運営し、中越沖地震の経験を踏まえて福島県内の病院への視察や訓練を重ねるなど、災害対応力の向上に取り組んでいるところでございます。去る10月23日の新潟県原子力防災訓練では、被ばく傷病者の受け入れ訓練を行い、資機材の使用や受け入れ体制の改善の必要性が確認されたところであります。

 

一方で、病院だけでは容易に対応できないこともあり、災害対応に必要な設備の更新が大きな負担となっていること、また災害医療に従事する要員の確保や育成が課題であると認識しております。

原子力災害対応につきましては、県が国や医療機関等と連携し、広域的な原子力災害医療体制の構築に取り組んでおります。現在、国は屋内退避下での診療継続体制の構築に取り組む島根県松江市の松江赤十字病院をモデルケースとして支援し、その取り組み成果を全国の関係医療機関と共有することとしております。これにより、柏崎総合医療センターにおいても防災体制の一層の強化が期待されるところであります。

ちなみに、この松江赤十字病院をモデルケースとしたBCP(事業継続計画)の策定に関しましては、柏崎にもお越しいただいた福島県立医科大学の坪倉先生のご協力もいただきながら、この計画を進めていると承知しております。

複合災害時には、通常の災害医療に加え放射線対応が必要となることから、より専門的な診療が求められますが、柏崎総合医療センターが受け入れ可能な患者数や対応可能な症状には限りがあります。そのため、広域医療支援や広域搬送が確実に機能することが不可欠であります。

本市といたしましては、柏崎総合医療センターと連携し、地域の状況や課題を的確に国や県に伝え、災害時に確実に機能する医療体制を構築するよう求めてまいります。

【近藤】

今ほどご答弁いただいたように、しっかりとした医療の連携体制が確保されているとは思いますが、だからこそ柏崎総合医療センターを守る価値、守る意味があると考えます。その点も含め、経済的な部分も含めて、しっかりとした支援を引き続き国や県に要望し続けていただきたいと思います。

さて、医療提供体制の確保は、行政や医療機関だけで完結するものではなく、患者でもある市民の理解・納得、そして協力があってこそ、持続可能な仕組みとして機能すると考えます。そのため、市が進める医療施策について、市民がどのように理解し、受け止めているのかを適切に把握しながら展開していくことは、地域の安全・安心を支える上で極めて重要です。

そこで、本項目の最後に(3)市民ニーズ・理解度の分析と今後の施策展開 について伺います。

昨年7月に実施された「柏崎市まちづくりに関する市民アンケート」では、医療分野での満足度が34.1%、不満度が54.0%と厳しい評価となりました。医療提供体制の確保は市民の安全・安心につながる継続的な最重要課題であり、柏崎市はこれまでも多額の予算を投じてきました。にもかかわらず、市民満足度が低いということは残念であり、また見過ごせない課題だと感じます。

本市は次期総合計画においても、主要施策として「持続可能な医療提供体制の確保」を掲げていますが、施策の効果を上げるには、市民が何に満足し、何に不満を持つのか、またその背景を適切に把握し、取り組みの優先度に反映させるべきだと考えます。また、かかりつけ医の推奨や「医療・介護ガイドブック」の全戸配布など、これまで本市が行ってきた地域医療に関する啓発が、実際に市民の行動変容につながっているのかを検証し、施策改善に生かす視点も必要だと思います。

そこで質問いたします。
医療分野の不満度が高かった「柏崎市まちづくりに関する市民アンケート」の結果をどのように分析し、施策に反映させているのか。
また、かかりつけ医の推奨をはじめ、市が行ってきた地域医療に関する啓発が、市民の理解促進や行動変容にどの程度つながっていると評価しているのか。
そして今後、改めて市民の理解度やニーズを調査し、施策改善に生かす考えがあるのか。以上、お聞かせください。

【市長】

市民の皆様からの声をどのように政策として生かしていくかというご質問でございます。

市民アンケートでは、医療機関や医療体制の充実に対し「不満」「どちらかといえば不満」と回答した人が54%と、不満度が過半数を占める高い結果となりました。自由記載の意見を見ますと、「病院の選択肢が少ない」「高度な医療が受けられない」「病院を増やしてほしい」「市内で治療を受けられず市外に搬送される」などの声があり、本市の医療提供体制を不十分と感じている方が多いのだと捉えています。これは先般の原子力発電所に関する県民意識調査と同じように、市民の率直な声であると思っております。

しかし一方で、柏崎市の医療体制は他市と比べても一定の水準にあることは、やはり申し上げるべきだと考えております。すべての医療を柏崎市内で完結させることは難しいという現実、市民の皆さんにもよく考えていただきたいということを、これまでもお伝えしてきましたし、今後も申し上げていくつもりです。

本市としては、医療体制の充実を図るべく、病院の医療機器や施設整備に対する補助や、診療所開設の支援を行っていますが、物価高騰や患者数減少に伴う経営収支の悪化、さらには医療人材の不足や高齢化により、医療機関は非常に厳しい状況にあり、現在の医療体制を維持することも容易ではないのが実情です。そのため、医療機関に過度の負担をかけない適切な医療のかかり方を、市民の皆様に啓発しているところでございます。

今回のアンケート結果からは、こうした理解が十分には進んでいないことが推察されます。まず、市民の皆様には、医師や看護師が不足している中、限られた人員で懸命に医療を提供している医療機関の厳しい実情を理解していただくことが重要です。その上で、今ある医療体制を守るために、どのように医療と関わることができるのかを考えるとともに、今後の病院再編を見据えた地域医療のあり方への理解を深める機会を提供する啓発事業に力を入れてまいりたいと考えております。

また、医療体制の整備にあたっては、少子高齢化による医療需要の変化や医療利用データなどから客観的に判断することが大切です。その上で、医療との適切な付き合い方を啓発する「医療・介護ガイドブック」を活用した出前講座の開催時に理解度を調査しており、あわせて医療に対する市民ニーズの調査を行い、その結果を参考にしながら医療施策を効果的に展開してまいりたいと考えております。

【近藤】

市や医療機関の皆さんのご努力について伺いました。私自身、市外の病院で高度な医療を受けた後、経過観察も含めて市内の病院に転院し、その対応が非常に温かく感謝しているというお声も聞いております。また、市内で分娩できる自治体がかなり減っている実態も踏まえれば、啓発とセットで現状を知っていただいた上で、それでもなお不満なのかどうかを市民と一緒に考えていくことが大切だと感じます。

冒頭でも申し上げたように、医療は大切な社会インフラであり、ライフラインでもあると思います。あって当然、失ってから不便さに気づくのではなく、使う側も感謝とともに大切に利用し、持続可能なものにしていけるよう、私も呼びかけていきたいと思います。

 

2025年11月14日 (金)

予算決算常任委員会運営会議 行政視察

令和7年11月13~14日、柏崎市議会 予算決算常任委員会運営会議で、埼玉県北本市議会、東京都多摩市議会を視察しました。
予算決算常任委員会は、議長を除く21人の議員で構成され、総務・文教厚生・産業建設分科会(委員会と同じメンバー)で担当する部ごとに審査を行います。
運営会議は副議長を委員長とし、正副分科会長、各会派の代表によって構成されています。

 

埼玉県北本市議会
「予算決算常任委員会の運営について」

Dsc_8167

北本市は予算決算常任委員会の設置にあたり、地方自治法の「議案不可分の法則」を踏まえ、計8回にわたり協議を重ねています。予算決算常任委員会全体会を議場で行う点が特徴的です。

総括質疑を会派代表が行い、分科会での意見集約は最小限としつつ、審査結果の透明性確保に努めています。

また、審査資料の事前共有や行政報告書・事業評価書の公開、ロゴチャットの活用など、情報公開と審査環境の整備に積極的であると感じました。

一方で、審査結果が翌年度以降の政策に十分反映されにくいことや、議員間討議が試行段階にある点など、運営面での課題も教えていただきました。

予算決算常任委員会全体会の採決日に各部長が出席する点や、総括質疑には時に市長が答弁する点は柏崎市と異なるものの、議会における議論の過程を当局と共有する機会としては興味深いものでした。柏崎市議会における委員会運営の参考にしたいと思います。

 

◆東京都多摩市議会
「予算・決算審査の連動について」

Dsc_8173

多摩市議会では、「議会の評価」を議会基本条例に明記し、平成17年頃から施策・事業評価に取り組み、予算・決算審査の連動による政策形成サイクルについて学ぶことができました。

市民への説明責任を果たせるよう、事業カルテを含めて情報公開を徹底している点も印象的でした。

評価対象事業を分科会で選定し、議会として統一見解を示した上で市長に回答を求めている点は柏崎市と共通しますが、そこに至る過程で勉強会を重ね、施策・事務事業に対して当局と共通認識を持ちながら進めている点が特徴的です。

予算を削るためではなく、むしろ必要な事業に適切な財源を配分する観点を重視している点も興味深い取組みでした。

議会の評価を翌年度予算へ反映するにあたり、不交付団体としての制約はあるものの、議会と当局の連携は良好で、事前協議が予算化の後押しになるケースもあると思います。また、監査委員との意見交換も行われ、内部評価・監査・財政のチェックを経て事業カルテを確定するプロセスは透明性が高いと思感じます。

全体として、議会主導で政策形成サイクルを回す体制づくりに着実に取り組んでおり、柏崎市議会の予算・決算審査や事業評価の高度化を考える上で参考にしたいと思います。

それぞれの視察先でご対応いただいた皆様、ありがとうございました。

 

2025年11月12日 (水)

【会派視察】三島市 スマートウェルネスみしま(健幸都市づくり)

令和7年11月12日、会派「明日への希望」で三島市を視察しました。

Line_album_20251112_251117_3

◆三島市スマートウェルネスみしま(健幸都市づくり)

三島市では「健幸(けんこう)都市」の実現を軸に、市民協働と民間連携を重視した総合的なまちづくりを進めています。

「スマートウェルネスみしま」の理念の下、歩きたくなる環境整備、花や緑に包まれた“ガーデンシティ”の形成、地域の絆づくりを総合計画に位置付け、市民と行政が共にまちを育てる姿勢が一貫しています。

特に、道路行政と健康施策を結びつけた歩車共存道の整備、楽寿園を中心とした回遊性向上策、花壇の手入れを市民・企業が担う仕組みなど、日常の行動変容を促す仕掛けが随所にみられました。

また、健幸マイレージやKENPOSアプリにより、市民の健康行動にポイントを付与し、若い世代の参加を拡大させている点も印象的です。

一方、無関心層の取り込みにも力を入れ、親子を起点としたスポーツ支援や、3人一組で脂肪減量を競う「脂肪燃えるんピック」など、楽しさと仲間づくりを組み合わせた施策が成果につながっています。

さらに、女性特有の健康課題へ着目し、健康リテラシー向上や企業への健康経営の横展開にも取り組んでいます。

地域保健係の新設による地区担当制への移行、市民主体のコミュニティ形成支援、企業・NPOとの協働など、行政だけに頼らない“共につくる”仕組みは人口減少時代の自治体にとって大きな示唆を与えるものであり、柏崎市の施策においても参考になると感じました。

Line_album_20251112_251117_2

午後からは市内を視察しました。

Dsc_8079

三島市では複数のウォーキングコースを設定し、市民の健康(幸)づくり及び観光の大きな目玉にしています。
「街中がせせらぎコース」を中心に歩きながら市内の様子を観察しました。

かつてはドブ川だったという源兵衛川は美しく整備され、川の中にある木や石でできた散策路を通って、せせらぎの音を聞きながら歩くことができました。

Dsc_8117

Dsc_8122

国の天然記念物および名勝に指定されている三島市立公園「楽寿園」も美しく整備され、広い敷地内はウォーキングコースにもなっています。
園内にある県・市指定の文化財「楽寿館」では、定時に開館してガイド付きで観覧でき、「どうぶつ広場」や「のりもの広場」など、子どもから大人まで楽しめます。健幸都市を象徴する心地良い地域資源として管理されていました。

Dsc_8126 

Dsc_8129

Dsc_8148

市民や来訪者が心身の健康を保ち、心地よく過ごせるまちづくりを徹底していることをあらためて実感でき、非常に有意義な機会でした。

2日間を通して充実した視察となりました。

ご対応いただいた沼津市および三島市の皆様、ありがとうございました。

2025年11月11日 (火)

【会派視察】沼津市リノベーションまちづくり/沼津港における防災×観光の融合

令和7年11月11日、会派「明日への希望」で沼津市を視察しました。

◆沼津市リノベーションまちづくり

Line_album_251111_251117_1

沼津市のリノベーションまちづくりは、人口減少や若年層流出が進む中で、従来の「行政主導・市民参加型」から「民間主導・公民連携型」への転換を図った取り組みです。

平成27年度の導入以降、空き家・空き店舗の活用を目的化せず、まちの価値向上やコミュニティ再生を狙いとした“まちの将来像づくり”を前提に進めており、遊休不動産を活用した小規模事業は初期投資が抑えられ、スピード感と収益性を兼ね備えています。

Dsc_8041

Dsc_8042


庁内では37名による横断的な公民連携体制を構築し、民間の挑戦を後押しするワンストップ窓口を整備しています。
リノベーションスクールやまち歩きを通じてオーナーやプレイヤーを掘り起こし、家守(エリアコーディネーター)を育成するなど、行政が「着火点」として後方支援に徹する姿勢が一貫しています。

その結果、商店街での新たな用途創出、川沿い空間の活性化、公共不動産の利活用、地域メディアや定期マーケットの誕生など、複数のエリアで連鎖的な変化が生まれています。


補助金に依存せず、金融機関と連携したファンドや企業版リノベーションスクールによって、地域企業が主体的にまちづくりに関与する流れが形成されつつある点も参考になりました。
柏崎市においても、民間の力を引き出し、地域の資源を再編集する仕組みづくりを進められるよう働きかけたいと思います。

******************

◆沼津港における防災×観光の融合

沼津港大型展望水門「びゅうお」は、津波防災機能を持つ大規模水門を展望施設として活用し、防災と観光を高い次元で両立させている点が大きな特徴です。
港湾地域を津波から守る防潮施設として整備されたもので、地震時には自動制御により港内への津波流入を防ぐ要となっています。

Dsc_8030
その一方で、平時には一般開放し、360度のパノラマや夜間ライトアップにより観光客を呼び込み、周辺の深海水族館や飲食施設とあわせて年間50万人規模の集客を生み出しているそうです。

Dsc_8015

防災インフラを都市の魅力づくりに転換した成功例であり、防災施設を「見せる」「体験できる」形にしたことで、市民の防災意識向上や子ども向けの防災教育にもつながっている点は、単なる観光活性化にとどまらない価値を感じました。
行政が維持管理を担いながら、観光収入や民間連携で一部を賄う運営手法も、持続性の観点から参考になります。

Line_album_251111_251117_3

柏崎市においても、原子力災害や地震・津波への備えが重要課題である中、既存の防災施設や避難インフラを、学習・観光・体験プログラムとして有効活用する可能性は大きく、例えば、防災×地域産業×ツーリズムを組み合わせた周遊企画など、危機対応力の高さを「まちの魅力」として発信する視点は、地域の理解醸成にも寄与すると思います。

防災とまちづくりを一体で考える重要性を改めて認識しました。

 

2025年10月30日 (木)

総務常任委員会 行政視察

10月28~30日、柏崎市議会 総務常任委員会の行政視察で兵庫県の3自治体にお世話になりました。

以下はその内容です。

姫路市
姫路版ライフ・デジタル戦略について 
官民データ活用推進計画について

6118

姫路市はDX推進の先進自治体として全国的に注目されており、今回の視察では、令和12(2030)年度の将来像の実現に向け、全庁的かつ戦略的にデジタル化を推進している姿を確認しました。

スマートシティ事業では「切れ目のない子育て支援」を重点に掲げ、子どもの成長段階に応じたデジタル支援を行い、母子健康手帳アプリや乳幼児健診・小児予防接種のデジタル化を通じて、保護者への情報提供や相談支援も含めた包括的な体制を整えています。

一方、高齢者などデジタルに不慣れな層への支援も重視し、学習支援やサポート窓口の充実によりデジタル・ディバイドの解消に取り組んでいます。

少子化対策や移住・定住施策など重要政策の推進にデジタル技術を活用し、市民サービスの質の向上と市民福祉の増進を図る姿勢が印象的でした。


推進体制では、デジタル人材の育成を体系的に進め、課題に応じたタスクフォースの編成やモデル化により事業効果を検証し、改善に活かしています。

人口規模や財政状況は異なるものの、柏崎市と共通する課題や方向性を学ぶことができました。

6120

尚、姫路市では合間に「白鷺城」こと姫路城の外観を眺めることができました。とても美しいお城でした。

Dsc_7806

Dsc_7809

 

たつの市
公共建築物再編実施計画について

6122

たつの市は柏崎市とほぼ同規模の人口を有し、市町合併により公共施設が増加・重複している点や、人口減少・少子高齢化の進行など、共通する課題を抱えています。

同市では、庁舎・学校・公民館などの公共建築物に特化した「公共建築物再編実施計画」に基づき、施設の縮減を着実に進めています。

同計画では、施設保有量の縮減目標に加え、更新費用総額や目標使用年数を具体的な数値で示し、対象建築物のデータを一覧化することで、優先度や取扱い方針を明確化している点が特徴的です。

公共施設の再編は「総論賛成・各論反対」となる傾向があり、地域住民の反発が予想されますが、担当職員が熱意をもって丁寧に対話を重ね、理解と納得を得ながら事業を推進している姿が印象に残りました。

また、民間への譲渡や貸付、売却に際しては、事前準備を綿密に行い、市および住民双方にとってメリットがあり、安心して任せられる相手となるよう選別していることも印象に残りました。

柏崎市でも今後の公共施設等総合管理計画の改定において、各施設の現状や方向性を明確に示し、市民の理解を得ながら、実効性ある再編を進めることが必要だと思います。

6123

高砂市
公共施設の適正管理について

 6125

高砂市では令和3(2021)年度に竣工した市役所新庁舎の建設(現地立替)により、旧庁舎や分散していた施設の機能が集約されました。
このことが「複数施設の統合による維持管理費の圧縮」という方針のモデルケースとなり、その後の学校・公民館・福祉施設の統廃合や更新判断に大きな影響を与えていると理解しました。

さらに、公共施設適正化のアクションプラン「高砂市公共施設全体最適化計画」では、財政計画と連動しながら、俯瞰的・将来的視点から真に必要な施設を見極め、個別施設カルテの公表とあわせて市民の理解や協力を求めている点が印象的でした。

同計画には「拡大の時代から縮充の時代へ」というコピーが付され、「縮充」とは「施設を縮減しつつ地域活動や市民生活の充実を図ることを意味する」と説明されています。

公共施設維持費を市民サービスに振り向けるという考え方を市民と共有することが、今後の適正化の鍵になると感じます。

柏崎市が今後改定する公共施設等総合管理計画、整備予定のアクションプランにおいても、「縮充」の理念が盛り込まれるよう働きかけたいと思います。

6124

移動も含めて3日間の視察は大変有意義でした。学んだことを今後の議会活動に反映させたいと思います。

ご対応いただいた皆様、ありがとうございました。

 

«令和7年9月一般質問3「時代に即した選挙管理の在り方」

最近のトラックバック

2026年1月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ