2022年1月18日 (火)

柏崎市立小・中学校の学区再編方針

令和4年1月17日、所属する文教厚生常任委員協議会において、柏崎市立小・中学校の学区再編方針が示されました。
広報かしわざき2月号に記事を掲載、また同日から関係校に対する説明がスタートするタイミングとなります。

以下はその内容(メモ)です。

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◆これまでの経緯

令和3年2月
総合教育会議において今後の児童生徒数が著しく減少することが報告された。
(過去5年で487名減少。2016~2026年度の10年間での児童生徒減少見込みが1986人=約29%)

3月
市長定例記者会見で「急速な子どもの減少を踏まえ、児童生徒にとって望ましい学習環境を提供することを第一に考え、適正な学校規模や学区の在り方を早急に検討していく。」とし、今後の取組として次の4項目を行うことが発表された。

(1)学区等審議会の立ち上げを視野に入れながら、教育委員会内に統廃合や学区の見直しを検討するプロジェクトチームを立ち上げる。
(2)市民などへの周知方法を検討する。
(3)中学校の部活動の拠点化に引き続き取り組んでいく。
(4)上記事項を踏まえ、学校統廃合のロードマップを策定する。

5月
教育委員会内にプロジェクトチーム発足。
市内全体を対象にした学校の適正規模や学区再編等を検討開始。
通算6回の検討会を行った。

7月
広報かしわざき7月号にて上記方針を掲載。

11月
学区再編方針を決定し教育委員会の承認を得た。

★小規模校にはメリットもあるがデメリットも多い。

<デメリット>
・多様な人と関わる機会の減少
・複式学級による学習方法の制限
・課外活動・部活動の選択の制限
・教職員数の減少

◆本市における学校規模の適正化の考え方

「柏崎の将来を担う子どもたちにとって望ましい教育環境を提供する」ことを第一義に考え、適正規模を下回る学校については学校の統廃合を検討し、全ての学校が適正規模となることを目指す。

◆適正規模の適正化による効果

ア 学習指導(学力の向上)
・日々の授業でグループ学習や課題選択学習など、多様な学習形態や指導体制が可能となる。
・より多くの関わり合いの中で伝え合い、多様な考え方に触れ、現在求められている「主体的、対話的で深い学び」を実現する学習活動が行いやすくなる。
・切磋琢磨する機会が増えることで、相互に高め合うことが可能となり、一人一人の思考力、判断力、表現力など更なる伸びが期待される。
・体育の球技やリレーなどの授業では、複数のチームと対戦できることから、相手チームに応じた作戦を立てるといった、より充実した学習活動が可能となる。

イ 児童生徒指導(社会適応力の育成、自己有用感の醸成)
・異なる学年を含め、多くの仲間とともに学校生活を送ることや、学級替えができることなどから、人間関係の固定化を防ぐことができる。
・様々な人間関係を経験することで、社会性や協調性、たくましさを身に付けることが期待できる。
・ある程度の教職員や児童生徒がそろうことで、児童会活動や生徒会活動、クラブ活動や部活動など集団活動の選択肢が増え、児童生徒一人一人の個性や能力を伸ばす機会が増える。

ウ 学校運営(より充実した教育が行える環境づくり)
・統合による学校規模の適正化が進むことにより、教職員数が多くなり、ティーム・ティーチング指導や習熟度別学習指導といった、多様な教育活動が可能になる。
・教育相談や生徒指導体制の充実、校内、学年内での相談や、協力、研究が可能となることが見込まれ、より充実した学校運営が行える環境が整う。

◆方針:令和4~令和13年度の10年間に小中学校を再編する。

<基準とする学校の適正規模>
・小学校 1学年2学級(12クラス)
・中学校 1学年3学級(9クラス)
・1学年20人以上
*ただしこれに該当しないケースもある。

◆適正配置の基本的な考え方
ア)学校の適正配置により、小学校卒業後も全員同じ中学校に進学できるようにする。

イ)少子化が進むことを見据え、長期的な市全体の配置を示し、計画的に適正配置を進める。

ウ)小学校の実施順序は、複式学級が3学級となることが見込まれる学校を優先的に実施する。その後、複式学級の解消を実施し、適正規模を確保することを目指す。

エ)中学校の実施順序は、複式学級となる可能性の高い学校を優先的に実施する。その後、単式学級の解消を実施し、適正規模を確保することを目指す。このことにより、子どもたちにとって望ましい部活動が実施できるようにすることを目指す。

オ)適正配置の実施に当たっては、「柏崎の将来を担う子どもたちにとって望ましい教育環境を提供する」ことを前提に保護者や地域の意見にも傾聴し、進めることする。これらを一斉に実施することは困難であるため、段階的に実施する。

カ)統合する場合は、既存施設や用地の有効利用を図ることとし、対象校のうち最も児童生徒数が多い学校へ統合する。教室不足などが見込まれる場合は、適宜増築等を検討し、必要な場合には、新校舎の建設も検討する。

キ)通学手段については、スクールバスを確保し通学支援に努める。通学時間については、おおむね1時間以内を目安とし、できるだけ児童生徒の負担軽減を図るよう努める。

◆中学校の適正配置の実施方法

<中学校の再編方法>
現在の11校を段階的に統合し、最終的には6校に再編統合することを目指す。

ア (仮称)東中学校
・現在の東中学校を使用する。
・令和6(2024)年度に東中学校と、生徒数減少により複式学級となる可能性のある第五中学校が統合する。
・令和12(2030)年度に東中学校と単式学級が見込まれる北条中学校が統合する。

イ (仮称)瑞穂中学校
・現在の瑞穂中学校を使用する。
・令和12(2030)年度に瑞穂中学校と単式学級が見込まれる西山中学校が統合する。

ウ (仮称)鏡が沖中学校
・現在の鏡が沖中学校を使用する。
・令和12(2030)年度に鏡が沖中学校と単式学級が見込まれる南中学校が統合する。

エ (仮称)第一中学校
・現在の第一中学校を使用する。
・令和12(2030)年度に第一中学校と単式学級が見込まれる松浜中学校が統合する。

オ 上記以外の中学校(第二中学校、第三中学校)
当面、適正規模が見込まれることから、現時点では統合の検討は行わない。

◆小学校の適正配置の実施方法

<小学校の再編方法>
適正規模を確保するため、中学校区と連動することとし、小学校の適正配置について以下のグループ内での統合を目指す。

ア (仮称)鯖石小学校
・現在の鯖石小学校を使用する。
・令和6(2024)年度に鯖石小学校と、複式学級が3学級となることが見込まれる高柳小学校が統合する。

イ (仮称)日吉小学校
・現在の日吉小学校を使用する。
・令和8(2026)年度に日吉小学校と、複式学級が3学級となることが見込まれる中通小学校が統合する。

ウ (仮称)剣野小学校
・現在の剣野小学校を使用する。
・令和8(2026)年度に剣野小学校と、複式学級がそれぞれ3学級となることが見込まれる鯨波小学校及び米山小学校が統合する。

エ 上記以外の小学校
複式学級の解消を実施し、適正規模を確保することを目指す。
長期的な児童数を推計できないことや、「地域とともにある学校」の視点も踏まえ、現時点では統合対象とはしないが、令和10(2028)年度以降において、その後見込まれる児童数の状況により再編統合を検討する。

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◆統合に伴う児童生徒への配慮
 児童生徒の教育環境の変化などに対応するため、児童生徒の不安や動揺をできる限り軽減できるよう、加配教員の配置や相談体制の整備を図る。

◆学校間連携による教育活動の推進
 統合に当たっては、事前に児童生徒の交流や教職員による情報交換等を行い、児童生徒がスムーズに打ち解け合えるよう、段階的な指導方針の統一や教育課程の再編を図る。

◆通学支援の整備
 統合により新たに遠距離通学となる児童生徒については、体力や安全面を配慮してスクールバスの運行等の通学支援を行い、負担軽減を図る。通学路の変更があった箇所については通学路の安全点検を再度行うとともに、必要に応じて関係機関に要望等を行う。

◆統合により廃止した学校施設について
廃止した学校施設や敷地の利活用については、本方針とは別に考えるものとし、本市としての有効活用の在り方や当該地域の要望等を踏まえ検討を行う。

<要点>
・児童生徒の減少スピードが思った以上に早い。
・望ましい教育環境の為にはそれなりの人数を整える必要がある。
・最短が令和6年度~
・令和4年度~学区等審議会を立ち上げ、方針が妥当・適正かどうか検討。
・保護者や地域住民の意見を徴収した上で統合事務の手続きに入る。

◆今後の動き
・1/14 校長会(市内)に概略を説明
1/17に議会に説明
・令和6年度統合対象の4校(東中、五中、鯖石小、高柳小)は1/17夕方~1週間かけて関係者には広報発行前に知らせる。

★広報かしわざき2月号に掲載する意図
・今後のことを一緒に考えるスタンス。
・問題提起、地域の皆さんと学校の在り方を考えたい。

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<質疑応答>

今回の方針が変更される可能性はあるのか。

あると考える。地域や保護者の意見により変更もあり得る。
ただし2月の広報かしわざきの内容は変更なし

統合する時の意見徴収(地域、保護者)の範囲は?

直近の説明会では地域の町内会長会代表、PTA役員など代表者を対象とする。
年度明けに地域の保護者へ説明する。

現在のPTA関係者だけでなく今後の進学を控えた親世代に聞くべきではないか。現時点の在校生関係者だけに聞いても意味がないのではないか。意見を徴収する範囲を間違えないでもらいたい。

ご指摘ごもっともだと思う。今週、来週にかけては現在の保護者だが、今後は幅広い範囲で意見徴収する。

広報かしわざき2月号への掲載は市民の動揺を招く。変更もあり得るというが、広報に載せる段階でこれが決定と認識するのではないか。

教育委員会としては施設の経過年数もふまえ、組み合わせ案を示している。今後、審議会で意見を募る。これが最終形ではない。
2月号掲載は早すぎるのではないか・・との意見だが、部活動の地域移行も進めている。
新年度から野球とテニスが合同チームになる。将来的な統合も含めて市民が心配している。
予定通り2月号に掲載する。

交通手段の問題をどうするのか。

1時間以内には通学できるように設定している。
スクールバスの手当や路線バス利用の場合の定期券補助など配慮したい。

市長の判断なら仕方ないだろうが、市民・子ども達の動揺はどうか。統合するということは、小さい子ども同士の軋轢、葛藤を生む。統合の準備のための教育も必要(意見)。

広報2月号記事の中で、あくまでも決定ではないこと、再編方針がコンプリートではないことを示していただきたい。

再編方針ありきではないが、広報記事は変更できない。

説明範囲を広げる段階では決定ではないことも示してほしい。再編により地域から中学がなくなることは経済活動にも影響する。適正規模から外れても地域・保護者が統廃合をやめてほしいとの意見があれば耳を貸すのか。

何のために再編するのかという点だが、これまで柏崎市の子ども達はそれぞれの地域において可愛がっていただいた。
これまでご理解、ご助力いただいたことには感謝しており、それぞれの地域から学校がなくなるのは本当につらいと推察する。
しかし子ども達の教育は、より多くの他人と交わることが必要であり、豊かな感性等を育むには、ある程度の規模が必要。
その上でのたたき台が今回の再編方針。学区等審議会の意見も得て、進めていきたい。

保育園の休園の際も、ある程度の人数の必要性については言及された。しかしその地域で子育て、教育をしたいという想いはどうなるのか。地域の想いは考慮されないのか。

無視するわけではない。学区等審議会での意見をもとに検討する。再編方針はあくまでもたたき台。

★再編方針決定に至るまで、教育委員会内でどのような意見・議論があったのか。

小規模学校のメリット、例えば高柳小が特色ある教育を行ってきたこと等についての意見はあった。
ただし子どもの教育環境にはそれなりの人数が必要、特に中学生は一定の人数がいた方がよいという共通認識となった。

★再編方針では一定数以上の集団での教育効果を重視しているが、少子化は日本全体の現象でもある。
これから社会全体が人口減少時代に向かうことを前提としたDX推進でもあり、小規模校でも教育格差を埋めるためのGIGAスクール構想ではないのか。これまでとは異なる時代に沿った価値観・考え方(集団ありきでない)による方向性も検討されたのか。

統合以外の方法もあるとは思うが、決定打となるものはない。教育委員会としてはある程度の人数が必要と認識している。

★今後の意見集約において見直しを行う可能性があるというが、どこの範囲までの見直しがあり得るのか?

再編の組み合わせや校数の変更、統合時期を遅らせる可能性はある。

★これまで特別支援学級や通級指導教室を拡充してきたが、再編による方向性は。

特別支援学級は8人1クラスが基準。細やかな指導をしていくために努力しているが一人学級も少なくない。他の児童と交流して学ぶことも必要。再編により学校数が減ることで、通級指導教室には通いやすくなる。
社会適応力の育成には、ある程度の人数がいた方がより良い成長につながると考える。

子ども達のための適正規模というが、今までの小規模校での教育を否定するのか。「子ども達のために」その人数でなければならない、との言い方はやめてもらいたい。まだ「人口減少が進む中で、致し方ない」と言われた方がよい。小規模校には小規模校なりの良さがあり、他校との交流で集団教育を補いながら、一人ひとりの役割があり責任感を育む教育を行ってきた。 適正規模だけを表に出すことには反論したい。

小規模校勤務を経験してきたのでその良さは理解している。貴重なご意見として受け止め、配慮しながら進めていきたい。

スクールバスについて、これからの4年でバスの整備計画どうするのか。通学距離が長い生徒の乗り物酔いの対策は。

再編後の規模が決まらないと車両整備が難しい。統合決定後、最低1年は期間が必要。通学に支障がない体制を整えたい。
車酔いに対する具体的な対策はない。

通学時間が長くなることで、登下校時間はどうするのか。通学のために早朝の起床で体調等に影響するのではないか。

通学時間はおおむね1時間が限界と考える。それに合わせて登下校時間も設定したい。

保護者の中には小規模を選択したいケースもあるはず。時代の変化にあわせた教育活動を進めて柔軟な対応を行うべきではないか。

それぞれの地域状況(自然、文化など)を鑑み、地域に根差した教育を進める考えは新潟県としても持っている。
学級編成の規模についての定めはあるが、保護者の想いも重要。地域に根差した教育の必要性は感じる。
ICTタブレットを利用した交流、学力向上の取組は人数に関わらず模索したい。

小中学校の地域ごとの統合年度設定を同じくした理由は。

令和6年度は最短タイミング、令和12年度は6次総合計画のスタート時期となる。

1/14の校長会ではどのような意見が出たか。

令和6年度統合の対象校からは「早すぎるのではないか」「地域への考慮が必要」等の意見があった。

部活動は学校教育課程とは別であり、今後は社会体育への移行方針も示されている。再編の理由とするのはおかしいのではないか。

部活動が合同化することに配慮している。
教員サイドにとっては学校教育課程外であっても、生徒や保護者にとって中学生活に占める割合が高く無視できない。
以前は地元中学にある部活動の中から選択したが、今は校区を変えてもやりたい部活動のある中学に行くケースも増えている。

令和8(2026)年度以降の小学校再編が空欄なのはなぜか。

それ以降の出生数が不明のため確定できない。

高柳地区は数年前に中学校が五中に統合したばかりなのに、令和6年には小学校の統合が示されている。同じ地域で5年以内に2度統合になるのは異常ではないか。再編案は机上での数字合わせに見えるが、児童生徒や地域のことを本当に考えたものなのか。

再編案は机上での数字合わせではなく、教育委員、関係者、人の流れ、交通の便などを鑑みながらつくったもの。
今後も意見徴収しながら進めたい。

学区再編と統廃合は将来のまちづくりにも影響する。立地適正化計画策定によりコンパクトシティ化=居住区域誘導も示されたが学区再編との整合性あるのか。市役所全体で考えを共有しているのか。

立地適正化計画についてはワーキンググループで確認している。できるだけ中心部に寄せる考えはあると思う。

周辺地域の中核に寄せていく考えがあるとすれば、学校のない地域に若い人は住まなくなる。市長部局との連携をお願いしたい(意見)。

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このように非常に白熱した質疑が交わされた協議会となりました。(★印は近藤の質問)

他の委員からも質疑・意見がありましたが、私自身も今回の方針は教育環境の画一化・平準化を重視しすぎているのではないかと感じます。

人間がひとりひとり異なるように、地域の在り方もまた異なるのですから、それぞれが置かれた環境によって学び得るものは違います。

大切なのは異なる者同士が互いに認め合い、協調しながら社会を形成していくことだと思うのですが・・。

教育委員会からの説明では「地域の方々の意見を尊重」「見直しもあり得る」との言葉が何度も出ました。

今後行われる地域での説明会には、ぜひ多くの皆様からご参加いただき、地域そして柏崎市の将来を真剣に考えながら、率直なご意見を伝えていただきたいと願っています。

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*私の母校も統合対象となっています・・。

2022年1月11日 (火)

福祉施設の人員不足

1月11日は市民後見人の定例会でした。

市民後見人とは、認知症や知的・精神障がいにより判断力が低下した方を対象に、家裁から選任された後見人が権利擁護や財産管理を担う一般市民のことです。(弁護士や行政書士など専門職が後見人となる場合もあります)

「成年後見制度」の法定後見にあたり、後見人になるための養成講座を受けた後、柏崎市社会福祉協議会(柏崎社協)に登録し、社協による法人後見の支援員という立場で実働します。

私が市民後見人となったのは平成29年の春からなので、今年で6年目を迎えます。

現在、社協の市民後見人は2人1組で12名の被後見人さんを担当しています。

それぞれ年1回の財産目録作成、毎月の定期訪問と記録等を行い、月に一度の定例会ではそれぞれのケースを報告しながら、意見・情報交換を行います。

最近、問題視されているのは福祉施設の人員(人材)不足です。

被後見人さんの多くが福祉施設に入所・通所していますが、どこも人が足りず、細やかな目配り気配りが難しくなりつつあるようです。

中には利用者間トラブルに巻き込まれた事例もあります。

柏崎市では介護職員や福祉職員の人材確保・職場定着に取り組む事業者を支援する補助金や、がい児・者の入所施設で新たに働く場合の補助金 を用意していますが、令和2年度の決算では、障がい児・者の入所施設で新たに働く場合の補助金申請は1件でした。

この件について質疑した時、当局の説明は「非常勤職員などを雇用し(補助金を使わなくても)現場の人員不足は埋められた」「人員不足による利用者の施設生活への影響は見られない」というものでした。

ですが現場の方々の認識は違うと思います。

他の後見人からは、定期訪問に行った際、現場職員から厳しい実状を聞いた・・との情報もあり、非常に白熱した定例会となりました。

私自身、議会活動において介護人材の確保を大きな課題として取り組んでいますが、福祉施設も含めて、エッセンシャルワーカーとされる方々全般の人材確保に注力していかなければならないと感じたところです。

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2022年1月 8日 (土)

令和4年柏崎市消防団出初式

令和4年1月8日、2年ぶりとなる柏崎市消防出初式が開催され、女性消防隊として出席しました。(昨年はコロナ禍と大雪のため中止)

今回は初の試みとしてライブ中継・動画配信が行われました。

女性消防隊は各分団に所属する女性消防団員の有志で構成され、広報活動や大会・イベント運営のサポートが主な仕事です。

今回はアナウンス、受付、表彰の補佐の他、感染防止のためのマイク消毒などを担当しました。

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私は来賓控室対応でしたが、これまで行っていたお茶出しをやめた為、仕事はお出迎えに留まりました。

2012(平成24)年4月に女性消防隊を結成した当時に比べると、現在の隊員数は半減していますが、意欲的な方々ばかりなので、活動していて励みになります。

昨年の総会から約1年、コロナ禍でなかなか活動の機会が持てない中でも、隊長・副隊長は私たち隊員を気遣い、グループLINEを使って情報や連絡を共有してくださったので、モチベーションは維持できたと思います。

また来賓祝辞の中で真貝維義市議会議長からは、昨年8月に発効した市議会だより「ギカイのとびら」で若手消防団員の特集を組んだことが紹介されましたが、メンバーの一人が取材を受けて、しっかりと女性消防隊のこともアピールしてくださいました。

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出初式により、やっと実質的な活動再開の日を迎えることができ、とても感慨深いものがありました。

また今回、女性隊長が県知事定例表彰・幹部功績賞、副隊長が柏崎刈羽地区支会長表彰を受けられましたが、私自身も第2分団員として市消防団長表彰をいただき、恐縮しています。

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消防団活動とお仕事・ご家庭を両立させながら地域防災を支えて来られた先輩方に恥じないよう、これからも精進したいと思います。

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出初式終了後は、消防本部・消防署・消防団による一斉放水訓練 が行われました。こちらもドローンによるライブ映像が配信されました。

 

 

2021年12月21日 (火)

12月定例会議 最終日

12/21は令和3年12月定例会議最終日でした。

議案一覧

内容としては新型コロナウイルス対策を盛り込んだ補正予算、条例の変更、市の最上位計画である第五次総合計画・後期基本計画などでした。

6月から継続的な審査をしてきた議58号 財産の減額貸付けに係る貸付金額の変更について(土地) は、退席1名、賛成23名で可決されました。

また最終日当日に「一般会計補正予算第22号」が提出されました。

社会保障税番号制度事業 206万7千円

*令和4年1月1日から実施される国の「マイナポイント第2弾」に必要なマイキーID設定

住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金給付事業  9490万5400円

*世帯全員の住民税均等割が非課税である世帯と、新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変し、今ほどの非課税世帯と同様の事情にあると認められる世帯に対し、一世帯当たり10万円を臨時特別の一時金として給付する。世帯数は9300人を見込む。

生活困窮者生活支援金給付事業  204万4千円

*新型コロナウイルス感染症の長期化により、厳しい生活環境にある方に対し、一世帯当たり5000円の生活支援金を給付したい。
*生活保護受給世帯、住居確保給付金受給世帯及び新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金受給世帯の400世帯を見込む。
*対象者に対して今後送付する申請書を返信いただき、原則、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金とあわせて支給する。

子育て世帯への臨時特別給付金給付事業 5億6800万円

*18歳以下の児童ひとり10万円を支給。当初は先行して現金5万円、後からクーポン5万円分の予定だったが、国が現金10万円の一括支給を認める方針を示したことを受け、残りの5万円分を追加措置したい。
*支給日は、当初、先行の5万円分を12/27に支給する予定だったが、前倒しして12/24に10万円を一括支給する。

Q1)12/24に支給することができる実人数および実世帯数は?
A1)児童手当支給世帯は児童数8245人・4287世帯。申請が必要な児童(9月以降に出生または16歳以上)がいる場合を除き、約8割が支給可能となる。

Q2)申請が必要な世帯の現時点での申請数および審査状況は?
A2)申請が必要な世帯からはまだ全て返信されていない。審査もあることから随時確認となる。

Q3)支給対象となる児童数・世帯数、支給対象とならない児童数・世帯数はそれぞれ把握しているか。
A3)対象とならない世帯として特例給付388人、この他に高校生以上にも対象外が見込まれることから約400人超と考える。

Q4)当初は12/27に支給予定が12/24に早まり、3日後には支給開始となるため、かなりのパワー注力が必要だと想像する。本業務における庁内体制、すなわち担当課だけで行っているのか、他の部署からの応援もあるのか、何人体制で行っているのか、といったことについて教えていただきたい。
A4)子育て支援課が担当課だが、子ども未来部全体で業務に当たっている。

学校管理運営費
小学校費 1624万1千円、中学校費  334万4千円

*小中学校におけるICT環境を充実させるために順次整備してきた電子黒板を、普通教室及び理科室における不足分を早急に整備するため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、必要な経費を措置する。

Q1)学校管理運営費について、小中学校の電子黒板を整備するということだが、実際に何台購入しどの学校に整備する予定か。
A1)普通教室:小学校8校、20台。(柏崎小1台、比角小4台、枇杷島小3台、半田小2台、剣野小3台、日吉小1台、田尻小5台、北条小1台)*中学校はなし(全校整備済)
  理科教室:小学校13校、14台(柏崎小2台、比角小1台、枇杷島小1台、半田小1台,大洲小1台、剣野小1台、槇原小1台、日吉小1台、田尻小1台,北鯖石小1台、中通小1台、北条小1台、内郷小1台)
  中学校5校、7台(一中1台、二中2台、鏡ヶ沖中1台、瑞穂中1台、東中2台)

Q2)本予算をもって市内の小中学校の電子黒板整備は完了するのか、今後も増やしていくのか。
A2)普通教室への整備は完了する。理科教室は先行、特別教室への要望もあるが全体を見ながら判断したい。

全会一致で可決しました。

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議会終了後はソフィアセンターの「柏崎刈羽小中学生美術展」に行きました。

学年を追うごとに作品にも成長が現れていて、とても楽しく鑑賞しました。

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また夕方からは2年ぶりとなる当局幹部と市議会の懇親会があり、感染症対策に配慮したスタイルでした。

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明日以降もまだ議会の委員会等がありますが、ひとまず一区切りという感じでした。

 

2021年12月18日 (土)

柏崎総合医療センターへの支援

今回の12月定例会議において、柏崎総合医療センターへの支援に係る一般会計補正予算案が提出されました。

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【一般会計補正予算第20号】

新型コロナウイルス感染拡大防止事業 9680万円

柏崎総合医療センターは8/31より新型コロナウイルス感染症の中等症患者受入機関として、新潟県から指定された。

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40床の病棟を中等症患者受入病棟(17床)として対応している。

本予算は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、ナースコールシステム、モバイル端末、電話交換機システムの更新や導入を行うもの。

<改善後の状況>
ナースコール更新
・現在のナースコールシステムは患者ネームプレートが手書き表示であり、入院個人情報保護対応に労力を費やしている。
・設備更新により、病室入口の表示板が液晶表示となり、患者名非表示等プライバシーに配慮した運用が可能となる。

モバイル端末の導入(既存ではPHS)
・現在のPHSでは患者からコール(呼出)があった際、病室入口に設置している「呼び出し表示」が点滅することで廊下から確認できるが、看護師すべてのPHSが鳴ることで、複数の看護師が廊下に出て確認を行っている。
・コロナ患者の場合、様態急変時の対応が特に重要であるが、前述の「呼び出し表示」での確認では対応が遅れてしまう。
・モバイル端末導入により、コール(呼出)した患者の担当看護師が携帯する端末に表示させることが可能となり、医師・看護師が迅速に患者対応することができる。
・コロナ患者受入病棟では、コールによる看護師の病室で入りや廊下の行き来が不要となり、院内の感染防止策がさらに強化される。
・端末のテレビ会話機能を利用し、医師が病室に入らなくても診察指示が行えるため、コロナ患者受入病棟においては、病室訪問回数が減り、院内の感染防止策がさらに強化される。

電話交換機
・ナースコールシステム更新、モバイル端末導入の際、現在の電話交換機では互換性がないため更新が不可欠。
・既存機器はメーカー保守期限が過ぎ、修理部品等の供給がないため、故障時には院内の電話環境が麻痺する。

<設備整備による効果>
費用負担面
 新型コロナウイルス感染防止対策であるため、全額国の交付金対象となる。

院内感染防止策
 病室・患者特定のための廊下の行き来の削減により、院内感染の防止対策が強化される。

医療サービスの質の向上
 ナースコールシステムと連携するモバイル端末を導入することで、患者情報がリアルタイムで確認可能となり、医療サービスの質の向上が期待できる。

医師・看護師の業務効率の向上と負担軽減
 電子カルテや生態監視モニタと端末の情報連携が可能となり、業務効率が向上し、医師・看護師の業務負担軽減に貢献できる。

<委員会での質疑より>
・本設備整備に関する柏崎総合医療センターとの協議時期は今年11月初旬。例年の聞き取りの中で要望として上がった。
・他の病院から同様の要望はなかった。
・設備導入は令和4年4月~を予定。
・電子カルテとの連動は現時点では技術的に難しいが、将来的な運用を目指したい。

【一般会計補正予算第21号】

公的病院運営支援事業 2660万5千円

・柏崎総合医療センターへの支援拡充分となる。
・もともと9月定例会議で一般会計補正予算に計上されたが、市の手続きに不備があり特別交付税が入らない見込みとなり、取り消した。
・議会では「早急な追加支援と手続き不備の再発防止」を盛り込み附帯決議とともに可決した議案。
・減額の補正予算上程後に、県市町村課から今回の事態を懸念しているとの連絡を受け、財政管理課長が改めて経緯を説明していた。
・12月3日付で交付決定された国の特別交付税において、申請しなかった分も含めての交付があったことから、「復活」となった。

<委員会質疑より>
・この支援により柏崎総合医療センターの小児科病床、救急病床の拡充などが図られる。

以上は所属する文教厚生分科会の中で審査し、可決されるべきものとされました。

今後12/20の予算決算常任委員会、12/21の本会議を経て可決すれば、予算成立となります。

ーーーー

今回の質疑を経て、柏崎総合医療センターがコロナ患者の受入機関として、非常に難儀されていること、また設備整備の更新・導入により、医療従事者の皆さんの業務改善や負担軽減が見込めること等を理解し、地域医療を守ることが市民の皆さんを守ることにつながると確信し、賛成しました。

またナースコールシステムやモバイル端末の整備内容を確認し、「DX推進は人の為、市民福祉の向上につながってこそ意味があるのだ」と実感する機会にもなりました。

ちなみに柏崎総合医療センターにはつい先日まで身内が入院していましたが、感染防止対策は厳重になっていたものの、とても温かい雰囲気で、親切に対応していただいただきました。

本当にありがとうございました。

2021年12月 9日 (木)

令和3年12月一般質問「3,性的少数者に配慮した行政対応」

令和3年12月9日の一般質問の記録です。

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最後の質問は、
3,性的少数者に配慮した行政対応 です。

 今年の5月、戸籍上は男性であるものの、性同一性障害の為、女性として働く経済産業省職員による、職場のトイレ使用をめぐる裁判の結果が報 じられました。
 性同一性障害とは心の性と体の性が一致しない状態のことであり、性的少数者を表すLGBTQのT:トランスジェンダーとも呼ばれます。
 この職員は自分の部署のフロアでは女性用トイレの使用が認められず、2階以上離れたトイレを使うよう制限されたことを、不当な差別として国を訴えました。1審の東京地裁は国の措置を違法としましたが、2審の東京高裁の判決はトイレの使用制限は違法ではないというものでした。ただし上司がこの職員に「男性に戻ったらどうか」などと発言したそうで、これに対しては違法とし、国に11万円の賠償を命じています。この職員は2審の判決を不服とし、最高裁に上告しているそうです。

 この報道を受け、柏崎市役所ではどうなのだろう、との疑問を持ちました。
 近年は男女共用の表示がされた多機能トイレを見かけますが、本庁舎各階の多機能トイレには、車いす、ベビーシート、オスメイトといった表示はあるものの、男女共用を表すものはありません。

 担当課に問い合わせたところ、多機能トイレは障碍者、高齢者、小さなお子さん連れの方等が使えるよう設置し、性同一性障害の方の利用は想定しなかったが、判決を受け課題として認識している。性同一性障害の来庁者が男女どちらのトイレも使いにくいようなら、多機能トイレを使っていただくことになるが、周知については検討が必要。また性同一性障害の職員が入庁した場合は、本人と相談し、同僚の理解も得て、適切なトイレ使用を検討したいとの見解をいただきました。

 さて、性同一性障害の方も含め、日本の性的少数者は人口の3~10パーセントと言われ、市役所への来庁者や公共施設の利用者、そして市職員の中に含まれる可能性は十分あると思います。

 性的少数者の支援団体の報告によれば、当事者が直面する行政に絡む困難事例は、【公的書類の性別と外見の性別が異なることを理由に、本人確認してもらえずサービスを受けられなかった】、【生活支援を受ける際、担当職員に理解があるか不安で、相談をためらったり、本当のことを話せなかったりした】、【災害時に避難所のトイレや衣類のことで苦労した】等々、非常に切実です。自治体によっては、性的少数者に配慮した行政対応のガイドラインを策定しているところもあります。

 そこで質問ですが・・柏崎市における性的少数者に配慮した行政対応、例えば窓口や電話での応対、公的書類の性別欄、公共施設のトイレや更衣室の利用、災害時の対応・・といった指針は明確になっているのか、また性的少数者の職員が庁舎で働く場合の対応も含め、現状や課題、今後の取組についてお聞かせください。

市長

 平成30(2018)年3月に策定致しました「柏崎市人権教育・啓発推進計画」の中で、様々な人権課題の一つとして、性的嗜好と性自認に悩む人の人権について明記しておりますが、近藤議員ご指摘の通り、当市において性的少数者、LGBT、今お話しいただいたQですとかXという言葉も出てきておりますけれども、そういった性的少数者の人権や、そのことに対する配慮の重要性は、これまで以上に高まっているものと認識しています。

 こうした中、今年5月に柏崎市人権教育・啓発推進協議会を立ち上げ、計画の改定に向けた協議を開始しており、今後、性的少数者(LGBTQ、LGBTX)に関する人権課題もさらに議論を深め、方向性と施策として計画の中に適格に反映させていきたいと考えております。

 また行政的配慮や職員を含めた認識・対応に対するガイドラインの策定に関しましては、昨年度、令和2年度から準備をしてきており、本年10月に当事者団体である一般社団法人LGBTにいがたから監修をいただいた上で、先月11月末に「多様な性を理解し、行動するための職員ガイドブック」を完成させ、各職場に周知したところでございます。

 この中には性を構成する要素など、性の多様性に対する説明、LGBTについて理解し行動するための職員の窓口や電話対応、公的証明書類などの性別欄の取り扱い、更衣室など公共施設での対応、災害時における対応・・といった具体的な市民の皆様への対処方法、および職員採用を含めた対応などが記載されております。

 今後はこのガイドブックを活用した職員向けEラーニングの研修や、当事者を講師に迎えた研修などの開催を企画していきたいと考えております。いずれにしましても、今ほど今日的な課題であるところを近藤議員からご提案いただきましたが、ご提案を生かし、今まで以上に個人の特性について多様性が認められるよう知識や理解を深め、偏見や差別をなくすために、まず職員ガイドブックが有効に活用されるよう、努めてまいります。ガイドブックは近藤議員の方にも、お届けしたいと思っております。

近藤

 ガイドブックを策定していただいたということで、良かったなあと感じております。ガイドブックは私の方にもいただけるということですけれど、できればHPで公表するなどして、そういったものがあるということを示していただきたいと思います。

 と言いますのも、先ほどご紹介したお声のように、性的少数者である方は、市役所の職員が果たして自分のことをわかってくれるだろうかと不安を抱えて、相談をためらうケースもあると聞いております。職員の中でもきちんとガイドラインを持ってやっていると示していただくことが、性的少数者の方々にとっても、また例えば障害があるような方々にとっても、心強いことだと思います。本市の多様性を進めていただきたいと思います。

 以上で今回の一般質問は終わりといたしますが、今後も私なりの視点を持って、課題の解決・改善につながる質問や提案をしていきたいと思います。ありがとうございました。

令和3年12月一般質問「2,一票を生かす選挙管理の在り方」

令和3年12月一般質問の記録です。

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2、一票を生かす選挙管理の在り方 

(1)選挙事務の適正な管理執行 

 選挙は、有権者が政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、選挙事務の適正な管理執行、投票しやすい環境づくり、政治への関心を高める取り組みを進めることが必要と考えます。

 特に投開票事務は多くの市職員が関わり、正確かつ迅速な作業が求められますが、人間が処理する以上、ミスが生じる可能性はゼロではありません。またトラブルや不測の事態が発生することもあると思います。

 今年10月に行われた衆議院議員選挙では、市外・県外の自治体において、投票用紙の交付ミスや開票時のミス等が相次いで報じられました。柏崎市においても、今回初の投票所となった、ここ市役所本庁舎において通信トラブルが発生し、投票日の当日、受付等の手続きに支障を来したことが報じられています。
 また昨年の柏崎市長選挙においては、投票者数に不在者投票分が二重集計され、開票作業が予定よりも約1時間半遅れる事態となりました。
過去には平成25年の参議院選挙で、香川県高松市で開票作業における不正行為が発覚し、のちに市職員6人が逮捕され、大きな社会問題になりましたが、発端となったのは単純な集計ミスだったそうです。


 選挙は民主主義の根幹を成すものであり、1票差によって当落が分かれることもあります。よって、その取扱いには慎重を期すべきであり、いかにミスや不正行為を防ぎ、トラブル発生時どのように対処するか、という点が重要だと考えます。そして選挙事務は市職員の重要な職務であり、適正な事務を遂行できるよう、意識啓発やスキルアップも必要ではないかと思うところです。

 そこで質問です。本市では選挙事務業務の重要性をどのように認識し、ミスや不正の防止策、またトラブル発生時の対策はどのように行っているのでしょうか。また選挙事務を正確かつ効率よく行うための取組や、過去の事例を踏まえた改善策等もあわせて伺います。

選挙管理委員会委員長

 ご承知のように選挙事務は厳格であり、法に基づき忠実に執行されなければならず、公正・中立・適格性を要求されるものだと認識しています。ご質問にありますように、今回の第49回衆議院議員総選挙の選挙期間中において、県内で8件の管理執行上の問題がありました。問題となったものの多くが、確認ミスや思い込みによるミスであり、防ぐことが可能なものであると、今までの経験によりましてもそういう風に理解させていただいております。

 尚、今回はありませんでしたが、当市においても確か7年前の衆議院議員選挙で、投票用紙の二重交付ミスがあったことがございました。この対策としては、最初の投票用紙交付場所では入場券を回収しないで、有権者がそのまま入場券を所持して次の投票用紙交付場所において、その入場券と引き換えに投票用紙を交付するよう、選挙事務を改善し、現在に至っているところであります。

 選挙管理委員会では、選挙の都度、投票管理者、職務代理者を対象とした説明会を開催するとともに、職員グループウェアを利用して、事務従事者全員に注意喚起を行うようにさせていただいております。

 地道ではありますけれども、このような取組が選挙事務に対する職員の意識醸成につながり、ミスが起きにくくなる投票所運営がなされるものと考えております。

 尚、投票所において交付ミス等があった場合は、ただちに選挙管理委員会事務局にご連絡いただき、指示を仰ぐことを徹底させていただいております。選挙管理委員会では、過去の判例等を参考に、ミスに対する対処を行うとともに、必要によりましては県選挙管理委員会に報告をし、指示を仰ぐこともあるというのが現状でございます。

近藤

 今ご答弁を伺い、そういれば昔の選挙のやり方と比べ、投票所の趣が変わってきたなと、私自身も感じるところもありました。またグループウェアを活用して注意喚起をされるなど、色々と努力されていると思います。

 一点だけ確認させていただきたいのですが、選挙事務業務に従事した職員とやり取りする中で、逆に改善点や反省点が上がってきて、それを次の選挙に生かすという取組はなされているのでしょうか。

選挙管理委員会委員長

 当然、疑問に思われた点、改善を要する点は事務局に上がってまいりますので、それをさらに選挙管理委員会で検討して、またフィードバックさせながら次の改良点に結びつけていくということで、当然そういう指摘があった場合は検討させていただいているということでございました。

今のお言葉を聞いて安心したところで、次の質問

(2)投票しやすい環境づくり に移ります。

 柏崎市では当日投票所の見直し・集約が進められ、今年6月には柄澤均議員が中央地区、9月には樋口良子議員が西山地区の投票所について、一般質問されています。そこで私は今回、

ア 移動期日前投票所の成果と今後の運用 について伺いたいと思います。

 本市では、期日前投票所を市役所、高柳町事務所、西山町事務所で開設することに加え、令和元年の参議院議員選挙から、移動期日前投票所を開設しています。

 今回の衆議院選挙では、新潟産業大学付属高校内に移動期日前投票所を開設し、県内初となる高校・校舎内での投票が、注目を集めました。
柏崎市HPに掲載された期日前投票者数を見ますと、今回の衆議院議員選挙では14,360人で、前回の平成29年よりも434人増え、全投票者数の32.5%、ほぼ3人に1人が期日前に投票していることになるかと思います。
 一方、投票者総数は44,119人で前回よりも3334人減り、投票率も63.47%で、前回よりも1.48ポイント下回っています。
 この結果から、期日前投票制度への理解および環境整備が進み、投票意思があって動ける人は積極的に期日前投票を利用していたことが推察できます。

 さて、移動期日前投票所は、当日投票所が遠い地域の方々にとって、投票機会の拡充となり、選挙立会人を出すことが難しい地域にとっても、メリットがあると思います。
 また、新潟産業大学付属高校での開設は、報道によれば以前から市選挙管理委員会職員の講義を受けたり、模擬投票を行ったりしてきた経緯があり、主権者教育の一環としての側面が強いのかな、と感じるところです。

 そこで質問ですが・・本市が開設する移動期日前投票所は、先進的な取組として注目されていますが、過疎地域での投票や高校生の主権者教育と、どのように関連するでしょうか。また今後さらに開設箇所や対象範囲を拡充する考えがあるか、ということも含め、成果および将来的な運用について、見解をお聞かせください。

選挙管理委員会委員長

 ご質問にありますように、移動期日前投票は令和元(2019)年7月の参議院議員選挙から始め、今回の選挙で3回目になるわけであります。実績については初年度が3か所で32人、昨年は7か所で79人、本年の衆議院議員選挙では9か所で97人となっております。

 移動期日前投票所の投票者数は、有権者の都合、選挙の種別などにより増減はありますが、地域にとって投票機会の確保がはかられているものと考えております。いずれの地域の方からも、来てもらって助かるという声がほとんどであります。今後も選挙種別で異なる選挙期間等を考慮しながら、さらに充実をはかりながら継続して開設したいという風に考えております。

 また今回の衆議院議員総選挙において、新潟産業大学附属高校に移動期日前投票所を初めて設置をさせていただきました。同校にありましては市内の他の高校と比べ、期日前投票所の会場となる市役所から離れていることから、短時間ではありましたけれども、投票機会の確保をはかったものであります。

 開設にあたっては、主権者教育として小・中・高校での選挙に関する講義と模擬投票も行っておりますが、その延長線上にあったものと考えております。18歳になる高校生にとって、有権者となり初めての選挙で、実際の投票を経験してもらいたいこと、および今後の政治や選挙に関心を持ってもらいたいことを目的としたものです。

 この取組によって投票を行った生徒はもちろんですが、周りの生徒に与えた影響も大きいものであったのではないかと確信しているところです。尚、高校を会場にした移動期日前投票所は、選挙の執行時期により対象となる生徒数が大きく増減するわけでありますので、学校と相談しながら実施していきたいと考えるところです。

近藤
 ご答弁をお聞きして、高校での施行は内心、他の(産業大学附属高校以外)高校でもやるのかな、と思ったんですけれど、やはり色々な事情があることと、時期的にもおそらく、18歳の学生ができるだけ多い時期にやられるのかな、と感じました。

 今回のお話を伺って、高校でやられたように、必ずしも投票所が遠い地方に行くだけでなく、様々な運用ができると思うのですが、それについて次の質問とも絡むことなので再質問させていただきます。

 柏崎市内には障害者支援施設や、障害者、高齢者が生活されるグループホームが多数ありますが、これらは次の質問で言及する不在者投票の指定施設ではなく、入居者の中には投票に行くのが困難な方も多数いらっしゃると思います。今後の移動期日前投票所を拡充する場合、こういった例えばグループホームなども対象としていくようなお考えはありますでしょうか。

選挙管理委員会委員長

 只今の質問でありますが、いわゆる不在者投票指定施設以外で一定の投票者数が望める施設で、場所もあると思いますし、ただ事前協議が非常に重要となると思います。今回の選挙期間中の一つの例ですが、社会福祉法人代表の方と少し協議をさせていただきました。障害者施設を不在者投票指定施設にできないか、ということも含めてでしたが、これは今の法律上、無理があるということで、期日前投票所の開設で対応するという考え方に合っているのであります。

 期日前投票所の開設の条件は、障害の程度にもよりますけれども、障害者としてでなく、不特定多数が集う場所として開設してはどうかという提案を、させていただいたところでございます。早急に開設するということではなく、何回か出前授業を行い、障害者に投票の基本を覚えていただくということも含めて、対応する職員側の訓練も必要かと考えております。出前授業で習得していただきたいとするところです。結果としては、急ぐことなく2~3年後の開設を目指しながら、今後も協議を継続させていただくということになりました。現状としては以上です。

近藤

今かなり詳しくお聞きしまして、障がいのある方々や高齢の方々の投票機会をどうするかということは、大きな課題だと感じたところです。

そこで次の質問では、投票所に出向くのが難しい方々への配慮として

イ 不在者投票と投票への意思 について伺います。

 今回の衆議院選挙の結果では、期日前投票が増えた半面、当日の投票者数および投票率が下がっています。もともと選挙に関心がない、あるいは投票の意思がない、という人達もいるのでしょうが、その一方で、投票に行きたくても行けないという人が増えたのではないかと懸念しています。

 投票所に行けなくても、一定の要件を満たす場合は不在者投票制度の対象となります。
 例えば仕事や旅行などにより、選挙期間中に市外に滞在している人は市外の選挙管理委員会で、県指定の病院や施設に入院・入所している人は、その病院や施設内で投票することできるとされています。
 また要介護5の人、もしくは身体障害者手帳や傷病者手帳を保持し、一定の要件を満たす人は、郵便等による不在者投票を利用し、自宅で投票用紙を記載でき、その中でも上肢・視覚に障害がある人は代理記載制度の対象となります。

 ただし不在者投票制度は申告が必要であり、在宅で生活する要介護4以下や療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の保持者等は、郵便等による不在者投票の対象にはなりません。

 要介護4以下であっても、投票所に行くのが難しい方々はいらっしゃると思いますし、認知症の進行や障害の特性によっては、投票所の雰囲気・環境になじめないというケースもあると思います。

 つまり、本人に投票の意思があっても、制度のすき間からこぼれて選挙に行けない方々がいたのではないか、その方々をフォローする仕組みが必要ではないか、と感じるところです。

 そこで質問ですが、この度の衆議院議員選挙において、不在者投票の利用はどの程度あったのか、また有権者の投票への意思は反映されたと考えるか、そして現行の選挙制度に対する課題認識について伺います。

選挙管理委員会委員長

 今回の衆議院議員総選挙において、不在者投票者数は374人となっております。詳細につきましては、大学生や専門学校生、仕事の都合により単身赴任等、市外に居住している人の利用するものが60人、市内外の施設入所者が利用するものとして292人、在宅郵便投票として22人となっております。

 不在者投票等の周知としては、選挙人名簿に登録されている有権者のうち、入場券を市外へ発送するものについては、不在者投票の案内を同封させていただいております。また不在者投票ができる指定施設の入所者については、施設を通じて周知していただいているところであります。

 在宅郵便投票は個別に案内等はしておりませんが、選挙時に全世帯に配布する選挙の特集号において周知をはかっており、個別の問い合わせに対応させていただいているところであります。今回の選挙時において新たに5名登録があり、現在28名の方が利用されております。

 また今回の衆議院議員総選挙においては、新型コロナウイルス感染症の感染に伴う外出禁止により投票ができない有権者に対応すべく、国による特例郵便投票制度の創設がありましたが、当市において利用実績はありませんでした。
 以上のことから有権者の投票意思は反映されているものと考えております。

 尚、ご質問にもありましたが、現行の選挙制度に対する課題認識として、在宅郵便投票者の緩和があるのではないかと認識しているところであります。これは国においても認識されているところでございまして、対象者の等級を要介護5から要介護3まで拡大する方向で、現在国において審議されていると理解しております。

近藤
 有権者の投票意思は反映されただろうと、また国の方でも在宅での選挙がしやすいよう要介護度の見直しが行われるということで、少し安心したところですが、様々な課題がある中で、今後も本市における投票しやすい環境づくりを進めていただきたいと思います。

本項目、最後の質問

3)一票の重みを生かすために では「無効票」の問題について取り上げたいと思います。

 毎回選挙のたびに多くの無効票が発生しています。令和元年の参議院議員選挙では私自身が開票立会人を務めましたが、判別が難しい投票用紙が多いことに衝撃を受けました。

 公職選挙法では無効票になるものとして、

●所定の用紙を用いない
●1枚の用紙に複数の候補者名を記載 
●白紙投票・単なる雑記・記号等 
●どの候補者への投票か確認し難い

等々が挙げられます。

 ですが開票作業では「どの候補者への投票か確認し難いもの」を、何とか判別しようと協議を重ねました。そのために作業全体が遅れ、全てが終了して開票会場を出たのは、朝4時だったと記憶しています。 

 投票用紙の中には、震える手で必死に書かれたと思われるものもあれば、遊び半分で書いたのではないか、と感じるものもありました。それでも投票した方の意思を無駄にしないよう、ギリギリまで努力していたのです。おそらく、どの選挙においても共通する姿勢であり、これこそが民主主義の根幹を成す「一票の重み」だと感じるところです。

 無効票が生まれる背景のひとつとして、国政選挙では複数の種類の投票用紙に、異なる記載をしなければならないこともあると思います。
衆議院議員選挙では、小選挙区と比例区の選挙に加えて、最高裁判所裁判官国民審査も行い、小選挙区では候補者名、比例区では政党名しか記載できません。けれど参議院選挙では選挙区、比例区どちらも候補者名を記載できます。このような状況ですと、例えば衆議院選挙で間違って、比例区に候補者名を記載してしまうこともあると推察するところです。

 さて、これまで選挙管理委員会は、投票率向上のために様々な取組を重ねて来られましたし、議会においても主権者教育や政治への関心を高める取組について、数多くの質問がなされてきました。しかし、どれだけ投票率が上がっても、最後にその一票が無効票になれば意味がないと思います。

 そこで質問ですが、一票の重みを生かすためには、主権者教育や投票率の向上とあわせて、無効票をなくす・減らすことに注力すべきと考えます。今回の衆議院選挙における無効票の傾向と見解、そして無効票をなくす・減らすための取組や今後の対策について、お聞かせください。

選挙管理委員会委員長

 まず今回の選挙における無効票者数とその率ですが、衆議院小選挙区選出議員選挙の無効投票は1225票であり、投票総数に対する無効投票率は2.78%となっております。比例代表選出議員選挙の無効投票は1365票であり、投票総数に対する無効投票率は3.09%となります。今回の選挙に限らず無効票につきましては、投票総数の1%前後から3%前後となっており、10年前と変わらない割合となっております。

 この無効票のうち、候補者等に何ら関係ないもの・・白紙投票や雑事、記号、符号などの他事記載が9割近くを占めております。残りの1割強が候補者等に何らかの関りがある無効票となっているのが現実でございます。

 この候補者等に何らかの関りがある票=疑問票につきましては、ご質問にもありましたように、有権者の意思を無駄にしないよう、時間をかけさせていただきますが、判断をしてもらっているところであります。当然のことながら投票所に設置してある記載台には、候補者等の氏名が掲示されております。投票用紙に記載する際に、この候補者等の掲示を確認し、記載をしていただくことにより、疑問票や無効票を減らすことにつながれば、という風に考えております。

 尚、主権者教育、出前授業においては、無効となる票としての説明の中で、他事記載や記号、符号の例、また記載については、漢字ではなく平仮名でもよいことを説明させてもらっているところです。

 いずれにいたしましても、ご質問にありますよう、開票時間の短縮の観点から、無効票・疑問票を減らす、また疑問票の審査時における審査方法の工夫について、常に担当者との協議を行いながら、今後も短縮に向けての取組を行いたいと考えるところであります。

近藤
 ありがとうございました。本質問を通して時代に即した、先進的な選挙管理の取組について確認させていただきました。
 選挙管理委員会の皆さんの、たゆまぬ努力に敬意を払いつつ、私自身も1票の積み重ねによって、ここに立つことが許されていると自覚しながら、活動していきたいと思います。

令和3年12月一般質問「1,これからの介護を守るために」

令和3年12月9日、一般質問を行いました。以下はその記録です。

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1.これからの介護を守るために
(1)戦略的な人材確保の取組  

 厚生労働省は第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、各都道府県の介護職員の必要数を公表しました。2019年度と比較して、2023年には全国で約22万人、新潟県で1480人、2025年には全国で約32万人、新潟県では2551人の介護人材が不足する見込みです。
 「2025年問題」が指摘される4年後には、柏崎市の75歳以上人口は現在より約2千人増え、1万6千人を超える見通しとなり、要介護者の増加も予想されます。

 これまでは介護人材不足の為に特別養護老人ホームを新設できず、入所したくてもできない多くの待機者のことが問題視されてきました。ですが今後は、デイサービスやショートステイ、訪問介護など、在宅で暮らす方々が利用する介護保険事業も、十分提供できなくなる可能性があります。
 そうなれば家族介護者の負担が増え、高齢者だけでなく、社会を担う現役世代・若い世代にも影響を及ぼします。市民の皆さんが安心して働き、暮らしていく為に、これからの数年間で、1人でも多くの介護人材を確保しなければなりません。

 さて現在、柏崎市では、介護資格取得支援補助金、介護夜勤対応者臨時補助金、介護職員就職支援事業などを用意していますが、これらの利用実績と、市内の介護人材不足がどの程度解消されたか、ということの相関関係が見えにくいと感じます。
ハローワーク柏崎には常に100人を超える介護関係の求人が出ていますが、施策の効果を検証するには、介護人材の必要総数や入職・離職の動向のデータを、市として抑えておくべきではないかと考えます。

 また介護人材確保を行うのは第一義的には介護保険サービス事業者であり、本市ではこれまで事業者の努力を引き出す施策に注力し、良い事例の共有により、全体の底上げを図ってきたと思います。
 しかし柏崎市の介護保険事業を守るためには、官民および全庁的な連携のもと、戦略を立てて、介護人材確保に取り組むべきと考えます。

 例えば、兵庫県伊丹市では、介護人材の確保策を調査・検討・実践する組織として、平成28年9月に「伊丹市介護人材確保検討委員会」を発足しました。
 この委員会は条例によらない任意の組織であり、市内の介護保険サービス事業所で働く職員有志と市の介護保険課職員等で構成され、発足当時は26人、令和3年度現在は17人が加入しています。
 平成28年には介護人材の確保に関する現状及び課題の抽出、原因の分析並びに解決策を考案し、平成29年には具体的な方法について議論を重ねた上で、各事業の詳細な企画・立案作業を行ったそうです。それをもとに伊丹市では、ハローワークと連携してマッチングを行う介護コンシェルジュの配置、介護現場におけるハラスメント防止など、現場に即した取組を行っています。

 そこで質問ですが・・後期高齢者人口が激増するこれからの時代に備え、柏崎市においても介護人材確保のための、官民連携プロジェクトチームをつくってはどうかと考えます。そして、必要とされる介護職員の総数を把握し、新規獲得や職場定着の課題、現場が真に求める施策について検証し、戦略的な人材確保の取組につなげていただきたいと思いますが、見解を伺います。

福祉保健部長

 介護サービスのニーズは今後も増加する見込みであり、これに伴って介護職員の必要人数も増え、人材が一層不足するとの推計がなされていることは、議員からお話があった通りでございます。
また人口減少・少子高齢化が進む中で、人材不足は介護現場だけでなく、医療・子育てなど色々な分野で厳しい状況にあることは、議員もご承知のところと思います。

 市としましても、それぞれの分野で人材を確保するために、様々な支援に取り組んでおりますが、介護分野においては事業所意向調査や事業所より直接聞き取るなど、実態を把握した上で、人材確保・育成策の検討を重ね、実施してまいりました。

 夜勤対応者補助金や資格取得支援補助金は、令和元(22019)年度から新しい支援策として取り組んでおり、事業者からは夜勤帯での勤務を希望する職員が増えた、スキルアップに役立っているとのお話を伺っております。

 さらに今年度からは障害者施設も含めて、採用に関するHPの作成や合同説明会に参加するための補助を新たに創設し、求職者の増加につながるよう支援を行っています。

 不足する職員数については事業所調査や聞き取りなどにより、把握に努めているところであり、その中で職員不足から入居者を受け入れられずにいた特別養護老人ホームの空きベッド数も、昨年同時期の約50床から約20床へと30床ほど、解消されていることを確認しております。このことは介護事業所のご努力はもちろんのこと、人材確保の取組の効果の表れと受け止めております。

 議員からは官民連携のプロジェクトチームをつくって戦略的に取り組んではどうか、とのご提案ですが、これまでも現場の声を様々な機会をとらえてお聞きする中で、その課題を解決またはその支援となる施策を検討し、すでに附属機関として設置しています介護保険運営協議会でご意見をお聞きするなどしながら、実施してきております。

 戦略的に取り組むことは重要ですが、介護現場の職員の皆様の負担を考えると、プロジェクトチームではなく現在の対応の中で、より多くの事業者の意見を丁寧に聞きながら、施策に反映することで効果的な人材確保の取組を進めていきたいと考えております。

近藤
 今ご答弁をいただき、つまるところは現状維持のままやっていくことを伺いました。ですが今後、要介護者が増えていくという非常に厳しい状況についてもお考えいただいた上で、もし民=事業者から人を呼べないというのであれば、庁内の連携を深めて、これまでよりも厳しい状況になるという危機感を持っていただきたいと思います。

次の質問は
(2)介護従事者へのエールをかたちに です。

 11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」では、看護、介護、保育などの現場で働く方々の収入引上げを含め、全ての職員を対象に公的価格の在り方を抜本的に見直す方針を打ち出しました。
 介護・福祉施設職員については、収入の約3%にあたる月額 9,000 円引き上げるための措置を、来年2月から前倒しで実施するとしていますが、介護従事者全般が等しく対象になるかどうかは不明です。

 介護現場は、直接、利用者の身の回りの世話をする介護員の他、看護師、介護支援専門員、生活相談員、機能訓練員、事務員、栄養士、調理員、運転員等、多くの職種によって支えられています。
 それぞれ必要な介護人材として、専門性を持って利用者に関わっていますが、支援策の対象となる職種は限定的です。
 柏崎市では、介護人材への支援策の対象となるのは、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士、初任者研修修了者、実務者研修修了者です。また看護師が介護施設に就職すれば、看護師就職助成金の対象となりますが、それ以外の職種は支援の対象から外れます。

 例えば介護施設で働く調理員は、早朝からほぼノンストップで働き、衛生面・安全面に配慮しながら、嚥下食など繊細かつ複雑な技術を要する食事を毎日作ります。利用者の喜びと延命につながる重要な仕事ですが、労働対価は低く、待遇も良いとは言えず、支援策の対象にもなりません。
 その他の専門職も大抵ギリギリの人数で現場をまわしている状況であり、新型コロナウイルス感染症対策も加わり、かなり疲弊しています。

 そこで質問ですが、こうした実態を踏まえ、介護従事者全般に対する「エール=応援」を形にする施策展開を行ってはどうかと考えます。
具体策として「介護従事者パスポート制度(仮)」の創設を提案します。これは県が行う「にいがた消防団員サポート制度」や本市の「柏崎ファンクラブ」会員特典のように、柏崎市内の介護施設・事業所で働く職員にパスポートを発行し、協力店舗や施設を募り、利用時にパスポートを提示すれば、割引サービスや優遇措置を受けられるものです。

 職種を問わずに対象とすれば、これまで公的支援が届かなかった方々にも光が当たります。また協力店舗等はステッカー掲示、市のHP掲載により利用促進が期待できます。特に高柳じょんのび村は仕事の疲れを癒せる、優れた保養施設であり、ぜひ協力施設となっていただきたいところです。そしてパスポートを「通し番号」で管理すれば、市内の介護従事者人数を把握できます。

 このように「介護従事者を応援するまち・柏崎」として、介護現場で働く方々の離職防止やモチベーションアップを図っていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。

市長
 まずエールをかたちに、ということで、言葉は形ではないわけでございますが、日頃から近藤議員がばんたび介護従事者の立場に立ってご質問いただいておりますこと、また介護従事者の方々がコロナ禍で今まで以上にご苦労をされて、入所されている方、またそのご家族の方へのお気遣い、体力的な消耗も含めてご尽力いただいていることに、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 新型コロナウイルス感染症に細心の注意を払いながら、日夜介護の現場で頑張っていただいている皆様であります。近藤議員からは、感謝の気持ちを言葉だけでなくて、仮称・介護従事者パスポート制度という形で表してはどうかとのご提案でございます。

 色々な形で感謝の気持ちを表すことはできると思いますが、議員からお話がありましたように、介護現場では様々な職種の方が、異なる勤務形態でお勤めいただいており、利用者の皆さんを支援していただいていることは承知しております。

 そうした方々のいずれが欠けても、その運営に支障を来すことになるわけですから、事業所としてもこうした様々な人材の確保に、ご尽力いただいておるところでございます。

 市が行っております支援策のうち、就職支援事業補助金はご本人への直接補助でございますけれど、夜勤対応者の補助金や資格取得支援補助金は、事業者に対する補助をしております。補助対象となる職種は限定されますけれども、それぞれの支援を行うことで、間接的に事業者全体の支援にもつながるという風に考えております。

 先ほど福祉保健部長の方からご答弁申し上げましたように、例えば夜勤対応の補助金をやらせていただいたということを含めて、特別養護老人ホームで、(ベッドが)余っているんだけれども入れない、という方々を少しでも改善したいということで、先ほどご紹介させていただきました。

 1年ほど前、50床ほど余っていた特養のベッド数が、20床から30床になった、つまり30人~20人の方々が新たに特別養護老人ホームにお入りいただくことができた、もちろん特養に入ることがご本人にとっていいことなのかどうか、ということはわかりません。

 しかし、いつも申し上げることですけれども、ご家族にとってみれば一定のご負担を軽減することになるんだろうと思っておりますので、特養の空いているベッド数が減ったということは、行政としてはいいことだと思っています。

 そういったことも含めて、今まで私どももいくつかの事業を行いながら、介護に関わる方々を応援してきたつもりでございます。

 今、近藤議員からご提案いただいたパスポート制度でございますけれど、公的な支援が届かない方々にも光が当たるというお話がございましたけれども、光が当たらない、もしくは光を当てなければならない分野というのは、介護に関わらず、医療の分野や子育ての分野など多岐に渡っています。例えば保育士の方からも非常にお声をいただいております。医療に関してもそうですし、学校の現場からもお声がかかっているところでございます。

 それぞれの分野で市として色々な支援をさせていただいており、特に先ほど申し上げましたように、介護の分野では事業峻別で捻出した財源を充てて、夜勤対応者補助金など、約5000万円余りを一般財源として投じているということは、他の自治体にはない、かなりの規模の応援・支援だとご理解賜りたいと思っております。

 こうしたことから、介護従事者パスポート制度は、市内施設の利用促進につながる点も含めて、貴重なご意見としてお伺いしますけれども、現時点ではこういった制度を創設することよりも、より直接的に介護に関わる事業者の方々に対して、応援をさせていただくこと、また何よりも不足している人材を確保する、そういったことにお手伝いさせていただくことが、いちばんのエールであると考えるところでございます。

近藤
 今、市内の介護人材の採用状況も伺い、特別養護老人ホームについては改善されているということですが、根本的に人が足りているわけではなく、また、このまま行けば確実に、介護を必要とする方が、必要なサービスを受けられない時代がやって来ます。そこを何とかしたいということで、今回提案させていただきましたが、これがダメだったとしても、また様々な調査・研究をしながら、あきらめずに提案していきたいと思います。

さて、本項目の最後に、私がこれまで行ってきた介護人材育成に関する一般質問の答弁も踏まえ、

(3)介護学習とキャリア教育の連動  について伺います。

 令和元年9月の一般質問で「教育現場における理解促進、人材育成について」伺った際、教育長からは「キャリア教育や総合的な学習の時間等において、介護の仕事や高齢者への理解促進を図っている」とのご答弁をいただきました。また学習指導要領の改訂に伴い、今年度にあたる令和3年度から中学・高校の技術家庭の授業で、「介護など高齢者との関わり方」を学ぶことにも言及されています。

 中学校学習指導要領の解説では、【高齢者は視力や体力、筋力が低下していることを踏まえて関わる必要があると理解し、介護については立ち上がりや歩行などの介助について学ぶこと】、また【中学校での学習内容を、高等学校家庭科で学ぶ高齢者の介護につなげること】が目標とされています。

 また指導にあたっては、【介護の基礎に関する体験的な活動を通して、実感しながら理解を深める。例えば生徒同士がペアを組み、立ち上がりや歩行の介助を体験し、介助される側の気持ちや必要な配慮について話し合う活動や、高齢者介護の専門家から話を聞く活動、さらに、他教科等の学習における体験と関連付けることも考えられる】としています。

 昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大により、当初目指していた指導方法は難しいかもしれなませんが、高齢者の特徴や介護の手法を授業で学ぶことは、将来の介護人材育成のための第一歩となります。

 また令和2年2月定例会議では「若い力を介護現場へ」という一般質問を行い、市長からは「若手介護職員が小・中学校へ出向いて講話をする機会を設けるなど、新しい試みも今後行いたい」とのご答弁をいただきました。しかしこちらもその後のコロナ禍により、中々そういった機会を持てなかったのではないかと思います。

 そこで質問ですが、コロナ禍の影響もある中で、柏崎市内の中学校ではどのように「介護など高齢者との関わり方」を指導していくか。また従来のキャリア教育等とも連動し、講師として市内の現職・介護職員を活用する予定・実績があるか、お聞かせください

教育長

 コロナ禍にございました昨年度と今年度は、高齢者との関わりから学ぶ職場体験や講演会を、中止せざるを得ない状況もございました。非常に(中止が)多かったと思います。いわゆる学校以外の方々との接触が非常に難しい状況でした。
 そのような中でも学習指導要領の改訂を受け、高齢者疑似体験セットや、車いすなどを借用して、高齢者の身体的特徴を、実感を伴って理解をしたり、必要な介助について考え、実践したりする学習を行った中学校が、11校中6校ございました。

 また介護施設で職場体験を実施した学校が1校、こういった中でもございました。現職の介護職員から直接お話を伺って、学んだ学校が7校ありました。そのうち1校で実施されたものは、介護高齢課が提案した高齢者の人生に寄り添う支援や、介護職のイメージアップを目的とした出前授業を取り入れたものでございます。

 尚、鏡ヶ沖中学校が、新潟県中学校教育研究会(中教研)で2年間の技術家庭科指定研究を受けまして、高齢者との関わりをテーマに、実践を積み重ねております。
 指定研究1年目の今年度は、去る11月18日にこの授業を行いました。そこでは柏崎市社会福祉協議会や、新潟工科大学、企業等々と連携し、高齢者の身体状況を踏まえた介助の方法の学習に加え、総合的な学習とも関連させ、安全安心な住居を考える学習も行いました。この学習は高齢者との関りを多角的に考えたものです。

 これらの取組を他の中学校にも発信し、介護学習とキャリア教育を効果的に連動させ、高齢者との関りについて、生徒の学びの充実につなげてまいりたいと考えております。

近藤

 今ご答弁いただき、コロナ禍の中でも、学習指導要領とキャリア教育の連動をしながら、少しずつでも市内の中学校でそういった取組がされたことをお聞きして、安心したところです。ご答弁にもありましたように、この先も他の中学校にも広げていただきたいと思います。

 中学生は進路選択が具体化する時期であり、そこでの働きかけは将来に大きく影響します。今後は高校との連動なども視野に入れながら、若い方々から介護の仕事を知っていただく機会、高齢者のことを理解していただく機会を、さらに広めていただきたいと思います。

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2021年12月 6日 (月)

令和3年12月定例会議スタート

12月6日~柏崎市議会令和3年12月定例会議が始まりました。

先月、新しい会派に異動 した為、議席番号9番となりました(以前は6番)。

今回、市長当局から附託された議案は以下のものです。

■令和3(2021)年度一般会計補正予算(第19号)
■犯罪被害者等支援条例
■国民健康保険条例の一部を改正する条例
■市立保育所条例の一部を改正する条例
■特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
■企業振興条例の全部を改正する条例
■手数料条例の一部を改正する条例
■令和3(2021)年度一般会計補正予算(第20号)
■令和3(2021)年度国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)
■令和3(2021)年度介護保険特別会計補正予算(第3号)
■令和3(2021)年度下水道事業会計補正予算(第3号)
■柏崎市第五次総合計画基本構想及び基本計画の施策の体系の変更について
■柏崎市過疎地域持続的発展計画の制定について
■公の施設の指定管理者の指定について(新潟県立こども自然王国)
■公の施設の指定管理者の指定について(文化会館アルフォーレ)
■公の施設の指定管理者の指定について(海洋センター)
■公の施設の指定管理者の指定について(家族旅行村)
■財産の譲与について(建物)
■字の変更について(五日市・内方地区)
■市道路線の認定について

令和3(2021)年度一般会計補正予算(第19号)だけは委員会に附託せず即日採決でした。

子育て世帯への臨時特別給付金給付事業 574,821,000円(全額国補助金)
・子育て世帯への臨時特別給付金給付事業費 568,000,000円
・子育て世帯への臨時特別給付金給付事務費 6,821,000円
(説明)
国が令和3年11月19日に閣議決定したコロナ克服・新時代開拓のための経済対策として、0歳から高校3年生までの給付対象者一人当たり5万円を臨時特別の一時金として給付するために必要な給付費と事務費を措置いたしたいもの。
給付対象者は、11,360人を見込むが、給付対象者のうち児童手当受給世帯は、児童手当の仕組みを活用して申請を不要とすることにより、12月27日から支給を開始する予定。
また、申請が必要となる高校生などの世帯については、資格審査を行ったうえで、随時、支給手続を行う予定でありますが、申請手続を12月中旬から開始する予定であり、支給は1月になる見込み。

Q1、今年10月末の18歳以下人口は11,040人、3月末までに生まれた子どもを含むと解釈。世帯主の所得制限960万円以上は対象とならないとされているが本市において対象児童の状況はどうか。
A1、現時点で中学生以下9260人 高校生以下2100人。中学生以下の人数に安全率1.1倍を掛け児童数を算出。対象外人数の算出は行っていない。これから資格審査を行う。

Q2、15歳以下は児童手当の仕組を使い、16~18歳は申請とのことだが、15歳以下と16~18歳児童が重複する家庭に対する支給はどのように行うか。
A2、中学生以下と高校生がいる世帯については、システム改修を行い児童手当の仕組みを用いて支給。高校生のみは申請、資格審査を経て支給する。

Q3、DV等により別居している家庭に対する配慮は。
A3、デリケートな問題だが児童の看護者に対して支給する。

(討論はなく全会一致で可決)

これ以外の議案は常任委員会に附託されます。

また今回は星野正仁議員及び若井恵子議員によって提出された

平成30(2018)年3月6日付け議員倫理審査請求に係る倫理審査会の審査結果に対する名誉回復措置願い

に係る協議結果の報告がなされました。

荒城彦一議員が反対討論を行いましたが、その後の採決では賛成多数により2議員の名誉回復措置が決定しました。

本会議終了後は常任委員会作業部会、午後からは原発特別委員会の中間報告が行われました。

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2021年11月28日 (日)

ヤングケアラー講演会

11月28日、柏崎市主催の児童虐待防止講演会・人権講演会を聴講しました。
今回のテーマは
ヤングケアラー問題をどう捉え、どのように向き合っていくか

講師は持田恭子 様 (一社ケアラーアクションネットワーク協会代表理事)

ご両親の介護、ダウン症のお兄さんのケアを行ってきた「ヤングケアラー当事者」としての経験をお持ちであり、2018年、ケアラーアクションネットワークCANを設立。1700人以上のケアラーと対話してこられたそうです。

以下は講演メモです。
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◆ヤングケアラーとは

若い世代で家族のケアをしている子ども・若者の総称。大人が子どもを定義づけたりレッテル貼るために使われる言葉ではない。
日本では児童福祉法のもと、子どもの人権が保障され、対策が講じられているがヤングケアラーは法の網目から少し漏れている。
そのため総称としてヤングケアラーと呼ぶ。
これまで子どもが声を上げることがなかった。
人権を守る範囲を広げるという意味で、ヤングケアラーという総称を捉えていただき、何をすればどんな未来になるのか考えていきたい。

◆ヤングケアラーの人権を守るには・・

1,メンタルヘルスを整える
2,ウェルビーイング(身体的、社会的に満たされた状態)を高める。

大人が子どもをサポートすることが、大きな意味での取り組み。
ケア、介護等の負担をなくす、解消することを目的にするのではない。「必要であれば」法的支援として介入。

国の動き(今年11月)5回の有識者会議を行った。

◆ヤングケアラー支援体制強化事業【新規】

目的:ヤングケアラーが学業や部活や友達付き合いができなくなるまでケアを引き受けすぎないようにする。

対策:相談窓口の設置、公的支援サービスの導入、ピアサポート相談支援の財政支援、オンラインサロンへの財政支援、診療報酬の改定
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー配置時間の拡充。

多職種連携
公的支援の介入

目に見える介護には機能する

ヤングケアラーは介護を優先するあまり
・進学できない
・就職できない
・生活困窮
・健康が脅かされる

子どもはどう思っているのか?

◆ヤングケアラー(子ども)の心理
・世話は生活の一部
・家族の役に立っている
・家族が好きで世話をしたい
・家族の世話をしたくない(不満、暴力、虐待を受けている場合)、精神的に弱っている
・解決を望んでいない
  ↓
みんなはどうしているか知りたい

家族のことは好きだけど
家族との生活は変えたくないけれど
ストレスはたまっている
*一見矛盾しているようだが実は自然な感情

◆なぜ子どもがケア役割を引き受けるのか?(*イギリス研究者の論文より一部引用。)

ケアすることには多様な理由がある。

家族の中にケアを必要とする人がいる場合、
子どもは、ひとりで、あるいは主たる介護者となってケア役割を引き受けるか、
ほかの大人や兄弟姉妹が行っている介助は世話を手伝ったりしている。

・自発的に「ケアを引き受ける」ことを選択する子どもがいる(率先、積極的に引き受けるケース)
・家族の中で「一番動ける存在」として指名される子どもがいる(親、周囲の大人から「あなたしか頼れない」と言われる、若くて体力があり頼られる)
・家族が、子どもにケアを引き受けるように要求することもある(一部だが無自覚のことが多い。「お兄ちゃんなんだから・・」と指名される)

*家のことは誰にも言ってはいけない、と刷り込まれる子どももいる(非公式の世話)。

・障がいある子の世話をしている親が鬱状態になり、障がいのない子どもが世話をしなければならないケースもある。

無意識にケアを引き受けるため、「困っている」認識がない。
慣れてしまって、大したことないと受け止める。

誰かの助けは必要ないと、きっぱり断る子もいる・・

◆不適切と思われるレベルのケアに繋がる要因

1,家族の構造
2,病気や障害の性質とケアの必要性
3,公的支援の提供

◆日本ではどうなっているのか?

1,家族の構造
・ケアを担える大人がいない。ひとり親家庭など。(病気で働けない22.2%:もしかしたら子どもがケア?)
・夫婦共働きなので子どもが家族をケアする(両親が早朝家を出て遅くまで戻らない。夕方ケアすることが多い。)
・病気や障害のある家族が複数いる。(精神疾患ある母の話し相手になる、病気の親に代わり家事を引き受ける等)
・親に疾患や障害があり、子どもへの影響が理解できない。

年下の兄弟の世話をするだけでなく、年上の兄や姉の世話をすることも知ってほしい。
私(持田氏)にもダウン症、知的障害ある兄がいる。小学生の時は姉のように振舞っていた。
両親からの期待もあり、率先して世話をしていた。

2,病気や障害の性質とケアの必要性

・病気や障害の状態が安定しているか?
・病気や障害の状態が管理されているか?
・病気や障害が退行性であるか?
・病気や障害が定期的に発症するものか?

■病気の発症の進行スピード
■病気や障害の診断と受容におけるタイムラグ(知らされていない、親が自分の病気や障害に気付いていない)
■病気や障害のある人が、助けを求めることを選択したかどうか
■病気や障害のある人が、子どもが行っているケアのレベルを認識しているかどうか。

多くの場合、第三者の助けをあまり求めていない。
ケアは増えていくが、家族は必要としない・・ギャップ

3,公的支援の提供

国:公的支援サービスが提供されていない家族に、「適切な」公的支援を導入する
 ↓
サービスが提供されていても、効果的に機能していない
提供頻度が少ない場合がある
 ↓
家族は、自分達がどのような公的サービスを必要としているのかを知らないことがある

多くの人々が医療・福祉の仕組みを知らない。

入院患者が退院時、ヤングケアラーがいると判断されたら、ソーシャルワーカー介入に診療報酬を検討。
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの時間を拡充。

◆公的支援が導入できない背景
 ↓
・家族が申請しないと公的支援の必要性がわからない。
・公的支援の受給資格があるかわからない。

◆公的支援を望まない・・なぜ?
・支援自体を知らない。
・見知らぬ人に家庭に入ってほしくない。
・第三者からの支援を期待していない(過去にたらい回しの経験あり)。
・比較されて傷付いた経験がある(親の会などで比べられ、理解されない)。
・家族に公的支援が必要だと思わない。
・助けを求めたら家族と引き離されるのではないかとの不安。

◆目線を変えてみたら?
・10代の子にとって大人はどう見える?
→専門職との関わりは難しく感じる。

◆ケアの認識
・ヤングケアラーの子供たちは自分がやっていることがケアだと認識していない。
・情報不足:助けが得られることに気付かない。
・自分がケアしている認識に乏しい。
★子どもは見知らぬ人に相談しない。
 まず自分の家族の状況を伝えるところから・・

◆当事者(子ども達)の声
・ヤングケアラー相談窓口には「絶対に電話したくない」
・相談することはハードルが高い。
*もし「大変だね」で終わったら?
*家族と自分が引き離されたら?
相談できずに、危機的状況までケアし続ける。

◆ヤングケアラーへの情報提供
・例えば世話をしている障がいを持つ兄弟がパニック状態になった時・・
・誰もその状態について教えてくれないと、自分の中で何が起きているか推察、「自分のせい?」と思う。
年齢に応じてわかるように説明すべき。子どもは敏感。わかっている、わかろうとする。

ヤングケアラーだけでなく、ケアを必要とする人の希望も聞く。

◆お手伝いとケアの違いは?

①個人的影響:子どもの生活
・小・中・高~と学年が上がるにつれて役割が増えていく。
・子どもが「大丈夫」と言ったとしても、しっかり様子を見る。

②社会的影響:他者との関係
・先生、友達との関係性(子どもにとって社会=学校)
・家のことは見せられない、わかってもらえないとの意識ある。

③教育発達への影響:学業や部活
・学業や部活ができない。

お手伝いとケアの判別は難しい。
日本は子どもが家族の世話をすることを賞賛されてきた。

◆最も大切なのは、子どもの声を聴くこと。
・自分もヤングケアラーかもしれない。
・重たい介護はしていないから、ヤングケアラーと名乗ってはいけない。
・自分で決めて世話しているので、ヤングケアラーと名乗ってはいけない。

◆なぜ相談しない?
→自分がどうしたいか言葉にする機会が少ない。
「どうしてほしい?」と聞かれても答えられない。

他者=友達:「大変だね」と言われ雰囲気が重くなる。
学校=先生:家の中のことには踏み込まれないだろう。

スクールカウンセラー:「自分を変えろ」と言われる。
=他人事のように扱われ、「自分の気持ちは専門家にもわからない」・・

スクールカウンセラーは、目の前にいるその子を何とかしたい。
でも子どもは家族のことを相談したい。

家族のケアをしたことがないと、カウンセラーもイメージできない。
子どもはすぐ察知する。「この人はわかってくれない」

◆ヤングケアラー当事者(女子高生)の声(動画紹介)
・精神疾患の母の世話をしている。
・先生には疾患についての知識を持ってほしい→どんな生活?どんなケア?
・生徒がいつもと違う雰囲気→「最近どう?」と声を掛けてほしい。
・ケア対象のことをむやみに聞かれ、「大変でしょ」と価値観を押し付けられると嫌な気持ちになる。
・自然に話してほしい。
・ヤングケアラーについてのアンケート調査は紙媒体だと、すぐに書き終える他の子の目が気になり、正確に記入できない。スマホ、ネットで回答できるようにしてほしい。(国のヤングケアラー全国調査は紙媒体→正確に把握されていないのでは?)
・スクールカウンセラーに相談する場合、担任に言わなければならず、授業も欠席しなければならない。
(ハードルが高く、相談に結びつかない)

◆子どもが本当に望むことは何か?
・どのような状況なのか話したい。ありのまま受け止めてほしい。
・大人が勝手に解釈するのはNG→二度と話さなくなる。
・自分で気が付く機会が乏しい。

◆家族へのケア
・子どもを抜きにした支援計画を立てないよう注意。
「これなら子どもの時間をつくれるに違いない」はNG。必ず子どもの声を聴く
・テレビのイメージ:暗い部屋で母の世話をしている。→当事者は「電気をつければいいのに」演出が響かない。

◆感情的な影響
・矛盾の感情:公的支援を入れてもなくならない。
・十分な説明が必要。
・子どもはまだ経験や情報が足りない。
・ヤングケアラーは長期に渡り「あちらを立てればこちらが立たない」状態。

ヤングケアラーはライフチャンスの制限が課題とされているが、ライフスキルを獲得できるという利点もある。

◆ヤングケアラー 6つのライフスキル
 ①思いやり ②思慮深さ ③決断力 ④虚しさ ⑤理解力 ⑥寛容さ

親の人権とニーズへの配慮(先進国イギリスでの課題)
・養育能力が乏しいのか?
・親は何を必要とする?

◆ヤングケアラー支援の注意点
・家族のニーズに沿っているか?
・家族丸ごと支援が必要。

◆子どもの声を聴く3つのポイント
①子どもの捉え方、見え方、意見を尊重。今の声をそのまま受け止める。
②家族全員のニーズを考える。
③子どもに考える時間を十分与える。

◆家族丸ごと支援
・家族への効果的な公的支援
・子どもが何を必要としているかを知る相談力
・家族全員へのコンサル
・ニーズを把握する
・子どもは家族の世話をしたいか
・世話をしたいならどんなサポートが必要か

◆きょうだいヤングケアラー
・親から注意を払われない
・家族の否定
・前向きになれない
・親と同じにできない
・親代わりになってしまう
・ファミリーレジャーの経験ができない

社会には子どもを希望に向かわせる義務がある。
①家族 ②ヤングケアラー本人 ③周囲 への働きかけが重要。

一般社団法人ケアラーアクションネットワーク【CAN】 

◆ヤングケアラーズ探求プログラム(参加費無料)
・ヤングケアラー同士のオンライン交流。
・ヤングケアラーだった大学生がボランティアで参加。
・つらい時、自分の感情とうまく付き合う方法を知る。
・心を許し、好きなことの話をして、笑うことができる。
・自分だけじゃない。ヤングケアラーの自分を肯定。
・打ち明ける勇気につながる。

◆ヤングケアラー短編映画
「陽菜(ひな)の世界」
・きょうだいヤングケアラーがヒロイン。
・誤解や偏見のない世界・社会を目指したい。
・出演者「ヤングケアラーを見る目が変わった」
・学校~自治体の連携を求めたい。

◆ヤングケアラーをチェンジメーカーに
・家庭や学校で教わらない障害や難病や疾患への対処法を知っている。
・正しい知識を学び、考え方や振る舞い方が変わると、身近に理解者が増える。
・社会からの誤解や偏見が減る。

<質疑>
Q1、6年ほど関わった子どもがヤングケアラーだった。介入した結果、中学生の今はケアしていた母親と離れて暮らしている。支援が間違っていたのだろうかと自問自答している。
A1、同じ状況の子と関わったことがある。子ども自身の話を聞こうとしても大人や専門職には心を開かない。ケアラー同士がつながり孤立を防ぐ仲間づくりが大切。探求プログラムをぜひ紹介してほしい。

Q2、地域の社会福祉法人だが、どんな関わり方ができるか?
A2、ゲームや遊びなどを通して、楽しい雰囲気で関わるようにする。同じ目標を定めて一緒にやっていくことが大切。

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ヤングケアラーについては令和3年6月の一般質問 でも取り上げていることもあり、関心の高い問題ですが、今回の講演ではかなり具体的な内容に触れられていました。

またヤングケアラーを否定的に捉えるだけでなく、「人の心・痛みがわかる存在」として肯定している点も、非常に印象的でした。

貴重なご講演をいただいた持田恭子様には、心から敬意と感謝を表します。ありがとうございました。

子ども・若者たちが健やかに育ち、希望を持って人生を歩めるよう、取り組んでいきたいと思います。

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